本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2020年11月

1800ドル割れの金の今後は!?

おはようございます

11月も最終営業日、明日からは師走相場入りとなります。今週は米国では製造業景況指数&非製造業景況指数、そして週末には雇用統計、欧州では製造業購買担当者景況指数(PMI)に10月の小売売上高、そして英国とEUとの交渉が大詰めとなります。バイデン新政権では金融市場注目の次期財務長官が発表される予定で、市場が期待するイエレン前FRB議長となれば安心感の広がりに寄与しそうです。

株高のリスク選好の中で安全資産としての金は手仕舞い売り週末は節目の1800ドルを割り込む事態となっています。8月の2000ドル相場が「大天井」との指摘も一部にはありますが、新財務長官の発表あたりが金の押し目底形成に一役買う可能性も考えられます。コロナによる財政出動やゼロ金利政策は長期化する見通しで、金を取り巻く環境に大きな変化は見られない状況ながら、ワクチン開発の過剰評価のリスク選好の株高に押されています。今後の米国財政は双子の赤字拡大(貿易&財政)が予想され、通貨米ドルの信認が一層棄損される見通しです。

200日移動平均線を割り込み、先行きにネガティブな投資家心理となりますが、相対力指数(RSI)は3月のコロナ下で1700ドルから1450ドルに急落した状況(円建て5900からの1000円下げ)以来の売られ過ぎを示す30ポイント割れ、売り一巡移行は再び2000ドルを目指す展開を想定しています。

今週もよろしくお願いします!

金は節目の1800ドル割れにストップ巻き込む

おはようございます

【金融・為替】
感謝祭の翌日、市場参加者が限定的ながら短縮立ち合いとなっています。ダウ平均は2万9910ドル(+37)に小幅ながら反発し、ナスダック市場は1万2205(+111)に、S&P500も3639(+10)と史上最高値を更新して引けています。為替市場はドル売りが優勢に進み、対円は104円05銭近辺、対ユーロでも1.196ドルに下落し、ドル指数は91.7ポイントに続落しています。米10年債利回りは0.841%に低下しています。

引き続きワクチンの承認後に経済活動が再開されること、大統領選の結果を巡ってはトランプ大統領の敗北宣言はまだ見られませんが、12月14日の選挙人投票の結果で負けた場合にホワイトハウスを退くか?という記者の質問に対して、「そうすると思う」とトランプ大統領が答えたことから政権移行がスムーズに引き継がれる期待が広がったことも株高のリスク選考に一役買った模様です。為替市場ではFRBの緩和策の長期化見通しが不変で、今後の経済対策により更に財政赤字が拡大する見通しで、ドルの実効レート(世界60の国と地域と比較)は2年3か月ぶりの水準に低下しています。財政赤字+貿易赤字のいわゆる「双子の赤字」が今後もドル相場の弱さにつながるようです。

【原油市況】
原油は45.53ドル(−0.13)に小反落して引け、連日の上昇相場が一息ついた状況です。但し、ワクチンによる経済活動の再開期待、株式を含めたリスク商品の上昇する環境、この週末のOPECプラスの監視委員会での減産延期の動きも下値を支えいるようです。

【貴金属市況】
ドル安地合いの金は本来はドル建て金にとって追い風の背景ながら、NY金は下値を試す展開が続き1800ドルの節目を割り込むと、ストップ売りを巻き込み急反落に転じ一時1776.5ドルと5か月ぶりの安値に沈み、引けにかけてはやや戻したものの1788.1ドル(−23.1)に反落して引けています。株価上昇によるリスク商品の上昇から、安全資産である金や債券保有の意味合いが後退して下落に転じたわけですが、本日はテクニカル面の抵抗と見られた1800ドルを割り込み、悲観売りがストップ売りを巻き込み下落する展開となりました。現状はFRBによる緩和策の長期化見通しや、米財政赤字の拡大による通貨ドルの信認低下といった背景に変わりない環境が続きますが、現状は相場の強弱の側面の弱さが目立つ展開となっています。投資家のETFの保有も減少傾向ながら、価格の下落はインドや中国といったアジアの実需買いを呼び込む水準に到達しつつあるようです。週明けの換算値は5985円前後になり、円建ても節目を割り込み買い方には逆風が続く状況です。

良い週末をお過ごしください!

感謝祭の休場から東京も閑散予想

おはようございます

米国市場は「感謝祭」の休場、本日の東京市場は手掛かり難から静かな1日となりそうです。26日の時間外取引(日本時間午前3時まで、本日午前8時に再開後明朝3時45分まで)原油は45ドル丁度近辺(−0.80)に反落、金は1808.5ドル(−2.7)にそれぞれに小反落していますが、市場参加者が少ないことや値幅も限定的なものとなっています。非鉄金属のロンドン市場は銅やアルミは堅調な値動きでした。

為替市場はドル円が104円25銭前後に小幅な円高・ドル安で推移、ユーロは1.191ドル前後、ドル指数は92.0に小幅下落して推移しています。株価はダウが40ドル前後続落も値動きは乏しく、週末27日の取引も短縮取引が予定され、同様に市場参加者は限られることになり、本格的な取引の再開は週明け以降となりそうです。

訂正です

今朝の記事で株式・商品市場開場と記しましたが休場でした。(時間外取引は時間短縮ですが取引されます)

よろしくお願いいたします。

感謝祭に向け民族大移動の米国

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万9868ドル(−173)に反落、一方でナスダック総合指数は1万2089(+52)に続伸、S&P500は小反落して引けています。今週は本日26日の「感謝祭」に向けて米国内では民族大移動、空港は連日100万人に上り、期間中に車の移動する人は延べ5000万人に上ると伝えられています。コロナ禍の中での国民的行事ですが、移動を自粛する声は感染症の専門家や政府、州政府から多く上がるものの強制力はなく行動の自粛は自主的なものにとどまる見通しです。日本ではお正月のようなもので、家族が集まる重要なイベントなっていることからある程度やむを得ないようですが、来週以降の感染爆発につながる可能性が懸念されています。27日は「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」で年末商戦の始まりとなり、クリスマス商戦につながるもので週末にかけては事実上の連休入りとなります。本日の米国市場は債券・為替市場は休場ながら、株式・商品市場は参加者の減少は避けられないものの開場予定です。

為替はドル円は引き続き方向感なく104円台で推移し、現在は104円45銭前後で推移しています。ユーロは1.191ドルに続伸し、ドル指数は91.4ポイントに下落しています。米10年債利回りは0.882%に小幅に上昇しています。

【石油市況】
原油は45.71ドル(+0.80)に続伸し、引き続きワクチン開発による経済活動の再開期待、更に米エネルギー情報局(EIA)による原油在庫の減少を手掛かりに投機買い優勢の展開となっています。

【貴金属市況】
金は株高のリスク選好の動きが続く環境や、ドル高基調が続くことから1800ドル近辺まで下落、本日はドル高の一服や、新規失業保険申請件数が2週連続で増加したことから下げ止まる展開ながら、戻り幅はまだ鈍く1811.2ドル(+0.3)に小反発する程度の引値となりました。これまでのレンジの下限(1850ドル)を下に抜けたことから前日に1万枚近い取組減となり、本日も玉整理の売り物に押されて反発力は鈍い状況です。本日の円換算は6075円前後になります。

株価3万ドルに続伸、金は1800ドルに続落の明暗

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は3万0045ドル(+454)と史上初の3万ドル台に乗せています。リスク選好の動きにナスダック総合指数やS&P500も大幅に上昇しました。敗北を容認していないもののバイデン氏の政権移行手続きを容認し、政権移行への不透明感が和らいだこと、次期財務長官人事で前FRB議長のイエレン氏(ハト派+FRBとの意思疎通)が有力視されていること、そして米ファイザー+米モデルナ+英アストラゼネカによるワクチン開発への期待が、コロナ禍からの脱出、景気回復期待といった相乗効果が株高を生んでいます。ワクチンに関しては専門家が副作用の状況が不透明であることを指摘、頭痛、吐き気などの症状が出ると2度の摂取が基本でも接種者が2度目を嫌がる可能性もあり、今後副作用に市場の視線が向けられるとリスク選好の動きにブレーキがかかる可能性も考えておくべきでしょう。

為替市場はリスク選好でもリスク回避でもドル円相場が不安定な展開が続きます。株高のリスク選好は通常は円安指向となるケースが多いのですが、現状は不可解な展開が続きます。本日のドル円は104円45銭前後で推移、リスクオンでもオフでも読みにくい状況が続きます。ユーロは1.189ドルに反発し、ドル指数は92.1ポイントに反落しています。米国市場は26日(感謝祭)&27日(ブラックフライデー)のお祭りの週末に続きます。

【石油市況】
原油は44.91ドル(+1.85)に大幅に続伸し、今年3月以来の高値に戻してコロナ禍以降では最高値で引けています。上げ要因は言うまでもなく株高要因と同様のものです。

【貴金属市況】
株式市場の市場初の3万ドル乗せを横目にリスク資産が上昇、前日にレンジ下限の1850ドルを下に抜けた金は株高もあり安全資産として手仕舞い売りを浴びる展開となり一段と売り込まれる展開となりました。NY時間の中盤に一時大台を割り込み1797.1ドルまで沈み、売り物が一巡するとその後はユーロの反発(ドル安)に安値から離れたものの1810.9ドル(−33.2)と大幅に続落、先週末からの2営業日で70ドル前後の下落となっています。ヘッジファンドなどが重要視する200日移動平均線がある1800ドル近辺まで届いています。円建ては夜間取引で一時6064円まで下落し、本日の円換算は6075円前後になります。

財務相にイエレン氏濃厚

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万9591ドル(+328)に反発し、ナスダック総合指数も1万1880(+25)に、S&P500も反発し3市場揃って反発に転じています。英製薬アストラゼネカがワクチン開発の臨床試験で、最大90%の有効性を確認したと発表、米ファーザー社やモデルナ社のワクチンに次ぎ、ワクチンの開発が相次ぎ経済活動の正常化期待が広がっています。また、株式市場の引け前1時間にバイデン氏の次期政権の閣僚人事で財務相に前FRB議長のイエレン氏が有力と伝えられ、金融緩和策に前向きで女性初の財務省に金融市場は好感を持つ反応を示しています。

為替市場ではドル買い優勢の動きに転換、ドル円は103円70銭前後からドル買い優勢となり一気に104円台中盤まで円安が進行し、現在104円55銭前後で推移しています。ユーロも1.19ドル台から1.184ドル前後に下落、ドル指数は92.5ポイントに反発しています。米10年債利回りは0.855%に上昇しています。

【石油市況】
原油は42.06ドル(+0.64)に続伸し、英製薬のアストラゼネカ社のワクチン開発の報に経済活動の正常化に向けた動きが可能となり、原油需要の先行き期待が広がる反応を示しています。また、株式市場の堅調な展開のリスク選好の動きも上昇要因と見られます。

【貴金属市況】
金は米国時間の昼近くまでは先週末の地合いを引き継いで1870ドルを挟む展開が続きましたが、昼前に突然ドル買い優勢の展開となり金は下落に転じ、このところのレンジの下限となる1850ドルを抜き、その後はストップ売りを巻きこむ展開となり一時1820ドルと4か月ぶりの安値を示現、その後は安値より戻すも1837.8ドル(−34.6)に急反落して引けています。本日の円換算は6180円前後になります。NY金はレンジを下に抜けたことから7月上旬の上昇開始時の1800ドル前後が下値の目途となり、為替104円50銭前後であれば一時6100円割れの可能性もあります。個人的にはそれほど見込んではいませんが、果たして如何なものでしょうか!?

ワクチンと感染拡大の綱引き続く

おはようございます

コロナ渦のなかの3連休入り、国内ではgo-toか行動自粛かは個人の判断となりますが、行動は間接的に経済を助けるものの、感染リスクをばらまくことは必然です。米国では連日感染者数が増加傾向にあり、カリフォルニアでも夜間外出制限が発表され全国的に行動制限が進む状況に景気腰折れ懸念が高まります。一方でファイザー製薬がコロナワクチンの緊急使用許可を申請したようで、年内の接種が可能と報道されています。承認されれば日本向けは来年前半にも始まるか?モデルナ社もこれに続くと思われますが、足元の感染拡大とワクチン接種の期待が市場で交錯する事態が続きます。

【金融・為替】
さて、市況の報ですが、ダウ平均は2万9263ドル(−219)に反落し、ナスダック市場やS&P500も反落して週末の取引を終了しています。ワクチンよりも、本日は足元の感染拡大や行動制限が足かせとなっているようで、政府の12月期限の政策打ち切り(自営業者の収入支援等)となるとムニューシン財務長官が発表、代わりにFRBから50兆円(未使用の社債購入分)を調達して就業支援に充てると伝えられていますが、FRBは社債市場の安定を削ぐと反発していることから合意は見通せない状況です。

為替市場は比較的静かな動きで、ドル円103円80銭前後、ユーロは1.186ドル、ドル指数92.4ポイントと小幅なドル高程度の動き、米10年債利回りは0.831%に小幅に低下しています。

【商品市況】
商品市場はWTI原油が42.15ドル(+0.53)に反発、ワクチンの承認が進み年内接種の可能性への期待から経済活動の活性化を期待する動きとなっています。金は4日ぶりに反発に転じて1872.4ドル(+10.9)で引け、引き続きレンジ相場を継続しています。(円換算は6245円前後)

良い連休をお過ごしください!

ワクチン期待織り込み、足元の感染の深刻化見据える

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万9483ドル(+44)に小反発して引け、朝方に一時200ドル続落する場面も見られたものの3日ぶりの反発に転じています。米国ではコロナウイルスによる新型の死者数が25万人に上り、足元では感染拡大による行動制限が再び強まる状況にあります。また、本日発表された週間の新規失業保険申請件数が74.2万人に5週間ぶりに増加に転じ、雇用情勢の後退も懸念される状況となっています。ワクチン開発によるニュースは一通り織り込んだものと思われ、市場はポジティブな新たな材料を模索、この日、上院の民衆党と共和党の追加経済対策の今後の協議に合意とのニュースがありましたが、本来両党の対策を巡る財政出動の金額ベースは大きな隔たりがあり、協議への期待も半分といったところでしょうか。JPモルガン・チェースのCEOは公の場で議会を非難し、コロナに苦しむ経済の現状を嘆いています。

為替はドル円は欧州時間に104円20銭前後まで円売りが進んだものの、その後は再びドル売りに押されて103円75銭前後の円高水準に戻ってきています。ユーロは1.187ドルに上昇、ドル指数は92.2ドルに小幅にドル安進行、日本円の上昇が目立つ状況が続きます。

【石油市況】
原油は41.90ドル(−0.11)に4日ぶりに小反落に転じています。ワクチン開発による経済の正常化期待も、足元の感染拡大を本日は嫌気する反応を見せています。

【貴金属市況】
NY金はレンジ内(1850〜1900ドル)の動きが続きますが、アジア時間から軟調に推移しNY時間序盤の対ユーロでのドル高に一時1850.0ドルとレンジ下限付近まで下落、その後は値ごろやドル高一服から反発に転じたものの1861.5ドル(−12.4)と3日続落して引けています。一方で我らが円建て金は円高に押されて一時6206円まで売り込まれる場面があり、このところのレンジの下限を抜ける水準となっています。現状は為替1円で金1g当たり60円の変動となり、ドル建て金1ドル=3円となり、為替1円とイコールはざっくり20ドル前後になります。本日の円換算は6230円前後になります。

コロナとワクチンの綱引き続く

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万9438ドル(−345)に続落し、ナスダック総合指数も1万1804(−99)に続落、S&P500も加えて3市場揃っての続落となりました。ファイザー社の最終報告では暫定結果の90%よりも有効性が高まり95%と発表されました。米食品医薬品局(FDA)に数日以内に承認申請を正式に出し、当局は数週間以内の審査機関を経て承認に至れば、年内の実用化が可能となります。一方で足元は感染拡大が深刻化し、ニューヨーク市では公立学校の休校が決まっています。

為替市場は今週は主要3通貨での「日本円」の上昇が目立つ展開となり、NY時間では一時103円60銭台に円高が進行し現在も103円85銭近辺で推移しています。ユーロは1.185ドルとほぼ前日並みで推移、ドル指数も92.4ポイント前後で前日の水準で推移しています。

【石油市況】
原油は41.82ドル(+0.39)に3日続伸して引けています。週間の原油在庫(EIAによる)の発表は小幅増加しましたが、ファイザー社のワクチンに関するニュースを好感しする投機買いが勝る状況となっています。

【貴金属市況】
金はドル相場の対ユーロでの堅調な推移や、ファイザー社のワクチンの最終報告の好結果などに売り物に押される展開となり、株価の続落も安全資産として買いは限定的なものとなり1878.9ドル(−11.2)に続落して引けています。ドル建ては引き続き1850〜1900ドルのレンジ内の保ち合い継続も、我らが円建てはこのところの円高に押され、本日の円換算は6255円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
広告規制に関する表示事項
お知らせ
最新記事の下に広告が掲載されてしまいますが、当ブログとは一切関係はありません。ご注意下さい。
Archives
Access counter
QRコード(携帯用)
QRコード
  • ライブドアブログ