本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2022年04月

日銀&財務省は円安ピッチ警戒も、全体はプラス判断か

おはようございます

【金融・為替】
3連休明けのNY株式市場は小幅に続落、ダウ平均は3万4411ドル(−39)に下げ、原油高により景気関連株が下落し、一方でバンク・オブ・アメリカの好決算や、金融引き締めによる利回り上昇予測から金融株全般に堅調、ナスダック総合指数も1万3332(−18)に、S&P500市場も4391(−0.9)に揃って続落して引けています。

為替はドル高の流れが週明けも引き継がれ、ドル円は円の本日の安値圏127円丁度を挟む水準で推移、ユーロも1.077ドルに続落し、ドル指数は週末の100.3から100.8ポイントに続伸しています。米10年債利回りも週末の2.82%から2.86%に一段上昇しています。本日はIMF(国際通貨基金)の世界景気見通しが発表される予定ですが、それに先立ち世界銀行の今年の成長率見通しが発表され、前回の4.1%から3.2%に下方修正されています。

【石油市況】
原油は107.61ドル(+1.23)に4日続伸して引け、リビア国営石油会社の同国最大の油田に対して不可抗力条項を発動したことが上昇要因、また、ロシアのウクライナへの攻撃が激化していることや、ロシアン産原油の輸出が4月前半で3月比で7.5%減少してると伝えられていることも支援要因と見られます。一方で中国のコロナ感染拡大によるロックダウンにより、中国の原油需要の後退は悪材料と見らています。

【貴金属市況】
金はアジア時間では週末比10ドル前後堅調の1980ドル台で推移、欧州時間も堅調を引き継ぎ、NY時間の午前には一時2003.0ドルと3月11日以来の高値を示現、ウクライナ情勢の一層の緊張の高まりや原油高などに押される展開となりました。但し、大台示現は長くは続かずで利食い売りなどに押されて軟化し1986.4ドル(+11.5)と上昇幅を詰めて引けています。NY時間後半ではドル高の進行や、長期金利の上昇に押された模様です。引き続きインフレヘッジに加えて、地政学上のリスクから安全資産として買いが優勢の展開が続きます。夜間の円建ては一時8114円まで上昇する場面も見られましたが、その後の軟化から本日の円換算は8070円前後になります。

円建て金は行き過ぎの是正から

おはようございます

先週の為替相場はドル円が126円60銭台まで高値を更新(円は安値更新)しましたが、2015年の黒田ラインと呼ばれた125円86銭を抜き去りました。となるとテクニカル上次のターゲットは2002年1月の135円台となり、為替アナリストの間でも今後一段の円安を読み年内の130円台を指摘する声が大きくなっています。インフレ対応にFRBは今年FOMCごとに利上げを繰り返すことが予想され、一方で2%のインフレ目標がほど遠い日銀との金利差拡大は代えがたい事実で、政策の違いによる円安を容認するような姿勢も円売り加速につながっている模様です。週明けのドル円は126円40銭近辺で始まっています。

ウクライナ情勢に関しては、米国がウクライナへの武器供与を続けることに対して外交的な正式文書で辞めるように警告したようです。旗艦モスクワの沈没により今後の作戦にも悪影響が出ることや、中立国フィンランドやスウェーデンのNATO加盟の動きはロシアにとっては大きな痛手となることが予想され、昨日は東部マリポポリのウクライナ兵への降伏の呼びかけ(ウクライナ側は応じず)など、今後はロシアによる攻撃が更にエスカレートするものと予想され、民間人の死傷者がさらに増えるリスクが高まるものと予想されます。

7時を回り週明けの電子取引が始まりました。連休に円建て金は一時8115円まで大きく上昇し、週末の終値時点でも8072円とドル建て価格×為替からして大きく買われ過ぎの金相場ですが、現在の為替126.5円×1973ドルからすると8010円前後の換算値となり、円建ては買われ過ぎの是正から週明けスタートとなりそうです。

今週もよろしくお願いします!

タカ派姿勢緩慢のECB

おはようございます

【金融・為替】
本日15日(金)の米国市場は「イースター(復活祭)」休暇の祭日、電子取引を含めて市場は休場となり3連休入りです。NY株式市場は3万4451ドル(−113)に反落し、ナスダック総合指数も1万3351(−292)に、S&P500市場も4392(−54)に3市場揃って反落しています。取引序盤はゴールドマンサックスの好決算を受けて続伸して始まる展開でしたが、その後は長期金利の上昇を受けてハイテク株が主導しての下げとなりました。

為替市場では注目されたECB理事会では現状の量的緩和策を7−9月期に終了、利上げは10−12月期の見通しとなり、予想ほどタカ派ではないことからユーロが1.075ドルまで売り込まれる場面がありました。売り一巡後は買い戻されたものの現在1.082ドルに反落して推移しています。ユーロ安に連れるように円相場も一時126円まで反落し、やや買い戻されるも現在125円90銭前後に反落し推移しています。対極にある米ドルは堅調に推移してドル指数は前日の99.8から100.3に反発しています。米10年債利回りも前日の2.70%台から2.83%台に上昇しています。

【石油市況】
原油は106.95ドル(+2.70)に3日続伸して引けています。国内の防衛に集中していたウクライナ軍が首都キーウ北西のロシア領内を空爆した模様で、戦闘の段階が一段引き上げらたとの受け止めとなっています。ロシアの報道によるとヘリコプターによる空爆で民間人7人が負傷した模様です。ウクライナ東部へのロシア軍の総攻撃が迫るなか、NATOからの武器供与を受けたウクライナも指揮の高さを維持した状態で戦闘が続くと見らています。暗礁に乗り上げた停戦交渉も粘り強く続けて欲しいものです。

【貴金属市況】
前日まで5日続伸した金は6日ぶりに反落に転じ1974.8ドル(−9.8)で引けています。ECBによる利上げ観測が後退したことによりドル高と長期金利の上昇が本日は重石となったことや、連休を前にしたリグ売りに押された模様です。一方で円建ては再び円安方向に振れ換算値は7975円前後になります。

インフレ対応で主要国中銀が相次ぐ利上げ、取り残される日銀

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って反発に転じ、ダウ平均は3万4564ドル(+346)に、ナスダック総合指数も1万3643(+272)に、S&P500市場も4446(+49)に反発して引けています。前日のCPIに続き本日は3月のPPI(生産者物価指数)が発表され、前年同月比11.2%と予想と前月比を上回るインフレ進行が示されていますが、長期金利はむしろ低下に転じたことや、連日の下落によるリバウンド、更に4−6月期の企業決算への期待もあり反発地合いとなりました。

為替市場はドル円がアジアの終盤から欧州時間に一時126円30銭まで円安が進行し、2015年8月の125円86銭を抜き2002年以来20年ぶりの円安水準となりました。現在は目先の売り一巡から125円65銭前後で推移しています。昨日はカナダ・ニュージーランド中銀が相次ぎ利上げし、本日のECB理事会では政策金利は据え置きと見られるものの、深刻なインフィレ進行からタカ派に転じる可能性が指摘されています。対する日本は長期債利回りを0.25%に抑える緩和策継続を続ける見通しから、主要国との金融政策の乖離が一層広がる可能性が指摘されています。ユーロは1.089ドルに反発し、ドル指数は前日の100.3から99.8ポイントに小反落しています。米10年債利回りは前日の2.8%台から2.70%に低下しています。前日のCPI及び本日のPPIともにインフレ進行が進んでいることが判明していますが、一方でCPIコア指数(エネルギー・食品除く)は予想に届かず、一部にはこの3月・4月の上昇のピークを迎えるとの指摘も見られます。

【石油市況】
原油は104.25ドル(+3.65)に大幅続伸して引けています。ウクライナ侵攻によるロシア産原油の行方を巡り、中国国営の海洋石油集団(NCOOC)が米国・英国・カナダなどからの事業撤退と伝えられています。今後の中国への経済制裁の可能性からの決断とも見られ、今後石油市場の世界的な分断への動きが警戒されています。ロシアは制裁により中国やインドに石油を振り向けるとも言われ、今後の中国やインドの状況によっては制裁が拡大される可能性もあるようです。特にインドに関しては日米豪印のクアッドメンバーであることから、今年の幹事国である日本で来月首脳会談が予定されていることもあり、西側の中国包囲網の足並みの乱れが気がかりとなります。

【貴金属市況】
このところのレンジ上限を今週上に抜けた金はドル高により欧州時間の序盤に1966.3ドルまで下落する場面も見られましたが、その後はドル高が一巡したことや、長期金利の上昇一服、さらに加中銀などによる利上げに見られるようにインフレが世界的に意識される状況から買い戻す動きに転換し、米国時間は総じて堅調に推移し1984.7ドル(+8.6)と5日続伸して引けています。本日の円換算は7975円前後になります。

CPIはインフレのピーク示唆か?

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はCPI発表後に360ドル余り反発するも、買い一巡後は軟化し3万4220ドル(−87)に続落して引け、他市場も同様の展開となりナスダック総合指数は1万3371(−15)に、S&P500市場も4397(−15)に続落して引けています。注目の米消費者物価指数(CPI)は総合は前年同月比+8.5%と前月の7.9%と事前予想の8.4%を上回る数値でしたが、エネルギー・食品を除いたコア指数は6.5%と前月の6.2%を上回るも事前予想の6.6%をしまわったことから、長期金利が2.8%台から2.7%台に低下し株価反発に転じるも、反発局面は長くは続かず引けにかけて失速しています。下落要因はFOMCでの金融引き締めへの影響はないとの見方に押されたとのコメントが見られます。

為替市場はCPI発表後にドル買い一服に、ドル円は125円60銭台から一時125円割れに反落(円は反発)する場面も見られましたが、その後再びドル買いから125円35銭前後に戻しています。ユーロも反発後に下落に転じて1.082ドルに前日比続落する値動きとなり、ドル指数は前日の99.8から100.3ポイントに続伸しています。米10年債利回りは2.83%まで上昇後はコアCPIを見て2.72%に急低下し、前日の2.78%をも下回りました。ドルは堅調を維持も、長期金利は上昇一服の対照的な展開となりました。

【石油市況】
原油は100.60ドル(+6.31)に急反発に転じて引けています。ロイター通信によるとロシアの3月中の原油生産が日量1100万を超えていましたが、制裁の影響から4月に入り日量1000万バレル割れに減少していると伝えています。また、OPECの月報ではOECD加盟国の商業在庫が減少していることが指摘され、米エネルギー機関(IEA)でも堅調な米国の石油需要が見通されています。

【貴金属市況】
金はアジア時間からロシアによるウクライナ東部への総攻撃が近いとの報を受けて1950ドル台後半で推移、欧州時間にはややだれて推移、NY入り直後のCPI発表後にドル高一服や長期金利の低下が追い風となり持ち直し、直近高値を上抜き一時1982.7ドルまで上昇、引けにかけては幾分修正したものの1976.1ドル(+27.9)に4日続伸して引けています。引け後の時間外ではドル高に軟調に推移して1970ドル割れで推移、但し、再びの円安から本日の円換算は7920円前後になります。

ドル指数100突破に、ドル円も節目の125円突破

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY株式市場はダウ平均が3万4308ドル(−418)に3日ぶりに反落に転じ、ナスダック総合指数も1万3411(−299)に続落、S&P500市場も4412(−75)に続落して引けています。長期金利の上昇から割高感意識されやすい高PER(株価収益率)中心に売りが膨らむ展開となり、ロックダウンが続く中国・上海に見られるように中国経済の減速懸念も売りを即したものと思われます。

為替市場はドル高が更に進み、ドル円は一時125円75銭と2015年8月以来の水準まで上昇(円は下落)し、現在も125円40銭前後の円安水準で推移しています。ユーロはアジア時間で24日の仏大統領選の決選投票でマクロン優勢と伝えられ一時急反発も、徐々に上値の重い展開となり1.088とほぼ週末の水準まで戻りました。ドル指数は一時100本と超えとなり、コロナ発生のリスク回避のドル買いとなった2020年6月以来1年10か月ぶりの高値を示現、現在も99.9ポイント水準を維持しています。米10年債利回りも週末の2.70%から2.78%にまで上昇しています。金融政策面のドル買いに加えて、有事のドル買いによる相乗効果的なドル高基調が続きます。

【石油市況】
4月に入り原油市況は中国の最大都市上海におけるコロナ対策のロックダウン、更に米国の戦略備蓄石油(SPR)や国際エネルギー機関(IEA)による放出報道により軟化する展開となり、週明けも中国の感染者数が連日過去最高を記録、ロックダウンの解除の予想が付きにくく本日は94.29ドル(−3.97)に反落して引けています。

【貴金属市況】
金はアジア時間は週末比で小幅に軟調に推移しましたが、欧州時間には節目の1950ドルを突破し、米国時間入り後の早い時間帯には一時1974.6ドルとレンジ上限をも突破しました。インフレヘッジを意識した買いが価格帯を押し上げる展開となりました。但し、その後は足元のドル高や金利高、更に原油価格の下落に伴い上げ幅を詰める展開となり1948.2ドル(+2.6)に小幅続伸して引けています。本日の日経紙では欧米の金ETFの投資額が金額ベースで過去最高との記事が出ています。因みに最大金ETFのSPDRは月間70トン増と2020年4月以来の高水準、当時は新型ウイルス発生の混乱に金人気が高まりましたが、今回はインフレニーズと地政学上のリスクの複合的な要因と思われます。一方で価格上昇から中国・インド・中東といったアジアの実需は不振な状態が続いています。連日にわたり円建て金は過去最高値を更新中ですが、本日も円安進行もあり円換算は7860円前後になります。

欧米と日本の金融政策の乖離拡大に

おはようございます

フランス大統領選の第1回投票は過半数得票に至る候補者は出ず、再来週24日(日)に決戦投票となります。現職マクロン氏と極右ルペン氏が決選投票に臨むことになり、ウクライナ対応から世論調査ではマクロン氏優勢と見られ、通貨ユーロはこの時間反発に転じています。また、欧州では14日にECB理事会が開かれる予定で、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレが地理的に近い欧州が最も大きな影響を受けているために、今後の金融政策がタカ派的に推移していくことが予想されます。

円相場もいくらかユーロに連れて反発も、その後は再び軟化し124円25銭前後で推移しています。米国では12日(火)に3月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、先月は総合が7.9%(コアは6.4%)でしたが8%台に更に上昇する予想となっています。5月3日・4日のFOMCでは市場は0.50%の引き上げを織り込んでいますが、数値によっては6月での同幅の上昇が予想されます。欧米金融当局のタカ派に比較的して日銀の緩和策継続は対照的な政策で、今後2015年8月につけた125円80銭台がターゲットとなることが予想されます。

今週もよろしくお願いします!

戦闘の長期化観測に、インフレも長期化か

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場はダウ平均が3万4721ドル(+137)に続伸、一方でナスダック市場は1万3711(−186)に急反落、S&P500市場も4488(−11)に反落するまちまちな展開となりました。金融引き締めの加速に向かうFRBの姿勢に長期金利(米10年債利回り)は朝方に2.73%まで上昇、ダウ銘柄では金融株が上昇し、ナスダック市場は相対的に金利上昇を嫌気する反応となりました。為替市場は引き続きドル買い優勢の展開が続き、ドル円は一時124円65銭まで上昇(円は下落)し124円30銭前後で今週の取引を終えるところです。ユーロは1.087ドル前後に小幅続落し、ドル指数は前日の99.7から99.8ポイントに続伸しています。米10年債利回りは2.73%を付けたのち2.70%に緩むも、今週は連日の上昇が続きました。5月上旬のFOMCでは追加利上げ0.50%に加えて、FRBの持つ資産縮小(QT)が開始される予定です。

ウクライナ情勢は今週ロシア軍による民間人殺害が明るみとなり、停戦交渉の進展には双方の主張の隔たりも多く暗雲が立ち込める状況から、早期の進展期待は大きく後退し長期戦となる可能性が高まっていると指摘されています。昨日はフォンデアライエン欧州委員長がウクライナを訪問しゼレンスキー大統領と会談、ウクライナのEU加盟の手続き加速を約束しています。フランスでは明日10日に仏大統領選の投票を控えています。現職のマクロン氏が優勢に選挙戦を戦っているようで、プーチンとの停戦に向けた説得工作なども支持率アップにつながっているようです。一方でバイデン大統領はインフレが米国において効果的な対策を取れていなことや、ウクライナに関してプーチンに対する不用意な発言などから支持率は更に低下気味に推移、11月の中間選挙では民主党の劣勢が伝えられています。

【石油市況】
原油は98.26ドル(+2.23)に4日ぶりに反発に転じて引けています。今週は米国の戦略備蓄石油(SPR)の放出に加えて、国際エネルギー機関(IEA)による放出発表により100ドル割れの状態が続きました。一方で今後制裁によりロシアからの原油供給が尻すぼみと見込まれることから、先行きの供給不安は今後も付きまとうことになりそうです。

【貴金属市況】
金は1945.6ドル(+7.8)に2日続伸して引け、このところのレンジの上に接近して引けています。米ドルや米金利の上昇は教科書的には金利を生まない金には不利であることは明白ですが、一方で原油反発に見られるようにロシア・ウクライナの戦闘の長期化が予測される環境では、石油・天然ガス・希少金属・小麦などの食料品の高値が今後も続くことが想定され、安全資産とともにインフレヘッジニーズもあり、今後も金利高vs有事+資源高の綱引きが続きそうです。週明けの円換算は円安加味して7770円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

戦闘下のインフレが今後も継続

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って3日ぶりに反発に転じて引けています。ダウ平均は午前中に一時300ドルを超える続落に見舞われるも、午後は売る一巡後にはじりじりと戻り前日比+87ドルの3万4578ドルに反発して引け、ナスダック総合指数も1万3897(+8)に小反発、S&P500市場も4500(+19)に反発して引けています。インフレ抑制に全力をあげるFRBは今後もFOMCごとの引き締めや、保有資産縮小(QT)に踏み込む意思を示し株価には逆風の環境が続きますが、今後も企業業績への期待値は大きく下げず目先の下落に値ごろ感も見られるようです。

為替は今週はドル買い優勢の展開が続き、ドル円は123円90銭台後半で推移し124円に迫る水準です。ユーロも1.087ドルに続落、ドル指数は前日の99.6から99.7ポイントに小幅続伸して推移しています。米10年債利回りは一時2.67%と2019年3月以来の水準まで上昇し、現在も2.66%前後に水準を維持しています。

ウクライナを巡るロシアの民間人殺害を受けて、国連では人権理事会におけるロシアの理事国資格停止が採決されました。賛成は93か国、ロシア・中国・北朝鮮など24か国が反対、インドやブラジルなど58か国が棄権しています。ウイグルなどで人権問題を抱える中国は、これまでの棄権から反対へと回っています。ところで中国のコロナ感染の拡大がこのところ取りざたされていますが、日本でも第7派の可能性が指摘されています。米国では来日が予定されていたペロシ下院議長(民主党)が感染し、来日を延期しています。欧州ではラガルトECB総裁も感染が伝えられていて、今後もウィズコロナの方針が続くられますがマスク着用とのさよならはまだ先のことになりそうです。

【石油市況】
原油は96.03ドル(−0.20)に小幅に3日続落して引けていますが、その後の時間外取引は反発して推移しています。米国のSPR放出に続き、国際エネルギー機関(IEA)の在庫放出、日本も1500万バレルの放出を決定することに今週は上値を抑えられています。また、中国のコロナ感染が引き続き高水準が続き、ゼロコロナを目指す中国のロックダウンが続くことも嫌気要因となっています。一方で、ウクライナ戦争はロシアによる民間人虐殺もあり停戦交渉に進展する気配はなく長期戦の様相、欧米のロシア産石炭の禁輸措置なども、EUのロシア産エネルギー頼みは石油や天安ガスを排除できず、ロシアの戦費調達に大きなダメージを与えることはできないようです。

【貴金属市況】
金はアジア時間は概ね1920ドル台で軟調に推移していましたが、人権問題によりウクライナ・ロシア両国の緊張の高まりに停戦交渉への期待が後退していることや、米国・EUによる追加制裁などにより戦争の長期化見通しの高まりもあり堅調に推移、米国時間の午前には一時1941.7ドルまで反発、午後は高値からいくらか離れるも1937.8ドル(+14.7)に3日ぶりに反発して引けています。引き続きレンジ相場に留まるも、本日の円換算は円安もあり7690円前後になります。

議事要旨で引き締め加速を再確認

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3市場揃って続落し、ダウ平均は3万4496ドル(−315)に、ナスダック総合指数も1万3888(−315)に、S&P500市場も4481(−43)に続落して引けています。前日のブレイナード発言により保有資産の縮小(QT)が意識される中で3月FOMCの議事要旨が発表されました。今後の会合で0.5%の利上げを複数回実施する可能性が示唆されると同時に、月額950億ドル(11.7兆円)を上限とする資産縮小で概ね合意(国債650億ドル+住宅債350億ドル)されたようです。市場予測通りのタカ派姿勢が改めて示されたことから、市場はまだ十分に織り込んだとは言えず今後は毎回の利上げや利上げ幅、更にQT開始の影響などを徐々に織り込むことになります。QT月額950億ドルに関しては総資産9兆ドルからみると、市場ではそう多くはないとの判断も見られるようです。

議事要旨のタカ派的な内容の確認から米10年債利回りは更に上昇して2.63%台に上昇、およそ3年ぶりの水準に上昇しています。為替相場はドル指数は前日の99.4から99.6ポイントに小幅上昇し、ドル円は123円80銭前後で前日の東京市場並みの水準で推移、ユーロは1.08ドルに小幅に続落して推移しています。

【石油市況】
原油相場は100ドルの大台を割り込み96.23ドル(−5.73)に大幅に続落して引け、米エネルギー情報局(IEA)による原油在庫が予想外に増加し、2月以降製品需要の減少が確認され米国内の需要減速が確認されています。また、中国最大都市・上海のロックダウン継続も重石、更に国際エネルギー機関(EIA)による追加放出(6000万バレル)が発表され、米SPRを加えると日量1300万バレルとなり供給増が嫌気される展開となっています。

【貴金属市況】
前日のブレイナード理事発言からドル高や長期金利の上昇が重石となり上値重く推移、本日は1920から1940ドルのレンジ内を上下動するも1923.1ドル(−4.4)に小幅続落して引けています。1900ドル割れでは値ごろ感から下値がサポートされ、1950ドル以上ではドル高や長期金利の上昇から上値追いが限定的な状態が続きます。1900ドルという史上最高値圏での推移が続き、投資家の目が徐々に慣れつつあるようですが、引き続き実需の様子見もあり先物市場の出来高もやや低調となっています。本日の円換算は7655円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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