おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は高安まちまちな展開となり、ダウ平均は4万2969(+38)に続伸し、ナスダック指数は1万7948(−65)に反落、S&P500市場も5702(−11)に小反落して引けています。前日にはダウ平均とS&P500市場が史上最高値を更新し、週末要因と高値警戒からの利益確定の売りものに押される展開となった模様です。一方で、FRBの利下げや来年にかけての追加の利下げ、さらにリセッション(景気後退)なく、ソフトランディング(経済の軟着陸)期待の広がりが株価をサポートしているようです。今後の景気指標次第でしょうが、市場はやや前のめりで追加の利下げを織り込む楽観的な見通しを立てているようですが、当のFRBはインフレ指標と雇用指標を見極めながら慎重に金融政策を練るものと推測されます。

為替市場では日銀の金融政策決定会合は予想通りに政策金利を0.25%に据え置き、植田総裁の会見に注目が集まりました。会合以前には幾人かの日銀幹部が追加利上げに意欲を示す発言が相次ぎ、総裁も経済と物価見通しが実現すれば、利上げを継続する姿勢を示すと発言する一方で、円安の修正で輸入物価の上振れリスクが和らぎ、政策判断に時間的余裕ができたと発言しました。米国経済の不透明感も指摘し、市場は追加利上げに慎重との受け止めから円売り優勢の展開となり、欧州時間の終盤には2週間ぶりに144円台に乗せ、米国時間では一時144円50銭に接近する水準まで円安が進行し、週の終値も143円90銭前後となりました。月内には自民党の新総裁が決定し10月には新しい日本の首相が決定します。次期首相の経済政策ともすり合わせすることになります。

ユーロは1.116ドルとほぼ前日並みの水準、ドル指数は前日の100.63から100.79ポイントに小反発しています。米10年債利回りは同3.71%から3.74%に小幅に上昇しています。来週は週末の個人消費支出(PCE)や、消費者信頼感指数等が注目され、今後の利下げ動向への思惑に左右されることになります。

【石油市況】
原油は71.00ドル(−0.16)に小反落して引けています。先週は一時65ドル台の年初来安値を更新する場面も見られましたが、その後は下落による反動高の展開となり、今週はFRBの大幅利下げから一段上値を追う展開となり、週末にはポジション調整の売り物に押さえられる動きとなりました。

【貴金属市況】
前日に史上最高値を更新した金は、アジア、欧州、そして米国時間にかけてじりじりと上値を追う展開となり2646.2ドル(+31.5)に3日続伸して引けています。今週はようやくFRBの引き締め政策が終焉し、金利のつかない金にとっては今後の利下げ期間は終始フォローの風が吹くことになります。また、イスラエルによるレバノンへの空爆にみられるように、世界的な地政学上のリスクが継続する市場環境も安全資産として金を維持することになりそうです。週明けの円換算値は12160円前後になります。

良い連休をお過ごしください!(尚、週明けの23日は祝日取引があります)