本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2023年10月

日銀YCC1%超えを容認・日経電子版がリーク

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場は3市場揃って反発に転じて引け、ダウ平均は3万2928ドル(+571)に4日ぶりに急反発、ナスダック指数も1万2789(+146)に、S&P500 市場も4166(+49)に反発しました。ダウは直近2週間で1200ドル下げたことからの自律反発的な動きや、中東情勢の緊張が続くも原油相場がハマスの襲撃前の水準まで下落したことも上昇要因、本日は日銀、明日はFOMC、2日は英中銀とイベントが続くこともあり、売られ過ぎの調整場面との受け止め方もできるできるでしょうか。

為替市場では日経新聞電子版が昨夜遅くに本日の日銀金融決定会合で「現在1%としている長期金利の上限を、1%越える上昇を容認する」と伝えられました。所謂YCC見直しが実際に実行に移される見通しを伝えたもので、日銀による債券購入を減らすことを意味し、また、円安阻止の意図も見え隠れするようです。これを受けてドル円は一時148円760銭台に急落(円は急伸)しました。その後はドル売り一巡から149円10銭前後で推移しています。因みに日本国債10年物利回りは0.89%前後の水準で推移し、1%までの上昇ににはまだ猶予が見られるようです。ユーロは1.061ドル前後に反発し、ドル指数は週末の106.5から106.1ポイントに急反落し、米10年債利回りは同4.85%から4.89%に上昇しています。

【石油市況】
原油は82.31ドル(−3.23)に急反落し、7日に始まった中東有事以前の水準まで逆戻りしています。中東の緊張は一段とエスカレートする方向に向かっているものの、人道的危機は高まるも、原油供給は足元では危機には陥っていないようです。

【貴金属市況】
金はイスラエルによる地上侵攻によるガザ地区の一層の緊張を受け、アジア時間から上値を伸ばし一時2016.8ドルまで上昇、その後は欧州時間では高値調整に2000ドルの節目を瞬間割り込む場面も見られましたが、米国時間ではドル安の追い風と金利上昇の向かい風が交錯し2005.6ドル(+7.1)に4日続伸して引けています。本日の円換算は円高加味して9560円前後になります。

今週は中東情勢に加えて、日銀、FOMCにも注目!

おはようございます

イスラエルによるガザ地区への2次攻撃は、この週末も絶え間なく続いています。ガザ地区の死者は既に8000人を超えた模様で、両国の死者は合わせて9500人前後に上ると見られています。民間人の死者が増加することは、国際社会のイスラエル批判の高まりにつながっていますが、米国はじめ主要国の支持を背景にイスラエルは攻撃を緩める気配はないようです。

先週は米下院議長がようやく決まり、トランプ元大統領の息のかかったジョンソン議長は、イスラエル支援の単独法案を下院で通過させる見通しと語っています。米軍は中東に駐留する米軍基地防衛の防空システムは既に構築したものと予想されます。レバノン南部のヒズボラや、オマーンのフーシ派といった、イラン支援の武装組織の動きも注目され、イスラエル対ハマスはある意味では米国対イランの代理戦争の趣もあるようです。

今週は31日の日銀会合に続き、11月1日はFOMC,2日は英中銀、いわゆる中銀ウィークとなります。そして3日の週末は米雇用統計とイベントが続きます。

今週もよろしくお願いいたします。

地上侵攻が拡大!

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は前日に急落したナスダック市場こそ小戻ししましたが、ダウ平均は3万2417ドル(−366)に3日続落し今年3月以来の安値で引け、S&P500市場も4117(−19)に続落、ナスダック市場は1万2643(+47)に小反発したものの、全般にリスク回避姿勢が継続して1週間を終えています。イスラエルの報道官は「ガザ地区の地上作戦を今夜拡大する」と話し、実際にガザ地区の複数の地区で激しい攻撃が始まりました。ヨルダンの外相は「地上戦が始まった」との認識を示しています。前日には米軍がイラクとシリアの武装組織の施設を攻撃(イランが支援する武装組織)、米軍の中東にある複数の米軍基地の防空システムが構築された見通しから、イスラエルによるガザ侵攻の条件が整ったとの見方が考えられます。

本日はFRBが重視する個人所得・支出(PEC)が発表され事前予想に並ぶ3.4%、エネルギー・食品除くコア指数も同3.7%となりサプライズはありませんが、インフレの長期化を示す内容となりました。来週11月1日ののFOMCはすでに政策金利の据え置きで織り込み、今回はドット・チャートの発表はありませんが、声明内容や議長会見が注目されます。また、日銀の政策決定会合も注目され、YCCの撤廃に向けた議論がなされるのか植田総裁の会にも注目が集まります。

為替市場ではここ数日のドル買いが後退し、今週一時150円70銭台に進んだ円安は小休止して149円60銭前後の円安・ドル高に、ユーロはほぼ横ばいの1.056ドル前後、ドル指数は前日の106.6から106.5ポイントに小反落、米10年債利回りも4.85%前後とほぼ前日並みの水準で取引終了しています。

【石油市況】
原油は85.54ドル(+2.33)に急反発して引け、イスラエルによるガザ地区への地上戦突入との報道に反応しています。これまでの空爆中心の攻撃から、地上や海上からの攻撃が加えられハマス撃退への動きが強まっています。最も、イスラエルや米国の懸念するイランの直接的な動きは見られず、現状での世界への原油供給の障害には至っていないようです。今後、万一イランが直接参戦するような事態となれば、原油価格が80ドル台に留まるとは考えにくく、安定供給にはイランの参戦はあくまでも支援武装組織とにとどめておく必要があるようです。

【貴金属市況】
金はPCEなどの指標がほぼ事前予想に沿ったもので、2000ドル中心とした保ち合いに終始して1998.5ドル(+1.1)に小幅に3日続伸して引けています。但し、引け後にイスラエルがこれまでより大規模な地上侵攻が始まったと伝えられ、引け後の時間外では2010ドル台後半まで上昇し、先週の直近高値2009.2ドルを超えての値動きとなっています。この土日も目が離せない状況が続きそうです。円換算は円高要因から伸びは限定的も9640円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

地政学リスクor引き締めの長期化がリスク商品の重荷!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って続落して引け、ダウ平均は3万2784ドル(−251)に、ナスダック指数は1万2595(−225)に、S&P500 市場も4137(−49)に続落しました。メタ(旧ツイッター)の急落からハイテク株中心に下落、不透明な中東情勢も影を落としているようです。注目の米7−9月期のGDPは4.9%成長を予想を大きく上回る発表となりました。金融政策の引き締め策の長期化観測が続き、相対的にハイテク株の重石となっているようです。一方で、学生ローンの支払い再開が始まり、個人消費への打撃から次の四半期成長にはダメージが出るとの見方もあるようです。

為替はドル円は前日に1年ぶりに150円台に乗せ、この日も150円台をキープして推移し150円35銭前後、ユーロは1.056ドル前後、ドル指数は前日の106.5から106.6ポイントに小反発して推移、欧州連銀ECB理事会は政策金利を予想通り4.75%に据え置き、サプライズなしにユーロの変動は限定的なものとなっています。来週は31日に日銀、11月1日はFOMCとイベントが続きます。米10年債利回りは同4.96%から4.84%に低下しています。

【石油市況】
原油は83.21ドル(−2.18)に反落し前日の反発分を吐き出して、7日のハマスによるイスラエル襲撃前の水準まで逆戻りしています。中東の緊張は引き続き高い状態が続くものの、原油輸出に現状では悪影響は見られず相場は「行って来い」状態となっています。

【貴金属市況】
金は中東の緊張を材料にして欧州時間には再び2000ドルの大台を回復、米国時間入り後は景気指標の好結果を受けて軟化して逆に1981.6ドルまで下落、その後は売り一巡後は再び上昇に転じて1997.4ドル(+2.5)に小幅に続伸して引けています。中東情勢も既に20日間が経過して「有事の金買い」から2000ドルの大台を奪取したことから、ある程度「質への逃避」は織り込みつつあるように思われますが、まだイスラエルによる本格的なガザ地区への地上戦への動きは織り込まれてはおらず、今後の展開が待たれるところです。円建ては夜間取引で一時9631円と再び史上最高値を更新、その後の軟化に本日の円換算は9585円前後になります。

米下院議長ジョンソン氏に決定も、手腕は未知数!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って反落に転じて引け、ダウ平均は3万3035ドル(−105)に、ナスダック指数は1万2821ドル(−318)に、S&P500 市場も4186(−60)に反落して引けています。新築住宅販売が事前予想を大きく上回り、(前月67.5万、予想68.5万、発表75.9万件)長期金利が上昇したことが重石、また、アルファベットの決算からハイテク株が大きく下落しました。中東情勢は緊張が続くもイスラエルの地上戦突入は現段階では見送りも、米原潜配備等の米国のイスラエル支援が整うのを待っているとの指摘もあります。米下院では新議長に共和党ジョンソン氏が決まり、議長不在は22日間で終わったようです。但し、トランプ元大統領の息のかかったジョンソン議長が共和党内をまとめる能力は未知数!

為替市場では米景気指標の好調を受けて長期金利が上昇し、ドル買い優勢の展開となり一時150円30銭近辺までドル高が進行し、現在も150円10銭前後で推移し昨年10月以来1年ぶりの円安水準で推移、ユーロも1.056ドル前後に続落し、ドル指数は前日の106.2から106.5ポイントに続伸、米10年債利回りは同4.82%から4.96%に上昇しました。本日発表予定の米7−9月期GDPは、予想が4.0%から4.3%に上方修正されているとも伝えられ、景気指標の好調が続くと引き締め策は長期化するものと推測されます。

【石油市況】
原油は85.39ドル(+1.65)に4日ぶりに反発して引け、米エネルギー情報局(EIA)の在庫は増加しましたが、イスラエルの地上戦の日程がほぼ決まったとの報道もあり、再び中東への緊張の高まりに上昇に転じたようです。

【貴金属市況】
金はNY時間序盤にかけて上昇し一時1998.6ドルと大台に接近、その後は新築住宅販売の好調から長期金利の上昇とドル高に転じ、一転して下落に転じ1973.6ドルに僅かに1時間で下落、売り一巡後は反転して上昇に転じ1994.9ドル(+8.8)に3日ぶりに反発に転じて引けています。先週で投機筋の売りはほぼ解消し(買い戻し)、その後は買い方のポジションが積み上がっていることが想像されます。(取組増)投機的な動きはドル高や、長期金利上昇の向かい風や、中東リスクの追い風が混沌とするなか、理屈を度外視した予想外の値動きの展開となることが多々あります。本日の円換算は9555円前後になります。

原油相場「行って来い」中東情勢緊張も原油供給網は正常!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃っての反発、ダウ平均は3万3141ドル(+204)に、ナスダック指数は1万3139(+121)に、S&P500 市場も4249(+30)に反発して引けています。連日の下落による値ごろ感や、企業業績の好調への期待、中東の緊張一服、原油価格の下落等の複合要因での反発となった模様です。

為替はドル円は149円85銭前後で推移、ユーロはPMIが事前予想を下回ったことを背景に下落(明日のECB理事会の金利据え置き濃厚)1.059ドル前後に急反落し、ドル指数は前日の105.5から106.2ポイントに急反発しています。米10年債利回りは同4.85%から4.82%に低下し、前日の一時5%乗せの急伸から徐々に落ち着きを取り戻しています。

【石油市況】
原油は83.74ドル(−1.75)に3日続落して引け、7日のハマス襲撃前の82ドル台に接近して、相場としてはほぼ「行って来い」の水準まで戻りつつあるようです。中東情勢は一先ずイスラエルによる地上攻撃は慎重姿勢に見られ、人質の一部開放、ガザへの必要物資の一部供給、原油の供給網に影響はほとんどなく、有事で買われた上昇分の多くを吐き出しています。

【貴金属市況】
金は先週末に一時2000ドル台を突破したものの、イスラエルの地上戦突入は先送りされた感も強く、高値修正の流れが今週は続いています。昨夜は欧州時間にユーロ圏PMI(購買担当者景況感)が事前予想を下回りユーロが急反落に転じ、ドル高進行に呼応するように下落し一時1964.6ドルまで下落(円建ても9403円に)しましたが、売り一巡後は戻り基調が回復し1986.1ドル(−1.6)に小幅続落しての引けとなりました。ハマスのイスラエル襲撃前には1820ドル台まで下落していた金は、中東有事で一時2000ドルを突破する急騰を見せていますが、一先ず有事は織り込んだ感があります。一方で、今後の中東情勢の先行きはまだ不透明感が強く、有事の終了=安全資産放棄とはいかないの現状です。米金融政策の利上げの打ち止め期待や、議会下院の混乱は続き11月17日期限のつなぎ予算の先行きへの懸念が続きます。本日の円換算は9485円前後になります。

中東情勢、外交的努力はどこまで通用する?

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場は待ちな展開、ダウ平均は3万2936ドル(−190)4日続落し、ナスダック指数は1万3018(+34)に小反発、S&P500 市場は4217 (−7)に小幅に続落して引けています。長期債利回りは一時5.02%と2007年7月以来の水準まで上昇し、その後は4.85%に急低下しました。来週のFOMCを控えてブラックアウト期間入りですが、既に今回のFOMCは据え置きを織り込み済みのようです。パレスチナ情勢はハマスが先の米国人人質に続き、更に2人を解放したと伝えれています。武力衝突は続いていますが、外交的な解決を目指す動きもありイスラエルの地上戦への介入は今日、明日に差し迫るムードはやや後退して緊張の緩和傾向も見られるようです。

為替市場ではドル円は149円65銭前後の小幅にドル安・円高で推移、ユーロは1.067ドルに大幅に続伸して、ドル指数は週末の106.1から105.5ポイントに続落しています。米10年債利回りは同5.07%から3.85%に急低下しました。今週は26日ECB理事会(据え置き濃厚)ながら、来週31日の日銀会合が注目されています。YCC規制の解除の議論も予想されているようで、議論が進むと円を買う動きが強まる可能性もあり要注意!といったところでしょうか。

【石油市況】
原油は85.49ドル(−2.59)に大幅に続落して引けています。中東では引き続きイスラエルのガザへの空爆や、ヨルダン南部に居座る武装組織ヒズボラとの交戦などが継続されていますが、国際世論は罪のないガザ地区の人々の犠牲の広がりを懸念、イスラエルに地上戦突入の行動を踏みとどまらせているようで、緊張緩和への期待も原油売りにつながっている模様です。

【貴金属市況】
金は土日に米政府がイスラエルに対して、地上戦への拙速な動きを止めるように要請があったと伝えられ、アジア時間序盤に急反落し1970ドル台前半まで下落しました。その後、売り一巡後は欧州時間で反発基調となるも、イスラエルの地上戦突入が先送りとの報道もあり戻りは売られる展開1987.8ドル(−6.6)に反落して引けています。本日の円換算は9490円前後になります。ウクライナ情勢では小麦中心に穀物相場が急騰、今回は世界の火薬庫と呼ばれる中東、原油相場が急騰する場面が見られています。そして、どちらの有事にも共通して金は上昇、地政学上のリスクから逃避買いとして金が意識されています。

地上戦先送りなら、リスク回避姿勢は後退か?

おはようございます

土日の武装組織ハマスは米国人2人の人質を解放し、ハマスはイスラエル以外の人質を解放する用意があるとも伝えれています。(時間稼ぎと見られ、真に受けることはできません)一方で、イスラエルは地上戦への作戦は既に終了も、人質解放の外交努力を続けること意思があるようで、地上戦への突入の先送りや作戦変更もあり得るようです。今週も目が離せない状況が続きますが、地上戦への動きが先送りとなると有事は一旦織り込まれることになりそうです。

今週は米個人支出(PCE)や、第3四半期のGDP速報値が注目されます。また、来週のFOMCを前にECB理事会が開かれる予定ですが、9月理事会では利上げの打ち止めを示唆し、これ以上の利上げは景気に悪影響を及ぼすとして据え置きが予想されます。来週のFOMCでも据え置きが確実視されるなか、31日の日銀はYCC(イールド・カーブ・コントロール)の再修正の議論が取りざたされているようで、円安修正の動きには気を付けたいところです。

今週もよろしくお願いいたします。

株価の下落尻目に金は一時2000ドル突破!

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は続落して引け、ダウ平均は3万3127ドル(−286)に3日続落、ナスダック総合指数も1万2983(−202)に、S&P500市場も4224(−53)に4日続落して引けています。引き続きイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への地上戦への警戒が高まっています。長期金利は前日夕の5.0%乗せから幾分軟化して4.91%まで下げるも、高止まりの状況を嫌気する展開となっています。今週は小売売上高の発表に続き、鉱工業生産、新築住宅件数、失業保険申請件数など事前予想を上回る数値となり、金融引き締めの長期化が再認識されています。恐怖(VIX)指数も21ポイントに上昇し、市場の警戒も高まる水準となっています。

為替市場ではドル円は引き続き保ち合いに推移して149円80銭前後で推移、ユーロは1.059ドルに続伸し、ドル指数は前日の106.2から106.1ポイントに続落、米10年債利回りは前日夕に一時5.0%と16年ぶりの水準まで上昇しましたが、その後は軟化して4.91%に低下しています。月末と11月1日のFOMCを控えて本日よりブラックアウト(要人発言控える期間)入りしています。今回は金利据え置きが予想されていますが、インフレ指標や雇用・景気指標の好調が続き、市場では利上げ時期が来年後半までないとする悲観見通しも台頭しているようです。

【石油市況】
原油はパレスチナ情勢の緊張から一時90ドル乗せの場面も見られましたが、その後は週末要因の利食い売りに押されて軟化し88.75ドル(−0.62)に4日ぶりに反落して引けています。地上戦への警戒が続く中、イラン支援の武装組織の動きも警戒されています。当事者のイスラエルとハマスの戦争状態が、イランやエジプト、サウジ等の中東の有力国に広がるリスクが警戒されます。

【貴金属市況】
勝勢の続く金相場は、この日のNY市場午後には一時節目の2000ドルを突破する場面も見られましたが、その後は週末を控えた利食い調整に高値から軟化に転じて1994.4ドル(+13.9)に4日続伸して引けています。イスラエルの地上戦突入への警戒は引き続き強まり一方で、国際世論はガザ地区の民間人の死者数の増加に対してイスラエルを非難、欧米側も基本的にイスラエルを支持するも、人質の解放やガザに住む多くの民間人の安全の確保をイスラエルに求めています。特に中東ではイスラエル非難が高まっていて、ハマス支援のイランは武装組織ヒズボラやフーシ派などを使い、イスラエルへの攻撃の手を強めています。今後も目の離せない状況が続きます。今回の有事ではわずかに2週間で安値からほぼ200ドルの上昇に至っていますが、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻では200ドルの上昇にほぼ6週間を要しています。短期間での上昇はヘッジファンドによる売り込み過剰のポジション調整もあるようです。円換算値は9540円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

利上げ打ち止め説を牽制・パウエル議長

おはようございます

【金融・為替】
19日のNY株式市場は揃って続落して引け、ダウ平均は3万3414ドル(−250)に、ナスダック指数は1万3186(−128)に、S&P500 市場も4278(−36)に続落して引けています。パウエルFRB議長は講演で「更なる金融引き締めが正当化される可能性がある」との考え方を示し、一方で、その後の討論会で「政策判断は慎重に進める」と発言し利上げ観測が後退するとの受け止め方も出ているようです。このところ長期金利が16年ぶりの水準に上昇していることから、ある意味FRBの利上げの肩代わりを市場が実践しているとの受け止め方もあるようです。

為替市場ではNY時間の午後のパウエル発言に上下に荒れる場面も見られましたが、ドル円は149円80銭前後と今週は狭い範囲での保ち合いが続きます。ユーロは1.058ドル前後に上昇、ドル指数は106.5から106.2ポイントに低下しています。一方で米10年債利回りは同4.91%から4.99%に上昇し5%に接近、引き続き16年ぶりの高水準です。

【石油市況】
原油は89.37ドル(+1.05)に続伸し、90ドル台を再び伺う水準で引けています。今週米バイデン、独シュルツ、英ナスクと西側首脳がイスラエルを訪問しました。イスラエルは自国のガザ侵攻の正当性を主張し、ある程度の理解は得られたとの受け止め方をし、ガザ侵攻の地上戦が差し迫っているとの解釈がなされているようです。一方で、中東のみならず、罪のない民間人の多数が死者が連日増加していることから、非情なイスラエルの攻撃を非難する声が世界に広がっています。イラン支援のシリア南部に駐留する武装組織ヒズボラが本格参戦する可能性もあり、戦闘の拡大懸念が産油国に広がるリスクを市場は恐れているようです。

【貴金属市況】
パレスチナ情勢の緊張に端をはした金相場の上昇は、2週間にわたり続いています。本日はパウエル議長の政策は慎重に進める」とのは発言から、ドルの対ユーロでの下落も支援要因となり更に上値追いし一時1990.2ドルと節目の2000ドルに接近、今月6日の安値1823.5ドルから2週間で概ね170ドルもの上昇幅となっています。イスラエルによるガザへの地上戦侵攻を控え、警戒感は広がりマックスの状態、リスク商品の株価の下落に対して、金は安全資産としての見直しが広がっているようです。目先はRSIが円建て76、ドル建ても70を超える買われ過ぎゾーンにあり、緊張度合いをどの程度織り込んでいるのかは分かりませんが、金利高やドル高の逆風下の元、地政学リスクという実態の伴わない未知の材料でどこまで買うのか、買うだけ買ったのちの反応も不透明な状況が続きます。本日の円換算は9500円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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