本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2021年05月

週末の雇用統計がメインイベントに

おはようございます

雨がちの5月も最終営業日となりました。本日(月末)のNY市場は「メモリアルデー(戦没者記念日)」で休場となりますが、電子取引に関しては短縮ながら開かれます。(シカゴ銘柄は全休)

連休明け後の週末4日には今週のメインイベントである5月の米雇用統計の発表があります。就業者数65万人増、失業率5.9%と改善を見込む予想となっています。先月分は予想に大きく届かずネガティブサプライズとなりましたが、今回の内容如何では6月15・16日のFOMCでの議論への影響が考えられ、市場の注目度は高いものとなっています。

量的緩和策の縮小(テーパリング)に関しては、先週も複数の地区連銀やFRB幹部から発言が続き、インフレに関しては一時的との見方を示すも、インフレ進行には注意を払い、場合によってはテーパリング議論が必要となるとの意見が総意と見られ、市場との対話を重視しながら量的緩和の出口を巡る地ならし段階に入ってきているようです。市場は将来的な緩和策縮小を予想するも、実際の開始時期に関してはまだしばらく先の見通しをとりリスク選好地合いが続きます。

今週もよろしくお願いいたします!


FRB量的緩和策縮小(テーパリング)地ならし段階

おはようございます

【金融・為替】
米国市場は週明けの31日(月)は「メモリアルデー」で休場(電子取引は有り)となる、3連休前の取引は概ねリスク選考を維持して終えました。ダウ平均3万4529ドル(+64)に続伸、ナスダック市場は1万3748(+12)に、S&P500市場も4204(+4)と小幅ながらそれぞれ堅調に引けています。この日はシカゴ購買部協会景気指数が75.2と47年ぶりの高水準を記録、ミシガン大学消費者信頼感指数も82.9と事前予想を上回る水準、FRBが重要視する個人消費のコア指数(食品・エネルギ−除く)は3.1%と予想を上回りインフレを意識させるもので、FRBの量的緩和策からの出口戦略にも影響を与える内容となりました。

為替は米国時間序盤の個人支出が事前予想を上回るインフレを示したことからあもあり、米金融政策の変更を意識させる展開にドル買いが一時的に膨らみ、ドル円は一時110円20銭までドル高・円安が進行、その後は長期金利の低下もありドル買い一巡となると109円85銭近辺と前日並みに収まり引けています。同様にユーロも1.213ドルまで下落後に1.219ドルで引け、ドル指数は90.4まで上昇後に90ポイント前後に戻しています。週明けは休日ですが、複数の指標の発表が続き週末は恒例の米雇用統計が発表されます。

また、バイデン政権は2022年度の会計年度(2021年10月〜翌年9月末)の予算教書を発表し、歳出規模は660兆円規模でGDP比で138%となり、今後のインフラ投資(220兆円規模)を考えると先行き10年間は過去最大の歳出が続くことになります(最も今後の議会での折衝から共和党の反対から規模は縮小される見通し)

【商品市況】
原油は66.32ドル(−0.53)と5連騰後の反落、イランの核合意を織り込みながら、ワクチン接種進展の経済の正常化期待の上昇が続きましたが、連休前は益出しの売り物に押されて引けています。金は今週1900ドルの大台を回復するも、上昇ピッチの速さもあり利食い押しが勝る場面も目立つっ展開も見られます。昨夜はNY金の取引序盤の強い個人消費コア指数が発表されると、FRBによるテーパリング議論が意識され一時1884.3ドルまで下落、その後売り一巡から反発に転じ1907.9ドルと直近高値を次元し引けも1905.3ドル(+6.8)と戻り高値で引けています。量的緩和策の縮小(テーパリング)の悪材料と、インフレニーズの広がりや、財政赤字拡大のドル毀損ニーズなどの好材料が今後も交錯する展開が続くものと推測されます。週明けの円換算は6720円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

米国の赤字は大戦超え史上最大に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4464ドル(+141)に続伸して、ハイテク中心のナスダック総合指数は1万3736(−1)に小反落、S&P500市場は4200(+4)に小幅に続伸して引けています。米第1四半期のGDP改定値は年率6.4%とほぼ予想の範囲内、週間の新規失業保険申請件数は406万件とパンデミック以降の最低となり、雇用の回復に対する期待は広がる状況です。また、耐久財受注はー1.3%とプラス圏よりの落ち込みも、自動車用の半導体不足が原因で嫌気される内容ではありません。ハイテク株の不冴えは米10年債利回りが1.608%に上昇したことが背景となった模様です。

為替市場はドルユーロは1.219ドルとほぼ横ばいの動きですが、ドル円はドル買いが進行して109円80銭前後に大幅に円安・ドル高が進行しています。リスク選好の円売りが要因との指摘がありますが、一方で緊急事態宣言が6月20日まで延長されたことに関して、日本経済の正常化の遅れへの懸念から円売り優勢との指摘もあります。

【石油市況】
原油は66.85ドル(+0.64)に5日続伸して引けています。景気指標から米国の雇用の改善期待や、GDPの個人消費が上方修正されたことから、米国経済の正常化期待が原油市況を押し上げているようです。イラン核合意の件は徐々に織り込みにかかり、経済回復がイラン産原油の供給再開も飲み込むとの楽観的な反応となっています。

【貴金属市況】
金はアジア時間の序盤では1900ドルを割り込む展開も、買い意欲が強く終盤は大台を回復、但し、欧米時間では長期金利の上昇やドル高の流れに押されて大台を回復できずに推移、終値は1898.5ドル(8限で−5.3)と4日ぶりに反落して引けています。5月に入り150ドル近い上げ幅で1900ドルの大台にも到達、年初来の高値まで50ドル前後となりますが、インフレヘッジや金利の安定、更に仮想通貨の混乱といった追い風も一通り織り込みつつあり、年初来の高値更新には足踏みの状況がしばらく続きそうです。本日は予想外の円安進行から換算は6695円前後になります。

FRBは雇用回復の遅れを指摘

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4323ドル(+10)に小幅に続伸し、ナスダック総合指数も1万3738(+80)に続伸、S&P500市場も4195(+7)に小幅に続伸して引けています。本日は特に重要視される指標の発表はありませんが、バイデン政権はワクチン接種を迅速に進めて7月4日の「独立記念日」には経済活動を正常化し国民生活を平時に戻すとしています。また、本日はFRB副議長のクオールズ氏が「労働市場の回復が思っていたよりも遅い!」と発言し雇用回復の遅れが緩和策策を急がせないとの見方が広がっています。

為替市場は米国時間の午後からドルを買い戻す動きが強まり、ドル円は109円10銭前後に、ユーロも1.219ドルにそれぞれ軟化して、ドル指数は90.0ポイントに反発しています。ドル売りに傾いたポジション調整とも見られます。米10年債利回りは1.579%と小幅に上昇も、引き続き1.6%を割り込む水準で安定推移しています。

【石油市況】
原油は66.21ドル(+0.14)に小幅に続伸して引けています。イランの核合意の修復に向けた動きは順調に進められているようで、既にイラン産原油の将来的な出回りは徐々に織り込む展開となっているようです。本日は米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫の発表で、原油とともにガソリン在庫も減少して経済の正常化に向かうなかで石油需要も順調に回復しているとの期待も広がっているようです。

【貴金属市況】
NY金は節目の1900ドルを抜けたことからアジア市場でも続伸して一時1908ドルまで続伸し、その後は利食い売りに押されて大台を割り込む場面も見られましたが、欧州時間では再び大台を回復し、米国時間入りには序盤に一時1915.6ドルまで値を伸ばしました。午後はドル相場が堅調に推移する流れに変わり、ドル高に押されて引けにかけては売りに押されて1903.8ド(8月限+3.3)と上昇幅を詰めるも続伸して引けています。NY金の引けは日本時間午前2時半の時間帯ですが、その後もドル高なの流れが続き現在は再び大台を割り込んで推移しています。本日の円換算は6655円前後になります。

金は1月以来の1900ドル台乗せに

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4312ドル(−81)に4日ぶりに反落に転じ、ナスダック総合指数も1万3657(−4)に、S&P500市場も4188(−8)と小反落して引けています。5月の消費者信頼感指数や、4月の住宅販売といった景気指標は事前予想をやや下回るものとなりました。一方で、長期金利は1.6%を割り込み低下気味に推移も、株価の足上げにはつながらなかった模様です。注目度の高い仮想通貨BTCは週明けの反発から軟化して推移しています。株価は高値警戒や利食いに押される展開も、それでも引き続きワクチン接種進行からの経済活動の正常化への期待は根強く大勢リスクオンが続きます。

為替市場は一段のドル売りが続き、特にユーロは連日の高値追いが続き1.224ドル近辺まで続伸、ドル円は108円75銭前後とほぼ前日並みに、ドル指数は89.6ポイントに続落し1月以来ほぼ5か月ぶりの安値で推移しています。米10年債利回りも節目の1.6%を割り込み1.560%前後に低下して推移しています。

【石油市況】
原油は66.07ドル(+0.02)と小幅ながら3日続伸して引け、イラン核合意の協議は延長されて交渉中で早ければ月内にもまとまる見通しから、米国によるイラン制裁の解除への道のりが進展しているようです。制裁解除後のイラン産原油は日量150万バレル前後が輸出に回される可能性が指摘されていますが、世界的なコロナ後の原油需要回復期待がネガティブな投資家心理につながっていない模様です。

【貴金属市況】
このところ関連性の高まるBTC(ビットコイン)がアジア時間では戻り場面が見られ、金は前日比で10ドルを超える反落場面も見られましたが、BTCの戻り足は鈍く、金は米国時間にはドル安や長期金利の低下が追い風となり節目の1900ドルをトライして奪取、前日までの指標限月6月限は1898.0ドル(+13.5)と引値ベースで大台には達せずも、今後の指標となる8月限は1900.5ドル(+13.8)と大台乗せの水準で引け、今年1月以来4か月ぶりの高値で引けています。3月に1700ドルを割り込む水準では投機売りとETFの減少が下げをもたらし、反対にインドや中国をはじめとしたアジアの実需買いが下値を支えました。その後底入れして1800ドルを大きく超えると実需買いは後退、逆にこの5月はETFが昨年9月以来増加に転じ、先物市場の投機買いも徐々に増加に転じるという「いつか来た道」が繰り返されているようです。実需買いは相場水準の維持にとどまりますが、投機買いは水準を引き上げる運び相場につながっています。NYの引けは大台を幾分割り込み推移し、本日の円換算は6635円前後になります。

長期金利の安定+BTC反発にリスク選好型に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4393ドル(+186)に続伸、ナスダック総合指数も1万3661(+190)に反発し、S&P500市場も4197(+41)に反発、特に本日は長期金利の上昇で売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の上昇目立つようです。長期金利は1.60%を中心に比較的安定的に推移し株価を側面支援、また、仮想通貨ビットコイン(BTC)が直近安値から2割程度反発したことも、金融市場の不安定要素の後退となり好感される展開となった模様です。

為替市場はドルを売る動きがやや優勢で、ドル円108円75銭前後に、ドルユーロ1.221ドルに、ドル指数は89.8ポイントに小幅続落して推移しています。米10年債利回りは1.603%前後で一時1.6%を割り込む場面もあり、最近の水準として定位安定の動きで推移しています。本日の関してはリスク資産の株式にも、安全資産の債券市場にも資金が流入していることになります。

【石油市況】
原油相場は大幅続伸して引けています。協議が大詰めを迎えているとの報道が続きますが、米国務長官のブリンケン氏は「やるできことを決断するイランの意思をまだ見ていない」と今週の協議前に発言し、今後の協議内容を確認したいとの見方や、イラン産原油の輸出再開には時間を要するとの指摘もされているようです。イランと国際原子力機関(IAEA)は核査察の受け入れ条件の取り決めに関する協議を1か月間延長しました。

【貴金属市況】
週末に7日ぶりに反落に転じた金は、週明けはアジア時間から堅調に推移し1887.9ドルまで値を伸ばしたものの、その後の欧州や米国時間はほぼ10ドル幅の狭いレンジで取引され1884.5ドル(+7.8)で引けています。アジア時間ではBTC(ビットコイン)の下落に呼応するように堅調推移となりましたが、その後欧米時間でBTCは反発地合いとなり、金は上昇力を削ぐ展開を余儀なくされています。長期金利の安定やドル安は支援要因ながら、ここ数日間はビットコイン市場の混乱から資金が金に還流する動きも見られ、関係性は急速に高まっています。また、金独自の動きとしても今月の上昇幅は既に110ドル強(円建て400円)で、目先の目標でもある節目の1900ドルが迫る水準となっています。本日の円換算は6575円前後になります。

テーパリング議論開始は雇用面では時期尚早か

おはようございます

欧米ではワクチン接種の進展から観光の受け入れも含めて経済活動が徐々に進んでいます。同時に景気指標の改善傾向も進み、米国では量的緩和の縮小(テーパリング)の議論の必要性がFOMCのメンバーより出され、金融市場でも今後は過度な政策期待は徐々に後退し地に足の着いたトレードが求められるようになります。とは言え、FRBが重視する雇用面では依然として1000万人近い人々が職をなくした状況が続き、テーパリング議論が来月6月のFOMC開始される見方は性急なようです。

株式・債券・為替・商品市場で運用される資金は、これまでのように野放図とも思われる運用は手控えられるものの、緩和策から溢れる資金は依然潤沢な状況が続くと見られますが、銘柄の取捨選択の姿勢は投資家や投機家にこれまでよりもより慎重な投資姿勢が求められることになります。

先週は仮想通貨の市場が震撼し、概算で200兆円規模の資産が2割3割しぼんだものと推測されます。なにより法的な規制がなく、一部の大口投資家に市場を牛耳られるような様はいただけません。まだまだ個人投資家が安心して参入するにはハードルが高い市場です。

今週も米GDP確報値(1−3月期)や住宅がらみの指標等が発表予定です。よろしくお願いいたします!

出口戦略の封印解いたFRB

おはようございます

緊急事態宣言下での一部地域の梅雨入りの気の重い日々が続きますが、コロナの妙薬は現実的にワクチン接種しかありません。接種を巡る悲喜こもごもの話題が提供され混乱もあるようですが、多少の不手際はつきもの、ぐだぐだ言わず協力することが「宣言解除」への近道です。五輪は開催ならば感染の長期化覚悟、中止ならば収束への道が開かれるのでしょうね。前者は日本株売り、後者は買いとの見方もあるようです。

さて、今週はFOMCで出口戦略の封印が遂に解かれました。足元の景気指標やインフレ指標がFOMCのメンバーの議論を後押し、金融市場を混乱させない程度に量的緩和の議論をそろりと一歩前に進めました。その意味では今週の市況への影響は軽微に済み、市場関係者もFOMCメンバーも「ほっと一息!」というところでしょうか。

【金融・為替】
週末の市況はダウ平均が3万4207ドル(+123)に続伸、但し、ナスダック市場は1万3470(−64)に、S&P500市場も4155(−3)にそれぞれに反落してまちまちな展開となっています。5月の購買担当者とサービス業担当者景況指数が双方ともに事前予想を上回り、引き続き回復基調に期待をもたらせる内容でした。一方で仮想通過市場が週末に改めて下落したことから、金融市場でも不安視する声が聞かれます。10日前は概算で200兆円規模を超える規模も、このところの下落に2割から3割の目減りが考えられ、ビットコインに深入りするテスラ・モータースなどには株価にダイレクトの影響を与えます。

為替市場は景気指標の好転推移にドル買いが優勢となり、ドル円は108円95銭前後に、ユーロも1.218ドル前後に軟化し、ドル指数は89.9ポイントに反発しています。米10年債利回りは1.6%台前半で比較的安定して推移、1.620%前後で終えようとしています。今週は落ち着いた水準での推移が続き、仮想通貨の不安定な動きも、債券相場の安定が金融市場の安定に寄与するものでした。

【商品市況】
WTI原油は63.58ドル(+1.64)に4日ぶりに反発に転じて引け、イランとの核合意が間近に迫り今週は4ドル余り下落しましたが、アラン産原油の出回りが仮に開始されても、景気回復が進む需要から市況の重石とはならない!との解釈が働いているようです。前日まで6日続伸の金市況は週末はドル高による利食い売りに押されて1876.7ドル(−5.2)と7日ぶりに反落して引けています。但し、テスラや中国の仮想通貨に対する干渉や業務禁止の動きから、このところは仮想通貨との逆相関性とも思われる値動きを見せていて、引け後に再び1880ドル台に返り咲いています。週明けの円換算は6570円前!

良い週末をお過ごしください

仮想通貨下げ止まり一息

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万4084ドル(+188)と4日ぶりに反発に転じ、ナスダック総合指数も1万3535(+236)に、S&P500市場も4159(+43)と揃って反発しました。中国での業務禁止となった仮想通貨のショックから下落が止まり、リスク回避姿勢が幾分緩和されたことや、週間の新規失業保険申請件数が44.4万件と事前予想や前週の実績を下回りました。

2月には個人投資家集団が交流サイト「レデット」を使いプロを打ち負かした事件、4月には元タイガーファンドの敏腕トレーダー?が率いて、結果的に野村やクレディ・スイスなどが大きな被害を受けたアルケゴス問題、そして大口保有者のテスラや中国に翻弄される仮想通貨問題など、全ては米政府の大型財政出動とFRBによるゼロ金利政策が生み出した「あだ花」が事あるごとに市場を揺るがす事態となりますが、ここまではこれらの事件を消化しながら立ち直りを見せています。

為替市場はドル売り優勢の動きとなり、対円は108円75銭前後に、対ユーロは1.22ドルに、ドル指数は節目の90を割り込み89.7ポイントに反落しています。米10年債利回りは一時1.677%に上昇するも、その後は1.625%前後に低下して推移、3月の1.75%を上抜けることなく安定的に推移していることは市場の安定をもたらせているものと推測されます。

【石油市況】
原油は62.05ドル(−1.31)に大幅に続落してひけ、核合意が大詰めを迎えている状況から合意への楽観論が下落要因となっている模様です。合意の運びとなれば経済制裁が段階的に解除に向かうことから、石油大国のイラン産原油の輸出再開が強気勢の脅威となっています。

【貴金属市況】
3月に1673.3ドル近辺を2度つけてダブル底を形成、4月のNY金は底値から立ち上がり50日移動平均線を抜き、ほぼ100ドル上昇して1770ドル近辺で終え、この5月に一気に勢いがつき1800ドルを抜き去り100日線、200日線も上抜き1900ドルを射程に捉える水準に到達しています。株式や仮想通貨に資金を奪われ続けた金市場に、ようやく一部の資金が還流する流れも見られていますが、流石に短期間での上昇ピッチが速すぎ大台を手前にして足ふみとなっています。前日比で+0.4ドルと小幅ながら6日続伸して1881.9ドルの引け、本日の円換算は6565円前後になります。

中国が仮想通貨政策で波乱、その後の議事録も波乱

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万3896ドル(−164)に、ナスダック総合指数も1万3299(−3)に、S&P500市場も4115(−12)と下げ幅はまちまちながら3市場揃っての続落となりました。中国は金融機関に対して仮想通貨の関連業務を禁止すると通知をだしたことがきっかけで、ビットコインやドージコインなどの仮想通貨が急落し、本日の金融市場の波乱要因となりました。そうでなくても12日にテスラCEOイーロン・マスク氏がビットコインでのテスラ車購入の中止を発表したことから、既に仮想通貨市場は混乱をきたしていたことから本日の中国の決定が投資家の動揺をより大きくしました。投げ売りにより1日の動きは2割から4割急落する事態となり、仮想通貨市場からの投資家の流出騒動が株価にも影響する1日となりました。

為替市場も金融市場の混乱から乱高下の展開となり、市場のリスク回避の動きにドル安が進行する展開となりましたが、加えて日本時間午前3時に4月のFOMC議事録が発表され、複数のメンバーが会合の「どこかでテーパリング(量的緩和策の縮小)を議論することが適切」との認識を示したことから、その後はドル買いが優勢の展開となりました。ドル円は一時108円50銭台まで円高・ドル安が進行後、現在は109円20銭前後まで円安・ドル高の流れになる波乱含みとなっています。ユーロも1.224ドルに接近後は下落に転じて1.217ドル前後で現在推移しています。ドル指数も89.6に下落後90.1ポイントに急上昇し続伸しています。米10年債利回りは1.61%まで低下後に1.671%と前日より上昇して推移しています。

【石油市況】
原油は63.36ドル(−2.13)に大幅に続落して引け、イラン核合意の米国とイランの交渉が大詰めを向けていて、合意が迫っているとの見方が浮上し、これまでのイランへの制裁解除からイラン産原油の輸出再開のシナリオに下落を余儀なくされる市況となっています。

【貴金属市況】
金はアジア時間は前日の引値圏で保ち合い、欧州時間から米国時間の序盤にかけては長期金利の上昇とドル安に押されて一時1852.2ドルまで反落、その後は中国当局の仮想通貨に対する政策が伝わると急伸して一時1891.3ドルまで急反発(円建ても6506円から6609円まで100円強の振幅に)しました。終値は買い一巡から上げ幅を縮小するも1881.5ドル(+13.5)に5日続伸して引けています。そして、引け後の時間外ではFOMC議事録でテーパリングの議論が複数のメンバーが主張したとのことから軟化に転じ、現在は1870ドル近辺で推移、一日の上下動は大きなものとなり本日の円換算は6560円前後になります。ビット・コインの混乱は金にはフォロー、議事録にあるテーパリング議論はアゲインストとなります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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