本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2022年03月

ロシア軍キエフから北東方面に再配置

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は3万5228ドル(−65)に5日ぶりに小反落し、ナスダック総合指数も1万4442(−177)に、S&P500市場も4602(−29)に3市場揃っての反落となりました。前日の停戦交渉でロシア側は首都キエフへの軍事活動を縮小すると伝えられていますが、一部には配置換えにより東部への攻撃激化の見方も根強く停戦への道筋は困難が続きます。また、原油在庫の減少に原油価格の反発も嫌気要因と見られています。

為替市場は前日に続きドル買いポジションの巻き戻しが継続し、ドル円は121円85銭前後に、ユーロは1.115ドルに、ドル指数は前日の98.4から97.8ポイントに大幅続落しています。米10年債利回りは週前半の2.5%台から徐々に軟化し2.35%前後で推移しています。景気指標ではADP民間雇用統計が発表され45.5万人とほぼ予想の範囲内、4月1日の政府発表の雇用統計や、今夜の個人消費支出(PECコア指数)など今後の金融政策への影響から注目されています。

【石油市況】
原油は107.82ドル(+3.58)に反発して引け、ロシア・ウクライナの4回目の停戦交渉での成果に懐疑的見方が広がったこと、米エネルギー情報局(IEA)による原油在庫が予想よりも減少したこと、更に本日予定のOPECプラスへの増産期待の後退などが本日の上昇要因となっています。

【貴金属市況】
前日に一時1900ドルの節目を割り込んだ金ですが、アジア時間は1920ドル台で堅調に推移、欧州時間委は一時下落する場面が見られましたが、米国時間ではドル安や長期金利の上昇一服、原油価格の上昇などが後押しして堅調に推移し1939.0ドル(+21.0)に反発して引けています。前日の下落により目先の売りが一巡したことや、ウクライナ情勢の緊張が続くことから1900ドル前後には値ごろ感が働くようにも見られます。本日の円換算は7560円前後になります。

停戦交渉進展とは言うけれど!?

おはようございます

【金融・為替】
NYダウ平均は3万5294ドル(+338)に4日続伸、ナスダック総合指数も1万4619(+264)に続伸、S&P500市場も4631(+56)に4日続伸して引けリスク選好の動きが続いています。ロシアとウクライナはトルコで停戦交渉を再開し、今後も協議を続けると発表しました。合わせてロシアは首都キエフなどの軍事活動を縮小すると発表、具体的な合意はなく今後も不透明な情勢は続くことが予想されますが、戦争そのものの更なるエスカレート化は避けられるとの見方が市場の安心感につながった模様です。

為替市場は停戦協議の進展と受け止められてユーロは1.108ドルに反発、円も一時122円割れまで反発する場面があり、その後は122円90銭前後で推移してドル安円高方向の展開となっています。前日に99ポイント台まで上昇のドル指数は98.4ポイントに急反落しています。米10年債利回りは2.5%台から軟化し2.98%前後にやや低下しています。一時2年債と10年債り利回りが2.39%に並ぶ場面があり、長短金利が逆転する方向性が改めて認識されると、金利の逆さやが「景気後退」を意味する兆候を帯び現象です。

【石油市況】
原油相場は104.24ドル(−1.72)に続落して引けています。ロシアとウクライナの停戦協議の進展や、中国・上海でのコロナウイルスによるロックダウンが嫌気要因と見られます。本日は一時100ドルを割り込む98.44ドルまで下落し、引けにかけては大きく戻しています。停戦交渉の進展は実際あるものの、今後の見通しを楽観できなことも相場は語っているようにも思われます。

【貴金属市況】
金は停戦交渉の進展を受けてNY金の取引直後に1900ドルの大台を割り込み、一時1893.2ドルとおよそ1か月ぶりの安値に沈みました。その後は原油相場も反発局面もあり安値より戻し1918.0ドル(−26.7)3日続落して引けています。NY金は2000ドル超えで64.5万枚まで膨らんだ取組高は足元では58.7万枚に減少し、投機筋の手仕舞い売りが見受けられます。筆者は1900ドル以上は実需不在の真空地帯と表現していましたが、投機筋の作った相場に実需が戻るには1800ドル台での推移が必要かと思います。一方で我らが円建ては一昨日7731円の史上最高値を付け、昨夜の夜間では一時7433円まで下落し1日で300円近い大荒れとなっています。正直ドル建て価格の影響よりも明らかに為替要因が勝る展開が続き、今後も読みにくい展開が続きそうです。本日の円換算は7580円前後になります。

125円の黒田ラインを一時突破

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場はダウ平均は3万4955ドル(+94)に3日続伸し、日中取引は長期金利の上昇や利食い売りに押されて一時300ドルを超える下落となりましたが、その後に原油相場の下落に反発に転じてプラス圏での引けとなりました。ナスダック総合指数も1万4354(+185)に反発し、S&P500市場も4575(+32)に3日続伸しています。本日よりトルコでロシア・ウクライナの停戦交渉が対面で開かれます。もっとも双方の主張の隔たりの溝はまだ大きく、期待値の高まりは見られないようです。

為替市場はドル円が欧州時間に一時125円に急伸(円は急反落)に転じ、およそ6年7か月ぶりの円安水準となり現在は123円85銭前後で推移しています。急速な円安は日本国債の利回りが目標の0.25%を超え、国債を無制限に買い入れる公開市場操作に日銀が踏み切ったことが原因で、日銀による超緩和策の維持のために異例の介入により0.25%を死守する動きに出ています。週末比で僅かに1営業日で3円余りの円安は流石に行き過ぎで応分の修正となっています。一方で先週の日銀会合では黒田総裁の円安容認発言もあり、6年前の黒田ラインと呼ばれた125円水準を当の日銀がどのように見ているのか、本日の日銀会合の議事要旨や今後の当局の発言が注目されます。テクニカルでは125円80銭の7年前の水準を今後突破すると、いわゆる青天井相場に結びつく可能性も指摘されています。円安は輸出企業にとって業績を大きく伸ばすのは承知の通りですが、輸入インフレの流れは庶民生活の重石となります。

円は連日対ドルだけでなく、主要通貨に対しても円安基調が続きます。ユーロドルはユーロの低水準での推移が続き、本日は1.098ドル前後で推移、ドル指数は週末の98.8から99.1ポイントと2020年5月以来のドル高値水準となっています。米10年債利回りは一時2.55%まで上昇、その後いくらか軟化も1.46%台で推移しています。インフレファイターと化したFRBの引き締め姿勢の強化を反映したものと思われます。

【石油市況】
原油は週明けのアジア市場から軟調な展開となり、中国の最大都市上海での事実上のロックダウンから、世界最大の原油輸入国中国の原油需要減速観測に上値の重い展開となり、欧米時間も一貫して下落し105.96ドル(−7.9)に急反落して引けています。

【貴金属市況】
金はドル高や長期金利の上昇からアジア時間は上値重く推移、NY時間入り後は概ね1940ドルを挟む保ち合いが続き1944.7ドル(−15.1)に続落して引けています。また、原油相場の下落もあり引け後も一段下落して推移しています。円建ては夜間取引で円安を受けて一時7731円と市場さ高値を更新、その後の円安修正の動きや、ドル建て金の続落から本日の円換算は7650円前後と前日並みの水準となります。

今週は対面の停戦交渉再開に

おはようございます

膠着状態が続くウクライナでは、今後ロシア軍による生物・化学兵器が使用される可能性が緊張を高めています。一方でウクライナからの上方では今週28〜30日にトルコで対面交渉が再開される見通しとし、ロシア側は29・30日の交渉すると伝えられています。ロシア側がクリミアと東部自治州の併合を最終的に要求していることから、ウクライナ側が容認できないことは明白で交渉進展への期待は大きくはありませんが、継続によりそれぞれの主張をつなぎとめる交渉継続には意味があります。

為替市場では円相場の下落進行が続き、今後2015年に付けた125円80銭台が円安水準のターゲットとされるとの見方もあります。先週18日の日銀金融政策決定会合で、黒田総裁は「円安要因」と受け止められる発言をし円売りの安心感が市場に広がったとの指摘もあります。金融政策では今後も日本と欧米の主要国との違いは明らかで、現状の円売りの背景となっていることは言うまでもありません。但し、原油急騰による日本のトリガー条項の解除(ガソリン税廃止)が議論されるように、日本での輸入インフレは他人ごとではありません。1ドル=125円の黒田ラインを容認するのか、今後の日銀幹部の発言も注目されます。

今週もよろしくお願いします!

FRBは一層のインフレファイターに豹変

おはようございます

ウクライナでは侵攻1か月経過しましたが、一部にロシア軍の苦戦も伝えられる状況です。ウクライナ全土を掌握しゼレンスキー政権打倒後のロシア傀儡政権誕生のプランAシナリオは大きく崩れ、クリミアから東部の独立州を死守するプランBに作戦を移行しているようにも見受けられます。いずれにしても停戦の条件として最低限、プーチンのロシア国民向けのなにがしかの戦果が必須となります。

【金融・為替】
週末のNY株式市場はダウ平均は3万4861ドル(+153)に続伸し、ここ2週間で1800ドルを超える上昇から利食い売りに下げる場面も見られましたが、引け際に堅調な展開となります。ナスダック市場は1万4169(−22)に小反落して引け、S&P500市場は4543(+22)に続伸して引けるまちまちな展開も、週間ベースでは2週連続の堅調を維持しています。

為替市場は引き続きドルの堅調地合いが継続し、ドル指数は前日の98.7から98.8ポイントに続伸しています。ドル円は東京時間では一時121円20銭前後に円売りが一巡するも、欧米時間には再び122円20銭前後に戻して(円は反落)しています。ユーロは1.098ドルとほぼ前日並みに推移し、今週は何度か1.1ドル台に戻すも上値の重い展開が続きます。米10年債利回りは2.48%台に更に上昇し、概ね2年10か月ぶりの高水準となっています。

今週はFRBの複数の幹部からFOMC後の更なる一段のタカ派発言が目立ち、金融大手の見通しも今後のFOMCで2度0.50%引き上げを見込むものとなっています。欧州でもロシア産天然ガスの供給不足に過去最高値を付け、インフレ対応が迫られる環境が続きます。日銀との金融政策の温度差も広がり、日本円が売りのターゲットにされているようで、投機的な動きが活発で今後も波乱含みの展開が続きそうです。先週の日銀会合の黒田総裁の「円安容認発言」から、更なる円安加速に対する日銀の姿勢も今後注目されそうです。

【石油市況】
原油は前日にEUがロシア産原油の輸入禁止の合意が見送られたことや、カザフスタンの天候による油送の支障が改善されたことから下落要因となり、アジアから欧州時間には100ドルを割り込む時間帯があるも、米国時間ではサウジの製油所が火災に見舞われたとの報道に買い戻されて113.90ドル(+1.56)に反発して引けています。イランが支援するイエメンにある過激派組織フーシ派によるものとされています。

【貴金属市況】
金は前日の反発に対する修正に軟化、長期金利の更なる上昇も金利を生まない金には逆風、但し原油相場の反発が下値を支える展開に1954.2ドル(−8.0)に反落して引けています。金利上昇は金には悪材料も、インフレ加速→利上げ→金利上昇のサイクルはインフレヘッジを意識させるもので、現状の金価格を下値支えする効果も根強く、ウクライナを巡る地政学リスクが続く限りは下落相場につながり難い市場環境が続くことになります。一方で欧米の投資家の金ETFへの資金流入は続き、SPDRは今年に入り100tを大きく超える増加を示しています。また、逆にアジアから中東・インドの実需家は価格上昇から買い手控えが続き、むしろ転売によるスクラップ売りが目立ちます。2078ドルの高値から100ドル以上の調整安の現状の1900ドル台も、史上最高値圏での推移に変わりなく引き続き実需不在の空中戦が続く状態です。週明けの円換算は7670円前後になり週末並みの水準となります。

良い週末をお過ごしください!

連日の円独歩安に6年3か月ぶりの122円台に

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は揃って反発に転じ、ダウ平均は3万4707ドル(+349)に、ナスダック総合指数も1万4191(+269)に、S&P500市場も4520(+63)に反発して引けています。前日は急伸した原油価格によりインフレ警戒の売りに押されましたが、本日は逆に原油の反落により持ち直す展開となった模様です。西側のロシアに対する経済制裁でロシア産原油の禁輸が合意に至らず、ドイツなどは今後も代替えの利かないことからロシア産原油の輸入を続けざるを得ない事情もあり、今後も流通量の減速は予想されるものロシア産原油の供給は継続されることになります。また、週間新規失業保険申請件数18.7万件と予想の21.2万件に大きく届かず、40年ぶりの水準となったことも意識されているようです。さらに、3月末接近から機関投資家のリバランス(債券・株式・商品・為替などの入れ替え)も意識され、月末に向けて債券から株式市場への資金流入の可能性に期待する動きも見られるようです。

為替市場はドルINDEXは前日の98.6から98.7ポイントに小幅に続伸、今週はドルの対ユーロ相場は比較的小幅にとどまり本日も1.09ドル前後で保ち合い、一方で対円は連日の高値更新が続き、本日は122円35銭前後に大幅ドル高・円安で推移、円相場は6年3か月ぶりの安値水準となっています。米欧の中銀が金融引き締めの方向に舵を切るなかで、日銀は利上げの必要はないと先週の日銀会合での黒田総裁の発言で、緩和策継続は現状の主要中銀でも異例の状況です。日本の2月のCPIコア指数は0.5%にとどまっています。もっとも3月末接近から日本のドル買い需要はほぼ一巡しつつあり、このところの急速な円安基調の調整局面が近いとの指摘も見られます。

【石油市況】
原油は前述の材料により一時110.61ドルまで下げる場面もあり112.34ドル(−2.59)に反落して引けています。ロシアは原油の代金をルーブルで支払えとして、今後の支払いを巡る紆余曲折が予想されます。(勿論、急落した通貨ルーブルの底上げが目的)

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間は概ね前日比小幅高の1940ドル台で推移し、米国時間入り後は欧米のロシアへの追加制裁の動きや、リシア中銀保有の金準備(2千トン強)の凍結、更にロシアによる生物・化学兵器の使用懸念などから一時1967.2ドルまで続伸し、引けにかけても堅調を維持して1967.2ドル(+24.9)で引けています。ロシアの保有金は一時急場しのぎに売却か?と見方の浮上しましたが、今後は売りたくても売らない!ということのようですが、保有継続はウクライナ以前からのこと世界の金需給の変動にはならないように思われます。本日の円換算は7695円前後になります。

原油の戻り高値にリスク回避姿勢広がる

おはようございます

【金融・為替】
NY株式市場は反落に転じてダウ平均は3万4358ドル(−448)に、ナスダック総合指数も1万3922(−186)に、S&P500市場も4456(−55)に3市場揃って反落して引けています。原油相場の5%を超える大幅高となり高インフレが続いていることや、FRBによるインフィレ抑制のための金融引き締めが、先週のFOMC時点よりも更に加速される見通しなどが重石となった模様です。

為替市場はドル指数が前日の98.4から98.6ポイントにドル高地合いが続きます。ドル円はこのところの円安の加速から一時120円中盤まで下落(円は反発)する場面も見られましたが、現在は再び121円10銭台にドル高・円安の流れが続きます。ユーロは1.100ドルに小幅に反落しています。ウクライナ侵攻直後の地政学にユーロが大きく下落する場面が続きましたが、ここにきてユーロから円売りにシフトする投機筋の動きもあり、ユーロは下落後はもち合う場面が続きます。米10年債利回りは一時2.41%まで上昇し2年10か月ぶりの水準まで上昇、その後は軟化に転じたものの2.29%前後で推移しています。

次回の5月のFOMCでは複数のFRB幹部から0.50%の引き上げを示唆する発言が目立ち、更にその後も引き締めの手綱を緩める気配はないようです。日本は貿易立国であることは今更言うまでもありませんが、輸入物価の上昇から貿易収支の赤字が今後も続くことが想定されます。また、足元の日本の2月のコアCPIは0.6%と伝えられ、諸外国のインフレ率には及ばず利上げの環境は整わない状況が続きます。一方で2015年6月に黒田日銀総裁が「円安けん制」発言をし、125円を超える円安水準は容認できないとの姿勢から翌年には103円台まで調整しました。今後急ピッチの円安進行の調整局面が入る可能性もあり、円売りへの思い込みも注意喚起という水準でもあります。

【原油市況】
WTI原油は114.93ドル(+5.66)と急反発して引け、直近高値の130ドルから93ドル台への調整からの戻り高値を更新して引けています。ウクライナへのロシア侵攻から本日で1か月が経過、ロシアの思惑は大きく狂いが生じて長期戦に入る可能性から、戦局を変えるために今後ロシア軍の生物・化学兵器の使用が懸念されます。また、米エネルギー情報局(EIA)の週間原油在庫が予想外の減少に転じたこと、さらに悪天候からOPECプラスのカザフスタンからの原油輸出が停止したと伝えられています。

【貴金属市況】
金はアジア時間は概ね1920ドル台で推移していましたが、欧州時間に入ると原油高が進み金も買い優勢の動きが見られ、米国時間入り後も原油高が続きインフレヘッジを意識した買いに強い基調を維持し1937.3ドル(+15.8)に反発して引けています。引け後も原油相場の堅調が続き115ドルまで上昇すると、金は連れ高の動きに1940ドル台中盤で推移しています。長期金利の上昇は今後の更なる金融引き締めによる金への下げ圧力になりますが、本日は原油高によるインフレヘッジや、株安による安全資産の買いに部のある動きが続きました。本日の円換算は7560円前後になります。

本日はゼレンスキー大統領の国会演説

おはようございます

ウクライナの戦争が激化するさなか、ゼレンスキー大統領が国会で午後6時から演説が予定されています。広島・長崎への原爆投下・福島の原発・北方領土問題など日本とウクライナの共通事項がありますが、どんな発言が待っているのか注目を集めています。日本での講演が7か国目になるようです。岸田首相はその後に明日の欧州でのG7に向けて出発、バイデン大統領もG7後にウクライナの隣国ポーランドを訪問する予定で、ロシア包囲網が徐々に狭められつつある中で、追いつめられるプーチンの心境や如何に!?

【金融・為替】
NY株式市場はダウ平均は3万4807ドル(+254)に反発し、ナスダック総合指数も1万4108(+270)に、S&P500市場も4511(+50)に3市場揃って反発に転じ前日の下げ分を上回るものとなっています。今後のFOMCによる引き締め加速に金融株中心に牽引、一方で原油安から石油関連は軟調展開を強いられたようでした。

為替・債券市場は前日のパウエル発言から今後のFOMCで通常の利上げ幅0.25%が0.50%の引き上げの可能性が高まり、長短金利が上昇し10年債利回りは前日の2.30%から2.38%台に更に上昇しています。通貨ドルは一段と上昇しドル円は一時121円台に続伸(円は続落)し、現在も121円80銭前後と6年ぶりの円安水準で推移しています。ユーロは1.102ドルと前日とほぼ同値圏で推移、ドル指数は前日並みの98.4ポイント前後で推移しています。

円相場はドル以外の主要通貨に対しても下落し、金融政策の違いや、貿易収支の悪化など円売り要因が背景となり円売りに拍車がかかる状況です。テクニカルでは2015年に付けた125円が目標となり、当時の円安要因であったアベノミクス・異次元緩和・黒田バズーカなどが思い起こされます。一方で3月に入り6円強の円安は急ピッチの円安の進行からスピード調整も視野に入る水準となっています。

【石油市況】
原油は109.27ドル(−0.70)に4日ぶりに反落して引けています。予想されたこととはいえ、米国の求めるロシア産原油の禁止要請に対してEUは合意できなかったようです。欧州最大の経済大国ドイツは特に依存度が高く、代替えの供給先が読めない状況では受け入れがたい内容です。一方で戦争に反対するドイツ国民には、ロシアに対して間接的に戦費を調達されるもので複雑な心境のようです。

【貴金属市況】
金はアジア時間に原油相場が連騰する動きに呼応し、一時1939.5ドルまで買われる場面がありました。しかし、欧州時間に入るとロシア産原油の輸入禁止措置をEUが合意できずに原油が下落に転じると連れて下落、NY時間の午前には長期金利の上昇もあり1909.8ドルまで下落、その後は売りが一巡するすると安値より戻り下げ幅を詰めて1921.5ドル(−8.0)に反落して引けています。3/8日に付けた最高値2078.8ドルから150ドル前後の調整安の水準ですが、円建て相場は円安が追い風となる環境が続き本日の円換算は7460円前後になります。

パウエル議長が改めて引き締めの強化を示唆

おはようございます。

東京でも「開花宣言」が出されるなか、全国的な冷え込みに政府から「電力需給ひっ迫警報」が出されました。先週の地震により福島の火力発電所で休止した状態が続くことが影響したようです。この時期、日本より寒いウクライナの人々が窮していることに想いをはせると同時に、明日はウクライナ・ゼレンスキー大統領の講演が予定されています。ウクライナの窮地を救うために日本にどんな要求を突きつけるか注目されます。一方のロシアは「平和条約交渉の打ち切り」を発表し、日本の制裁に反発する反応を示しています。

【金融・為替】
週明けのNY株式市場はダウ平均は3万4552ドル(−201)に6日ぶりに反落、ナスダック総合指数も1万3838(−55)に、S&P500市場も4461(−1)にそれぞれ5日ぶりに反落して引けています。21日(月)にパウエルFRB議長が講演し「物価安定を回復するために必要な政策を探る」と述べ、年内のFOMCで0.50%の引き上げの可能性を改めて示唆するタカ派発言が重石となったようで、長期金利の上昇、また、ウクライナ情勢の緊張が継続していること、更に原油相場の急伸も投資家心理を慎重にさせたようです。

為替市場は先週のFOMCに続き、本日のパウエル議長のタカ派発言からドル買い優勢の一日となり、ドル円は119円45銭前後に一段と円安が進行し節目の120円台に接近し、2016年2月以来の円安・ドル高水準で推移しています。ユーロも1.101ドルに反落し、ドル指数は週末の98.2から98.4ポイントに反発しています。米10年債利回りも2.30%と2019年5月以来の水準に上昇しています。

【石油市況】
原油は112.12ドル(+7.42)に3日大幅続伸して引けています。今週はバイデン大統領が欧州を訪問し、EU首脳に対してロシア産原油の禁輸を議論すると伝えられています。また、サウジの石油施設に対してイエメンの過激派フーシ派が攻撃したと伝わったことも需給ひっ迫を刺激する動きとなりました。

【貴金属市況】
金はアジア時間から1920ドルドル台中盤で概ね推移し、米国時間では原油高に連れて上昇する場面が目立ち1929.5ドル(+0.2)に小反発して引けています。地政学リスクによる原油高はインフレを連想させ金は上昇要因、一方で金利を生まない金には金利上昇は下落要因、本日は好悪材料のせめぎ合いが続く展開となりました。但し、引け後も原油の勝勢が続き、引け後の時間外は一段高の1930ドル台中盤で推移しています。本日の円換算は7425円前後と週末比60円余りに堅調になりそうです。

米、中国のロシア支援警告も先行き不透明

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は堅調を維持し、ダウ平均は3万4784ドル(+274)に5日続伸、ナスダック市場も1万3893(+279)に、S&P500市場も4463(+51)に3市場揃って続伸して引けています。ウクライナ情勢の緊張が続くなかで、FRBウォラー理事は米CNBCのインタビューに答え「データは基本的に0.5%の引き上げを求めている」と発言し、FRBが「金融政策の正常化を進めても、景気後退を引き起こさない」と米経済の先行きに楽観的な見通しを述べています。ウクライナの緊張が継続することから売り先行で始まったものの、次第に上昇に転じてプラス推移する展開でした。

バイデン大統領と習近平主席の電話会談は2時間近くに及び、バイデン側は中国の軍事・経済両面の支援を制裁を含めて強くけん制しました。一方で中国側はロシアとウクライナの対話を支持すべきで、安全保障上の懸念を払拭すべきとし、米国の台湾有事への介入もしています。会談内容から中国はウクライナ侵攻は望まずも、西側の制裁強化を批判しています。今後の中国のロシア支援を巡る具体的な行動が注目されます。

為替市場はウォラー理事発言を受けてドルは堅調に推移し、ドル円は119円10銭台と直近高値(円は安値)を更新しました。ユーロも1.104ドルに反落し、ドル指数は前日の98.0から98.2ポイントに反発しています。日銀金融政策会合では異次元緩和を継続しサプライズなし、緩和策終了から引き締めに向かう主要国中銀との政策の開きが今後も意識されることになりそうです。米10年債利回りは2.14%台でほぼ前日並みの水準です。

【石油市況】
原油は104.70ドル(+1.72)に続伸して引け、先週の高値130ドルから35ドル余りの調整安後に10ドル反発し再び100ドル台の大台を回復しています。ロシア産原油の供給が急減速していることから、先行きの需給ひっ迫は避けられないと見方が大勢となり大台を回復しています。

【貴金属市況】
前日の急反発を受けて金はアジア市場では概ね1940ドルを中心とした動きとなりましたが、更なる上値を買い進む動きは見られず欧州時間は軟調に推移、NY時間入り後はウォラー理事の今後0.50%の引き上げを検討すべきとの発言から、金利を生まない金が意識されて上値重く推移し1929.3ドル(−13.9)に反落して引けています。ウクライナの戦況は民間人の死傷者が連日伝えられ深刻な情勢が続きますが、金融市場全般にある程度織り込んだような反応が目立ち金市場でも例外ではないようです。円換算は7350円前後になりますが、3連休につき週明けのNY市場が待たれるところです。

良い連休をお過ごしください!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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