本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2023年04月

異次元緩和継続に円相場が独歩安に

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は揃って続伸して引け、ダウ平均は3万4098ドル(+272)に、ナスダック総合指数は1万2226(+84)に、S&P500指数は4169(+34)で引けています。今週は大手地銀ファースト・リパブリック銀行の資金流出問題に、銀行による貸し渋りや景気後退の連想に大きく下落する日もありましたが、終えてみれば3指標揃って前週の終値を抜けて引けています。渦中の銀行は米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれる見方が強まり、信用不安リスク後退との事態の鎮静化の動きもみられるようです。

本日は個人消費支出(PCE)が発表され、FRBパウエル議長が注視するコスト指数は予想の1.0%を上回る1.2%なり、インフレの高止まりは5月FOMCでの利上げを正当化する内容でしたが、市場では銀行株の下げ止まりや底堅い米景気を好感するものとなりました。引き続き市場は6月以降の金融政策の行方を重視する姿勢ですが、現状は先行きの見通しは困難でFRBにしても今後の景気指標や金融情勢次第で政策スタンスは中立でしょう!

為替市場では植田日銀の異次元緩和策維持の発表に大荒れとなり、一部に緩和策の終焉見通しも強かったのか円相場は独歩安の展開となり136円25銭前後で今週の取引を終了、東京時間の水準から3円近い大幅な円安・ドル高となりました。対ユーロでも150円台に下落し14年ぶりの円安水準となっています。黒田氏からバトンを引き継いだ植田氏が異次元緩和策からの脱却を図ると一部の見方が裏目となり、サプライズに円は大きく売り込まれることになりました。ユーロ・ドルは1.101ドル前後、ドル指数は前日の101.4から101.6ポイントに小反発して引け、米10年債利回りは同3.52%から3.42%に急低下しました。

【石油市況】
株価同様に金融の不安定から今週は大きく下落した原油は、本日は76.78ドル(+2.02)に大幅続伸して引けています。株式市場同様に金融不安の連鎖を食い止めるFDICの動きも好感されたようです。また、5月以降のOPECプラスの自主減産の動きも下支え要因とみられています。

【貴金属市況】
金は引き続き2000ドル台を巡る攻防が続き、上下動は20ドル近くあるものの前日比では動意に乏しい展開から1999.1ドル(+0.1)で引けています。円相場急落からくる若干のドル高も、長期金利の低下が下支え要因となる1日でした。一方で我らが円建て金は円急落による支援から夜間取引で一時8703円の史上最高値をわずかに更新、週明けも8690円前後が予想されます。

良い週末をお過ごしください!

渦中の株価下げ止まり、リスク回避姿勢が後退

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って大幅高で引けています。ダウ平均は3万3826ドル(+524)に急反発、ナスダック指数は1万2142(+287)に続伸、S&P500市場は4135(+79)に反発しています。特段の強材料はありませんが、渦中のファースト・リパブリック銀行株が下げ止まり、他の金融株が連れて反発、決算好調の交流サイト・メタの株価急上昇が全般を牽引する展開となった模様です。

為替市場ではドル円は一時133円20銭台まで下落(円は上昇)しましたが、株価反発と同時に徐々にドル買いが強まり現在133円90銭前後で推移、ユーロは1.102ドル前後で推移、ドル指数は前日の101.4ポイントでほぼ変わらず、米10年債利回りは同3.44%から3.52%に上昇しています。本日は米第1四半期のGDPが発表され、前回の2.6%や事前予想2.0%を下回る1.1%となり、2四半期連続の前期比マイナスとなりました。一方で同時に発表されたコア個人消費支出(PCE)価格指数は事前予想を上回り、引き続きインフレを警戒させるものでした。来週のFOMCでの0.25%利上げは既に織り込み、市場の関心は6月FOMC以降に移っています。現状では5月利上げ打ち止め、その後は停止、更に利下げの可能性を期待する声は引き続き根強いようです。

【石油市況】
原油は74.76ドル(+0.46)に3日ぶりに小反発して引け、渦中の銀行株の反発から金融不安が後退し、株価全般の上昇から原油市況も下げ止まる展開となっています。

【貴金属市況】
2000ドルを挟む保ち合いが続く金相場は、アジアから欧州時間は反発に転じて推移一時2013.8ドルまで戻るも、NY時間入り後は徐々に軟化に転じて1999.0ドル(+3)と小反発程度で引けています。長期金利の上昇が上値を重いものにしたようです。本日の円換算は8545円前後になります。

尾を引く金融不安に、景気後退を意識

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はダウ平均が3万3301ドル(−228)に続落し、ナスダック指数は1万1854(+55)に反発、S&P500市場は4055(−15)に続落して引けています。不安定な株価の要因となっている米地銀大手ファースト・リパブリックの株価は、前日の49%の暴落に続き本日は更に30%下落しています。信用不安が広がると銀行による貸し渋りや、今後の米経済の景気後退観測が意識される展開となっています。

為替市場はドルは軟調に推移し、ユーロが再び1.1ドル台に乗せて、ドル指数は前日の101.8から101.4ポイントに反落して引け、ドル円は133円台で推移して現在133円55銭前後でほぼ全並みに推移、リスク回避の円買い傾向が続きます。米10年債利回りは同3.34%から3.47%に上昇しています。

【石油市況】
原油は74.30ドル(−2.77)に大幅続落して引け、米エネルギー協会(EIA)の予想外の原油在庫の減少の影響は限定的な市況、米国の金融システムに対する不安から株式市場が不安定となり、米国景気への不透明感が原油需要の後退を意味し投機売りが勝る展開となっているようです。

【貴金属市況】
2000ドルを巡る攻防が続く金は、本日大台を再び割り込み1996.0ドル(−8.5)に反落して引けています。地銀を巡る金融不安の高まりや株安の反応は金には強材料視されています。本日はドル安が支援も、長期金利の上昇は嫌気材料、2000ドル付近は下値が堅く、一方で上値重い展開が続き方向感がなかなか出てきません。本日の円換算は8530円前後になります。

米金融システム不安再び!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って大幅に下落、ダウ平均は3万3530ドル(−344)に急反落、ナスダック指数は1万1799(−238)に続落、S&P500市場は4071(−65)に反落しています。この日のニュースは地銀大手ファースト・リパブリック銀行の昨年末から今年3月の資金流出がおおよそ1000億ドル(13.3兆円強)となり、株価も前日比49%安の暴落に見舞われています。今後銀行の貸し出しが慎重となり、景気への悪影響を懸念するムードの高まりを嫌気する展開となっています。金融システムの不安はこのところ鳴りを潜めていましたが、決算発表により明るみに出た資金流出は、今後の米国景気の足かせとなりそうです。

為替市場はリスク回避の動きに円相場は上昇し、東京時間から50銭前後の円高・ドル安の133円70銭前後に安全通貨の円買い優勢の展開に、ユーロは逆に1.097ドルに1.1ドルの節目を割り込む下落、ドル指数は前日の101.3から101.8ポイントに反発しています。米10年債利回りは同3.49%から3.40%に低下しています。株安のリスク回避場面は円が上昇し、ユーロが下落する典型的な反応となっています。

【石油市況】
原油は77.07ドル(−1.69)に3日ぶりに反落して引け、地銀大手の資金流出による米景気後退を懸念する売りが下落要因と見られます。一方で中国の景気回復期待や、ガソリンの需要期を今後迎えること、OPECプラスの減産による需給ひっ迫懸念は引き続き下値支え要因となっています。

【貴金属市況】
金はアジア時間ではドル高により上値重く推移し一時1986.2ドルまで反落、その後米国時間入り後はドル高の流れは続くものの、地銀決算悪化を受けて株価が下落したことや、長期金利の低下が押し上げ要因となり反発に転じ2004.5ドル(+4.7)に続伸して引けています。本日の円換算は8570円前後になります。

6月以降睨み、景気指標に注目する市場

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場は方向感に欠ける展開となり、ダウ平均は3万3875ドル(+66)に続伸、ナスダック指数は1万2087(−35)に反落、S&P500市場は4137(+3)に続伸して引けています。既に来週のFOMCでの0.25%利上げは市場に織り込み、今後発表される景気指標で6月以降の金融政策を予想することになりますが、今週は27日に103月期米GDP速報値や、28日の個人消費支出(PCE)物価や雇用コスト指数と注目指標が続きます。

為替市場ではドル指数が週末の101.7から101.3ポイントに続落してドル売り優勢の展開、ユーロは14日以来1.10ドルに上昇しています。ドル円は134円05銭前後に小幅に円高・ドル安で推移しています。今週は28日の日銀の金融決定会合を控えていて、上田総裁の先の会見では今年後半には日本のCPIが2%を下回ると予想、緩和策の継続が予想されています。米10年債利回りは同3.56%から3.49%に低下しています。

【石油市況】
原油は78.76ドル(+0.89)に続伸して引け、5月からOPECプラスの減産が始まることや、メーデー以降の石油需要の拡大期待から上昇しているようです。

【貴金属市況】
金は先週末の3月末以来に終わりベースで2000ドルの大台を割り込み、アジアから欧州時間でも弱保ち合いが継続、NY時間入り後はユーロ高によるドル安や、長期金利の低下に背中を押されて一時大台を回復も、引け値では1999.8ドル(+9.3)に反発もやや戻りの鈍い展開となりました。ドル指数の低下からすると大台を大きく回復しても不思議ないものの、3週間に及ぶ2000ドル台で推移が続き高値取り組みから、戻り場面ではやれやれの売りも控えているようです。本日の円換算は8570円前後になります。

5月で打ち止め観測後退に萎縮する金融市場

おはようございます

米国では比較的好調な景気指標の発表が続き、来月2、3日のFOMCでは0.25%の利上げがほぼ織り込まれる市場環境となっています。FOMCを控えてブラックアウト期間に入り、要人発言は封印されることになりますが、現状の政策金利(FFレート)は4.75%〜5.0%が5.0%から5.25%に引き上げられることになりそうです。今週は植田日銀の会合(28日)も注目度は高いようです。

FRB内部では先週は多くの幹部たちの発言が相次ぎ「次回利上げで打ち止め」から「最終的に6%に接近する水準まで利上げ」等々様々な意見が出されました。5月FOMCでは先行きの金利予測となるドット・チャートの発表はなく、市場は6月以降の金融政策が不透明な情勢からポジションを傾けにくい市場環境が続きそうです。

今週もよろしくお願いいたします!

5月利上げ織り込み、投資家視線は6月以降に

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は揃って小反発して引けています。ダウ平均は3万3808ドル(+22)に4日ぶりに、ナスダック総合指数は1万2072(+12)に、S&P500は4133(+3)に反発して引けています。本日発表された米購買部担当者景況指数(PMI)は市場予想の49.0を上回る50.4となり、米国経済の堅調を示唆示唆したこともあり5月利上げの可能性は一段と確実性を高めたようです。本日22日よりブラックアウト期間入り(FOMC前に要人発言控え)となりますが、市場は5月利上げを織り込み6月以降の金融政策に注目があつまります。

為替市場はドル円が134円10銭前後、ユーロは1.098ドル前後、ドル指数は前日の101.8から101.7に小幅に続落し、米10年債利回りは同3.53%から3.56%に小幅に上昇しています。

【石油市況】
原油は77.87ドル(+0.50)に3日ぶりに反発して引け、PMI発表による追加利上げ見通しの高まりが上値を抑える一方で、5月からのOPECプラスの減産が引き続き下値を支持している展開です。

【貴金属市況】
金はアジア時間からユーロ安背景のドル高に上値重く推移、米国時間入り後はPMI発表直後にもドル高に押され、その後はドル買い一服からドル安方向に流れが変わるも、節目の2000ドルを下回る水準で軟調な展開が続き1990.5ドル(−28.6)に反落して引け、終値ベースで大台を割り込むのは3月末以来となります。円換算値は8540円前後になります。ここにきて5月利上げはほぼ織り込んでいるものと推測されますが、6月利上げの可能性も浮上し上抜け阻止の要因とみられます。


良い週末をお過ごしください!

利上げ継続と景気後退観測に警戒感が募る

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って下落し、ダウ平均は3万3786ドル(−110)に3日続落、ナスダック指数は1万2059(−97)に反落、S&P500市場は4129(−24)に続落しています。企業決算の発表が続くなかテスラの減収減益などが嫌気要因、また、ウィリアムズNY連銀総裁は「高インフレ抑制のため利上げ継続を支持」、メスター・クリーブランド連銀総裁も利上げ継続を支持する発言、市場では5月利上げ以降の休止期待がやや後退し6月利上げも意識する反応となっています。

為替市場はドル円が134円20銭前後に小幅ドル安・円高で推移、ユーロは1.096ドル前後に小幅に上昇、ドル指数は前日の101.9から101.8ポイントに小反落しています。米10年債利回りは同3.59%から3.53%にこちらも小幅に低下しています。本日は失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀景況指数など複数の景気指標が事前予想を下回り、今後の景気後退観測が再び浮上しています。

【石油市況】
原油は77.37ドル(−1.87)に大幅に続落して引け、株式の下落を横目に今後の米景気後退観測が売りを誘う展開となっています。来月からのOPECプラスの減産や中国経済の回復期待はあるものの、足元の米経済への悲観的見通しが勝っているようです。

【貴金属市況】
2000ドル台での攻防が続く金市場、保ち合いを大きく離れるには材料不足で連日のドルとの逆相関性が最も大きな変動要因となり、本日はドル相場が小安く推移していることを背景に堅調に推移し2019.1ドル(+11.8)に反発して引けています。既に5月利上げは織り込み、他市場同様に6月以降のFOMCでの金融政策が最大の関心事項となっています。本日の円換算は8630円前後になります。

英国のCPIが10%超えに利下げ期待の米国市場は冷や水!

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は本日もまちまちな展開、ダウ平均は3万3897ドル(−79)に続落、ナスダック指数は1万2157(+3)に小反発、S&P500市場は4154(−0.3)に小反落して引けています。今週から来週にかけて次々に大手企業決算の発表があり、様子見の見方もあるようです。

為替市場はドル円は欧州時間に一時135円台まで円安・ドル高進行も、その後はドルを買い戻す動きは一巡し現在134円65銭前後で推移、ユーロも1.91ドルまで下落後反発に転じ1.095ドル前後で推移、ドル指数は前日の101.7から101.9ポイントに小反発しています。英国ではCPIが10.1%と予想を超えるものでインフレ継続を示唆、米国債利回りにも波及して一時3.63%台まで上昇、その後はややだれて3.59%前後の水準です。再来週5月2、3日のFOMCを控えて、この22日からブラックアウト(FRB幹部の発言封鎖期間)入りとなりますが、今回は既に0.25%利上げは織り込み、市場の関心事項は6月FOMC以降の金融政策に移っているようです。

【石油市況】
原油は79.24ドル(−1.06)に反落して引け、英国のCPIの高水準から米国にもインフレが波及する可能性と、今後のFRBが再びタカ派姿勢に転じる可能性を危惧する手仕舞い売りに押された模様です。一方でOPECプラスの減産や、中国のGDPが好調を示し中国需要の拡大が下値を支えています。

【貴金属市況】
金は欧州時間に一時的にドル高に大きく振れたことから、一時1980.9ドルと大台を割り込み直近安値更新も、その後はドル買いが後退し金は徐々に反発推移も2007.8ドル(−12.4)に反落して引けています。2000ドルの大台を巡る攻防がこのところ続き、勝敗の行方はドルの強弱が握っているものと推測されます。本日の円換算は8620円前後になります。

5月利上げ織り込みも6月以降が不透明な情勢

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は小幅な値動き、ダウ平均は3万3976ドル(−10)に、ナスダック指数は1万2153(−4)に、S&P500市場は4154(+3)と全般に高安まちまちな展開、金融大手の一角であるゴールドマンサックスの決算は市場予想をやや下回る結果でした。FRB幹部の発言としてはボスティック総裁が「利上げはあと一回が適切である」とし、5月利上げ後は金利据え置き状態が続くと市場では予測、一時の早期利下げ期待はやや後退しているようです。

為替市場はドル買いは一服して、ドル円は134円丁度近辺で推移、ユーロは1.097ドル前後で推移、ドル指数は前日の102.1から101.7ポイントに反落しています。米10年債利回りは同3.60%から3.57%前後に低下しています。5月利上げ以降の金融政策に関しては今後の景気指標や、金融システムの不安の問題等が今後の注目点となります。

【石油市況】
原油市場は株式市場同様に小幅な動きにとどまり80.90ドル(+0.07)に小反発して引けています。80ドルの大台は死守して引け、5月以降のOPECプラスの減産や、中国経済の立ち直り期待が下値支え要因と見らえています。

【貴金属市況】
金はドル高一服の流れや長期金利の低下を好感して反発、NY時間序盤は下値追いに一時2003.3ドルに下落も、大台を維持ししたこともあり反発に転じ2019.7ドル(+12.7)と3日ぶりに反発して引けています。本日の円換算値は8630円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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