おはようございます

昨日の昼過ぎに日銀のサプライズに為替・株式・商品市場が乱高下、異例のマイナス金利に市場の評価が割れました。日本時間から欧米市場を経由して地球一周して土曜日の朝を迎えると、ドル円は121円台前半に円安・ドル高が進行し
て、ダウは300ドル前後上昇していることから金融市場では概ね日銀の政策を高評価したものと推測されます。国債を年間80兆円購入する現在の量的政策に加えて、マイナス金利という質的緩和を追加したことになります。

「マイナス金利」は民間銀行が日銀に預ける当座預金に課されるもので、現在は0.1%の金利が付きますが今後は0.1%の金利を銀行が負担することになり、企業や個人向けの融資を増やすという政策です。特例として現在の預け入れ金は免除されますが、借り手がなく融資に苦慮する銀行への負担が考えられます。欧州では既に欧州中銀(ECB)やスウェーデンやデンマークの中銀が採用していて、通貨安の防衛には一定の効果が見られますが、実体経済の働きかけは現状ではその効果を疑問視する見方もあり今回の日銀の決定も今後の影響を見守ることになります。

効果は疑問視されるものの、円安・株高の反応を一先ず勝ち取ったことから一定程度の日銀への評価は高まることになります。ある意味で市場との対話に黒田日銀は成功したものと受け止められます。

商品市場では原油や金などはドル高による影響から上値がやや重いものの、日米欧の中銀の金融政策が概ね緩和的と捉えられるポジティブな見方に支えられる動きとなっています。それでも市況への好影響の継続性への疑問もあり、しばらくは市場の動静を見守ることになりそうです。