おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は本日も調整局面が続き、ダウ平均は3万7775ドル(+22)に小反発も、ナスダック指数は1万5061(−81)に、S&P500 市場も5011(−11)に5日続落するリスク回避の展開となっています。NY連銀ウィリアムズ総裁(副議長)は「利下げの緊急性は感じていない!」と発言、このところ他のFRBメンバー同様に利下げに対する慎重な姿勢を示しています。前日の上昇一服の長期金利が再び上昇に転じ、市場心理を冷やす役目が続いています。

為替以上では、ドル円は前日東京時間に一時153円95銭まで円を買い戻す展開となり、神田財務官による「2017年5月のG7では、為替の過度な変動が経済に悪影響を与えるとの認識が再確認された」発言から円を買い戻す動きが見られたものの、その後は再びドルを買い戻す動きが強まり154円55銭前後に戻しています。ユーロも1.064ドルに続落して、ドル指数は前日の105.9から106.1ポイントに再び反発し、米10年債利回りも同4.58%から4.63%に上昇しています。

日本円は米ドルに対しての円安は継続していますが、クロス円(対ユーロ&対ポンド)ではそれほどでなく、現在の円安はドルが強いことが大元にあることが背景にあり、決して投機筋の動きに限られたことではないように思われます。日銀緒単独介入の可能性は今後高まるものと思われますが、米国や韓国との協調介入は不可能に思われ、単独介入ではあればドル安局面では投機筋の買い場を提供するものと推測されます。

【石油市況】
イスラエルによるイランへの報復攻撃がまだ見られない状況が続き、原油相場は方向感に欠ける展開が続き82.73ドル(+0.04)に4日ぶりに下げ止まるも、反発力の鈍い展開を強いられています。株式市場の下落も原油市場への資金流入を拒み、益出しの出やすい市場環境に頭を押さえられているようです。最も、有事に備えて売る込むことも控えられ仕掛けにくい状況のようです。

【貴金属市況】
原油市況が冴えないなかで一人気を吐く金相場、中東の緊張がやや薄れる市場環境にも関わらず堅調な推移を維持し2398.0ドル(+9.6)に反発し、ドル高や長期金利上昇の重石も逆風のなかでも史上最高値圏で推移しています。金相場が史上最高値圏を維持できている理由付けは難しいのですが、物価の沈静化の見られないインフレヘッジ・リスク商品である株式のヘッジ・地政学上のリスクヘッジ・世界的な中銀・個人投資家による金のニーズの高まり等、買う口実にも事欠かない状況です。本日の円換算は11830円前後になります。