本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2022年02月

ウクライナに目を奪われるも、今週はパウエル証言にも注目

おはようございます

いつも週明けの挨拶なら、ようやく寒さも和らいできました!で済むのですが、土日はBBCのウクライナ情勢の報道にくぎ付けとなった人も多かったのではなかいと思います。最新のニュースではウクライナとロシアの和平に向けた動きで、本日中にウクライナとベラルーシの国境付近で開かれるようです。ロシア側は和平の条件をウクライナの中立(NATOへの非加盟)や、武装解除を条件としているようです。一方でウクライナは徹底抗戦の構えでロシアの要求は飲めないとして「停戦合意」への期待値は低低く、双方の意見の応酬となるのかもしれません。プーチン大統領は核戦力の部隊を置く命令を下すなど緊張を高め、ウクライナとの交渉を有利に進めたいとの思惑も見られますが、善戦を続ける続けるウクライナ軍を後ろ盾にしてゼレンスキー大統領は「停戦の可能性があるのなら、後で後悔しないようにロシアの交渉に応じる」としています。

アメリカより亡命を進められても首都に残り、自ら陣頭指揮を執るゼレンスキー大統領の雄姿は国際社会を味方に付けるには十分です。西側はロシアに対して国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除することで合意しました。ロシア中銀の外貨準備の利用を阻止する制裁措置にも合意し、今後ロシアの貿易を含めた決済に支障をきたしロシア経済の重石となることが想定されます。一方でロシアは周到な準備に外貨を6000億ドル(約70兆円)に増やし、制裁による影響を最小限にとどめるとの見方があり、ウクライナ侵攻に支障はないとする見方もあります。

ウクライナ情勢にばかり目が向く状況ですが、今週は2日と3日にパウエルFRB議長の議会証言を控えていて、3月利上げの可能性は引き続き高く、金融引き締めが進められる見通しながら、議長のウクライナ問題への言及や、金融政策への影響なども注視されます。

今週もよろしくお願いいたします。

停戦協議への期待も、事態は不透明!

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場は大幅続伸して引け、ダウ平均は3万4058ドル(+834)で引け、ナスダック市場も1万3694(+221)に、S&P500市場も4384(+95)に3市場揃っての続伸となりました。ロシアとウクライナの直接対話への期待が広がり、このところの急落に対するリバウンド的な反発となりました。恐怖(VIX)指数は32から引き続き高水準ながら27に急低下しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領へ対話を呼びかけ、ロシアがそれに対応する動きですが、協議の開催地を巡り主張は分かれているようで、ウクライナ側はポーロンドのワルシャワに、ロシア側はベラルーシのミンスクでの開催を主張しています。ウクライナ側はNATO加盟に対して中立を保ち、停戦協定へのプロセスを進めたい思惑と見られ、実現の可能性を模索する状況でロシアの対応が注目されます。どちらにしても、今回のウクライナ侵攻はロシア・プーチンのシナリオに沿って進んでいることは明白で、米国や欧州、G7,或いはNATO加盟国の制裁の足並みの乱れもありロシアペースの展開が続いています。

米国ではウクライナ情勢を巡るロシアのやりたい放題の状態から、バイデン政権の影響力の低下が一層深刻な状況です。インフレ抑制という国内の難題に加えて、今回の地政学リスクの問題の浮上、11月の中間選挙を前に政権維持に腐心する日々が続くことになります。

為替市場は株価の上昇からドル安・円安、ユーロ・ポンド高の様相、ドル円は115円55銭前後、ユーロは1.126ドルに、ドル指数は前日の97.0から96.5ポイントに反落しています。米10年債利回りは一時2%乗せも、その後軟化に転じて1.96%台と概ね節目の2%を下回り推移しています。

【石油市況】
原油はウクライナとロシアの協議が開かれるとの報を受けて,95ドル台から急反落に転じ91.59ドル(−1.22)に反落して引けています。一方で下値は90ドル台を維持し、停戦協議への懐疑的な見方が下値をサポートしている模様です。

【貴金属市況】
アジアから欧州時間で1910から1920ドル前後で保ち合い推移していた金ですが、原油市況同様にウクライナとロシアの協議の報に節目の1900ドルを割り込み、ずるずると後退し一時1884.5ドルまで下落、しかしながら前日の安値は下回ることなく1887.6ドル(−38.7)に4日ぶりに反落して引けています。前日の高値1976.5ドルは1年半ぶりの史上最高値に迫るもので、インフレヘッジ&地政学上のリスクの相乗効果によるものと思われます。今回の協議に関してロシア・ラブロフ外相は、協議はウクライナの敗北宣言後に行うとの発言もあり、大統領補佐官とは違う発言をしていますからロシアは一筋縄では交渉のテーブルにはつかないようです。まだまだ紆余曲折の相場展開が続きそうですが、投資家や投機筋の買いに対して、足元では価格上昇からいつものようにアジアの実需は買いを見送り、逆に現物を売り戻す(スクラップ売り)動きが優勢のようです。週明けの円換算は7010円前後となりますが、ウクライナ情勢から目が離せない状況が続きます。

良い週末をお過ごしください!

地政学の深刻度増すも、相場世界は逆回転に

おはようございます

【金融・為替】
ご承知のようにロシアのウクライナ侵攻が現実のものとなり、首都キエフの陥落も時間の問題と伝えられています。NYダウ平均は侵攻を受けて一時800ドル超の下落に見舞われたものの、午後は売り一巡後に大きく反発に転じて前日比+92ドルの3万3223ドルと6日ぶりの反発となりました。ナスダック総合指数も下落後に反発し1万3473(+436)に6日ぶりに反発、ナスダック総合指数も同様に+16の4288に5日ぶりに反発して引けています。ロシアに至っては通貨ルーブルが史上最安値を更新、株価は一時50%の暴落に見舞われる場面もありました。今後は西側の制裁が更に強化される見通しでロシア経済へのダメージは計り知れないものと思う一方で、資源をロシアやウクライナに依存する世界経済への痛みも同様のもので、経済では勝者無き状態となることも考えられます。

為替市場や債券市場も大荒れとなり、ドル指数は前日の96.2から一時97.7ポイントに急伸、その後はやや買いが後退するも97.0ポイント前後に続伸して推移しています。ドル円も一時114円40銭近辺まで円高が進行後に現在は115円50銭前後にドル高・円安水準で推移しています。ユーロは1.110ドルまで下落後に1.119ドルまで反発するも続落して引け、ロシアに対して天然ガス需要などの依存性の高い経済構造がユーロ安要因となっています。米10年債利回りは1.1849%まで急低下し、その後は1.96%前後に戻すも2.0%を大きく下回る水準となっています。

【石油市況】
原油市況は更に大荒れの様相となり、高値は一時100.54ドルと大台を突破し7年7か月ぶりの高値を示現し、その後買いが一巡すると大台を割り込み98.81ドル(+0.71)で引けています。しかし、引け後には逆に大きく一方的な下げが続き91.45ドルまで暴落し、現在93ドル前後で推移しています。

【貴金属市況】
金はウクライナ侵攻の報に欧州時間には一時1976.5ドルと昨年1月の高値を抜き2020年8月以来の高値を示現、買い一巡後は高値から離れ米国時間入り後も継続する展開に1926.3ドル(+15.9)に上げ幅を詰めて引けています。引け後も下落は続き一時1878.6ドルまで下落し、1日の振幅幅は100ドル近い値幅に及びました。円建て相場も夜間取引では一時7269円と連日の史上最高値をまたも大きく更新、その後のドル建て金の下落に今度は逆に6969円まで下落し、こちらの振幅幅も300円と大きなブレとなりました。1800ドルから1850ドルまでの上昇はインフレヘッジによるもの、その上は地政学リスクによるものと思われ、地政学リスクを織り込んだのであれば1850ドル前後までの調整が入っても不思議のない状態です。現在ドル建て1903ドル×115円50銭=7060円前後が本日の換算値となります。

首都キエフのロシア大使館員も帰国の途に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万3131ドル(−464)に5日続落し、昨年3月以来の安値水準で引けています。ナスダック総合指数も1万3037(−349)に5日続落し昨年5月以来の水準に、S&P500市場も4225(−79)に4日続落し1か月ぶりの安値に揃って下落して引けています。

米ロの外相会談の中止が決定され、当然のこと首脳会談が行方も不透明となっています。ウクライナでは日本午前7時に「非常事態宣言」を発令します。親ロシア派が占領する東部の2州は既に宣言発令中で、全土に拡大することになり期間は30日間になります。東部2州には既にロシア軍が派兵を始めたとの報道もあり、ロシアは首都キエフのロシア大使館から職員の非難が開始されていて、緊迫感は一段と高まっています。ウクライナでは予備兵への招集始まっています。ウクライナ軍は総員26万人の規模を有していて、ロシアとの全面戦闘となれば双方の人的被害が大きくなる危惧があります。

為替市場はドル円は115円丁度を挟む水準での保ち合い推移が続き、ユーロは1.130ドルに続落し、ドル指数は前日の96.0から96.2ポイントに続伸しています。米10年債利回りは2%台に接近する場面も見られましたが、株安からの債券市場を見直す資金流入は続き1.98%前後で推移しています。

【石油市況】
原油は92.10ドル(+0.19)に小幅に続伸して引けています。ウクライナ情勢の緊張が続く強材料と、イランの核合意協議再建が月末に向けて合意される見通しの悪材料との綱引きに上昇幅は限定的なものとなっています。

【貴金属市況】
金はここ数日1900ドルの挟む高値保ち合いが継続され、本日序盤は「政治的な対話」に期待するリスク回避後退に株価が反発した時間帯は1890ドル割れの水準に接近も、午後はウクライナ全土の非常事態宣言の発令の報に株安のリスク回避の動きになると、金は1900ドル台に返り咲き更に上昇し1910.4ドル(+3.0)に続伸して引けています。NY金先物の取組高は今月4日の50.8万枚から10日余りで61.1万枚に急増していて、金への資金流入が続き昨年3か月ぶりの高水準となっています。連日の株安から債券市場同様に安全資産として金を買う動きが強まっています。本日の円換算は7945円前後になります。

米ロの駆け引き、バイデンの受け身続く

おはようございます

【金融・為替】
3連休明けのNY株式市場は続落し、ダウ平均は3万3596ドル(−482)に4日続落、ナスダック市場も1万3381(−166)に4日安に、S&P500市場も4304(−44)に3日安で引けています。それでもダウ平均で安値から200ドル余り反発して引け、狼狽売りから冷静にウクライナ情勢を見守ろうとする動きもあるようです。

為替市場はドル円は114円50銭に下落(円は上昇)も、その後は115円台に戻して推移しています。ユーロも一時1.136ドルまで上昇後に1.132ドル前後とほぼ週末並みに水準に、ドル指数は96.0ポイント前後でこちらも先週末の水準で推移しています。米10年債利回りは株安のリスク回避の動きが強まる中一時1.85%まで下落後に、現在は1.94%と週末比では小幅上昇して推移しています。

バイデン大統領は「ロシアはウクライナへの侵略を始めており、追加制裁を開始する」と述べるとともに、一方で「最悪のケースを回避する時間はあり、外交はオープンだ!」と発言し、明日の米ロ外相会談やその後の首脳会談への道に望みがつながったとの解釈がリスク回避一辺倒に傾く金融市場に若干の安堵を与えたようです。

【原油市況】
原油はプーチン大統領のウクライナ東部の独立承認の報に、アジア時間では一時96.0ドルの約定高値を更新する場面がありました。その後は米国株の下落によるリスク回避の動きから原油も手じまい売りが優勢となり下落、前週末比+1.70ドルの91.91ドルで引けるも、高値からは大きな調整安となる上下に5ドル強の荒れた展開となっています。欧州への天然ガスの供給を一手に握るロシアの影響を改めて再認識させられる展開です。

【貴金属市況】
金も原油同様にアジア時間の早い時間帯に、ロシアのウクライナ東部独立承認の報に一時1918.3ドルまで約定高値まで上昇、買い物が一巡すると徐々に高値から離れ1890ドル割れの水準も見られ、上下に20ドル前後ブレル展開となりました。NY市場の引けにかけては安値より戻り1907.4ドル(+7.6)に反発して引けています。取組高は投機人気が戻り再び60万枚に乗せていて、やや相場の過熱感が感じられます。引け後は再び1900ドルの大台を割り込み推移、この時間帯の円換算値は7010円台になります。原油相場と比較すると金は落ち着いているとも言えますが、今後もウクライナを巡る米ロの交渉の行方が波乱要因となると思われ上下に大荒れの様相も考えられます。

ロシア・ウクライナ東部の独立承認

おはようございます

週明け21日の米国市場は「大統領の日」で休場(電子取引はあり)でした。アジア時間では米ロの首脳会談に米ロ首脳が合意したと伝わり、リスク回避姿勢の弱まる局面となりました。しかし、プーチン大統領が午後遅く「長年の懸案だったドネツクとルガンスク人民共和国の独立と主権を承認する」と発言し、親ロシア派が実効支配する地域の独立承認を決めました。これに対してバイデン大統領は「ロシア派国際的な取り決めを露骨に違反した」と非難し、対抗措置をまもなく発表すると発言しました。政権は独立承認地域との新規投資や貿易、金融取引への関与を禁じる大統領令に署名すると見られます。今週の米ロ外相会談に続き、その後の米ロ首脳会談の行方も不透明な情勢となりました。

時々刻々と変化するウクライナ情勢から、首脳会談を会談を好感して高寄りした欧州株は軒並み急落に、英・独市場ともに4日続落して引けています。米国は休場ですが時間外取引は500ドルの大幅下落に見舞われて再びリスク回避の展開を強いられています。

為替市場はドル円は株安のリスク回避の動きに114円75銭前後にドル安・円高で推移、ユーロは1.131ドルに続落し、ドル指数は週末の96.0から96.1に小幅に続伸しています。

商品市場では原油相場が再びウクライナの緊張を受けて92ドル台後半に2ドル以上急伸、前日のアジア時間に一時1910.75ドルと昨年6月以来の高値を示現した金は、その後の首脳会談の報道に欧州時間には一時1890ドル割れまで急落、そしてプーチン発言に再び1900ドルの大台に乗せています。円建て金も日本時間の朝方に7041円と2020年8月の7032円を更新する場面も見られました。本日は7010円前後の換算値となります。

一触即発の危機は回避できるか!?

おはようございます

本日21日(月)の米国市場は「大統領の日」の休日、通常取引は休場(電子取引はあり)となります。ウクライナ情勢の緊張が連日マスコミにも取り上げられ、政治・軍事や金融の市場関係者以外にも世界の多くの人が固唾を飲んで見守るものとなっています。既にウクライナ東部州ではウクライナ政府軍と親ロシア派勢力の小競り合いが続き、ロシア系住民の保護を大義名分としたロシア軍侵攻の口実がと問いつつあるようです。

2014年のクリミアでも同様の口実を使い結果的にクリミアを併合しました。今回は東部国境周辺ばかりでなく、北部のベラルーシにロシア軍は共同演習後も居座り、黒海周辺での海軍の作戦が続いています。ウクライナに進行する場合複数の都市に攻撃する可能性も指摘されています。最終的に軍事侵攻に及ぶのかはプーチン大統領の決断次第となりますが、以前よりお伝えしているように最終的に「進行することによるプラス面と、西側主要国による経済制裁のマイナス面」を考えると経済制裁はロシア経済の致命傷となることも予測され、プーチンの本音は制裁は避けたいと考えていると思うのですが・・・どうでしょうか?

オミクロン感染は世界的に下火に向かうも、サプライチェーンに復旧や人手不足によりインフレ抑制が世界的な課題となる状況がまだまだ続きそうです。米国ではFRBによる金融引き締めのFOMCは3月中旬に迫り、金融市場は複数の不透明な難題が続くことになります。

今週もよろしくお願いします!



情報交錯に振り回される金融市場

おはようございます、週明け21日の米国市場は「大統領の日」で休日(電子取引はあり)となります。

【米ロのせめぎ合い続く】
ウクライナ情勢に関する報道に金融市場は連日のように振り回される展開が続いています。ロイター通信によると、ウクライナ国境のロシア軍は最大19万人に膨らんでいるとも伝えられ、軍事侵攻のリスクは高止まりの状況が継続しているようです。既に以前からロシアに隣接するウクライナ東部では「親ロシア」が実質掌握している地区があり、実際にロシア軍が侵攻した場合、ウクライナとの兵力の格差からロシアの勝利は疑いの余地はないと予想されています。しかし、クリミア同様にウクライナ東部を掌握しても米国やNATO加盟の欧州による「経済制裁」はロシア経済にとって脅威となるものと考えられます。

過去2年間はロシアの貿易収支は黒字であって、石油や天然ガスなどの価格上昇が黒字に寄与しています。コロナ渦で停滞した原油価格ですが、OPECの減産や、ロシアのウクライナ侵攻への地政学上のリスクから7年ぶりの高値に跳ね上がりロシア経済を潤しています。軍事侵攻による戦費が嵩むものの、2か月程度でウクライナ東部を掌握できれば、日本円で3兆規模との試算もあり財政への痛手は吸収可能の範囲と見られています。

ロシアが恐れるのは欧米の経済制裁のほうで、貿易による決済を「基軸通貨米ドル」からユーロや中国元に移す工夫は続けられていますが、制裁によりドルもユーロも決済に使えないとなればロシア経済は致命的な打撃を受けることは間違いなく、ロシア側はどこかで妥協を強いられることが予想されますが、プーチンの尊厳を維持した状態での妥協のタイミングが今後測られることになりそうです。そもそもバイデン・プーチンともに、インフレを不満とする国内世論から支持率は低空飛行が続く状態で、国民目線が外に向けられることは両首脳にとって都合のいい共通の認識のようにも考えられ、ウクライナは大国の首脳の面子の矢面に立たざるをえない小国に過ぎないのです。

【金融・為替】
週末のNY株式市場は続落し、ダウ平均は3万4079ドル(−232)に3日安、ナスダック市場は1万3548(−168)に同3日安に、S&P500市場も4348(−31)に2日続落して引け、引き続きウクライナ情勢の緊張が続く状態にリスク回避姿勢が続いています。為替市場はドル円は115円10銭前後、ユーロは1.132ドルに続落、ドル指数は前日の95.8から96.0ポイントに続伸して推移、株安の動きでは総じて米ドルと日本円が安全通貨として買い優勢の展開となっています。米10年債利回りは株安の影響もあり本日は2%台に乗せることなく12.92%前後に低下しています。リスク資産の株式から安全資産の米国債に資金の一部が流入する流れが今週は続き、FRBの金融引き締めにも関わらず長期金利の低下傾向が続きます。

【石油市況】
原油は91.07ドル(−0.47)に続落して引け、ウクライナの緊張状態が続く市場環境ながら、イランの核合意協議の再建により先行きイラン産原油の供給が広がるとの見方から売り優勢の展開となっています。地政学上のリスクと将来的な原油需給緩和の綱引き状態が続いています。

【貴金属市況】
金は日本時間の午前に一時1905.0ドルと、昨年6月以来の高値まで値を伸ばす場面が見られました。その後は来週後半に米ロ外相会談が欧州で開かれると発表され、軍事侵攻は少なくとも引き延ばされるとの見方から軟化し1890ドル前後まで反落する展開となりました。しかし、その後ロシア軍の国境付近の規模拡大から再び緊張が高まり1900ドルの大台を回復し、米国時間は1900ドルを挟む保合いが続き1899.8ドル(−2.2)に小反落して引けています。安全資産として通貨では米ドルと日本円、そして米国債、商品では金への資金流入が続いています。来週のウクライナ情勢に振り回される展開が予想されます。週明けの円換算値は7010円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

一層の緊迫演出に株安・債券高・金高に

おはようございます

【金融・為替】
NYダウ平均は3万4312ドル(−622)に大幅続落し、ナスダック総合指数も1万3716(−407)に続落、S&P500市場も4380(−94)に反落して引け3市場揃っての大幅安で引けています。バイデン大統領は「ロシアのウクライナ侵攻の可能性が高い」と述べ「撤収ではなく、より多くの軍部隊を投入している」と語り、数日以内の侵攻の恐れの認識を示しました。米政府高官はロシア系住民がウクライナ軍に殺害されたとか、米国やウクライナが化学兵器を開発したとして、2014年のクリミアへの侵攻では、その口実のための偽装工作を展開したことから警戒感を高めています。

ウクライナとの国境への軍配置は勿論ロシア・プーチンの意向ですが、穿った見方かもしれませんが、むしろ緊張を妙に高めているのは米国のようにも思われます。プーチンの振り上げた拳を下ろさせないように、米政権が巧妙に地政学上のリスクを維持させているようにも見えます。米国内の不人気対策に米国民の目を外に向けたいようにも見えます。

為替市場はドル円はリスク回避の円買い優勢の展開に115円台を割り込み、現在114円95銭前後で推移しています。リスクオンの円安、リスクオフの円高の典型的な動きとなっています。一方でユーロは1.135ドルに反落して推移、ドルは円以外の主要通貨に対しては堅調で、ドル指数は前日の95.7から95.8に小幅反発して推移しています。米10年債利回りは本日の2.04%まで上昇も、その後は低下に転じて1.96%前後にまたも2%割れの反応で、株売り→債券買い→利回り低下の反応です。

【石油市況】
前日の急反発した引け後からは一転して下落に転じた原油市況も、本日はウクライナの緊張が一段と高まる状況から本来ならば大幅高に見舞われても不思議ないところですが、米・イランの核協議の合意が迫っているとの報道に、先行き原油大国のイラン産原油の供給が再開されると需給ひっ迫の
解消に向かうとの警戒感が続き、引けは91.76ドル(−1.90)に反落して引けています。それでも90ドルオーバーの水準は明らかにウクライナ情勢によるもので、地政学上のリスクを意識した原油の市場環境は続きそうです。

【貴金属市況】
金は日本時間の昼過ぎにウクライナ軍による親ロシア軍への迫撃砲攻撃(ロシア側のデマ?)の報に1870ドル台後半まで続伸し、その後もロシア軍の侵攻が近いとの報道を背景に欧州時間でも堅調を維持、米国時間ではバイデン大統領の発言に株価の下落が続きリスク回避の動きに、金は改めて安全資産として買いが入り一時1904.0ドルまで上昇し、昨年6月以来の高値水準を示現し引け値も1902.0ドル(+30.5)と大台を維持して引けています。個人的には1900ドル示現は軍事侵攻が現実のものとなった場合と見ていましたが、この時点での大台乗せは意外でした。ここ数年金は1800ドル前後を中心とした展開が続き、今回の1900ドルは「インフレヘッジ+地政学リスク」が100ドル幅の積み上げと見られます。本日の円換算は7005円前後になります。

FOMC議事要旨はタカ派色強まらず

おはようございます

【金融・為替】
NYダウ平均は午後一時300ドルを超える反落となるも、議事要旨発表後は下げ幅を詰めて54ドル安の3万4934ドルに反落して引けています。ナスダック総合指数も200ポイント下げる場面も見られましたが、下げ幅を詰めて15ポイント安の1万4124に小反落して引けています。S&P500市場は安値より反発後に3ポイント高の4475に小反発して引けています。

議事要旨では2から3人のメンバーが資産購入を3月以前に終えることを望んだとありますが、3月利上げ0.5%やQT開始の前倒しなどのタカ派的な見方が思ったより強くなかった印象でした。しかし、今後の金融政策への不透明な情勢への霧は晴れずリスク選好につながる状況ではないようです。また、原油や金の反発に見られるようにウクライナ情勢の緊張は一服も、ロシア軍のウクライナ国境での居座り状態は続き、地政学上のリスクも残されている状態です。本日発表された1月の小売売上高は予想を上回る3.8%増となり、好調な消費はインフレを改めて意識させる内容です。

為替市場はドル円は115円45銭前後に小幅ドル安・円高で推移、ユーロは1.137ドルに小幅続伸、ドル指数は前日の95.9から95.7ポイントに反落しています。議事要旨前に1.206%まで上昇した米10年債利回りは2.02%に低下し、前日比でも小幅低下しています。予想されたほどFOMCの内容がタカ派推進に向けたものでなく、引き締めへの警戒感が緩和したとの解釈のようです。

【石油市況】
原油は93.66ドル(+1.59)と前日の急落に対して反発する1日となりました。ロシア軍の一部撤収をロシア国防省から伝えられるものの、主力部隊のウクライナ国境での動きに変化はない模様で、引き続きロシアのウクライナ侵攻のリスクは続ている状態です。また、一方でイラン核合意の協議が妥結に向けて順調に進んでいるとも伝えられ、引け後に下落する展開となっています。

【貴金属市況】
前日に一時1850ドルの節目を割り込む場面も見られた金ですが、アジア欧州時間は1850ドルを超える水準で保ち合いが続き、ロシア軍の一部撤収の報に下落を強いられた前日より持ち直し1871.5ドル(+15.3)に反発して引けています。撤収に関してはロシアの主張にも関わらず、ホワイトハウスやウクライナ国防省から撤収の事実の確認ができないと伝えられています。本日の円換算は6930円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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