政権末期症状のことですが、一昨年の11月に再選されたブッシュ大統領は、残る任期を2年8ヶ月も残しながらも支持率低下が目立つ。米CBSテレビの世論調査での支持率は30%となり就任来最低である。イラクのシーア派とスンニ派の衝突が続いており、改めて政府のイラク政策が非難の矢面に立たされている。派遣部隊の撤退も見えなくなり、2000人以上にのぼる米兵の死者が無為なものになりつつある。国連アナン事務総長が米軍の捕虜収容所の閉鎖を求めたことにより、報復として時期事務総長人事にまで米国が口をはさみ、国連をまで我が物に引き込まんとするエゴ丸出しは頂けない。昨日はインド訪問の後、電撃的にアフガニスタンに立ち寄り、中東和平に向けての存在感を保ち、支持率低下に歯止めを掛けようと、なりふりかまわない行動を見せている。

 冷戦終了は民主主義世界に取って大いに歓迎すべきことだったが、一国の超大国を作り出し、自国可愛さのエゴ丸出しは頂けない。ロシアの復権を望むものではないが、国連が正常に機能することを望むものです。

 話が脱線気味となりましたが、ブッシュ大統領の支持率低下の現象は、今後の世界の政情に不安定感をもたらし、米ドルへの不信感増大は商品市場にとっては、潜在的プラス要因として作用することは間違いのないところでしょう。