本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2023年08月

ADPも労働需給軟化を示唆!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って4日続伸して引け、ダウ平均は3万4980ドル(+37)に、ナスダック指数は1万4019(+75)に、S&P500 市場も4514(+17)に続伸して引けています。本日発表されたADP民間雇用統計の就業者数は前月の32.4万人を下回る17.7万人と発表され、前日の求人数に陰りが見られたように雇用者数の伸びの鈍化傾向が意識され、利上げ休止の可能性が上昇し長期金利の低下が株価の上昇要因、また、2四半期の米GDPも速報の2.4%から確報値は2.1%に下方修正されたことも、利上げ休止への期待が膨らんでいるものと推測されます。

為替市場はドル円は146円05銭前後に小幅ドル安・円高で推移、ユーロも1.092ドル前後に続伸し、ドル指数は前日の103.4から103.1ポイントに続落し、米10年債利回りも同4.12%から4.11%に低下しました。今週は労働環境のひっ迫が緩和されていることが示唆される指標が相次でいますが、本日は新規失業保険申請件数や、個人支出(PCE)、更に明日は政府発表の雇用統計と重要指標発表が続きます。

【石油市況】
原油は81.63ドル(+0.47)に5日続伸して引け、米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫が予想を大きく上回る減少となり、米国内需要の旺盛さを再認識されたことや、産油国の減産継続の可能性の高まりも原油価格を押し上げています。日本国内のガソリン価格も市場最高値を更新し、岸田政権は元売りへの補助金延長を示唆しています。個人的にはガソリン税廃止!どうでしょうか?

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間は小幅にもち合う展開が続きましたが、米国時間に入り労働需給の緩和を示唆する民間雇用統計が発表されると、ドル安・長期金利低下の反応を見せ、利上げ休止の可能性が高まり金を追い上げる展開となり1973.0ドル(+7.9)に3日続伸して引けています。本日の円換算は9130円前後になり、円建ては史上最高値の更新が続いています。

雇用の過熱感後退にリスクオン!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って3日続伸して引け、ダウ平均は3万4852ドル(+292)に、ナスダック指数は1万3943(+238)に、S&P500 市場も4497(+64)に続伸しました。本日発表された二つの景気指標はいずれも予想に届かず、雇用関連では求人件数が前月の958.2万人から882.7万人に急減少しました。また、消費者信頼感指数は同117.0から106.1に急減し、利上げ休止への期待が広がり株高の要因となった模様です。市場の最大関心事の年内利上げの「ある・なし」は本日は「なし」の可能性が高まり、敏感に反応したようです。

為替市場ではドル円は一時147.3円台まで直近の円の安値を更新しましたが、上記指標の発表直後に様変わりし145円85銭前後に今度は円高方向に触れています。ユーロも同1.077ドルから1.088ドル前後に、ドル指数も同4.24%から4.12%に急低下しました。求人数の急減少から労働市場の過熱感が和らぎ、利上げ休止期待からドル安・長期金利低下の反応となりました。

【石油市況】
原油は81.16ドル(+1.06)に4日続伸して引け、他商品同様にドル高に押される展開から求人数の急減に大きく反応しました。利上げ観測の後退は原油にとっても後押し材料となりました。求人数はほぼ2年半ぶりの水準に落ち込んでいます。

【貴金属市況】
金はNY時間の午前までのドル高の動きに押される展開から一時1941.7ドルまで反落して推移も、その後の景気指標発表からドル高と長期金利上昇の流れが逆回転、金はこの動きに呼応するように好感して上昇に転じ1965.1ドル(+18.3)に続伸しました。本日の円換算は9070円前後になります。

長期金利低下は「利上げに慎重姿勢示唆?」

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場は揃って続伸して引け、ダウ平均は3万4559ドル(+213)に、ナスダック指数は1万3705(+114)に、S&P500 市場も4433(+27)に続伸して引けています。週末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演は「適切ならば、追加利上げの用意がある」とタカ派発言の一方で政策判断について「慎重に進める」と述べています。市場は過度な利上げ観測が後退したとの解釈、長期金利の上昇一服も株価押し上げ要因と見られ、ある意味、ご通合主義がまかり通っているようです。

為替市場はドル相場が反落する展開となり、ドル円は146円40銭前後に、ユーロは1.082ドル前後、ドル指数は週末の104.2から103.9ポイントに低下、米10年債利回りは同4.23%から4.20%に低下しています。

【石油市況】
原油は80.10ドル(+0.27)に続伸して、1週間ぶりに80ドル台を回復しています。9月もOPECの盟主であるサウジが30万バレルの減産を継続することは既に織り込んでいますが、引き続き10月以降も減産継続する可能性が高いと市場では見ています。減産による供給不足と、主要国の原油需要の旺盛さが市況を支える一方で、中国はじめ、世界経済の停滞観測は根強く市況の足を引っ張るリスクも今後はありそうです。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間は週末に引値圏プラマイ5ドル前後で推移も、米国時間入り後はドル高の一服や、長期金利の低下を受けて堅調に推移1946.8ドル(+6.9)に反発して引けています。先週末に発表されたCFTC(米商品先物取引委員会)が発表した投機筋のポジションは差引317トンの買い越しにここ4週で200トン余り買い越しが減少、特に新規売りが100t余り増加し、徐々に買い戻す動きも見られ上昇要因の一翼を担っているようです。本日の円換算は9025円前後になります。

今週はPCEや雇用統計に金融政策のヒント探る!

おはようございます

8月も最終週となりました。いまだに猛暑が続いていますが、日の出は遅く日の入りは早く、夜には虫の音も聞こえてきます。暑さはもうしばらくの辛抱ですね!

ジャクソンホールでのイベントは予想通り、パウエルFRB議長のタカ派発言となりました。株式市場は既に前日に織り込んだのような反応で上昇、為替市場では一段のドル高が進行し、債券利回りはほぼ前日並みの水準、商品では原油反発、金は続落の反応となりました。

いずれにしても、年内の利上げがあるやなしやは今後の景気指標次第となりそうで、今週はGDP改定値や個人支出(PCE)、週末には雇用統計といった重要指標が発表されます。9月19・20日のFOMCに関しては利上げ休止の見方が多いようですが、年内利上げの可能性に指標の発表ごとに一喜一憂の展開が続きそうです。

今週もよろしくお願いいたします。

議長タカ派発言も、利上げサイクルの終盤との見方も

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は揃って反発に転じて引け、ダウ平均は3万4346ドル(+247)に、ナスダック指数は1万3590(+126)に、S&P500 市場も4405(+29)に反発して引けています。米ジャクソンホールでのFRBパウエル議長の講演では「我々は必要であれば、利上げの用意がある」と、前日までの市場の予想通りにタカ派発言として受け止められています。年内1度の利上げの可能性は高まっている状況に変化はないものの、一方で「追加利上げか据え置きかを決定する場合、慎重に判断する」と「今後のデータ次第」とも受け止められています。来週も個人支出(PCE)や週末には雇用統計の発表が控え、今後の指標の発表内容に一喜一憂が続くことが予想されます。

為替市場では議長発言を受けてドル円は一時146円60銭台と年初来高値(円は安値)を示現、その後も円を売る動きが継続し146円40銭台を維持しています。ユーロも1.079ドル前後に沈み、ドル指数は前日の103.9から104.2ポイントに続伸しています。米10年債利回りは同4.24%から一時4.28%台まで上昇し、その後4.28%に小幅に軟化しています。

【石油市況】
原油は79.83ドル(+0.78)に続伸して引け、米ルイジアナ州の石油精製所の火事から需給ひっ迫が想定されたこと、石油製品在庫の減少が続いていること等が材料視されたようです。

【貴金属市況】
金は概ねタカ派のパウエル発言を受けて軟調に推移し、一時1900ドルの節目に迫るも台割れは回避し安値から戻すもドル高の流れには抗しきれず1921.3ドル(−7.2)に続落して引けています。引け後はドル高一服や、長期金利の上昇一服からやや反発して推移、週明けの円換算値は円安加味して8995円前後と円建ての史上最高値圏(高値は9010円)となります。

良い週末をお過ごしください!

パウエル発言警戒(ジャクソンホール)

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って反落に転じ、ダウ平均は3万4099ドル(−373)に、ナスダック指数は1万3463(−253)に、S&P500 市場も4376(−59)に反落して引けています。本日のジャクソンホールでのFRBパウエル議長の講演を控えて、同議長が年内少なくとも1度の利上げをし、更に政策金利は一定期間据え置くとのタカ派発言を警戒する展開となりました。議長講演を控えて、ボストン銀行のコリンズ総裁はメディアインタビューで一段の利上げの可能性を指摘しています。

為替市場はドルを買い戻す動きが優勢の展開になり、ドル円は145円95銭前後に、ユーロは1.081ドル前後に、ドル指数は前日の103.3から103.9ポイントに反発し、米10年債利回りは同4.1%から4.24%に上昇に転じています。ジャクソンホールを前にパウエル議長のタカ派発言に警戒をする動きは、ドル高と長期金利上昇の反応を示しています。本日は週間新規失業保険申請件数が事前予想を下回り、雇用の堅調地合いが再認識されたことも利上げ停止期待の後退となった模様です。

【石油市況】
原油は79.05ドル(+0.16)に4日ぶりに小反発しています。パウエル講演のタカ派予測にリスク商品が下落していましたが、原油はここ3日続落して値ごろ感があることや、産油国の減産等で下値が堅くなっているようです。

【貴金属市況】
ここ3営業日反発していた金は、この日はNY序盤の雇用堅調に軟化し1939.2ドルまで下落も、その後は売りが一巡すると反発に転じ1950ドル台台まで買い戻されるも、ドル安の一服や長期金利が上昇に転じると売りに押されて1947.1ドル(−1.0)と4日ぶりに小反落して引けています。本日の円換算は8980円前後になります。

景気指標後退に利上げ停止気運からリスクオンに!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場市場は揃って上昇し、ダウ平均は3万4472ドル(+185)に3日ぶりに反発し、ナスダック指数は1万3721(+215)に3日続伸、S&P500 市場も4436(+48)に反発して引けています。PMI(購買担当者景況指数)が前月の52.0、事前予想51.7を下回る50.4となり、過度な利上げ観測が後退して株高要因となりました。数値は5か月ぶりの低水準となり、好不調の節目の50に接近しています。景気指標の後退は本来は株価にとっては悪材料ながら、市場の関心事項は今後の金融政策が中心で利上げの可能性が低下したことはウェルカムというところでしょう。

為替市場ではPIM発表直後からドル売りの動きが強まり、ドル円は144円80銭前後に、ユーロも1.086ドルに反発し、ドル指数は前日の103.5から103.3ポイントに反落しています。米10年債利回りは同4.32%から4.19%に急低下しています。PIMの後退から利上げ停止期待が浮上し、ドル売り、金利低下の反応となっています。

【石油市況】
原油は78.89ドル(−0.76)に3日続落して引け、こちらは株価とは違いPMIの悪化に素直に反応しています。ユーロ圏やドイツの非製造業景況指数の後退も、原油需要の後退観測となっている模様です。

【貴金属市況】
金はPMIの悪化から原油とは逆の反応を見せて上昇、安全資産して見直す動きや、投機筋のショートカバー(売りの損切)も上昇に一役買って1948.1ドル(+22.1)に3日続伸して引けています。本日の円換算は円高加味して8910円前後になります。

格付け大手S&Pが地銀5行を格下げ!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はまちまちな展開となり、ダウ平均は3万4288ドル(−174)に反落し、ナスダック指数は1万3505(+8)に小幅に続伸、S&P500市場は4387(−12)に反落して引けています。大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングが地銀5行の格付けを引き下げ、金利上昇による資金調達コストの上昇が収益力の圧迫になることが格下げ要因と指摘しています。先週は他の格付け会社による引き下げの可能性も話題となっていました。金融株の下落が重石となった模様です。

為替市場ではドル円は145円80銭前後で推移、ユーロは1.084ドルに反落し、ドル指数は前日の103.3から103.5ポイントに上昇、米10年債利回りは同3.33%から3.32%に小幅に低下も高止まりが継続中です。

【石油市況】
原油は79.64ドル(−0.48)に続落して引け、再び80ドルの節目を割り込んでいます。前日に引き続き中国経済への懸念が、原油市況の上昇のブレーキとなっています。最も、需要期が続き米国内の原油在庫の減少傾向が続いていることや、産油国の減産の継続が先行きの需給ひっ迫懸念に変化ない状況が続いています。

【貴金属市況】
金は1926.0ドル(+3.0)に小幅ながら3日続伸して引け、2週間にわたり下落を強いられたわけですが、ドル高や長期金利上昇の一服、下落による値ごろ感、投機筋の売り過剰の内部要因もあり自律反発局面となっています。また、本日の地銀の格下げは安全資産として金を意識させる材料となっています。本日の円換算は8890円前後になります。

中国、遇貸出引き下げも焼け石になんとやら!

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式はダウ平均が一時200ドル超反落するも、安値からは戻す展開となり3万4463ドル(−36)に小反落して引けています。一方で先週は連日のように下落したナスダック指数は1万3497(+206)に、S&P500市場も4399(+30)に5日ぶりに反発して引けています。長期金利は一時3.35%まで上昇し2007年11月以来の水準まで上昇し株価の戻りを抑えていますが、売られ過ぎのハイテク株中心に値ごろ感から反発したとのコメント、週末のジャクソンホールでのパウエル発言を控えて神経戦が続きます。

為替市場はドル円は週末に一時144円93銭まで円を買い戻す場面が見られましたが、週明けは再びドルを買い戻す動きが戻り146円15銭前後にドル高・円安が進行、ユーロも1.089ドル前後に小反発、ドル指数は週末の103.4から103.3ポイントに小反落、対中国元や対ポンドでのドル安が見られます。米10年債利回りは前述のように一時4.35%まで上昇し、その後はやや軟化も4.33%に上昇しています。

【石油市況】
原油は80.12ドル(−0.54)に3日ぶりに反落に転じて引けています。中国経済の停滞が世界経済の不透明感を助長する中、週明けに中国の最優遇貸出金利の引き下げを発表しましたが、景気刺激策として小粒と指摘から原油市況の下押し要因と見られています。一方で主要国中心に原油需要は盛り上がって需給ひっ迫が指摘される環境であることや、ハリケーン・シーズン接近といった下支え要因も見られます。

【貴金属市況】
金は先週までの9日連続安から週末には下げ止まりを見せ、週明けも欧州時間にユーロが反発したことをきっかけに反発し、米国時間にユーロ軟化と長期金利の上昇から戻り幅は抑えられたものの1923.0ドル(+6.5)に続伸して引けています。本日は為替も円安方向もあり換算値は880円前後になります。

ジャクソンホールのパウエル発言を注視!

おはようございます

米国債の発行の増額や、FRB幹部のタカ派発言が米長期金利を昨年11月の水準まで上昇させ、通貨米ドルの上昇もあり株式市場やリスク商品の上値を重たいものにさせています。

今週は米ワイオミング州ジャクソンホールにおけるシンポジウムが24日〜26日に開かれ、主要国の中銀総裁が集うことになっています。注目は日本時間25日午後11時5分からのパウエルFRB議長の講演で、昨年の超の付くタカ派発言で株価急落の反応となりました。今年は既に利上げ休止を期待する市場の声に対して牽制するFRB幹部の発言も相次ぎ、タカ派発言はある程度織り込んでいることから、大きなサプライズはないと見られていますが、果たしてどうでしょうか・・・・?

今週もよろしくお願いいたします。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
広告規制に関する表示事項
お知らせ
最新記事の下に広告が掲載されてしまいますが、当ブログとは一切関係はありません。ご注意下さい。
Archives
Access counter
QRコード(携帯用)
QRコード
  • ライブドアブログ