本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2024年09月

石破政権の経済政策に注目!

おはようございます

石破新総裁は1来月7日に衆院解散、同27日投開票と日経新聞のスクープが出ています。野党との議論を尽くし、解散は急がないと明言していましたが、解散前倒しの動きに出たようです。

週末に石破氏の勝利が確定した瞬間から金融市場では大混乱に陥り、為替は146円だから一気に143円台に、日経平均は900円高で引けた直後には逆にマイナス2000円もの急落、金利の正常化&緊縮財政を押す石破氏の政策を警戒しての逆回転となりました。石破氏として悪いレッテル外しにアベノミクスにも貢献した加藤勝信氏を財務相に据えて、火消しに躍起となっているようです。増税メガネの後継者は国民にとっても金融市場にとっても当然のように迷惑な話し、今後の石破総裁の政策によっては短命政権に陥るリスクも考えられます。

今週もよろしくお願いいたします。

大どんでん返しの総裁選!

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は高安まちまちとなり、ダウ平均は4万2313ドル(+137)に続伸して史上最高値を更新、一方で、ナスダック指数は1万8119(−70)に反落し、S&P500も5738(−7)に小反落して引けています。この日発表された個人消費支出(PCE)は総合(前年比)が前月実績2.5%に対し事前予想2.3%、結果は2.2%、コア指数(エネルギー・食品除く)は同2.6%、2.7%結果は2.7%と概ねインフレの鈍化傾向の継続する内容でした。また、ミシガン大消費者信頼感指数は同69.0.69.0に対し結果は70.1と予想を上回る内容でした。引き続き追加利下げ(11月FOMC0.5%下げ)と、米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待が相場を牽引する展開となっています。

為替相場は自民総裁選を巡り東京時間から大荒れの展開、第1回投票では議員票と党員票共に高市氏がトップとなり、金融緩和+積極財政の高市氏の公約から日経平均は900円を超える上昇、為替も146円50銭に接近する場面も見られました。ところが決選投票では石破氏が勝利(追加利上げ+緊縮財政)し、相場は大きく逆回転しました。ドル円は大きく下落(円は急上昇)し、一夜明けて142円15銭前後で取引終了となりました。ユーロは1.116ドルに小反落し、どるしすうは前日の100.56から100.42ポイントに小幅続落しました。米10年債利回りは同3.79%から3.75%に小幅低下しています。来週は10が入りとなり、週末の10月4日(金)には雇用統計が発表されます。

【石油市況】
原油は今週大きく下落する展開が続きましたが、週末はショートカバー(売り解消)などから小反発して68.18ドル(+0.51)で引けています。OPECの減産が終了に向かい、サウジはシェア奪還の増産に転じるとの見方が嫌気されていますが、今週は中国が景気刺激策を発表したことや、米国経済のソフトランディング期待が下値をサポートしているようです。

【貴金属市況】
原油相場の低調に対して7連騰し、連日の史上最高値を更新中の金は週末を迎えて益出しの売り物の押される展開から2668.1ドル(−26.8)に8営業日ぶりの反落となりました。特段の売り材料はありませんが、連日の高値更新から高値警戒や週末要因が重なった模様です。引け後の時間外はは2680ドル前後に戻す値動きですが、円換算値は昨日の東京時間12603円から12190円前後に後退することになります。

*総裁選の見通しについて、筆者の個人的な見通しは最後の最後で梯子を外された結果となりました。ようやくデフレ脱却から立ち直ろうとする日本経済ですが、財務省の緊縮財政方針に多くの政治家が影響を受けて、岸田政権はステルス増税を含めて財務省の言いなりとなり、国民に重い重税感を実感させることになりました。また、円安は悪と断定し為替介入し、日銀には利上げを催促しました。

財務省は財政悪化に緊縮財政を政治家に訴え、それに呼応した政府は増税路線をひた走っていますが、日本の財政はG7諸国ではカナダに次ぐ健全財政です。日銀等の持つ資産や、外為特会の大きな含み益は無視される状況に、政治家がうまく取り込まれている状況です。今回結果的に敗者になった高市氏は他のメンバー8人とは違い唯一それを理解した政治家で、日銀の利上げの暴走や、緊縮財政を止められる候補として期待していましたが残念な結果となりました。増税メガネの二人目が誕生し、デフレ経済への逆戻りが懸念される状況です!(あくまで個人的な見解です)

良い週末をお過ごしください!

本日は自民党総裁選に注目!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って堅調に引け、ダウ平均は4万4175ドル(+260)に反発し、ナスダック指数は1万8190(+108)に続伸し、S&P500市場は5745(+23)に反発して引き続き史上最高値圏でのリスクオン相場が継続しています。本日は米4−6月期GDPの確報値が発表され、前回3.0%、事前予想2.9%に対して結果は3.0%となり米国経済の底堅さを再確認、新規失業保険申請件数は同21.9万人、22.2万人に対し結果は21.8万人と労働市場も堅調を確認、ソフトランディング期待が広がると同時に、11月FOMCでの0.5%の追加緩和期待も高まっているようです。

為替市場ではドル円は欧州時間では一時145円20銭まで円安が進行も、米国時間入り後は景気指標の好調や利下げ期待にドル売りが優勢の展開となり、144円台に戻り現在144円90銭前後で推移しています。ドル円に関して本日の自民党総裁選が本日の注目点、石破&小泉では株安・円高に、高市では円安・株高の反応となりそうです。ユーロは1.117ドルに反発し、ドル指数は前日の100.9から100.5ポイントに反落しています。米10年債利回りは3.96%とほぼ前日並みの水準です。

【石油市況】
原油は67.67ドル(−2.02)に大幅に続落し、昨年6月以来1年3か月月ぶりの安値水準まで下落しています。利下げによる影響から株価上昇や、他の商品市況が堅調に推移する中で低迷する原油相場ですが、減産延長のOPECが12月より価格重視からシェア拡大の減産幅の縮小となる可能性をロイター通信が伝えたこと、また、そのなかでサウジはバレル100ドルの目標設定を放棄したとも伝えられています。今週は中国の景気刺激策が徐々に評価され、株式市場や一部の商品市況にプラスに作用、また、イスラエルのレバノン(ヒズボラ)への攻撃が激化して本来原油市況にはプラスに作用する材料も、原油市況へは殆ど響かないようです。

【貴金属市況】
連日のように史上最高値を更新している金は、欧州時間にかけて堅調を維持し一時節目の2700ドル台を突破しました。米国時間入り後は強い景気指標が相次ぎ高値から20ドル前後下押すも、その後はドル安背景にじりじりと戻し2694.4ドル(+11.2)と7連騰で引けています。米政策金利は今月最初の利下げに踏み切り、今後のFOMCでも継続的な利下げ局面が続くものと思われ、金市況へは強い後押し要因として今後の影響しそうです。本日の円換算は12480円前後になります。

6連騰の金に死角はあるとすれば!?

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は高安まちまちな展開、ダウ平均は4万1914ドル(−293)に5日ぶりに反落に転じ、ナスダック指数は1万8082(+7)に小幅に3日続伸、S&P500市場は5722(−10)に小反落して引け、引き続き史上最高値圏での値動きとなっています。FRBが年内0.5%から0.75%の追加利下げへの期待や、米国経済のソフトランディング期待が根強く株価の下支え要因として機能をはたしているようです。

為替市場ではドル円は一時145円に迫まる144円80銭台まで上昇(円は上昇)し現在144円60銭前後で推移、ドル相場が全般的に買い戻される展開に加えて、日銀の追加利上げへの慎重姿勢もあり、投機筋の円買いポジションが6週連続続き売り戻しを余儀なくされている内部要因もあるようです。低金利の日本円買い=金利負担発生のポジションを長く持つことは限界もあるようにも見受けられます。ユーロは1.113ドルに反落し、ドル指数は前日の100.3から100.9ポイントに上昇しています。米10年債利回りは同3.73 % から3.79%に上昇しています。

【石油市況】
原油は69.69ドル(−1.87)に急反落して引け、リビアの中銀総裁が決まり、今後リビアからの原油供給が安定的に実行される期待が高まったこと、また、非鉄や金属等は中国の今週の景気刺激策を追い風に上昇が続くも、原油市場では不動産バブルの後始末にはまだ相応の時間を要するとの判断に、今後の中国経済への悲観色は消えないとの見方から売り優勢の展開となっています。

【貴金属市況】
史上最高値圏で推移する金は、本日も堅調を維持して2684.7ドル(+7.7)に6連騰して引けています。本日はドル高と長期金利高の金には逆風の市場環境ですが、利下げ局面が来年にかけても継続し、米大統領選挙でトランプにしろハリスしろどちらが大統領に就任しても、米国の財政赤字が更に膨らむ環境に変化はなく、米国債の格下げリスクも意識させられる面もあるようです。加えて中東有事のエスカレートが示すように、地政学上のリスクは今後も数年以上に渡って続く見通しも金市況を下支え要因と見られます。本日の円換算は12400円前後になります。上昇に死角があるとすれば、8月上旬に見られたように金融不安の台頭による換金売りがそれで、売られ過ぎれば、安値での買い手に事欠くこともなく、再びの上昇トレンド醸成という感じでしょうか。

人民当局が景気刺激策発表

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って続伸し、ダウ平均は4万2208ドル(+83)に4連騰、ナスダック指数は1万8074(+100)に、S&P500市場も5732(+14)に続伸して引けています。アジア時間では中国人民銀行が追加の金融緩和に加えて、不動産や株式市場への支援策を発表し日本を含めたアジア株全般に上昇し、欧州市場から米国市場に株高が波及する流れが継続しました。一方で、中国経済の低迷の根は深く、積極的な財政支出を伴わない支援策では景気回復には不十分との見方もあるようです。本日はコンファレンスボード消費者信頼感指数が発表され、前月実績103.3、事前予想103.9、結果98.7と事前予想を大きく下回りました。ソフトランディング?それとも景気後退?市場では11月FOMCでの追加緩和期待に、受け止め止め方としては前者をより好む楽観的な反応を示しています。

為替市場では日本時間午後に日銀植田総裁の講演が開かれ、前週の日銀会合と同様に「政策判断に時間的な余裕がある」と発言し、夕刻には一時146円65銭前後に円安が進行し、その後はドルの戻りを売る動きが徐々に増し、米国時間に消費者信頼感指数が発表されるとドル安の流れに逆戻りし現在143円15銭前後で推移、ユーロも1.117ドルに反発し、ドル指数は前日の100.9から100.3ポイントに下落しています。米10年債利回りは同3.75%から3.73%に低下しています。フェドウォッチは11月0.25%利下げを6割近くにまで織り込んでいるようです。

【石油市況】
原油は71.56ドル(+1.19)に反発して引け、中国の景気テコ入れ策発表に反応を示したこと、更に米国の追加利下げ期待や株高のリスクオン相場が上昇の支援要因となった模様です。

【貴金属市況】
連日の史上最高値更新の金は一時的に2650ドルを下回る時間帯は見られるものの、割り込んだ水準では明かさず買い拾われる展開、NY時間では消費者信頼感指数が事前予想を下回ったことをきっかけに一段と上昇し2677.0ドル(+24.5)に5連騰して引けています。引け後は一時2689.4ドルと2700ドルに接近する場面も見られ、本日の円換算は12279円前後になります。


複数の連銀総裁が追加緩和示唆!

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY
NY株式市場は3市場揃って小幅高で引け、ダウ平均は4万2124ドル(+61)に3日続伸し、ナスダック指数は1万794(+25)に、S&P500市場も5718(+16)に反発して引けています。FOMCを終えて本日は複数の地区連銀総裁が雇用を重視する姿勢や、追加の利下げの可能性に言及したこともあり、株価堅調の下支え要因と見られます。一方で、この日発表された製造業PMIは前月実績47.9、事前予想48.4、結果は47.0と予想を下回るも、株価への軽微であったようです。

為替市場はドル円は週末に続き一時144円台中盤まで上昇(円は下落)し、現在は143円65銭前後で推移、7月初旬の161円台から政府の為替介入や、日銀のサプライズ利上げをきっかけに先週16日には一時140円割れまで調整のリバウンド局面となっています。今週末には自民党総裁が決定する見通しで、小泉、石破、高市の3氏に絞られたようですが、日銀の独立性を尊重する前2氏とは対照的に、高市氏は「金利を上げるのはアホやと思う」と公然と日銀非難をしていることから、為替や日本株価に影響が及ぶことが考えられ、週末にかけて為替相場は波乱含みに推移しそうです。ユーロは1.111ドルに反落し、ドル指数は週末の100.79から100.93ポイントに続伸しています。

【石油市況】
原油は70.37ドル(−0.63)に続落して引け、ユーロ圏や米国のPMIが事前予想を下回り、中国経済の立ち直りの遅れ等から先行きの原油需要の停滞観測の広がりを嫌気したようです。

【貴金属市況】
史上最高値更新中の金は週明けも堅調を維持して推移、NY時間ではPMIが事前予想を下回り一時2659.8ドルまで買われた水準が本日の高値で、その後は幾分修正安となり2652.5ドル(+6.3)に3日続伸して引けています。本日の円換算は12160円前後になります。

大幅利下げの祝賀ムードのリスク選好は続くのか!?

おはようございます

相場の変わり身の早さが年中身に染みついてはいますが、夏から秋に一気に様変わりする変わり身の早い季節に身体が付いていけませんね!

さて、本日は「祝日取引」が開きます。先週はご承知のように、FOMCでは0.50%の大幅利下げを好感し、株価はダウ平均とS&P500市場が最高値を更新(ナスダックも急伸)しました。19名のメンバーの金利見通し(ドット・チャート)では年内残り2回のFOMCでさらに0.50%引き下げ、来年は年間を通じて1.0%の利下げを見込み、市場には大盤振る舞いの回答をしました。

とは言え、予想通りの利下げがあるなしは今後の景気指標次第でもあり、インフレ抑制の流れが継続することや、雇用情勢の後退傾向の継続がその条件になると見られます。大幅利下げ期待への過信が過ぎると足元をすくわれる可能性もあり「過信は禁物」の姿勢で今後の展開に臨みたいものです。

今週は本日PMI(購買担当者景気指数)が発表され、24日(火)に消費者信頼感指数、25日(水)新築住宅販売、26日(木)第2四半期GDP確報値、耐久財受注、新規失業保険申請件数、そして週末の27日はPCE(個人消費支出)、ミシガン大消費者信頼感指数と重要指標が目白押しとなります。国内でもほぼ3候補に縛られたようですが、自民党の新たな総裁(新首相)が27日に誕生し、新首相の経済のかじ取りや金融政策の思惑が為替や日本の株価にも影響が波及する可能性が高まります。

今週もよろしくお願いします!

米追加利下げ慎重&日本追加利上げに慎重!

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は高安まちまちな展開となり、ダウ平均は4万2969(+38)に続伸し、ナスダック指数は1万7948(−65)に反落、S&P500市場も5702(−11)に小反落して引けています。前日にはダウ平均とS&P500市場が史上最高値を更新し、週末要因と高値警戒からの利益確定の売りものに押される展開となった模様です。一方で、FRBの利下げや来年にかけての追加の利下げ、さらにリセッション(景気後退)なく、ソフトランディング(経済の軟着陸)期待の広がりが株価をサポートしているようです。今後の景気指標次第でしょうが、市場はやや前のめりで追加の利下げを織り込む楽観的な見通しを立てているようですが、当のFRBはインフレ指標と雇用指標を見極めながら慎重に金融政策を練るものと推測されます。

為替市場では日銀の金融政策決定会合は予想通りに政策金利を0.25%に据え置き、植田総裁の会見に注目が集まりました。会合以前には幾人かの日銀幹部が追加利上げに意欲を示す発言が相次ぎ、総裁も経済と物価見通しが実現すれば、利上げを継続する姿勢を示すと発言する一方で、円安の修正で輸入物価の上振れリスクが和らぎ、政策判断に時間的余裕ができたと発言しました。米国経済の不透明感も指摘し、市場は追加利上げに慎重との受け止めから円売り優勢の展開となり、欧州時間の終盤には2週間ぶりに144円台に乗せ、米国時間では一時144円50銭に接近する水準まで円安が進行し、週の終値も143円90銭前後となりました。月内には自民党の新総裁が決定し10月には新しい日本の首相が決定します。次期首相の経済政策ともすり合わせすることになります。

ユーロは1.116ドルとほぼ前日並みの水準、ドル指数は前日の100.63から100.79ポイントに小反発しています。米10年債利回りは同3.71%から3.74%に小幅に上昇しています。来週は週末の個人消費支出(PCE)や、消費者信頼感指数等が注目され、今後の利下げ動向への思惑に左右されることになります。

【石油市況】
原油は71.00ドル(−0.16)に小反落して引けています。先週は一時65ドル台の年初来安値を更新する場面も見られましたが、その後は下落による反動高の展開となり、今週はFRBの大幅利下げから一段上値を追う展開となり、週末にはポジション調整の売り物に押さえられる動きとなりました。

【貴金属市況】
前日に史上最高値を更新した金は、アジア、欧州、そして米国時間にかけてじりじりと上値を追う展開となり2646.2ドル(+31.5)に3日続伸して引けています。今週はようやくFRBの引き締め政策が終焉し、金利のつかない金にとっては今後の利下げ期間は終始フォローの風が吹くことになります。また、イスラエルによるレバノンへの空爆にみられるように、世界的な地政学上のリスクが継続する市場環境も安全資産として金を維持することになりそうです。週明けの円換算値は12160円前後になります。

良い連休をお過ごしください!(尚、週明けの23日は祝日取引があります)

大幅利下げを再評価!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って大幅反発で引けています。ダウ平均は4万2025ドル(+522)に一夜にして高値を更新、ナスダック指数は1万8013(+440)に急反発、S&P500市場も5713(+95)と初の5700ポイントに乗せて引けています。前日に0.5%政策金利を引き下げた時点では、今後の利下げへの期待値の後退に警戒感が広がりましたが、年内2度のFOMCで0.75%に引き下げ期待が短期金融市場で広がっている模様です。また、本日は新規失業保険申請件数が事前予想を下回ったことや、フィラデルフィア連銀製造業景況指数も事前予想を上回り、米国経済のソフトランディング期待もリスクオンに一役買ったようです。

為替市場ではドル円が不安定な値動きを続け、現在は142円60前後で推移しほぼ前日並みの水準、ユーロは1.116ドルに上昇、ドル指数は前日の100.9から100.6ポイントに続落しています。本日は日銀金融政策決定会合が開かれます。概ね今回は金利据え置きが予想されていますが、3時半からの植田総裁の発言内容が注視されます。追加利上げの意欲の高い植田総裁ですが、足元ではコアCPIは1.9%まで低下し追加利上げの正当性は薄れていると思われますが、学者の植田氏は金利の正常化への意欲は異常に強いようです。来週27日には自民党新総裁が誕生しますが、新たな首相の経済政策も日銀の政策は影響されると思われます。米10年債利回りは3.71%とこちらも前日並みの水準です。

【石油市況】
原油は71.16ドル(+1.28)に反発して引け、株価の急伸に見られるようにリスクオン相場に原油市況も連れ高の動きとなっています。また、複数の景気指標が米国経済のソフトランディング期待への拡大となり、原油市況へは好材料として受け止めらています。

【貴金属市況】
金は前日のFOMCによる大幅利下げに急伸するも、株式市場の軟化に押されて上げ幅は限定的なものとなりましたが、翌日のアジア時間から概ね堅調に推移、NY時間では景気指標が事前予想を上回り売りに押される場面も見られましたが、売り物を消化すると持ち直し2614.6ドル(+16.0)に続伸し終値ベースで高値更新して引けています。来年にかけて継続的に利下げに向かう米金融政策は、金市場にとっても継続的な追い風と考えられます。本日の円換算は11900円前後になります。

大幅利下げも、今後は渋ちん!?

おはようございます

【金融・為替】
FOMCは0.5%の利下げを決定し、政策金利を年率5.25%〜5.50%から年率4.75%〜5.0%に引き下げました。一部の予測通りに大幅な利下げとなりましたが、メンバー19名の金利見通し(ドット・チャート)は年内2度の会合で0.5%、そして2025年は1.0%の見通しとなりました。初回の大幅利下げに比べると相対的に利下げには消極的とも捉えられるもので、決してハト派とは言えないとの受け止め方となっています。

金融市場は決定直後は株高・ドル安・債券高・金利安・ドル安・そして金高の反応を見せましたが、次回以降の利下げが「渋ちん」であったことに対してリスクオン一辺倒とはいきませんでした。株価は上昇後に下落に転じ、ダウ平均は4万1503ドル(−103)に続落し、ナスダック指数は1万7573(−54)に反落し、S&P500市場も5618(−16)に反落して引けています。

為替市場もドル円は140円40銭台に下落後(円は上昇)は徐々に戻り、現在141円95銭前後で推移、ユーロも1.118ドルから1.112ドルに後退、ドル指数は前日の101.9ポイントほぼ変わらず、米10年債利回りは同3.64%から3.71%に上昇しています。パウエル議長は「遅れを取らないようにする決意だ!」と発言し、雇用情勢の鈍化に配慮しての大幅利下げを正当化しています。万一、今後も雇用情勢の一段の後退となると後手を踏んだと非難される可能性もあり、批判の矢面に立たされる当事者としても難しい判断だったと推測されます。

【石油市況】
原油は70.91ドル(−0.28)に小反落して引けています。FOMCでは0.50%の大幅引き下げとなりましたが、株式市場は上昇後に下落に転じて前日比でマイナスで引け、原油市場へのリスクオン相場への波及には及ばなかった模様です。

【貴金属市況】
FOMC前に引ける金は2568.7ドル(+6.2)に3日ぶりに反発に転じて引けています。引け後のFOMCによる大幅利下げに一時2627.2ドルまで上昇し、その後は今後の金利引き下げ見通しがハト派でないことに悲観売りを浴びて一時2572.5ドルまで急落し、現在時間外では2585ドル前後で推移中、本日の円換算は11740円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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