本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2021年06月

金は投機家離れに軟調、復帰のきっかけ待ち

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4292ドル(+9)に小幅反発し、ナスダック総合指数は1万4528(+27)に続伸し、S&P500市場(4291+1)と共に連日の史上最高値更新となっています。本日は消費者信頼感指数が127.3と事前予想の118.5を上回り、景気回復基調が改めて認識されるものとなっています。本日のNY市場は四半期末の取引、この週末は注目の雇用統計(70万人増)ですがコロナ禍で失われた雇用はまだ760万人が取り残されています。そして、週明けの米国は「独立記念日」の休日となります。

為替市場はドルは対ユーロで強含み対ドルは1.189ドルに18日以来の高値(ユーロは安値)となり、ドル円は110円55銭前後で推移、ドル指数は前日の91.8から92.0ポイントに上昇しています。米10年債利回りは1.471%と引き続き低位安定した動きで、金融市場のリスク選好の動きに寄与しているように見られます。

【石油市況】
原油は72.98ドル(+0.09)に小反発して引け、各国でひろがるデルタ株による感染の拡大懸念も、ワクチン接種の進捗率の高まりから比較的楽観視する動きで、本日はOPECプラスから年後半の原油需要が日量600万バレル増加する見通しで、増産は市場の吸収されるとの手前みその見解も下支え要因と見られます。

【貴金属市況】
金はFOMC以降は1760から1790ドル間の保ち合いが続きましたが、昨夜の米国時間入り後はドルの対ユーロでの上昇を嫌気する売り物に押され、18日の直近安値の1761.2ドルを下に抜けると一気にストップ売りを巻きこみ1750.1ドルまで下落、その後は流石に売られ過ぎもあり1763.6ドル(−17.1)に戻して引けるも力なく推移しています。これでレンジ下値は1750ドルに切り下げられ、1800ドルを回復するには投機筋の復帰が待たれることになります。長期投資の金ETFやアジアの実需はこの水準では買い手になると思われ、下値をある程度サポートする効果が期待できます。一方で値位置を切り上げるには年初のピークから300t近く減少した投機筋で、彼らが再主導するきっかけが必要となりそうです。本日の円換算は6260円前後になります。

四半期末を控えた市況

おはようございます

【金融・為替】
四半期末の迫る6月最終週のNY株式はダウ平均が3万4283ドル(−150)に反落する一方で、ナスダック総合指数は1万4500(+140)に反発し、S&P500市場の4290(+9)とともに史上最高値を更新しました。ダウは世界的に変異株デルタ株の感染が拡大し景気敏感株中心に下げ、原油市況の下落にエネルギーーセクターも下落、ハイテク株の上昇は政府が反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴していたフェイスブックに関して、連邦裁判所が訴えを退けたと伝わりフェイスブック株が上昇を牽引した模様です。

為替市場は週末に1.5%台に上昇した米国債利回りが週明けは再び1.5%を割り込み、ドル売りが優勢の展開となり、ドル円110円60銭前後に、ユーロも1.192ドル前後に小幅反発し、ドル指数は91.8ポイント前後に小幅軟化して推移しています。長期債利回りは現在1.480%前後で低位安定が続きます。



【石油市況】
原油は72.91ドル(−1.14)に3日ぶりに反落し、変異株の拡大が世界的に拡散傾向が強まっていることや、OPECプラスの総会で増産方向での合意に向けた動きに本日は益出しの売りが広がった模様です。

【貴金属市況】
週明けの金はアジア時間で一時1770.7ドルに沈む場面もありましたが、その後は反発に転じ、米国時間では長期金利の低下を好感して小幅続伸し1780.7ドル(+2.9)で引け、引き続き1760~1800ドルのレンジに収まる保ち合いが続きます。週末のCFTC(米商品取引委員会)による投機筋のポジションはネットの買い越しが516.9tと前週比−70.3t減少しています。年初の800tを超える水準と比較すると人気の低調をものがたり、下げ基調でも投げる玉が少なく下値が限定的との言えるでしょうが、投機筋の活発が買いが戻ららないと上値も限定的となります。本日の円換算は6325円前後になります。

FOMCの悪材料を織り込む市場

おはようございます

週末に市場の関心事項だった個人支出(PCE)コア指数は前年比3.4%増と、前月を0.3%上回るも事前予想の範囲内ということで、インフレ加速にはつながらないとの見方が台頭、FRBによる利上げを急がないとの思惑からリスク選好の展開となり、株価は最高値圏に戻して推移しました。

今週も複数の指標が発表される予定ですが、やはり最大イベントは週末の雇用統計(事前予想は就業者数69.5万人、失業率5.7%)です。もっとも今月のFOMCでは2023年に2度の利上げを織り込むもので、タカ派のメンバーはテーパリングの早期の必要性と、来年にも利上げに踏み切るべきとの意見も見られました。その意味では市場のショックは一時的にあったものの、緩和策の縮小から利上げへの道筋が示されたことを市場は徐々に織り込むかたちとなり、FOMCの大きな使命がある程度果たされ成功裏に終えたと評価できます。

先行きの金融政策は示されたものの、月額1200億ドル(米国債800億ドル、住宅債券400億ドル)の債券購入は現在進行形で、過剰流動性の確保は当面続けられることに変わりはありません。流動性が担保される市場環境は続くことになります。

今週もよろしくお願いいたします!

PECはインフレ鈍化を示唆か

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY株式市場はおおむね堅調に推移し、ダウ平均3万4483ドル(+237)に、連日高値更新のナスダック市場は1万4360(−9)に小反落、S&P500市場は4280(+14)と前日に続き高値更新して引けています。FOMCから1週間経過し予想外の利上げ前倒しに当初はネガティブに受け止められていましたが、市場の動揺は徐々に収まりつつあるようです。

注目された個人消費支出(PCE)コア指数(エネルギー、食品除く)は3.4%と前月を0.3%上回るも、事前予想と一致しインフレ加速の懸念は収まり、株高につながったようです。一方でコロナ渦による銀行の株主還元への制限が6月末で解除されることとなり、今後の増配や自社株買いへの期待も広がっているようです。

為替市場は小動きに終始し、ドル円が110円75銭前後、ユーロは1.193ドル、ドル指数は91.8とほぼ前日並みの水準で取引が終了しました。米10年債利回りは1.531%と1.5%前後で推移した今週の動きの範囲内ながら、株買い、債券売りの影響かやや上昇して取引を終了しました。

【石油市況】
WTI原油8月限は74.05ドル(+0.75)に続伸して引け、今週の高値圏で取引が終了、FOMCで少なからぬショックを受けた他の商品市場や株式、債券市場と比較するとひたすらに上値追いの展開となり独歩高様相の原油市場です。イランとの核合意の協議の遅れの懸念、景気回復による需要「いいとこ取り」相場が続き、OPECプラスの増産など悪材料には鈍感な1週間でした。

【貴金属市況】
引き続きレンジ相場が続きドル相場の強弱による逆相関性に戻った金、NY市場取引開始直後の個人消費支出(PCE)コア指数が発表され、インフレは一時的(金融政策のハト派期待)との見方に1791.0ドルまで買うも、ドル売りの動きが一巡すると徐々に値位置を切り下げて1778.8ドル(+1.1)に小反発にとどまり、1760〜1800間のレンジ取引が継続されています。NY先物市場の取組減傾向は人気薄を示し、FOMC直後に急増した金ETFも今週は増加分を吐き出し減少気味に推移しています。下値堅く、上値重い展開、少々刺激のある材料が欲しいものです。

良い週末をお過ごしください!

米インフラ投資、超党派で合意

おはようございます

【金融・為替】
株式市場は揃って上昇し、ダウ英金は3万4196ドル(+322)に急反発し、ナスダック総合指数は1万4369(+97)に、S&P500市場も4266(+24)とナスダック総合同様に史上最高値を更新しました。バイデン大統領は午後に超党派議員が提示した1兆ドルのインフラ投資計画で合意したと表明、政権が掲げる2兆ドルの一部で、道路や橋、空港などの整備に充てもので上下両院で速やかに可決されるように求めました。成立の可否は不透明ながら株式市場にはポジティブな材料です。また、週間新規失業保険申請件数が事前予想の38万件を上回り41.1万件と発表され、6月に入り雇用回復の足ふみ状態が続き、パウエルFRB議長の利上げを急がないというメッセージを正当化する内容でした。

為替市場はドル買い優勢の前日の動きが続く状況で、ドル円は110円85銭前後で推移、ユーロは1.193ドル前後、ドル指数は91.8ポイントとほぼ前日並みの水準で推移しています。米10年債利回りは1.5%を中心に安定した動きが続き、現在は1.492%前後で推移しています。FOMC直後に瞬間的に1.592%まで上昇後は、徐々に落ち着きを取り戻し安定推移となっています。

【石油市況】
原油は73.30ドル(+0.22)に小幅に続伸して引け、主要国中心にワクチン接種が進み経済の正常化の進展に伴い、原油需要の拡大が年後半に進む期待が上昇につながっている模様です。8月以降はOPECプラスによる増産も予想されていますが、それも需要増で補うとの強気な見方のようです。

【貴金属市況】
金はFOMCのショックにより先週末に一時1761.2ドルまで下落したところが目先のボトム、今週は売り方ファンドの買い戻し中心の展開ながら一時1795.6ドルまで反発も、節目の1800ドル乗せはまだお預けとなっています。前述の上下間での保ち合いが今週は続き、本日は1776.7ドル(−6.7)に反落して換算値は6325円前後と、円建て相場も保ち合いが継続しています。NY先物市場の投機筋のポジションが低水準で保ち合いで、ネットの買い越しは現状は600トン前後と盛り上が値にかけ、年初の1900ドル台のは800t買い越しであったことから、人気回復が上昇の必要条件となります。

金には投機人気の復活が必須

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は前日の引値近辺で上下動していましたが、引けにかけてはやや失速して3万3874ドル(−71)に3日ぶりに反落しています。一方でナスダック総合指数は1万4271(+18)と3日続伸して、僅かながら史上最高値を更新して引けています。S&P500市場は4241(−4)に小反落しています。前日にパウエル議長が「予防的な利上げはしない」と発言したことや、FRBのナンバー3のNY連銀総裁のハト派的な発言が続き、市場の動揺は一先ず落ち着きを見せ始めています。

為替市場ではドル買い意欲が旺盛で、ドル円は一時111円10銭と年初来の高値(円は安値)を示現し、その後もドル買い優勢から現在は110円95銭前後で推移しています。ユーロは逆に一時1.197ドルに接近も、その後は軟化に転じて1.192ドル前後で推移しています。ドル指数は91.8ポイントに小反発しています。米10年債利回りは1.489%と引き続き1.45~1.5%間で推移して、低位安定が続いています。

【石油市況】
原油は73.08ドル(+0.23)に反発して引け、前日の下げ分をほぼ取り戻す展開となっています。本日は米エネルギー情報局(EIA)の在庫発表から原油は5週連続で減少したことや、石油製品が日量200万バレルを上回っていることが好感された模様です。また、米イラン間でも新たな制裁が浮上し、両国間の関係がイランの新政権誕生により交渉の行き詰まりも懸念されています。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間にかけては1780ドル台で推移し、NY時間のお昼前くらいに対ユーロでのドル安進行に1795.6ドルと節目の1800ドルに迫る場面も見られましたが、その後はユーロが軟調な展開となると上値重く推移し1783.4ドル(+6.0)と反発するも上げ幅は限定的なものとなっています。NY先物市場はFOMC後に取組高が減少気味で、買い方、売り方ともにポジションを詰める動きで、1800ドルオーバーには投機人気の復活も求められる環境です。本日の円換算は6340円前後になります。

パウエル議長、市場との対話に苦慮

おはようございます

【金融・為替】
連日の要人発言が続きますが、週明けに続き株式市場はFOMCでの下げを取り戻しにかかるリスク選好の展開が続きます。ダウ平均は3万3945ドル(+68)に続伸し先週の下げ分の1/3程度取り戻し、ナスダック総合指数は1万4246(+111)とこちらは全値戻し以上、S&P500市場も4246(+21)も続伸して立ち直りを見せています。

そもそも金融緩和策からテーパリング→利上げへの道筋の金融政策の変更は、米国経済がコロナ禍から回復するシナリオに基づくもので、株式市場は悪材料視する必要なし!との強気の声も聞こえます。下院での質疑応答のパウエルFRB議長は「予防的に利上げすることはない」と発言し、市場の警戒に配慮する姿勢を示しています。その一方で連日のFRB関係者の発言には2022年にも利上げが必要とのタカ派的意見の発言も目立ち、FRB内のハト派とタカ派を使い分けるチームプレーが続き市場の動揺を最小限にする工夫が見られます。

為替市場はドル円は週明けにリスク回避の円買いの動きに一時109円70銭近辺まで円高が進行しましたが、週明けのNY株価の上昇から売り戻す動きが戻り106円65銭前後にドル買い・円売りの流れが戻ってきています。一方でユーロは1.18ドルまで下落後は買い戻す動きとなり1.194ドルまで反発、ドル指数は92.4ポイントまで上昇後に、勢いはやや削がれたものの92.3ポイント前後に高止まりしています。同様に10年債利回りは1.592%前後に急伸したのち、その後は低下に転じて1.465%と低位水準に戻して推移しています。

【石油市況】
原油は72.85ドルー0.27)に小反落して引けています。このところ世界的にワクチンの接種が進むと同時に経済活動が再開に向かい、原油需要の回復基調に期待する動きや、イランの核合意を巡る協議が先送りされ、政権交代による協議の遅れの影響からイラン産原油の出回り時期が先送りされるリスクに強気相場が続きます。本日は相場上昇の間隙を縫って、OPECやOPECプラスの協議が近づくにつれて増産に転じる動きが警戒されているようです。

【貴金属市況】
金はFOMC後の週末に一時1761.2ドルまで下落、その後は売り一巡から昨夜の欧州時間終盤には1790.1ドルまで戻すも、その後は上値重く推移してじりじりと軟化して1774.7ドル(−5.5)に反落して引けています。円建てのほうは一時6237円まで下げ、その後は一時6369円に反発、本日の円換算は6330円前後になります。以前にも指摘させていただきましたが、NYの先物市場の投機筋のポジションが盛り上がりに欠けるもので、金相場の人気がある程度戻る必要が考えられます。

市場は目先の売りが一巡

おはようございます

【金融・為替】
FOMCを巡る利上げの思惑に荒れる金融市場ですが、週明けのNYダウは3万3876ドル(+586)と6営業日ぶりに反発に転じて引けています。ナスダック総合指数は1万4141(+111)に、S&P500市場も4224(+58)に3市場揃って反発に転じて引けました。金融政策を巡り予想外のタカ派的な内容となったFOMCに対して、先週は換金売りの雨あられの反応となりましたが、目先の売り物が一巡したことから自律反発の展開となりました。昨日の日経平均では1000円を超える下落に対して、日銀が2か月ぶりに700億円のETFを購入しました。(2%を超える上下動に対して市場介入する日銀ルールによる)本日はパウエル議長の下院での議会証言が注目されています。事前書面での要約は「経済回復もリスク残る」

為替市場でもリスク回避のドル売りが一巡する反応を示し、ドル円は前日に一時109円70銭近辺まで下落(円は上昇)も、本日は110円25銭前後と110円台に戻しています。ユーロ相場も1.185ドルから1.191ドルに、ドル指数は92.3から91.8ポイントに反落して推移しています。一方で株安・債券高の動きに昨日は一時1.357%まで低下した米10年債利回りは1.492%まで上昇も、低位安定の範囲での推移となっています。

【石油市況】
原油は73.12ドル(+1.83)に大幅続伸し、2018年10月以来の高値で引けています。金融市場全般に週明けは落ち着きを見せた環境のもと、イランとの核合意の修復協議が休止する状況下、新しいイラン大統領に就くライシ氏が対米強硬派であることから今後の交渉への悲観論が台頭し、イラン産原油が出回る時期が遅れる可能性から投機買いを集める展開となりました。

【貴金属市況】
金は週末のNY金引け後に1761.2ドルを付ける場面が見られ、週明けのアジア時間でも玉整理や値ごろ買いが交錯して週末に続き大商いとなりました。概ね1770ドル台の攻防となり欧米市場入りとなり、NYの朝方こそ長期金利の上昇を嫌気する場面も見られましたが、その後はドル安が支援要因となり堅調に推移し1782.9ドル(+9.6)に3日ぶりに反発して推移しています。本日の円換算は円安もあり6330円前後になります。

今週は底値探りの1週間か!

おはようございます

前回3月のFOMCでは利上げ見通しのメンバー18人の中心値は2024年でしたが、先週のFOMCでは利上げが1年前倒しされ2023年となり、しかも2度の利上げ予測は市場にネガティブなサプライズをもたらせました。市場予測では8月下旬(26日から28日)のジャクソンホールでの金融シンポジウムの席で、パウエル議長からの発言があるやなしやが今回のFOMCで、しかも2度の利上げは少なからぬショックとなりました。

パウエル議長はその後の会見で「ドット・チャートは特に外れるもので、FRBも民間も経済予測は誤ることがある」と発言し、2023年に2度の利上げに対する市場の注目度の高さに警鐘を鳴らすも、市場はますます疑心暗鬼になるばかりです。今後は利上げ前の量的緩和策の縮小(テーパリング)の次期と縮小のペースに注目が移ることになります。

FOMC以降は承知のように株式はじめリスク商品が下落する反応を示し、週末に至るまでその動揺は収まりをみせませんでした。商品市場では原油相場が例外的に堅調も、他商品は安全資産の意味合いもある金も含めて下落を強いられる展開でした。発表された木曜の翌営業日が週末であったことも影響があったものと思われ、買い方の整理売りに伴い、弱気の新規売りも下落に一役買ったものと推測されます。

もっとも冷静に考えれば、利上げの可能性は2023年の再来年のこと、月額800億ドルと400億ドルの計1200億ドルの量的緩和策は現状でも進められていて、テーパリングも来年以降のことから当面の間の緩和策継続は続けられることです。ある程度のポジション調整が進むと、銘柄による温度差こそあれ、今週は底値探りの展開になると思われます。その意味では今週もパウエル議長はじめ複数のFOMCメンバーの証言が予定され、市場との対話が進められることになります。

今週もよろしくお願いいたします!

タカ派の要人発言にリスク商品広く下落

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY市場は16日(日本時間17日早朝)のFOMCショックが尾を引く展開となり、ダウ平均は3万3290ドル(−533)に5日続落し、週間の下げ幅は1189ドルで率にして3.4%の下落となりました。ネガティブな市場を追撃したのはブラード・セントルイス連銀総裁がテレビ出演で「インフレが続けば早ければ2022年にも最初の利上げをするだろう」との発言で、市場は先のFOMCでの2023年に2度の利上げを織り込まれない状態での更なる前倒し発言でした。前日に反発したナスダック市場も1万4030(−130)に上げ分を吐き出す反落に、S&P500市場も4166(−55)にこちらも4日続落となりました。

リスク商品が幅広く手じまい売りに傾く環境下、米国債には買いが入り米10年債利回りは1.443%に急低下し、前日に一時1.59%までの上昇から急低下しました。為替市場ではユーロが4月8日以来の安値1.186ドルまで大幅下落し、ドル指数も92.3ポイントまで2か月半ぶりの高値を次元しています。一方でドル円は110.20銭前後とほぼ前日並みに推移、株安のリスク回避の動きが円買い方向に向き、ユーロ相場ほどの下落には至りませんでした。

それにしても手のひら返しのFRBの姿勢には驚かされる次第で、「市場との対話」を重視する姿勢とは真逆のようにも思われます。最も、インフレが維持的とする姿勢は今回のFOMCでも繰り返し述べられていて、タカ派で鳴らすブラード総裁らしい発言とも受け止められます。FOMC前は口外無用の各メンバーは、終了後につき来週は多くのメンバーが発言し注目されます。今後の金融政策で重要視されるのはインフレ指標や雇用情勢に加えて、コロナ後の活動再開の米国ですが人々の活発な活動が再感染の拡大に及ばないかの注視されます。


【石油市況】
原油は71.64ドル(+0.60)に反発しリスク商品では唯一高値圏を維持しています。引き続き欧米の経済活動再開による経済活動から原油需要の拡大を見込むトレードですが、OPECが米国のシェールオイルの生産の伸びが弱く需給バランスが取られるとの見通しも本日は支援要因となっているようです。

【貴金属市況】
金は連日の下落から内外ともに大商い(NY40万枚・円建て5.8万枚)となり、売り物が一巡するとアジア時間では1780ドル台の戻し、更に欧州時間では1797.9ドルと1800ドルに接近する場面も見られました。ところが反発に水を差したのはNY時間入り後にテレビ出演のブラード総裁の発言で、利上げの更なる前倒しの可能性から一転して下落に転じて1769.0ドル(−5.8)に2日下落して引けています。本日は長期金利の急低下の追い風も、ドル高とブラード発言が重石となりました。既に3月の底値から直近高値の2/3押しの水準で今後の下値は限定的と見られますが、来週も要人発言が続くことから浮上には未だしばらく時間を要するようです。週明けの円換算値は6250円前後になります。

良い週末をお過ごしください!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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