原油市況は1・2・3月に30ドル前半の綺麗なトリプル底を形成に、今週は株高やドル安の外部環境の改善も手伝いとうとう60ドル台に乗せています。OPECは来週の28日に総会を開きますが、追加の減産は行わないことが関係者の一致した意見となっているようです。30ドル台ではOPEC首脳が代わる代わるに「減産」の口先介入をしたものの、この水準まで持ち直すと内心は「ニンマリ」という面もあるようです。

このところの価格上昇を受けて、内外の大手金融機関やシンクタンクも価格予想を上方修正し、今年の高値予想は概ね65ドル〜85ドルに間に集約されているようです。最も条件面では「世界的な景気回復」を上げないわけにはいかないようで、期待が腰砕けとなった場合は再びネガティブな展開も想定しておく必要もあるでしょう。

さて、米海洋大気局(NOAA)は21日、09年の大西洋ハリケーン・シーズンを予測、平年並みの7つのハリケーンが発生し、うち、トロピカルストーム(熱帯性暴風雨)は9〜14で、うち4〜7がハリケーンに発達し、カテゴリー3以上は1〜3と予想しています。ここ数年は大きな被害をもたらすようなハリケーンの出現はありませんが、世界的な異常気象は続いており「災いは忘れたころにやってくる」のことわざがあるように、日本の台風共々注意が必要です。因みにインド洋ではサイクロンでしたね!

ところで米中西部ではコーンの作付けの真っ只中です。東部のイリノイ州やインディアナ州の作付け遅れが気になるところですが、今週は好転に恵まれており相当のペースで取り戻しているようです。聞くところでは深夜のコーン畑を「無人トラクターが闊歩」しているようで、GPSを駆使した最新の農業では遠隔操作をして人がいなくても、綺麗に隅々まで種を撒いてくれるようです。

一昨年まではコーンは2.3ドル・大豆がせいぜい6ドル強ろいうところ、昨年より価格帯が下げたとは言え4ドルと11ドルの水準は、都市の金融危機などどこ吹く風、農家の懐はまだまだ温かいのです。最先端の農業技術を駆使して金に糸目はつけないのでしょう。羨ましい限りですね!