本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2024年07月

日銀利上げ示唆をリークか!?

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は前日に続いて高安まちまちな展開、ダウ平均は4万0743ドル(+203)に反発し、一方でナスダック指数は1万7147(−222)に、S&P500 市場も5436(−27)に揃って反落して引けています。この日発表されたJOLTS求人件数は前月の814.0万人、事前予想805.0万人に対して結果は818.4万人に増加し雇用の堅調を示唆、このところインフレ抑制の中で政策金利の軸足を雇用に向けるFRB、日本時間8月1日午前3時に政策金利を発表、その後の議長会見で利下げ示唆があるのか注目されます。。一方で、注目されたマイクロソフトの決算では利益率が事前予想を下回り、ハイテク株中心に売り込まれる展開となりました。

為替市場ではドル円に関して、NHKや日経新聞に日銀からのリークと見られる「0.25%利上げの検討!」が市場に拡散される状況から、欧米時間の155円近辺から円を買い戻す動きが強まり午前7時過ぎは一時152円40銭台まで円高が進行(現在は152円75銭前後で推移)しています。ユーロは1.081ドル前後に続落し、ドル指数は前日の104.5から104.4ポイントに反落し、米10年債利回りは同4.17%から4.13%に低下しています。

【石油市況】
原油は74.93ドル(−1.08)に大幅に続落して、ほぼ2か月ぶりの安値となっています。市場では引き続き世界第2位の経済大国中国の経済の停滞から、原油需要の先行きに悲観的な見方が市況の足を引っ張っているようです。一方で、ゴラン高原を攻撃されたイスラエルは、ネバノンのヒズボラ司令官を狙った空爆をし原油市況の下支え要因となっています。

【貴金属市況】
アジア時間から堅調を維持した金は、米湖時間入り後にJOLTS求人件数が、コンファレンス・ボード消費者信頼感指数が予想を上回り、売りに押される場面も見られましたが、売り物が一巡すると反転上昇に転じて2451.9(12月限は+26.4)に反発して引けています。これまでの指標限月8月限は2405.0ドル(+27.2)で引け、両限月の鞘は46.9ドルにも及び米国の短期金利に根差したもので、ざっくり、2400ドル×5%=120ドル前後の幅が年間の鞘に指摘することになります。本日の円換算は11860円前後になります。

31日のFOMC控え模様眺めに!

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場はまちまちな展開となり、ダウ平均は4万0539ドル(−49)に3日ぶりに反落し、ナスダック指数は1万7370(+12)に、S&P500 市場も5463(+4)に小幅に続伸して引けています。先週末の急反発に対する益出しも見られることや、今週は本日より大手ハイテク株の決算を発表を控えていること、更に30、31日に開かれるFOMCの内容を見極めたいといったところでしょうか。

為替市場ではドル円は昨日の東京時間に一時154円30銭台までドルを買い戻す動きが強まり、円キャリートレードの巻き戻しが目先は一巡した格好で、NY時間は154円を挟む水準で保ち合いに推移して現在154円05銭前後で推移、ユーロは1.082ドル前後に反落し、ドル指数は週末の104.3から104.5ポイントに反発し、米10年債利回りは同4.19%から4.17%に低下しています。

【石油市況】
原油は75.81ドル(−1.35)に続落してほぼ2か月ぶりの安値に軟化、イスラエルとヒズボラの戦闘は継続も、一部メディアではイスラエルがこれ以上の戦闘の激化は望まないとの発言もあるようです。

【貴金属市況】
金は先週末の急反発の勢いを借りてアジア時間で12月限は一時2450ドルに迫る場面が見られたものの、買いが一巡すると軟化して推移、NY時間での昼の時間帯には逆に対ユーロでのドル高から一時2414.4ドルまで下落、その後は売りが一巡すると反発に転じるも2425.5ドル(−2.4)に小反落して引けています。本日の円換算は11840円前後になります。

今週はFOMC&日銀会合に注目

おはようございます

今週は何といってもFOMCと日銀会合が同時開催となり注目があつまります。FOMCでは据え置きがほぼ確実され、(今回はドット・チャートなし)その後のパウエル議長の会見内容に関心が集まります。インフレの鈍化傾向が続いていますが、鎮静化が確実視されるまで状況にはまだ至ってないと推測されます。一方で、雇用情勢はピークアウトの指標が目立ち、FRBは雇用維持の観点から利下げの必要性を考えているようです。パウエル議長の会見では9月利下げを示唆する発言があるのか注目され、雇用情勢に関しては週末8月2日の雇用統計が注視され、雇用の下振れが示されるようであれば年内3回の利下げ期待が広がることも考えられます。

日銀金融決定会合では、月額6兆円規模の国債購入を3兆円規模に減らすことを決定することまでは既に織り込んでいるものと推測され、閣僚や与党幹部による利上げへの催促に呼応しての利上げの可能性も捨てきれない状況です。万一利上げとなればドル円は一段下落(円は上昇)する可能性もあり、日本の株式や商品市場には少なくない影響を考えると注意が必要でしょう!

今週もよろしくお願いします!

PCEも利下げの正当性を示唆

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は揃って堅調に引けています。ダウ平均は4万0589ドル(+654)に続伸し、ナスダック指数は1万7357(+176)に、S&P500市場も5459(+59)に揃っての反発しています。今週はテスラや大手ハイテク株の決算から大きく値を崩す場面が見られましたが、GDPが予想外の米国経済の力強さを示したことからソフトランディング期待が広がったこと、また、本日のPCE(個人消費支出)デフレータが概ね予想通りとなり、9月利下げを改めて織り込む展開となったようです。政局もバイデン大統領の選挙戦辞退から、副大統領のハリスを軸に候補者を押す動きが見られたことから、トランプ氏の優勢が不透明となりました。

為替市場では今週のリスク回避相場から株式や商品市場から投資資金が流出する動きに連れて、キャリートレード通貨である日本円が大きく買い戻され、一時は152円を割り込む水準まで上昇しました。そして、週末には株価が大きく反転上昇に転じたことからドル円も一時154円70前後まで巻き戻され、その後やや軟化も153円70銭前後で取引を終了し幾分落ち着きを取り戻しています。ユーロは1.085ドルに小反発し、ドル指数は前日の104.39%から104.32%に小幅に低下し、米10年債利回りは同4.24%から4.19%に小幅に低下しています。インフレの鈍化傾向が続くなかで、底堅い景気指標も続く中で、FRBは雇用のピークアウトに対応することにウエイトを置き、9月利下げの外堀は徐々に埋められていきそうです。来週のFOMCでは9月利下げを示唆する文言が声明文でみられるでしょうか。一方で、日銀も金融決定会合が予定され国債購入の減額はほぼ織り込み済みですが、政治的圧力もあり「利下げ」議論の進展にも注目があつまることになりそうです。

【石油市況】
前日はGDP発表により底堅い米国経済から上値を追う展開となりましたが、本日は株価上昇の追い風となる後押しも空しく77.16ドル(−1.12)に急反落して引けています。先週の中国の三中全会では不動産バブルに対する具体的な対策が示されず、今後の中国経済の継続的な成長に対する悲観から原油需要への影響が懸念されています。また、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相がバイデン、ハリス、トランプとの会談を行いガザの停戦期待の広がりも嫌気材料となっているようです。CIAのバーンズ長官はローマでイスラエル、エジプト、カタールの交渉団と会談を開くと伝えられています。

【貴金属市況】
今週は株式市場の急落から金先物市場でも投機筋の手じまい売りと見られる資金流出が見られ、一時2351.3ドルまで急落する場面が見られました。NY金の先物市場でも先週の史上最高値圏での59.8万枚から取組高を減らし、25日(木)現在53.7万枚まで6万枚余りの取り組み減となりました。そして週末には株価の反発に伴い長期金利の低下やドル安の動きから反発し2427.9ドル(+28.0)で引けています。目先の売りが一巡しての反発と見られ、9月利下げへの期待が高まる市場環境に再び反応する動きとなりました。一方で、最大金ETFのSPDR(スパイダー・ゴールド)は25日現在の持ち高を845.19トンと前月比ほぼ16トンの増加とし、昨年11月以来の増加量は欧米の投資家の金志向の強まりを示しているようです。週明けの円換算は11845円援護になります。

良い週末をお過ごしください!

来週の日銀の会合を控え円相場の乱高下続く!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は前日の急落の余韻の残るなかまちまちな展開、ダウ平均は3万9935ドル(+81)に反発し、一方で、ハイテク株中心のナスダック指数は1万7181(−160)に、S&P500 市場も5399(−27)に続落して引けています。世界同時株安の流れはテスラ株の反発もあり、やや落ち着きを取り戻すも、大手ハイテク株の調整がまだ尾を引いているようです。株安のリスク回避の動きは債券市場や為替市場にも波及したことから、改めて一旦過剰流動性資金がうごめくと、あちこちで理解不能の状況を巻き起こすことが再認識させられる状況です。本日は米第2四半期のGDPが発表され、事前予想の2.0%を大きく上回る2.8%と発表され、米国経済の底堅さが再認識される状況です。

為替市場では株価の変調から円キャリートレード(低金利通貨円を借りて、高利回りへの投資)の巻き戻しにより、今週は連日のように円を買い戻す動きが強まり、欧州時間には一時152円割れとなり7/3の161円90銭台から僅か2週間余りでほぼ10円もの円高・ドル安が加速しました。25日のNY株式市場の急落による買い戻しが目先一巡し、その後はドルがじりじりと上昇して153円90銭前後まで戻す水準となっています。ユーロは1.084ドル前後と小動き、ドル指数は前日の104.33から104.39ポイントに小反発し、米10年債利回りは同4.28%から4.24%に小幅に低下しています。

【石油市況】
原油は中国経済の停滞による原油需要の後退観測や、ネタニヤフ首相とバイデン大統領の会談により、ガザ地区の戦闘の停止期待から軟化して一時76ドル割れ寸前まで下落、その後の米国時間では4−6月期米GDPが事前予想を上回ったことから反発に転じ78.28ドル(+0.69)に続伸して引けています。

【貴金属市況】
金は前日のNY引け後の時間外から下落して推移、東京時間では円高による連日の下落から7/17の史上最高値12679円から僅か1週間で1000円を上回る下げに見舞われ、買い方の投げ売りと見られる手じまい売りから、商社による裁定取引(割安の円建て買いvs割高のドル建て売り)も見られたようです。米国時間ではGDPの好調を受けてドル高の流れも更に下落し、一時2351.3ドルまで下落し戻り足も鈍く2353.5ドル(−62.2)に大幅安で引けています。史上最高値の2488.4ドルから130ドル余りの調整から取組高も急減し、ある程度の玉整理も進行しているものと推測されます。一方で、金ETF・SPDRは本日3トン強の増加を見せ前月比15トン余り増加し、欧米の投資家の金志向の動きが見られます。本日の円換算は11710円前後になります。

テスラ・ショックか!?

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はテスラの4−6月期決算が事前予想に届かないことをきっかけにして12%急落、連れて大手ハイテク株が軒並み急落して全般の足を引っ張る展開、ダウ平均は3万9853ドル(−504)に、ナスダック指数は1万7343(−654)に、S&P500 市場も5427(−128)に大幅続落して引けています。エヌビディア株に象徴されるように、ハイテク株の買いわれ過ぎが下落要因と指摘するアナリストもいるようです。

為替市場では引き続き円売りのポジションを巻き戻す動きが継続、NY時間お昼には一時153円10銭近辺まで円高が進行し、現在は153円65銭前後で推移しています。ユーロは1.084ドルに小幅続落し、ドル指数は前日の104.43から104.33ポイントに小反落し、米10年債利回りは同4.25%から4.28%に小幅に上昇しています。為替市場では円キャリーの巻き戻し続くとの表現、来週31日の日銀会合では国債購入を月額6兆円を3兆規模に減らすが想定され、一部には利上げの可能性を指摘する向きもあるようです。テクニカルでは200日移動平均線がある151円台中盤を目標値とする指摘もあります。

【石油市況】
原油は米エネルギー情報局(EIA)による原油・石油製品の在庫が事前予想を上回る減少となり、一時は78ドル台を回復するも、株安のリスク回避の動きから手じまい売りもあり77.59ドル(+0.63)に上げ幅は詰めたものの反発して引けています。

【貴金属市況】
前日に3日ぶりに反発した金はアジア時間でも買い優勢の展開で推移、NY時間の序盤も新築住宅販売の不調や、PMI(購買担当者景気指数)が事前予想に届かないことを背景に一段上昇し一時2433ドルまで駆け上がるも、その後は株価下落によるリスク回避の動きが金にも波及し換金売りに押されて2415.7(+8.4)に上げ幅を詰めて引けています。引け後も株価下落に連れる展開が続き、時間外では前日比で小幅にマイナスで推移、本日の円換算は11880円前後になります。金独自材料としてインドの金と銀の輸入関税は15%から6%に引き下げられました。(高関税から密輸防止の観点もあり)

日銀への利上げ圧力増す!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って小反落して引け、ダウ平均は4万0358ドル(−57)に、ナスダック指数は1万7997(−10)に、S&P500 市場も5555(−8)に小反落して引けています。今週はハイテク大手の決算発表が相次ぎ注目されています。また、25日の第2四半期GDPや、26日週末の個人消費支出といった重要指標も控えています。米民主党の大統領候補はハリス副大統領の一本化に向けて進んでいるようですが、過去2度の現役大統領の再選辞退は2度ともに民主党大統領で、どちらも大統領選では共和党候補に軍配が上がったことが事実のようです。

為替市場では円高の流れが継続して155円60銭前後に一段の円高・ドル安で推移、米国の9月利下げの可能性が強まる一方で、日本では行のデジタル大臣や、自民幹事長茂木氏も日銀に対して金融の正常化(利上げ)を要求する発言があったようです。来週の日銀会合では国債購入の減額(現状月額6兆円規模)が発表されると見られていますが、利上げに踏み切るとの可能性は引くように見られています。円売りの膨らんだポジションが連日の巻き戻される状況が続いています。ユーロは1.085ドルに反落して推移、ドル指数は前日の104.28から104.43ポイントに反発しています。米10年債利回りは4.25%とほぼ前日並みの水準です。

【石油市況】
原油は76.96ドル(−1.44)に大幅に続落して引けています。今週中国人民銀行の政策金利の引き下げが発表されたものの、中国経済の浮上には不十分との見方が広がり、原油需要の本格的な回復には悲観的なようです。また、イスラエルのネタニヤフ首相が人質解放に向けた合意が近いと発言し、ガザでの戦闘の停止に向けた動きが嫌気されている面もあるようです

【貴金属市況】
先週末から週明けにかけて金は高値からほぼ100ドルの調整となり、昨日のNY市場は下落に対するリバウンド的な戻りが入り2413.5ドル(+12.6)に3日ぶりに反発して引けています。一方で、長期金利が上昇していて戻り幅も抑えられている展開となっているようです。本日の円換算は12080円前後になります。

トランプトレードの揺り戻し

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場は揃って反発に転じて引け、ダウ平均は4万0415ドル(+127)に、ナスダック指数は1万8007(+280)に、S&P500 市場も5564(+59)に反発して引けています。狙撃事件から優位に立ったトランプ氏の再選期待も、バイデン大統領の選挙戦撤退、更にハリス氏を候補に指名し、大統領選が混沌としてきました。トランプトレードも修正を余儀なくされる展開に、ハイテク株を中心に反発しています。

為替は157円丁度を挟む水準で推移、ユーロは1.089ドルに反発し、ドル指数は週末の104.36から104.29ドルに小反落して推移し、比較的波風の穏やかな値動きとなっています。米10年債利回りは同4.24%から4.25%に小幅に上昇しています。市場では9月利下げをほぼ織り込みながら推移、更に利下げの正当性を今後の指標に求めている段階、今週は24日のPMI、25日の2四半期GDP、26日のPCEデフレーターと重要指標が続きます。

【石油市況】
原油は78.40ドル(−0.24)に小幅に続落して引けています。中国は長短金利を引き下げたものの、中国経済の立ち直りには悲観的な見方がなされている模様、株価急反発が下支え要因で安値の77ドル台からは回復して引けています。

【貴金属市況】
週末に大幅続落に見舞われた金は、アジア時間では2400ドルの大台を概ね禍福して推移も、欧州時間終盤からは再び軟調に推移し、米国時間入り後は再び売り込まれる展開となり一時2385.2ドルまで下落、午後は売り一巡から幾分戻すも2394.7ドル(−4.4)と2400ドルの大台を回復すことなく続落して引けています。引け後は幾分戻し展開も戻り足の鈍い展開が続いています。先週前半には一時2488.4ドルの史上最高値を更新する場面が見られましたが、膨らんだ投機筋の買いポジションを断続的に手仕舞いする動きの一巡を待つことになります。本日の円換算は12130円前後になります。

トランプトレードに変調!?

おはようございます

バイデン大統領は大統領選から撤退することを表明しました。また、民主党候補としてハリス副大統領を指名しました。8月の中旬に民主党大会が開かれ、正式に大統領候補が決定される見通しで、クリントン元大統領もハリスを支持しているようで、本命ハリス氏を中心とした候補選ぶが進むものと推測されます。高齢化の症状が進むバイデン氏を巡り、候補から降りるような動きが活発化していましたが、コロナに感染したしたこともあり一気に後方から降りる動きが鮮明化したようです。

これによって、大統領選で俄然優位に立っていたトランプ氏と闘えるとの見方も広がっています。週明けの外為市場ではドル売りが強まり、ドル円は157円30銭前後に、ユーロも1.089ドル前後に上昇、ドル指数は104.23ポイントに反落しています。また、ビットコインが急伸し、金も反発して推移中です。大統領選が混沌とする不透明感が広がりつつあるようで、先週のトランプトレードの賑わいが覚めるかのような反応を示し、仕切り直しとなりそうです。

今週もよろしくお願いします!

国際的システム障害・過去最悪に

おはようございます

【金融・為替】
19日の米国時間早朝に同時多発したマイクロソフトの基本ソフト(OS)で発生したシステム障害により、世界中の空港で遅れが発生したり、決済サービスに影響が出たりする事態に陥りました。金融市場でもマイクロソフト株は2%下落し、週末の株式市場の混乱要因となったようです。ダウ平均は4万0287ドル(−377)に続落し、ナスダック市場も1万7726(−144)に、S&P500市場も5505(−39)に3市場揃っての続落となりました。先週末のトランプ候補の狙撃未遂事件により大統領選挙は俄然トランプ優位となり、自国第1主義の主張から減税政策の延期等もあり「トランプ・トレード」と呼ばれるリスクオン相場となったことや、FRBの複数の幹部が9月利下げに対しそれを正当化する発言もあり上昇した相場ですが、週末にかけては益出しもあり徐々に萎む流れとなりました。

ドル円相場は先週の半ばまで161円台前半で推移してましたが、11日と12日両日のNY時間に日銀がドル売り・円買い介入したと見られ、今週は一時154円台前半までドル安・円高に振れる場面も見られました。米国ではトランプ候補が中国・人民元と日本円の通貨を名指しして下落を批判(米国貿易に不利)したことや、河野デジタル相が日銀に利上げを要求する発言(19日に要求取り下げ)もあり、円安是正の動きが一気に高まりました。今週末は157円45銭前後で取引を終了しました。本日発表されたIMM通貨先物の16日現在の円売りポジションは15万1072枚となり、前週比では3万0961枚減少しそれなりに円売りの投機筋のポジションは縮小しているようです。

今週は欧州連銀(ECB)理事会が開かれ、事前予想通りに政策金利は3.75%に据え置かれました。年内の利下げは前回理事会に続きあと1回予想される状況で通貨ユーロへの影響は軽微であったようです。今週末のユーロは1.088ドルと小幅高で終了、ドル・インデックスは前日の104.1から104.3ポイントに続伸しました。米10年債利回りは同4.20%から4.24%にこちらも上昇しました。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の金利の先行きを示すフェド・ウォッチでは9月利下げを90%以上の確率で織り込んでいます。FRB幹部らの発言からインフレの鈍化傾向の認識の高まりに加えて、雇用情勢の変調への危惧もあり利下げにより寛容になっているようにも見られます。

【石油市況】
株式市場で利益確定の動きが進む中で、原油相場も益出しの売り物に押される展開となり80.13ドル(−2.69)に大幅続落して引けています。中東ではイエメンの過激派フーシ派によるドローン攻撃で、イスラエル・テルアビブで甚大な被害が報告される事態もありますが、市況を上向きにできないまま引けています。

【貴金属市況】
今週17日は一時1488.4ドルの史上最高値を更新した金ですが、その後は高値修正の売り物に押される展開となり、19日にはアジア時間よりじりじりと軟化の一途をたどる値動きとなり、さほどの反発場面も見られない状況に下追いの流れが欧米時間も継続、その間に節目の2450ドルを割り込み、さらにNY時間のお昼には2400ドルの節目も割り込み、引けにかけても戻り足鈍く推移して2399.1ドル(−57.3)に大幅続落して引け今月10日以来の水準となりました。引け後の時間外取引では2400ドルを回復していますが、今週の高値からはほぼ90ドルのもの下げ幅は暴落といっても過言ではない値動きとなりました。大統領選ではトランプ候補が有利とみなされ、トランプ氏が大統領になれば減税策の延期や米財政赤字の拡大が見込まれ金には追い風となると見込まれます。また、今週は複数のFRB幹部が9月利下げを容認するかの発言も見られ、これもいうまでもなく追い風と見られます。また、今月は減少傾向の金ETFが増加に転じると見られ、アジアや中東の金志向の強さに加え、欧米でも金に資金流入の動きも見られます。下落要因を考えるとすれば、2500ドルを取りに行くにはまだ時期尚早で買われ過ぎの反動安ということになるでしょうか。2400ドル割れから改めての仕切り直す展開となりそうです。週明けの円換算値は12200円前後になります。

良い週末をお過ごしください!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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