本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2021年08月

アフガン失政によるバイデン支持低下

おはようございます

【金融・為替】
週明けの米株はダウ平均が3万5399ドル(−55)に反落し、ナスダック総合指数は1万5265(+136)に続伸し高値を連日の更新、S&P500市場も4528(+19)に続伸して引けています。全般に週末のパウエル議長のハト派発言は、引き続き株高のリスク選好を支える構図となっています。一方でデルタ株の感染の広がりにより経済活動の後退懸念や、アフガン情勢を受けてバイデン政権の支持率が就任後初の50割れとなり、今後の政局やインフラ投資などの影響などが気がかりな情勢です。為替市場はドル円が109円90銭前後と小動き、ユーロも1.179ドル前後で推移、ドル指数は92.7ポイントと週末比でほぼ変わらずの水準です。米10年債利回りは週末の1.3%から1.284%に低下しています。

【石油市況】
原油は69.21ドル(+0.47)に続伸して引けています。大型のハリケーン「アイダ」は熱帯性低気圧に勢力は衰えたものの、速度がペースダウンし操業停止から再開への時間が見通せないことに反応を示しています。

【貴金属市況】
金は先週アフガン情勢による地政学上のリスクを買ったことや、パウエル議長のハト派発言に押されて1820ドル台まで4週間ぶりの高値に買い進む展開となりました。週明けはアジア市場の前半こそ勢いを保ったものの、徐々に上昇に対する益出しと見られる売りに押される展開から1820ドルを割り込み、売りが先行する地合いが続きました。欧米時間もその流れが続き1812.2ドル(−7.3)に3日ぶりに反落して引けています。引き続き金ETFへの投資資金の流入は逆流して冴えない状況ですが、CFTCによると先物市場のネット買い越しは8/24日現在655.2tと、2月下旬以来の水準まで復活してきています。取組高も再び50万枚に乗せていて、今後の積み増し期待も持てる状況です。但し、ここからの息切れ症状が今年の相場の上値の芽を摘む展開も多く、直近高値の1835ドルや節目の1850ドルを抜けるには一段の投機筋のポジション積み上げが望まれるところでしょうか。新興国の中銀保有の増加傾向や、欧州での個人保有の増加などが認められる環境のもと今後の展開が注目されます。本日の円換算は6395円前後になります。

市場安堵のジャクソンホールですが・・・・

おはようございます

週末のジャクソンホールでのパウエル議長の発言は「テーパリング開始は年内が適切」と述べると同時に、「利上げ時期の直接的シグナルにはならない」とも述べています。事前にFRBの複数の幹部が早期開始のタカ派発言に及んでいたことから、市場では議長発言により早期利上げを心配する必要が薄れたとの受け止め方から全般的にリスク選好の展開となりました。テーパリングの時期に関する言及もなく、市場では9月FOMCでスルーし、11月に決定して12月開始というふうにハト派的な受け止めとなっています。

議長はインフレに関してはこれまで通り一時的とし、雇用の改善には慎重な見通しを述べていましたが、今回は雇用の改善傾向を評価する発言となり年内開始を正当化する内容でした。その意味でも次回の雇用統計発表の今週末9月3日が重要視されるもので、雇用者数の予想80.0万人(7月94.3万人)失業率5.2%(同5.4%)となっていますが、予想外の雇用増となれば市場は再び9月FOMCでの開始決定を織り込む可能性もあり、緩和策の長期化見通しもいっぺんに吹っ飛ぶことも考えられ予断は禁物というところでしょう。

一方でアフガニスタン情勢の緊張により、久しぶりに地政学のリスクが意識されています。アフガンは直接の原油の産油国でないことや、湾岸戦争のころと違い米国ではシェールオイルの飛躍的増産により中東への依存度は極端に低くなっています。経済的影響は高くないもののテロによる多数の死者や、今後アフガンから移民が急増する難民問題など人道上の問題が急浮上し、バイデン政権の支持率低下や不人気が広がると、共和党ばかりか身内の民主党内部からも異論が出て今後のインフラ投資などの政策の行き詰まりが懸念されます。

今週もよろしくお願いいたします!

「年内開始が適当」も市場配慮好感

おはようございます

今週のメインイベントであるジャクソンホールでのパウエルFRB議長による公演は、テーパリング(量的緩和策の縮小)に関して「年内開始が適当」と表明しました。ほぼ大方の予想に沿ったもので、物価の上昇は満たしたし、雇用の前進も見られると評価しました。一方で新型コロナの感染拡大も見極めたいとし、テーパリングの具体的な時期への言及はありませんでした。また、テーパリングは将来の利上げの時期の直接的なシグナルにならないと指摘し、米国債市場への配慮も怠らないものでした。議長の発言を受けて9月21・22日の両日のFOMCでその時期や縮小に関する具体的な数値などの発表があるものと推測されます。(9月見送りなら、11月決定、12月開始も?)パウエル議長はテーパリングの開始を明言したものの、次の段階の利上げとは直接リンクしないと慎重姿勢を示し、感染状況も見極めると話し、概ね市場に配慮したハト派的な内容と市場は受け止めています。

【金融・為替】
議長発言からテーパリングへの道筋がある程度見えたことや、その後の利上げへの慎重なスタンスを好感した投資家心理の改善により、ダウ平均は3万5455ドル(+242)に反発し、ハイテク中心のナスダック市場は1万5129(+183)と史上最高値を更新、S&P500市場も4509(+39)に反発して引けています。議長は今回も繰り返しインフレは一時的現象と発言し、早期の利上げの必要性を否定する内容とも受け止められ債券市場も上昇し、米10年債利回りは前日の1.35%から1.3%前後に低下しています。為替市場はドル買い優勢の展開から始まるも、議長発言以降はドルは軟化に転じてドル円は109円80銭前後に、ユーロも1.179ドルに反発し、ドル指数は前日の93から92.6ポイント台に軟化しました。

【石油市況】
原油は68.74ドル(+1.32)に急反発して引けています。ジャクソンホール後に株高やドル安のリスク選考の展開が買いを後押ししたことや、本日は商品相場の非鉄や貴金属相場も上昇したこと、また、熱帯性低気圧「アイダ」がメキシコ湾を北上し、既に製油所の多数が操業停止状態となっていることが上昇の背景、今後ハリケーンに勢力を発展させていくのか注目されています。

【貴金属市況】
金はアジア時間からアフガンの有事を受けて上昇し1800ドル台に乗せて推移していましたが、有事の金買いは一旦欧州時間では息切れして再び大台を割り込みました。そして米国時間入り後のジャクソンホールでのパウエル議長の発言内容からドルの軟化や、長期金利の低下を受けて上昇に転じて大台を回復し1817.2ドル(+24.1)の戻り高値を更新して引けています。テクニカルでも1813ドル近辺にある200日移動平均線を抜けて改善が見られています。週明けの円換算は6415円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

テーパリング示唆あるのか注目!

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万5213ドル(−192)に5日ぶりに反落して引け、ナスダック総合指数も1万4945(−96)に6日ぶりに反落、S&P500市場も同4470(−26)に反落して引けています。為替市場はドル円が110円05銭近辺に円安・ドル高方向に推移、ユーロも1.175ドルに反落し、ドル指数は前日の92.8から93.0ポイントに反発しています。株安の動きも債券相場も軟調で、米10年債利回りは1.351%に更に上昇しています。

本日のパウエル発言を前にして、カンザスシティ連銀のジョージ総裁は「遅かれ早かれ協議する準備ができている」と発言、セントルイス連銀のブラード総裁も「現時点で資産購入は必要ない」と両連銀総裁の発言からテーパリング「量的緩和の縮小」が意識され、株式市場では益出しに動いたものと推測されます。年内のテーパリング開始が7月のFOMCでも多くの参加者が表明し、これまでのパウエル氏の「開始までには市場に十分な時間を与える」とする言葉を考えると、10月のFOMCはないことから9月FOMCで開始時期を公表し12月開始のシナリオが考えられ、9月開始であれば本日のジャクソンホールでテーパリング示唆の可能性が考えられます。デルタ株リスクによるハト派発言期待もありますが、決断を遅らせるリスクも大きいことになりそうです。

また、月末に退避期限の迫るアフガニスタン・カブール空港で自爆テロがあり米兵12名を含む60人が死亡したと伝えられ、地政学上のリスクが意識された側面もあるようです。犯行声明はIS(イスラム主義組織)から出され、アフガンを制圧したタリバンは爆発事件を非難しています。ISとタリバンの意思疎通の薄さも意識され、今後の混乱が深まる事態となっています。また、今回のアフガンからの米軍撤退はG7でも非難される一幕もあり、バイデン政権の支持率の低下による政権の安定感も揺るがす事態に発展する可能性も指揮されています。中国やロシアには中東接近のチャンスと捉えられ、今後の中途を巡る国際情勢が危惧される情勢です。

【石油市況】
原油は67.42ドル(−0.94)に反落して引け、このところの修正高による反発が一服しています。改めてデルタ株の感染拡大による経済活動への影響が危惧される状況のようです。一方で熱帯性低気圧が発達中で、今後カテゴリー3程度に勢力を拡大させてメキシコ湾に入るコース取りが下値を支えている模様です。

【貴金属市況】
金はアジア時間は長期金利の上昇もあり軟調な展開で推移、米国時間入り後は連銀総裁のタカ派発言からテーパリング開始が意識され一時1781.8ドルに下落、但し、その後カブールでの爆破テロで米軍に死者が出たニュースが伝えられると反発に転じ一時1800.4ドルの大台を回復、大台では買いの継続は見られず高値から修正されるも1795.2ドル(+4.2)に反発して引けています。本日の円換算は6340円前後になります。

株高のリスク選好も、債券と金は反落に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万5405ドル(+39)に4日続伸して引けて最高値に接近、ナスダック総合指数は1万5041(+22)に続伸して高値を更新、S&P500市場も4496(+9)に続伸して総じてリスク選好相場が続きます。引き続きワクチンの正式承認による接種の進展からの経済活動の正常化期待、さらに週末のパウエル議長のハト派発言への期待が株価を支える要因と見られます。また、今週は議会下院で3.5兆ドルの経済対策が可決され、来月27日の大型のインフラ投資策成立に向けた動きに期待が広がっています。為替市場はドル円が110円丁度を挟む円安・ドル高水準で推移、ユーロは逆に1.177ドルに反発し、ドル指数は92.8ポイント前後で前日並みで推移しています。米10年債利回りは1.346%に上昇しました。

【石油市況】
原油は68.36ドル(+0.82)に3日続伸して引け、このところの急落分を大方取り返す展開となっています。米エネルギー情報局(EIA)の原油在庫の減少や、足元の石油需要の増加傾向に反応を示しています。デルタ株の感染拡大による目先の石油需要の減速観測も、ワクチン正式承認により接種者加速への期待が上回る値動きとなっています。

【貴金属市況】
金はアジア時間で節目の1800ドルを割り込む展開となり、ドル高の動きや長期金利の上昇からこのところの上昇に対する高値修正の動きとなりました。節目を割り込んだことから米国時間の昼頃に本日の安値1784.0ドルを示現、その後は安値より戻すも1791.0(−17.5)と4日ぶりに反落に転じて引けています。米国時間ではドル買いが後退するも、長期金利が2週間ぶりの水準まで上昇したことが嫌気され債券相場と同様に金にも逆風となりました。また、相場水準が安値より100ドル余り引き上げられたこともあり、金ETFからの投資家の資金流出もあり、先物市場の投機筋の買い意欲を鈍らせる側面もあるようです。いずれにしてもジャクソンホールでのパウエル議長発言待ちで、予想通りハト派的な内容であれば再び大台回復からの出直りも期待できますが、テーパリング開始時期への言及なければ1800ドル中心のレンジ相場、もしタカ派発言(テーパリング急ぐ)であれば1750ドル近辺への下落も考えられます。但し、雇用統計後の急落相場(1700ドル割れ)で既に最悪の「テーパリング開始は織り込み済み」下値も限定的なものと見られます。今後の金相場に関しては米債務上限問題や、米財政赤字の拡大、更に米中関係や中東情勢の緊張といった地政学上のリスクにも目を向ける必要があります。本日の円換算は6330円前後になります。

危ういコロナ収束+テーパリング先送りのご都合主義

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万5366ドル(+30)に3日続伸、ナスダック総合指数は1万5019(+77)続伸して高値を更新、S&P500市場も4486(+6)に続伸して総じてリスク選好の動きが続きます。為替は109円65銭前後、ユーロは1.175ドル前後、ドル指数は92.8ポイントに続落しています。米10年債利回りは株高もあってか1.297%に上昇しています。

今週の株高のリスク選好の動きの背景は、前日に発表されたファイザー製のワクチンが正式に承認されたことから、今後は米国内の信頼が高まり接種に二の足を踏んでいた人々がワクチン接種に積極的になり、コロナ収束が早まるとの楽観見通しに加えて、7月のFOMCでは参加者の多くが年内の量的緩和縮小(テーパリング)開始に賛成する意見でしたが、この週末27日のジャクソンホール(日本時間午後11時)でのパウエルFRB議長の講演で、テーパリングの具体的な時期を示唆するよう発言に及ばない(ハト派)発言の可能性が高まるとの見方がリスク選好の動きにつながっている模様です。

政府の失業給付金支給などで一息ついた国民生活ですが、一方でFRBの進める量的緩和策(QE)により住宅価格は2割近い上昇、中古車も5割近い上昇となりインフレが米国民の生活を直撃しているとの指摘もあります。雇用者数はコロナ以前よりまだ570万人が職を失っているようですが、既に1700万人を超える人々が職場に戻ったこともありFRBとしては緩和縮小に一歩踏み出したいところです。但し、足元のデルタ株の感染拡大が今後の経済活動にどの程度の影響を及ぼすのか見極めたいところもあり、9月や10月の雇用統計も確認した上のテーパリング議論が市場の読みで、ジャクソンホールの対面会議の予定がオンライン会議に変更されたことで、その期待が膨らみつつあるようです。

【石油市況】
原油は67.54ドル(+1.90)に大幅続伸し、前日のファイザー製ワクチンの承認から経済活動の正常化期待が再び高まる情勢です。また、メキシコ国営石油の海上油田の火災発生も材料視されたようです。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州では1800ドル台で強含意に推移、NY入り後も1800ドルから1810ドルの間の保ち合いが続き1808.5ドル(+2.2)に小幅ながら続伸して引けています。当面の上値抵抗と見られた大台を今週は一気に上抜き、50日や100日移動平均線も抜けテクニカルも好転しています。上昇要因はジャクソンホールでのパウエル議長の講演に関して、これまでの早期テーパリング開始示唆が先送りされる期待の膨らみに投機買いが入り取組高は7月末以来50万枚に乗せました。但し、先物市場の取組増とは逆に金最大ETFであるスパイダーゴールド(SPDR)は6月末の1044tから徐々に減少傾向となり、22日現在で1006tまで38t減少し投資家の人気の高まりはなかなか起きない現状、一方で対照的に今月の1700ドル台前半ではアジアの実需買いや欧州でも個人投資家の買いが見られ下値の堅さも確認されています。目先1800ドルを足固めして更なる高みを目指すには、週末のパウエル発言に左右されそうです。本日の円換算は6355円前後になります。

FRBがデルタ株配慮にハト派期待広がる

おはようございます

【金融・為替】
週明けのNY市場はリス選好の動きが全般に強まるもので、ダウ平均は3万5335ドル(+132)に続伸し、ナスダック総合指数は1万4942(+227)に5日以来の史上最高値を更新、S&P500市場も4479(+49)に続伸して引けています。週末のジャクソンホールでのオンライン会議は当初の対面での開催予定をデルタ株の感染拡大を考慮したもので、テーパリングに関してもハト派的な内容を一部に期待する動きもあるようです。(最もメインシナリオはテーパリング示唆で年内にも開始見通し)また、米食品医薬品局(FDA)がファイザー社のワクチンを正式に承認したとの報に、現状の米国人のワクチン接種52%が今後飛躍的に伸びるという期待も株高要因と見られています。

為替市場はドル円は米国時間の朝方に一時110円10銭台までドル高・円安進行しましたが、その後株式市場が始まるとリスク選好のドル売りが勝る展開となり、現在は109円65銭前後にドル安・円高の水準となっています。ユーロも先週は年初来の安値まで下落も、本日のドル売りから1.174ドルまで反発しています。ドル指数も週末の93.4から92.9ポイントに急反落しています。株高・債券安の米10年債利回りは一時1.28%程度まで上昇も、その後は軟化に転じて1.253%前後で推移しています。このところ長期金利の低水準での動きは、景気の低迷期入りを示唆するものと悲観的な見方が出ています。

【石油市況】
原油相場は先週末まで69ドルから62ドル台まで7営業日下落するネガティブな場面が続きましたが、本日は株式や商品市場が上昇に転じてドルが下落するリスク選好の動きが鮮明となったこともあり、これまでの下落に対するリバウンド的な反発となり65.64ドル(+3.50)と半値戻りの水準まで戻しています。

【貴金属市況】
金はアジアの株式市場がほぼ全面高の展開となると同時に、ドル買いの展開から徐々にドル売りの流れに反応を示し堅調に推移、米国時間入り後は下落が続いた通貨ユーロの反発が続き(ドルり)更に一段買われて節目の1800ドルを突破すると一段買われて一時1809.1ドルまで上昇、午後の取引も堅調を維持して1806.3ドル(+22.3)に続伸して引けています。今月6日の雇用統計をきっかけに大きく下落した幅を、本日はほぼ取り戻す水準まで戻して引けています。FRBがデルタ株の感染拡大を重視し週末のオンライン会議で、テーパリングに関してハト派的な見通しを語るのでは?との楽観的な見通しも本日の上昇要因と見られます。NY金の50日移動平均線がある1795ドルを抜け、100日線近辺(1808ドル)に浮上、200日線は1814ドル近辺にあります。本日の円換算は6360円前後になります。

ジャクソンホールは27日にオンライン開催

おはようございます

今週の注目材料とされる経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)は、世界的にコロナウイルスの変異株であるデルタ株の感染拡大が原因で、26日から28日の3日間の予定がオンラインで27日の1日のみの開催となりました。

パウエル議長の講演は同日午前中の予定で、日本時間の27日の夜(詳細は26日発表予定)になります。市場の注目は勿論テーパリング(量的緩和策の縮小)の開始時期や、どのように進めるのか具体策のヒントを探ることです。これまで議長はテーパリングの開始時期に関しては「事前に通知する」と述べています。次回9月23日予定のFOMCまではまだ1か月あり、仮に9月に決定するのであれば今回の会議で開始への言及が考えられます。

先週の7月会合の議事要旨では「多くの参加者が年内に購入額の減額を始めることが適当」との文言があり、ジャクソンホールでテーパリング示唆→9月FOMCで決定→年内開始のシナリオの可能性があります。一方で雇用に関してはあと数回の雇用統計の内容を見たいとの意見もあり、11月のFOMCまでずれ込む可能性もあります。いずれにしても当局と市場の対話がスムーズにいき、テーパリングへのソフトランランディングが望まれますが、バーナンキ時代のようなハードランディングとならないことが望まれます。

今週もよろしくお願いいたします!

ウイルスが変異を繰り返すと厄介

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY市場は特に重要視される景気指標の発表はなく、引き続きデルタ株の感染拡大による経済活動の正常化への不安や、テーパリング(量的緩和策の縮小)への警戒が燻る市場環境ながら、ダウ平均は3万5120ドル(+225)と4日ぶりに反発に転じて引けています。ここ3営業日で700ドル余り下落し、そのうちの1/3を取り戻し取引を終了しました。ナスダック市場は1万4714(+172)と大幅続伸し、米株の上昇を牽引する展開となった模様で、S&P500市場も4441(+35)に続伸して引けています。

為替市場はドル買いムードがやや後退し、今週下落を続けたユーロが1.170ドルまで反発、ドル円は小幅ながら109円80銭と幾分円買いが和らいでいます。ドル指数は93.5から93.4ポイントに小反落しています。一方で株価反発により債券相場は軟調で、米10年債利回りは1.257%に小幅に上昇して引けています。来週はワイオミング州ジャクソンホールの年次シンポジウムが最大注目材料で、パウエルFRBぶよる発言によりテーパリングに向けた地ならしが一段進む可能性も考えられます。年内開始のシナリオはほぼ市場では織り込みつつあり、万一早期の開始を示唆する発言があっても市場の動揺は限定的と思われ、FRBと市場の対話はここまでは順調に見えるのですが・・・どうでしょうか!

【石油市況】
原油は62.32ドル(ー1.37)に7営業日続落し、株価が下げ止まりを見せる中での下落が続きます。引き続きデルタ株の世界的な感染拡大による経済活動の停滞観測による原油需要の鈍化観測が重石となり、このところの中国経済の変調も意識される状態、この日発表されたシェールオイルの掘削リグ数が更に増加したことも嫌気されているようです。

【貴金属市況】
今週の金相場は1770〜1790ドルのレンジ相場が続き、週末の取引もレンジを離れるほどの材料はなく小動き、前日比で+0.9ドルの1784.0ドルと4日ぶりに反発も振幅幅は限定的なものでした。株式市場や原油はじめ他の国際商品が大きく下げる環境下で、最も安定感を示したのが金でした。逆にいうと先週初めの急落によりテーパリングを最も顕著に織り込んだのも金ですが、上値も節目の1800ドルに控えてボラティリティとしては最低水準で投機筋の対象銘柄としてうま味に欠けるものでした。ジャクソンホールがボラを上げるのかが来週の注目点です。週明けの円換算は6285円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

景気指標の悪化続くも、テーパリング早期観測が重石に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4894ドル(−66)に3日続落していますが、ナスダック総合指数は1万4541(+15)に、S&P500市場も4405(+5)に反発してまちまちな展開となりました。本日はフィラデルフィア連銀景況指数が事前予想を下回り、このところの景気指標は予想を下回るものが続出し、政府の景気対策の効果が徐々に薄れつつあるとの指摘があるなかで、FRBは前日の議事要旨でも年内のテーパリングを示唆するもので先行きの経済成長に対する懐疑的な見方も浮上しています。

為替市場ではユーロが1.167ドルと3月安値を抜けて昨年11月以来の水準に下落、ドル円は逆にアジア時間の110円台から109円75銭前後に逆戻り、ドル指数は93.5ポイントと3月末以来の高値となっています。議事録の発表以降はテーパリングの早期開始が意識され、ドルを買う動きが対ユーロや新興国通貨で強まるも、出遅れの日本株に見られるように円相場はリスク回避の円買い優勢の展開が続きます。

【石油市況】
原油相場は63.69ドル(−1.77)に6日続落し引け6日続落して引け、世界的なデルタ株の感染拡大による経済活動の正常化の遅れ観測や、中国経済の失速観測、更にテーパリングの早期開始見通しなどの悪材料に反応を示しています。

【貴金属市況】
NY金は1783.1ドル(−1.3)で引け小幅ながら3日続落して引け、本日も上値はNY時間の1795.0ドルと大台を前に足ふみ状態が続きます。一方で原油相場が3か月ぶりの安値に落ち込む水準であることや、同じ貴金属でも銀や白金などが大きく下落していること、また、株式市場も上値が重い状況から見れば、米国債と同様に安全資産として見直す動きが存在していることも確認できる状態です。本日の円換算は6280円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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