本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2022年07月

ハト派に転換期待のリスクオン続く

おはようございます

【金融・為替】
7月最終日と週末が重なるNY株式市場は3連騰して引けるリスクオン相場、ダウ平均は3万2845ドル(+316)と直近3営業日で1000ドル強の上昇、ナスダック市場は1万2390(+228)に、S&P500市場も4131(+58)に揃っての続伸となりました。決算が好感されたアップルやアマゾンが上昇を牽引しています。

今週最大のイベントであったFOMC後にパウエル議長が今後の金融政策に言及し「金融政策が引き締まるにつれ、引き締めペースを緩めることが適切」との発言に、次回9月以降の利上げペースが緩和されるとの好都合の解釈により、その後のリスクオンの流れで週末まで突っ走った印象です。一方でその後のGDPの2四半期連続のマイナス成長は景気後退を意味しますが、これも景気配慮の当局の緩和姿勢を後押しするとの解釈、本日の個人消費(PCE)コア指数は前年比+4.8%と僅かな伸びにとどまり、物価上昇に対する賃金の伸びの縮小から個人消費の伸びの鈍化が気がかりです。

為替市場では連日のドル安の流れが継続し、特に日本円の上昇が今週は顕著で一時132円50銭前後に急伸、その後は幾分落ち着いたものの133円25銭前後で先週末の137円85銭から大きくドル安・円高が進行しました。日米の金利差から円を大きく売り込んだポジションが一気に巻き返す展開となりましたが、政策の格差は引き続き続きドル売り一巡後は再び円を売る動きに転じるとの指摘もあります。ユーロは1.022ドルに反発し、ドル指数は前日の106.1から105.8ポイントに続落しています。米10年債利回りも前日の2.67%から2.65%に更に低下しています。FOMC後は複数のFRB幹部の発言が伝えられていますが、堅調な雇用から景気後退を回避するソフトランディングが可能との指摘が出されています。

【石油市況】
原油は一時100ドルの大台を回復する急反発となり、高値から調整も98.62ドル(+2.20)に反発して引けています。OPECプラスの6月実績が計画を284万バレル下回ったが明らかにされたことや、来週のOPECプラスの会合への影響も懸念される状況です。また、石油メジャーとエクソン・モービルとシェブロンが揃って過去最高の決算を発表したことも上昇要因でした。

【貴金属市況】
金は連日のドル安を背景にこれまでドル高を弱気した勢力のショートカバーが続き、3日続伸して10月限は1771.5ドル(+12.5)に続伸して引けています。株式市場同様に9月以降の金融政策の緩和見通しも上昇要因、売り方の手じまいにより総取組高が大きく減少していますが、1800ドルに向かうには新規買ことが必要とされていると思われます。週明けの円換算は7530円前後になります。

良い週末をお過ごし下さい!

米2四半期連続マイナス成長・FRBがハト派に豹変?

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って続伸し、ダウ平均は3万2529ドル(+332)に、ナスダック総合指数は1万2162(+130)に、S&P500市場も4072(+48)に続伸して引けています。注目された第2四半期GDPは予想を下回り−0.9%と前期の−1.6%に次いで四半期連続でマイナス成長となりました。「テクニカルリセッション」と呼ばれる景気後退入りと判断され、物価上昇が同居するとなると「スタグフレーション」の色合いがより濃いものになります。株式市場はこれを悪材料とは受け止めず、今後のFRBの金融姿勢がタカ派からハト派に軟化するとの期待が株高につながっています。前日の0.75%の大幅利上げも、本日のマイナス成長もいいように受け止める市場の反応となっています。

為替市場はGDPのマイナス成長を受けて、金融引き締めが緩和に向かうとの見方にドル安進行し、ドル円は134円25銭前後に連日のように今週は円高が進み、前週末比3円60銭前後の大幅ドル安・円高になります。ユーロは米GDP発表直前まで下落推移していましたが、発表後は反発に転じて1.019ドル前後に前日並みの水準に戻り、ドル指数は前日の106.4から106.1に続落しています。米10年債利回りも低下して2.67%に低下しています。こちらもマイナス成長を受けた反応となっています。

【石油市況】
原油は96.42ドル(−0.84)に反落して引け、米国のリセッション入りを警戒し石油需要の減速懸念からの反落につながっている模様です。来週はOPECプラスの会合が予想され、バイデン大統領のサウジ訪問の成果が試されることになりますが、増産への楽観的見方は後退気味のようです。

【貴金属市況】
金は前日のFOMC以降に1730ドル台に浮上して推移し、アジアから欧州市場に移行後も保ち合い推移、動意が見られたのはGDP発表後のドル安と長期金利の低下を追い風に続伸し、中心限月12月は1769.2(+31.7)に大幅続伸して引けています。投機筋の売りポジションが手仕舞いされる買い注文が相場水準を引き上げています。本日の円換算はドル建て価格上昇を円高が相殺するもので、7550円前後になります。

利上げ予想通りも、今後のペースダウンを期待する反応

おはようございます

【金融・為替】
FOMCを固唾をのんで見守る市場ですが動意を見せたのはパウエル議長の会見からで、リスク回避姿勢が大きく後退して株価は大きく上昇に転じています。ダウ平均は3万2197ドル(+436)に、ナスダック総合指数は1万2032(+469)に、S&P500市場も4023(+102)に3市場揃って大幅反発して引けています。政策金利は予想通りに0.75%引き上げ年率2.25%〜2.50%と発表されました。

その後のパウエル議長の会見では「次回9月会合でも大規模な利上げが適切になるかもしれない」と述べ、一方で「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれ、引き上げペースを緩めることが適切となることが高い」とも発言し、株式市場は後半の発言から利上げペースの鈍化予測に反応を示したものと思われます。

FOMCを受けて長期金利は10年債利回りが前日の2.81%から2.79%に更に低下し、ドル相場も軟調な展開を示しドル円は136円55銭前後に東京時間より30銭前後の円高・ドル安で推移、ユーロも1.020ドル前後に反発し、ドル指数は前日の107.2から106.4ポイントに反落して推移しています。次回9月FOMCまで2か月間の時間猶予があり、市場は8月のジャクソンホールを注目することになります。昨年はパウエル議長が「インフレは一時的現象である」と断言し、その後に金融政策を180度転換させたこともあり、金融政策には慎重なスタンスで臨むものと推測されます。

【石油市況】
原油は97.26ドル(+2.28)に急反発して引けています。米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫が減少したことや、ガソリン価格下落による需要拡大傾向が鮮明となったこと、更に原油と石油製品の輸出が過去最高となったことにも反応しています。引け後のパウエル会見からリスクオン相場も戻り、時間外では一段更に上昇しています。

【貴金属市況】
金は1720ドル前後で推移しFOMC前に引けて1719.1ドル(+1.4)に小反発して引けています。引け後に為替がドル安に振れたことや、長期金利が低下したことから一段の上昇となり引け値から10ドル余り値を伸ばし1730ドル台前半で推移しています。為替は円高に振れたこともありますが、本日の円換算は7580円前後に上昇が見込まれます。

FOMC控えて模様眺めに!

おはようございます

【金融・為替】
明日のFOMCを控えてNY株式市場は軟調な展開、ダウ平均は3万1761ドル(−228)に反落し、ナスダック総合指数は1万1562(−220)に続落、S&P500市場も3921(−45)に続落して引けています。企業決算では小売り大手ウォルマートが通期の収益見通しを下方修正、本日の景気指標である消費者信頼感指数や、新築住宅販売も事前予想を下回る内容でした。FOMCでは既に0.75%の利上げを織り込み、注目はパウエル議長の発言に移っていて、次回の9月の利上げ幅に関する言及や、今後の米国経済と金融政策のスタンスに対する内容が注目されます。

為替市場はドル買いが優勢の展開となり、ドル円は136円台で推移し現在136円90銭前後で推移しています。ユーロは前日のロシア産天然ガスの供給縮小を受けて軟調に推移し、1.011ドル台で推移しています。ドル指数は前日の106.4から107.2ポイントに上昇しています。米10年債利回りは2.81%前後にほぼ前日並みに推移し、冴えない株式市場から逃避資金は債券市場への流入も見られるようです。

【石油市況】
原油は94.98ドル(−1.72)に反落して引け、バイデン政権の戦略石油備蓄(SPR)から2000万バレルを放出することを決定したことを嫌気する反応を示しています。SPRから1億8000万バレル放出はこの時点で、既に1億2500万バレルの放出を既に済ませていて、穿った見方をすると放出余力の残りは限定的とも判断できるでしょうか!FOMC控えて株式市場などがリスク回避の動きとなったことも、原油市況の冴えない要因となっている模様です。

【貴金属市況】
欧州時間に一時1726.4ドルに戻る水準がいっぱいで、前日に続きドル高に押される展開に軟調な展開となり1717.7ドル(−1.4)に続落して引けています。このところ1700ドル割れを見た金は直近では1700ドル台をキープしていますが、さらなる上値追いには支援材料不足の状態といったところでしょうか。FOMCでの利上げは金市場でもほぼ織り込み、9月以降の金融政策が注目されます。本日の円換算は7530円前後になります。

FOMCにGDPと今週は重要イベント続く

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場はまちまちな展開、ダウ平均は3万1990ドル(+90)に反発し、ナスダック総合指数は1万1782(−51)に続落、S&P500市場は3250(+5)に小反発して引けています。本日より2日間の日程でFOMCが始まり、日本時間28日(木)午前3時に政策金利発表、続いて3時半よりパウエル議長の会見が開かれます。今回は先行きの経済、金利見通しの発表はなく、政策金利0.75%の引き上げは既に織り込み済みで、議長会見で次回9月の利上げ幅を占うことになり発言が注目されます。そして翌28日は4−6月期GDPが発表予定で、前回−1.6%の結果から今回もマイナス成長となると定義として米国の景気後退が確認される可能性もあります。

為替市場はドル円は週末のNY市場のドル安の動きを引きずり、ドル円は東京時間に一時135円90銭まで円高が進行する場面も見られました。ドル売り一巡後は徐々にドル買いの動きとなり、現在は136円65銭前後で推移しています。ユーロは先週のパリティ(ドル対ユーロの等価)以降はECBの利上げによりユーロが戻す展開も、伊政局の混乱や、ロシア産ガスの供給不安等がユーロも戻りを鈍いものにして1.021ドルとほぼ週末並みの水準で推移、ドル指数は週末の106.5から106.4ポイントと小動きに終始、米10年債利回りも同2.75%から2.80%に小幅上昇していますが、3%を下回る水準での動きとなっています。

【石油市況】
原油は96.70ドル(+2.00)に4日ぶりに反発して引け、先週再開されたロシア産天然ガスを供給するノルドストリームが稼働率40%から20%に落ち込んだことを材料視しての反発となっています。ロシアの供給企業ガスプロムは、業界団体の指示により稼働中のタービンを一部停止すると伝えれています。ウクライナ情勢への欧米の支援を牽制する道具に天然ガスを使っているようです。今後もロシアに振り回される受け身の市場です。

【貴金属市況】
金はアジア時間では1720ドル台前半に軟調に推移、欧州時間にはユーロの反発からドル安地合いを手掛かりに上昇に転じ、一時1734.6ドルまで戻りを試す展開となりました。その後はユーロの軟化に徐々に上値重く推移し、NY時間はユーロ安・ドル高の動きから戻りを売られて1719.1ドル(−8.3)に3日ぶりに反落して引けています。何度か1700ドル割れを試す下値探りの状況は続きますが、1700ドルに返り咲き売り方のカバーが出ている模様ですが、買い戻し一巡から上値が重いとも言えるでしょうか。1700ドルで下値を固める展開となるか注目です。本日の円換算は7525円前後になります。

3年2か月ぶりに萎縮する金の買い

週末に発表された米商品先物取引員会(CFTC)によると、金の先物市場の投機筋の買いは749.6トンに減少し、売りは452.2トンに膨らんで、ネット(差引)買い越しは295.3トンと2019年8月以来の低水準となっています。手元の資料では2018年に一時的にネット売り越しは有りましたが、今年3月に2000ドルを突破した時点からほぼ3分の1に急速に縮小しています。

弱気の売りが増加する最大の理由はコロナ後のFRBによる利上げ政策で、同時に進行するドルINDEX(指数)の上昇が弱気相場を作り上げています。金は3月高値2078.8ドルから今月の1676.4ドルまで下げ幅は400ドルを超える大きなもので、率にして19.2%の下げになります。ドル指数のほうはその間97.5から109.2ポイントに上昇し、11.7の上昇率に対し、率は12%でした。

先週はこれまでのドル買いの流れに変調が見られ、ECBの0.5%利上げのサプライズにドル高が一服し、ドル円は一時135円50銭台までドル安が進み、ドル買い一辺倒の流れが変わりつつあるようです。円安により円建て金は過去最高値を更新した金ですが、円高・ドル安の流れは過去に円建て価格を押し上げる展開も多く見られ、円高の下落幅よりも、ドル建ての上昇幅のほうが上回ることが多々ありました。ドル高修正の局面に金を買うチャンスは過去多く見られます!

ウクライナ侵攻6か月目に入る

おはようございます

世界的なインフレ進行の大きな要因と見られるウクライナでの戦闘は、既に6か月目に突入しています。ロシア産の石油や天然ガスが制裁対象となっていることは周知の事実ですが、ロシア依存の高い欧州経済に少なからぬ打撃を与えると同時に、ロシアの戦略物資として西側への圧力となっています。

一方のウクライナは農業立国で穀物を世界に輸出して経済が成り立っています。なかでも小麦のシェアは大きく、ウクライナ産小麦の輸出停滞により新興国の食料不足は深刻な情勢です。このような中で先週はウクライナ産の穀物輸出の再開が、当事者のウクライナとロシアに加えて仲介役のトルコと国連の合意により再開にこぎつけました。但し、その翌日はロシア軍は南部の穀物輸出港であるオデーサを空爆し、早くを行き詰まりを起こしています。この後の成り行きが注目されます。

長期化が予想されるウクライナ情勢ですが、西側支援もウクライナのロシア軍による攻撃に対する受け身の武器に限定され、防衛力強化だけでは戦闘の終了の時期は見通せず、プーチンの暴走(核のボタン等)を避けるために武器供与もロシアに忖度したものに限られています。戦争を早期に集結させるにはロシア国内のクーデターなどの動きが必要なのでしょうか。民間人への攻撃が止まず、痛ましい殺戮が早く終わって欲しいものです。

今週もよろしくお願いします!

PMI悪化に景気後退を再認識

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は4日ぶりに反落に転じ、ダウ平均は3万1899ドル(−137)に、ナスダック市場は1万1834(−225)に、S&P500市場も3961(−37)に揃っての反落となりました。7月の米購買担当者景況指数総合(PMI)が4か月連続してされ、好不調の分かれ目とされる50を割り込み47.5に急低下し、ユーロ圏でもPMIが3か月連続低下し50割れとなりました。先行きの景気に対する警戒感が改めて高まることになりました。

為替市場は欧米のPMIの悪化を背景にドルを売る動きが強まり、ドル円は一時135円50銭台までドル安が進行し、ドル売り一巡後も136円10銭近辺で取引を終えようとしていますが、前日の東京時間から1円70銭前後の大幅ドル安・円高水準となっています。ユーロも米国同様にPMI悪化に対ドルは1.021ドルと、前日のサプライズ利上げにも関わらず上値の重い展開が続き、ドル指数は106.5ポイントと前日比は僅かに小幅安の水準で、円を買い戻す動きが目立つ1日となりました。米10年債利回りは2.75%に更に低下し、金融引き締めの緩和を期待させるような反応ですが、来週27日のFOMCでの0.75%引き上げの予想を覆すには至らないように思われます。

【石油市況】
原油は94.75ドル(−1.65)に3日続落して引けています。欧米のPMIが揃って好不調の分かれ目とされる50を割り込み、景気後退が意識され原油需要の減速を意識させる展開を余儀なくされた模様です。一方で来月3日のOPECプラスでは増産の見方は楽観視できない状況のようで、バイデン大統領が訪問要請したサウジの増産余力が限られていると、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が伝えています。

【貴金属市況】
前日に安値の1678.4ドルから急反発した金はアジア時間は1710ドル台で小幅な値動きで推移、反応を見せたのは米PMI発表後にドルが下落に転じたことで、一時1740ドル近辺まで大きく上昇しました。その後買い一巡後は高値修正の動きとなるも1727.4ドル(+14.2)に続伸して引けています。弱気の投機筋の売りが買い戻される展開も、本日の上昇を後押しした模様です。但し、週明けの円換算は円高加味して7530円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

ECB利上げに、主要国唯一の緩和策日本

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3日続伸し、ダウ平均は3万2036ドル(+162)に、ナスダック総合指数も1万2059(+161)に、S&P500市場も3998(+39)に揃って上昇しました。企業決算の好調が株高を後押しする展開が続き、一部には景気後退を相場は既に織り込んだとする強気な見通しもいられます。一方で来週のFOMCでも0.75%の利上げが予想され、引き続き金融引き締め強化が続く環境下の元、インフレや景気を両にらみする神経質な展開が続くと見られます。

為替市場は日銀の緩和策の維持と、ECBの0.5%の利上げという対照的な政策決定が行われました。一時円売りに、そして一時ユーロ急伸も見られましたが、ドルを売り直す動きも見られドル指数は前日の107.0から106.5ポイントに反落して推移、円は138円80銭台から137円40銭前後に円買いドル売り優勢の展開、ユーロは1.027ドルまで急伸後に軟化に転じ1.022ドル前後で推移しています。ECBは0.5%という大幅引き上げを示し、このところ一時ドルとユーロの価値が等価(パリティ)を達成しましたが、次回9月の理事会でも追加利上げが予想されるECBの政策から、ユーロの過度な下落に歯止めがかかるのか注目されます。一方の日銀の不動の緩和策の継続は今後も続くもので、遂にユーロの引き締め開始から主要国の唯一の金融緩和通貨日本円は、今後も売り対象の有力通貨として立ち位置は維持されそうです。米10年債利回りは2.87%に3%割れに低下しています。

【石油市況】
原油は96.85ドル(−3.53)に大幅に続落して引け、ロシア産の天然ガスのパイプライン・ノルドストリームの再開から先行きのエネルギー供給の不安要素の後退から下落しています。また、ECBの利上げによる欧州経済の先行きに悲観見通しが台頭し、下落する要因と見られたようです。

【貴金属市況】
金は終値ベースで辛うじて1700ドルを死守する日々が続きますが、連日のように取引道中では大台を割り込んでいます。昨日もアジア時間から割り込み、その後はECBの理事会の時間帯に一時1678.4ドルと直近安値を示現し、ECBのタカ派姿勢が確認されるとユーロの反発地合い(ドル安)から徐々に下値を切り上げ、米国時間序盤には1700ドルの大台を回復し、売り方のショートカバーも巻き込う反発地合いは続き1713.4ドル(+13.2)に反発して引けています。今後1700ドル台を踏み固められるのか注目され、売りポジションが膨らんでいるだけに底値圏脱出となるのか注視することになります。本日の円換算は7560円前後になります。

本日は日銀&ECBの金融政策会合に注目

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はダウ平均は3万1874ドル(+47)に続伸、ナスダック総合指数も1万1897(+184)に、S&P500市場も3959(+23)に3市場揃って続伸して引けています。企業決算真っ只中ですが、売り上げや利益が予想を上回る企業のほうが現状は多く、企業業績の悪化を避けられているように見られています。また、来週のFOMCでの利上げ幅が0.75%に留まる見方が強まり、過度な金融引き締めが回避される見通しもリスク回避の後退につながっている模様です。

為替市場はドル指数が前日の106.6から107.0に小反発し、ドル売りが全般に後退する展開となっています。ドル円は138円25銭前後で推移、ユーロは1.017ドル前後で推移、本日は日銀の政策会合とECB理事会が予定され市場の注目は高まっています。日銀黒田総裁の発言、ECBラガルド総裁の発言内容によっては為替市場の変調に及ぶ可能性もあります。米10年債利回りは3.03%前後と前日よりほぼ横ばい推移です。

【石油市況】
原油は99.88ドル(−0.86)に4日ぶりに反落に転じて引け、21日以降はロシア産の天然ガスの一部の供給再開見通し、また、世界的なインフレから石油需要の減少予測が軟調な展開につながったようです。一方で米エネルギー情報局(IEA)の週報では、需要が堅調な内容であったことから下値を支える動きに働いたようです。

【貴金属市況】
ドル高を背景に軟調な展開が6週目に入った金は、今週も下値模索が続き本日は一時1693.8ドルと直近安値を下回り11か月ぶりの安値を示現、その後は安値から小戻し1700.2ドル(−10.5)で引けるも3日ぶりに反落して引けています。3月の2000ドル台ではインフレヘッジが上昇の旗印でしたが、現状の下落はドル高により金利の付かない金には下落要因として売りの口実から、戻りを売られやすい売り方ペースの展開が続いています。一方で価格下落による安値を拾う値ごろ感が働く水準でもあり、安値を売り込む姿勢の慎重な見方も出ているようです。本日の円換算は7510円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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