本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2021年11月

オミクロン株の見極め段階

おはようございます

【金融・為替】
先週末にパニックに陥った世界の金融市場ですが、週明けは徐々に落ち着きを取り戻す展開となりました。特に感謝祭明けの米国市場は元々短縮取引で市場参加者も限られるなかで、その動揺は他市場以上のものだったと推測されます。週明けのダウ平均は3万5135ドル(+236)に反発し、ナスダック総合指数も1万5782(+291)に、S&P500市場も4655(+60)に揃って反発して引けています。為替市場もドル指数が週末の96.0から96.2ポイント台後半まで反発し、米10年債利回りも1.480%から1.512%に上昇しています。ドル円は113.0円から113.65銭前後に、ユーロも1.136ドルから1.127ドルにそれぞれ反発しています。

とは言え、オミクロンショックの下落や上昇に対するあくまでもリバウンド的な動きにとどまり、オミクロン株を過小評価する動きは限定的なものになっています。南ア政府の感染症の専門家は症例から軽度から中程度で、現状では重症化リスクは限定的との見立てのようです。まだ、症例のサンプルも少なく現状では更に調査を進めないと実態がつかめない不透明な状況です。

日本政府が外国人の入国を全面禁止すると厳しい措置をとったのは特例ながら、世界各国でアフリカ南部からの入国禁止措置が取られ、行動制限がなされていることは事実で少なからぬ経済への影響は懸念されます。一方で米国ではバイデン大統領が「ロックダウンは考えていない」と発言し、withコロナが主流の流れも変わらないようです。

今週末の12月には米2022年予算と米債務上限の問題が控えていて、本日はイエレン財務長官とパウエルFRB議長の席をともにする講演が予定されています。来年度予算と債務の上限引き上げには議会の承認が必要で、イエレン氏からの議会に対する再要請がなされる見通しながら不透明な情勢、また、2週間後のFOMCに対するパウエル議長の発言がなされるのか、今回のオミクロン株の金融政策への影響なども注目されます。財政の問題にも金融政策の問題にも重要視される講演と見られることから、市場関係者の注目度は高いイベントです。

【石油市況】
先週末に10ドルを超える暴落に見舞われた原油相場は、週明けに徐々に落ち着きを取り戻し下落に対するリバウンド的な戻りに69.95ドル(+1.80)に反発して引けています。NY時間には一時69.95ドルまで戻るも70ドルの大台乗せには至らず、その後は上値重く推移して引けています。12月2日はOPECプラスの閣僚会議が予定され、参加国の閣僚発言からはいまのところ生産調整の可能性は低いと見られていますが、オミクロン株の世界的な広がりがあれば経済へのダメージは計り知れず相場展開はポジティブなものには向かえない環境のようです。

【貴金属市況】
週末のオミクロン・ショックでは米国債や日本円とともに上昇する場面が見られ、一時は大台を回復して1816.6ドル近辺まで戻す場面も見られました。先週は早期の利上げ観測から一時1777.4ドルの安値を示現し、16日の高値1879.5ドルから100ドル幅調整する場面も見られました。調整場面から取組高が62万枚から6.6万枚減少し、ある程度のポジション調整がなされて買い方投機筋の投げ退く動きが見られました。一方で、今月は最大金ETF・SPDRが前月比で12トン余り増加し、5か月ぶりにようやく減少に歯止めが価格状況です。投げが一巡する手前でオミクロン株ショックがあり、取組高も中途半端に減少に歯止めがかけられました。本日は安全資産への買いと、高値掴みの整理売りが交錯し3日ぶりに小反落して1785.2ドル(−2.9)で引けています。本日の円換算は6510円前後になります。

米金融政策に影響する変異株オミクロン

おはようございます。

11月最終週の取引となり、週中からは早いもので師走入りとなります。さて、週末は南ア発の変異株オミクロンのニュースが市場を席巻しリスク回避一色となりました。株価や原油などの代表的なリスク商品が下落し、米国債、日本円、スイス・フラン・金などの安全資産に一時的に資金が逃避する動きが目られました。米国では通常の年ならば感謝祭やブラックフライデーの余韻に浸る休日モードのはずでしたが、荒れる相場展開に翻弄される1日となった模様です。

オミクロン株の感染力やワクチンの無力化、重症化率などまだ不透明要因は多いのですが、国際保健機構(WHO)はデルタ株と同様に最大の警戒度を「懸念される変異株(VOC)」に指定し、各国に監視強化と報告を求めています。

市場の関心事は米国の今後の金融政策で、インフレ進行が深刻な社会問題となるなか、景気指標の改善や雇用の改善と利上げへの外堀を埋める環境が続き、バイデン大統領からも暗に利上げを促される状況となっていましたが、この変異株の今後の状況によっては市場の思惑が180度変わる可能性もあり得ます。テーパリングの早期終了や来年半ばの利上げ機運は大きく後退し、今週末の雇用統計や、再来週の小売売上高の重要指標も変異株以前の数字で、今後のオミクロンの感染状況によっては意味をなさなくなります。FOMCは最悪手探りで金融政策を判断する状況も考えらえ、12月最大の関心事項となります。

今週もよろしくお願いします!

南ア発変異株で市場は冷静さ欠くパニックに

おはようございます

世界的にwithコロナで経済活動を再開の矢先に南ア発の変異株が発生、世界経済の出鼻をくじかれる危機感が広がり、金融市場を震撼させることになりました。感染力が非常に強く、ワクチンの無能化も取りざたされWHOが調査に乗り出したようです。丁度、欧州の感染再拡大に一部行動制限を伴う規制が広がるなかで輪をかけての出来事、市場の動揺も止む無し!というところでしょうか。新たな変異株のワクチン効果や、デルタ株との比較リスク等が現状は不明で不安心理を煽る結果となったようです。どちらにしても突発的な材料から米国市場は休日明けの短縮立ち合いから、市場参加者が限られるなかで消化不良とみられることから、この土日の変異株の情報の見極めが必要であることは言うままでもありません。冷静に対処したいものです!

【金融・為替】
アジアから欧州にかけてリスク回避の動きが強まる状況の元、感謝祭明けで市場参加者が限定される短縮取引のNY市場にも波及し、ダウ平均は一時1000ドルを超える下落に見舞われることとなり、終値も3万4899ドル(−905)に大幅続落して引け、引け後の時間外では1200ドル前後の暴落推移となっています。ナスダック市場は1万5491(−353)に急反落、S&P500市場も4594(−106)に急反落引けています。別名恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は前日の18.5から28.6ポイントに急上昇し、市場の震撼度合いの大きさを表しています。

為替市場ではドル指数が前日の96.8から96.0ポイントに急低下し、感染の再拡大がより世界経済にとって深刻なことになれば「利上げなどもってのほか!」の反応、米10年債利回りも前日の1.63%から1.48%に急低下し、株安から債券市場への資金流入を示し(リスク資産から安全資産へ)それと同時に利上げ圧力の急低下を示しています。他の通貨では当の南ア・ランドは4%近い暴落、ユーロは1.20ドルから1.13ドル台に下落、英ポンドやアジア通貨も連れて下落、対照的に買われた通貨は日本円で今週一時115円50銭台まで下落する場面が見られましたが、一時113円05銭に急伸し現在113円20銭台で推移し2円強の大幅な円高・ドル安で推移しています。リスク回避の安全通貨日本円といったところでしょう!

【石油市況】
原油は10ドル前後暴落して変動率は10%を超える暴落に68ドル台前半の水準、変異株が仮に世界中に拡散されると世界経済の停滞が予想され、需給バランスが大きく崩れることは必然のことで、株価急落から投機売り炸裂による下落に見舞われています。膨らんだ投機資金が暴騰相場を生み、備蓄放出にまで至った原油市況でが、一旦先行き不安となれば、そのもろさを露呈する事態に陥っているようです。

【貴金属市況】
株価暴落に伴い商品市場に入っていた投機資金が一斉に流出す展開となり、その代表格は原油相場ですが、銅やニッケルなどの非鉄・とうもろこしや大豆などの穀物・金を除く貴金属など幅広く下落しています。その中で金はNY時間に一時1816ドルと前日比で30ドル余り上昇する場面が見られました。但し、その後もリスク商品の下落が止まらず、金にも換金売りが入り再び1800ドル割れの波乱含みの展開となりました。引けは1790ドル台前半で7ドル前後のプラス水準を保つも上げ幅を削るものでした。円建て金はドル建ての強地合いが維持されるも、一時113円飛び台までの円高進行から午前3時に6500円割れに、その後は円買い一服やドル建て相場の戻りもあり6520円前後で引けることになりそうです。

市場の視線の先は来月15日のFOMCに

おはようございます

ご承知の通り米国市場は「感謝祭」の休場で入電はなし(電子取引はあり)、11月最後の週末取引は閑散となりそうです。本日26日(金)は取引再開も短縮取引となり、市場参加者は限定的なものとなりそうです。「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」から本格的なクリスマス商戦入り、早いもので来週には12月(師走)入りとなります。

来週は備蓄石油の協調放出に対して12月2日のOPECプラスの閣僚協議が注目され、支持率低下に悩む米バイデン大統領が躍起となっているインフレ対策の行方が左右されるもので、OPECプラスが増産見直しから供給力を抑えると原油価格が再び上昇に転じる可能性もあります。

バイデン大統領はFRBの新たな人事発表の席で、パウエル、ブレイナード正副議長を前に会見し、暗にFRBによる利上げによるインフレ抑制を要求するものでした。今月は消費者物価指数(CPI)や小売売り上げ高、更に個人消費支出(PCE)コア指数など利上げを正当化する指標が続きます。また、物価の安定ともにFRBの職務である雇用に関しては来週末12月3日は雇用統計が発表予定で、コロナ後の職場復帰の遅れを取る400万人がどの程度職場に復帰するのかも利上げの前提条件となります。

そして12月15日には今年最後のFOMCが開かれ、テーパリング終了を急ぎ、利上げの前倒し議論も高まるものと思われ、活発な議論内容と結果が注目されます。また、次回はドット・チャート(FOMCメンバの先行きの政策金利見通し)が発表されるので今後の利上げ回数や時期が注目を集めることになりそうです。

議事要旨スルーに平穏な感謝祭に

おはようございます

【金融・為替】
感謝祭前日の市況は概ね平穏な1日となりました。25日(木)のNY市場は全休の予定で、26日(金)は短縮取引となり事実上の4連休になります。但し、電子取引は25日、26日は短縮ながら取引は継続されますので、貴金属や石油に関しての取引は米国市場を横にらみしながら国内市場も推移します。

ダウ平均は3万5804ドル(−9)に小幅続落、一方でナスダック総合指数は1万5845(+70)に反発し、S&P500市場は4701(+10)に続伸して引けています。為替市場はドル買いの動きが継続し、ドル円は115円40銭前後に円安・ドル高が進行、ユーロも1.119ドルに反落し、ドル指数は前日の96.4から96.8ポイントに続伸しています。米10年債利回りは一時1.69%台まで上昇後に1.636%に低下し、前日比では小幅低下して推移しています。

本日は個人支出(PCEコア)が前年比+4.1%と前月の3.6%を上回りました。また、新規失業保険申請件数も19.9万人と昨年3月以降初めて20万人を下回りました。注目された今月上旬のFOMC議事要旨では数人が「資産購入のペースを調整し、政策金利引き上げを想定より早く準備すべき」の意見が出された一方で「インフレは一時的で、拙速な利上げは経済を冷やしかねない」との意見も出されています。先週はクラリダ副議長やウォーラー理事がテーパリングを加速し利上げを準備すべきとタカ派的な意見が出て、12月のFOMCの議論対象となるのは当然視されますが、議事要旨そのものは本日の市況への影響は軽微でした。

【石油市況】
原油は前日に荒れた展開も本日は保ち合いが続き78.39ドル(−0.11)に小反落して引けています。備蓄石油の国際協調は前日にほぼ織り込み、市場の視線は来週12月2日のOPECプラスの会合に移り、米国主導の備蓄放出に対応するために、OPECプラスが増産幅を調整するのか警戒が高まっています。

【貴金属市況】
先週後半から利上げ時期の加速観測から投機筋の手仕舞い売りから大きく水準を切り下げた金相場ですが、アジア時間では売り一巡から反発基調で取引が続き、欧州時間では1796.2ドルと大台手前まで一時反発しました。しかし、低下していた長期金利が米国時間入り後に一時1.7%に迫る上昇から、再び売りが加速して一転1777.4ドルと今月3日以来の安値に沈みました。引けにかけては長期金利が再び低下に向かい、下値を徐々に切り上げて1786.9ドル(+0.6)で引け小幅ながら5日ぶりに下げ止まって引けています。NY金の取組高はピークの62万枚から23日現在6万枚余り減少し、目先の投機筋の売り圧力は後退したものと推測されます。特筆事項としては金ETFが5か月ぶりに減少に歯止めがかかりそうです。本日の円換算は6630円前後になります。

ドル円115円を突破(4年10か月ぶり)

おはようございます

【金融・為替】
週明けに小反発したダウ平均は3万5813ドル(+194)に続伸し、長期金利の上昇から金融株、原油の反発からエネルギー株も堅調を後押ししているようです。一方で金利上昇からナスダック総合指数は1万5774(−77)に続落し、S&P500市場は4690(+7)に小幅に続伸しています。

為替市場はドル円が115円の節目を抜けて115円10銭前後にドル高・円安が進行し2017年1月以来の円安水準となっています。ユーロは1.125ドルに逆に小幅反発して推移、ドル指数は前日の96.5から96.4ポイントに小反落しています。米10年債利回りは前日の1.627%から1.681%に上昇しておよそ1か月ぶりの高水準となっています。バイデン大統領は再任パウエル議長にインフレ抑制を要請、利上げ観測は徐々に高まり「インフレは一過性」の文言は後退せざるを得ない状況です。

【石油市況】
米バイデン政権からの要請を受けて日本は初の備蓄石油を放出を始めて決定、このほか、韓国・インド・イギリス・中国なども放出に強調すると見られています。このニュースに反応してWTI原油は一時75.30ドルに急反落する場面も見られました。しかし、各国の備蓄放出では世界の石油需要を満たすには遠く及ばないことや、12月のOPECプラスでは逆に増産見直しを調整するとの見方もあり、増産縮小による放出の需給ギャップ解消に動くと、備蓄放出が無駄になるとの見方もあります。売り一巡後は反発に転じて78.50ドル(+1.75)に続伸して引けています。産油国を敵に回す政策では安定価格は望み薄で、いかに見方につけるかの努力が必要となります。

【貴金属市況】
金は前日の急落もアジアから欧州市場では節目の1800ドルは維持され、一時1812.5ドルまで戻す場面も見られました。動きが出たのはNY市場の開始後で前日の下落から更に売りが膨らみ一時1781.7ドルまで続落、その後の戻り基調も鈍いまま1783.8ドル(−22.5)に続落して引けています。先週の高値から下げ幅はほぼ100ドル前後に達し、NY金の取組高は前日の段階で58万枚割れに4万枚余り減少、前日の出来高51万枚の大商い、本日の投機買いのポジション縮小は一段と加速していると見られます。RSIは70から40ポイントに急低下し、テクニカルの買われ過ぎは解消に向かっています。投機筋の重視する50日&100日&200日移動平均線は1790ドル前後に集中しています。買われ過ぎの解消による1800ドル割れは、高値から買い見送りの実需も触手を伸ばすタイミングを計るものと推測されます。本日の円換算は6620円前後になります。

パウエル続投、ブレイナード氏は副議長に昇格

おはようございます

【金融・為替】 
こちらは「勤労感謝の日」の休日、海の向こうは感謝祭ウィークにて24日がその休日、25日はブラックフライデーで本格的なクリスマス商戦入りとなります。今週の関心事項のひとつ次期FRB議長に正式にバイデン大統領によりパウエル氏の再任が決まり、もう一人の候補ブレイナード理事は副議長に昇格と伝えられています。パウエル議長はコロナ渦の停滞を大規模金融緩和で乗り越えた実績が再任理由と考えられ、2期目は今度はコロナ後を見据えた緩和策から出口戦略が最大の課題で、目下の問題はインフレがFRBの想定以上に続き高インフレ進行を抑えること、つまり利上げの舵をいつ切るのか注目されます。

株式市場はパウエル再任を好感して一時ダウ平均は300ドル高に急反発を見せるも、ドル高や長期金利の上昇の反応を徐々に嫌気する展開となり、3万5619ドル(+17)に4日ぶりに反発も小幅な反発にとどまり引けています。ナスダック市場は1万5854(−202)に連日の最高値更新から一転して急反落して引けています。S&P500市場は4682(−15)に小幅続伸して引けています。バイデン大統領&パウエル、ブレイナードの3者会談ではFRBのがインフレ対策に取り組み姿勢を強調したと伝えられています。

為替市場ではドルを買う動きが再び強まり、ドル円は114円90銭近辺まで直近の円の安値を試す水準までドル高が進行、ユーロも1.123ドルまで続落し、ドル指数は週末の96.0から96.5ポイントに大幅続伸して1年3か月ぶりに水準まで上昇、米10年債利回りも週末の1.54%から1.62%に急上昇しています。先週から複数のFRB幹部がインフレ対応の利上げの前倒しを匂わすタカ派発言が目立ち、12月FOMCでテーパリングの早期終了からの利上げが議論されるとの見方が強まっているようです。

【石油市況】
今週より欧州では感染の再拡大よりオーストリアがロックダウン(都市封鎖)を全国で再開し、ドイツも行動制限に踏みきると伝えれています。また、米国はじめ石油需要国で備蓄を放出する準備が進行していることなどから、時間外取引では一時75ドル割れを試す場面も見られました。そかし、NY時間入り後はFRB議長の再任人事から株高に振れるリスク選考の動きとなったことや、12月初旬のOPECプラス協議で今後の増産見直し議論がされるとの見方も浮上して安値から戻し76.75ドル(+0.81)に反発して引けています。冬場に向けて北半球の主要国の感染再拡大の状況が、今後の石油市況に大きく影響しそうです。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間では先週のNY市場の下落を引き継ぎ、概ね1840ドル台後半で推移しています。NY時間ではパウエル再任の発表後に急速にドルを買い戻す動きが強まったことや、長期金利が1.6%台に上昇したこともあり売りが優勢の展開となり、レンジ下限1835ドルを下抜けるとストップオーダー(逆差し値)から下げが加速し、損失確定の投機筋の手じまいと見られる売りが重なり1809.1ドル(−48.2)に大幅続落して引けています。1800ドル近辺は今月上旬以来3週ぶりの安値に、本日の推定出来高は50万枚に迫り大商いの1日となりました。11月は5か月に及ぶ保合い上限1835ドルを上抜き、レンジから抜け出して1900ドルを一時射程に収める1879.5ドルまで上値を伸ばしましたが、インフレヘッジの御旗の元で投機筋の買いが集められましたが、独壇場は長くは続かず息切れした相場は仕切り直しというところでしょうか。一方で週末には最大金ETFのSPDR(スパイダーゴールド)に8トン強とまとまった買いが入り、4か月連続で減少も今月は歯止めがかかる可能性があります。1850ドル以上の水準では回収金(スクラップ)売りがでましたが、1800ドル近辺では売りが止むことが想定され、更なる下落となれば今度はアジアの実需の出番も控えることになります。大きなレンジは1700から2000ドルの間と思われ、1800ドルは既に売り妙味が乏しい水準とも言えます。今夜のNY相場は引き継がれますが、リアルタイム(7時50分現在)の換算値は6660円前後になり、円建ても6886円から200円余りの調整となります。

今週はFRB議長指名&議事要旨が注目

おはようございます

今週は25日(木)が「感謝祭」の休日で市場も休場となります。26日(金)は「ブラックフライデー」で市場は開きますが、市場参加者は限られる見込みです。学校などは4連休となり、本格的なクリスマス商戦入りを占う1日となります。

さて、先週発表予定の次期FRB議長の指名が今週に先送りされました。遅くとも25日までに発表されると伝えられていますが、現議長パウエル氏も、候補に挙げられているブレイナード現理事も共通点は「ハト派」で、政策そのものに大きな変化はないとされていますが、パウエル氏指名はトランプ政権であったことや、FRB幹部の投資の事実が明るみになり、2人の地区連銀総裁が辞任に追い込まれる不祥事(法律上は投資は禁止されていない)の責任を問う声も上がっています。

もし、ブレイナード理事を議長に指名すれば民主党政権の指名であることを強調できますが、これまでのパウエル氏の議長としての手腕はそれなりに市場でも評価されていて、議長人事そのものよりも「インフレ抑制」がバイデン政権の支持回復の決め手となる可能性があり、どちらの議長となってもインフレ抑制はバイデン政権の責任とも見なされ、これが解決に向かわないと支持率低迷から政権は逃れられないことになります。

コロナ禍で失われた雇用は2200万人に上り、これまでに多くが職場復帰して残された失業者は概ね400万人と言われています。ブレイナード理事は特に雇用を重視することから、インフレよりも雇用に軸足がおかれる可能性があり、雇用回復のために利上げ時期に対して慎重になる可能性があり、株式などのリスク商品には追い風となる可能性も指摘されています。

今週はPMI(購買担当者景況指数)や個人支出(PCEコア)が注目されます。また、前月のFOMC議事録要旨の発表が24日にあり、テーパリング後の利上げ時期を巡る論争が注目されます。

今週もよろしくお願いします!

欧州の感染再拡大が重石に

おはようございます

【金融・為替】
週末のダウ平均は3万5601ドル(−268)に3日続落して引けています。欧州での再感染拡大により旅客需要の減速観測にボーイングが下落し、また、原油急落により石油セクターが下落を強いられる展開となっています。一方で長期金利の低下により割高感が薄れるハイテク中心のナスダック市場は高値を更新して1万6057(+63)に続伸して高値更新、S&P500市場は4697(−6)に小反落するまちまちな展開となりました。

欧州の感染再拡大によるオーストリアが来週よりロックダウンを決定し、来年2月からワクチン接種を義務化すると発表しました。ドイツはワクチン未接種の公的生活を制限すると発表しています。為替市場ではユーロやポンドといった欧州通貨が下落し、米ドルと日本円を買う展開となっています。ドル円は一時113円60銭前後に下落(円は上昇)し、114円近辺で今週の取引を終了しそうです。ユーロは1.128ドルに反落して、ドル指数は前日の95.5から再び96.0ポイントに反発しています。

今週は複数のFRB幹部の発言が注目され、本日ウィーラー理事がテーパんリングを急ぎ利上げを早めるべきと発言し、早期利上げが意識される状況で次回12月15日のFOMCが注目されます。一方で今週中に次期FRB議長をバイデン大統領が指名すると伝えられていましたがどうやら来週発表のようです。パウエルかブレイナードに絞られていますが、どちらもハト派だから政策変更はないとの見方が大勢のようですが・・・・?

【石油市況】
原油相場は76.10ドル(−2.91)に大幅に続落して引けています。今週は80ドルの大台を割り込み上値重く推移していたところに、欧州の感染再拡大による行動制限などの報道から、航空機需要はガソリン需要の減速観測が投機筋の売りを呼び込んだものと思われます。また、バイデン大統領の備蓄石油の放出の呼びかけに、中国は既に以前より放出を初めていると伝えられ、日本政府も要請に答える準備に入ったとも伝えられ、市況を冷やす効果に関しては疑問符が付くものの心理的な効果はあるようです。

【貴金属市況】
金はアジア時間は概ね1,860ドル前後で推移し米国時間入り、その後一時1860ドル台後半まで戻す場面も見られましたが、徐々に上値重く推移して1851.6ドル(−9.8)に続落して引けています。今週のレンジ下限の1851ドルを下抜ける展開もあり、投機筋の益出しの動きも週末要因として加わったものと見られます。既に取組高が62万枚を超えて前年の2000ドル相場並みの水準ということを指摘していますが、昨年はコロナウイルスにより金には安全資産としての買いが入り、先物市場の投機買いと同様に、最大金ETFのSPDRにも夏場にかけて200t余り増加する機関投資家の買いも入りました。今回の相場は物価上昇によるインフレヘッジが上昇の主要因と見られ、投機筋中心(実需やETF不在)の相場展開の違いがあります。インフレ進行によりドル高や金利上昇の逆風の中でも相場水準を押し上げてきましたが、如何せん、投機筋による単独行動により援軍不足であることは事実でしょう。引き続き1900ドルを目指す展開ではあると見られますが、少し図体が大きくなりすぎたために応分の調整が必要なのかもしれません!週明けの円換算値は6765円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

欧州の感染再拡大がネガティブに作用

おはようございます

【金融・為替】
週末のダウ平均は3万5601ドル(−268)に3日続落して引けています。欧州での再感染拡大により旅客需要の減速観測にボーイングが下落し、また、原油急落により石油セクターが下落を強いられる展開となっています。一方で長期金利の低下により割高感が薄れるハイテク中心のナスダック市場は高値を更新して1万6057(+63)に続伸して高値更新、S&P500市場は4697(−6)に小反落するまちまちな展開となりました。

欧州の感染再拡大によるオーストリアが来週よりロックダウンを決定し、来年2月からワクチン接種を義務化すると発表しました。ドイツはワクチン未接種の公的生活を制限すると発表しています。為替市場ではユーロやポンドといった欧州通貨が下落し、米ドルと日本円を買う展開となっています。ドル円は一時113円60銭前後に下落(円は上昇)し、114円近辺で今週の取引を終了しそうです。ユーロは1.128ドルに反落して、ドル指数は前日の95.5から再び96.0ポイントに反発しています。

今週は複数のFRB幹部の発言が注目され、本日ウィーラー理事がテーパんリングを急ぎ利上げを早めるべきと発言し、早期利上げが意識される状況で次回12月15日のFOMCが注目されます。一方で今週中に次期FRB議長をバイデン大統領が指名すると伝えられていましたがどうやら来週発表のようです。パウエルかブレイナードに絞られていますが、どちらもハト派だから政策変更はないとの見方が大勢のようですが・・・・?

【石油市況】
原油相場は76.10ドル(−2.91)に大幅に続落して引けています。今週は80ドルの大台を割り込み上値重く推移していたところに、欧州の感染再拡大による行動制限などの報道から、航空機需要はガソリン需要の減速観測が投機筋の売りを呼び込んだものと思われます。また、バイデン大統領の備蓄石油の放出の呼びかけに、中国は既に以前より放出を初めていると伝えられ、日本政府も要請に答える準備に入ったとも伝えられ、市況を冷やす効果に関しては疑問符が付くものの心理的な効果はあるようです。

【貴金属市況】
金はアジア時間は概ね1,860ドル前後で推移し米国時間入り、その後一時1860ドル台後半まで戻す場面も見られましたが、徐々に上値重く推移して1851.6ドル(−9.8)に続落して引けています。今週のレンジ下限の1851ドルを下抜ける展開もあり、投機筋の益出しの動きも週末要因として加わったものと見られます。既に取組高が62万枚を超えて前年の2000ドル相場並みの水準ということを指摘していますが、昨年はコロナウイルスにより金には安全資産としての買いが入り、先物市場の投機買いと同様に、最大金ETFのSPDRにも夏場にかけて200t余り増加する機関投資家の買いも入りました。今回の相場は物価上昇によるインフレヘッジが上昇の主要因と見られ、投機筋中心(実需やETF不在)の相場展開の違いがあります。インフレ進行によりドル高や金利上昇の逆風の中でも相場水準を押し上げてきましたが、如何せん、投機筋による単独行動により援軍不足であることは事実でしょう。引き続き1900ドルを目指す展開ではあると見られますが、少し図体が大きくなりすぎたために応分の調整が必要なのかもしれません!週明けの円換算値は6765円前後になります。

良い週末をお過ごしください!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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