本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2020年08月

日米の政局にも注目

おはようございます

8月最終日となり明日からは9月入りながら、厳しい残暑、コロナ禍、熱中症、台風シーズン入りと9月も厳しい自然環境に晒されることになります。加えて日本の政局問題が浮上、新しく選ばれる総裁が注目されますが、最大の同盟国である米国でも大統領選を控え、対中国関係が今後どのような方向に向かうのか目が離せな状況です。

先週はパウエルFRB議長がインフレ容認(ゼロ金利の長期化)という市場へのプレゼントがあり、株価上昇の追い風となりました。金融市場と実体経済への乖離が更に広がる状況の中、物価より雇用を重視するFRBも注目する8月の米雇用統計が発表される予定です。

今週もよろしくお願いします!

インフレ容認が金融市場支える

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万8653ドル(+161)に3日続伸、ナスダック市場やS&P500はそれぞれ連日の史上最高値を更新してリスク選考が続き1週間の取引を終了しました。為替市場はドル売りの流れが継続して対円で105円35銭前後、ユーロも1.190ドルまで上昇し、ドル指数は92.3ポイントと2年3か月ぶりの安値で引けています。米10年債利回りは0.636%に低下して引けています。

本来はインフレファイターの異名を持つFRBですが、前日のパウエル講演ではインフレ容認とも受け止められる2%を超えても物価より雇用重視のスタンスを鮮明としたことから、金融市場では今後も低金利政策続行はいい材料、リスク選考のまま1週間を終えました。また、引き続きワクチン開発の進展の加速が進む情勢も好感されるものとなります。日本円は安部辞任報道による日本の政局不安もあり、昨日は午前の106円95銭から欧州時間には一時105円20銭まで円買い進行しましたが、政治の空白をさけることから次期総裁の顔が見えてくれば徐々に落ち着きを取り戻すものと思われます。

【石油市況】
原油は42.97ドル(−0.07)に小幅に続落して引けています。ハリケーン「ローラ」の被害は軽微にとどまり被害が甚大化することなく、石油施設も閉鎖解除から通常操業に向かて再開されている模様です。

【貴金属市況】
金は前日のパウエル発言に投機筋の売り買い交錯に混乱する上下動となる場面も見られましたが、FRBによるインフレ容認やゼロ金利の長期化見通しにドルが2年3か月ぶりの安値を示現したことから、ドル安を追い風にして強地合いが戻り1966.8ドル(+41.8)に反発して引けています。週明けの円換算は6660円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

パウエル議長が金融市場に満額回答

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万8492ドル(+160)に続伸し、ナスダック総合指数は小反落も、S&P500も続伸し全般にリスク選好地合いが続き、ダウは半年ぶりの高値を示現して引けています。為替はパウエル発言直後はドル売りから一時105円50銭台まで円高・ドル安に振れるも、その後ドル売り一巡からドル買い優勢となり現在は106円55銭と上下に1円以上ぶれる荒れた展開となりました。ユーロも1.190ドルに急進後は反落に転じ1.182ドル前後で推移、ドル指数も92.4まで急落後に93.0ドルに反発して引けています。米10年債利回りも同様に0.650%に急低下後に0.756%と大幅に上昇しました。

ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演では「当面は2%以上のインフレ率を目指す」とし、これまでの2%目標を修正し、利上げは少なくとも2023年以降になる見通しとなりました。足元の物価上昇率は1%を下回る状況で、現状のゼロ金利の解除を大きく先送りしてゼロの長期化につながることになります。日銀は物価上昇率が2%を安定的に超えるまで資金供給の拡大を続けるとしていることに対して、FRBは2%を超えてもゼロ金利政策を維持する指針を示したことになります。

【石油市況】
原油は43.04ドル(−0.35)に反落して引けています。ハリケーン「ローラ」はメキシコ湾岸に上陸し、テキサスやルイジアナの一部に被害をもたらせています。現状では石油施設への被害は伝えられていない状況に加えて、大都市への被害も免れたようでですが、被害からの復旧に費やす資金や労力が米経済の重石と見られているようです。

【貴金属市況】
金はジャクソンホールを控えてアジアから欧州時間は小幅保ち合いとなりましたが、パウエル発言からドル急落とともに急伸して一時1987.0ドルまで上値を伸ばし、その後はドル売り一巡の流れからドル高に変わると下落に転じ一時1914.7まで急落し、引けにかけては安値から戻し1832.6ドル(−19.9)に反落して引けています。僅かに1時間足らずの間に上下に70ドル余りの激しい動きとなりました。我らが円建ても6724円から6546円に大揺れの展開となりました。FRBの緩和姿勢が改めて再認識される状況が確認されたことにより、下値目途は多少の上方修正が必要となるのかもしれませんが、本日もドルとの逆相関性が遺憾なく発揮された展開でしたが、ドル高以上に売られている状況は2000ドル突破の調整局面がまだ続くことも意識させられます。本日の円換算は6615円前後になります。

株も金もパウエル発言先行期待に上昇

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万8931ドル(+83)に反発、ナスダック総合指数やS&P500は5日続伸して引き続き高値更新のリスク選好の動きとなっています。為替はドル円は105円95銭と円高・ドル安に転換、ユーロは下落後に1.183ドルに反発し、ドル指数は92.8ポイントに続落しています。米10年債利回りは0.690%に小幅に上昇しています。

本日はジャクソンホールでFRBパウエル議長の講演が注目材料、日本時間午後10時10分から予定されています。内容を見極めたいとの見方がある一方で、米バイオのモデルナ社は治験により中高齢者の稀有化が若者と同様の成果が得られたとして株高支援となった模様です。どちらかと言えば金融市場では過剰にFRBに依存する状況が現在の株高の背景にあるだけに、前のめりに緩和を織り込む期待先行相場の反動も危惧される状況です。

【石油市況】
原油は43.39ドル(+0.04)と小幅ながら3日続伸して引けています。熱帯性低気圧が発達してハリケーン・ローラに成長し、石油施設への一定の被害が考えられることや、米エネルギー情報局(EIA)の原油在庫の減少に反応を占めています。

【貴金属市況】
NY金は取引序盤のドル高局面から一時1906.4ドルと2週間ぶりの安値に沈むも、その後は反転ドル安方向に為替市場が流れを変えると押し目を買う動きに変わり、じりじりと上昇に1952.5ドル(+29.4)に急反発して、この穂の高値圏で取引を終了しました。とは言えドル相場は前日から小幅なドル安程度で、ここまでの上昇の要因とは見られませんが、株式市場同様に本日のパウエル発言期待が先行している可能性もあります。本日の円換算は6660円前後になります。

問われる安全性 ー ワクチンの政治利用

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万8248ドル(−60)に4日ぶりに反落に転じたものの、ナスダック総合指数やS&P500は堅調を維持して史上最高値を連日にわたり更新しています。為替はドル円は106円35銭に円安・ドル高の展開に、一方でユーロは1.183ドルに反発して、ドル指数は93.0ポイントに反落しています。ドル指数に関してはユーロの比率が約6割を占めることから、日本円や英ポンドの変動の影響は軽微なもので事実上ドル・ユーロ相場が重要視されるものです。米10年債利回りは0.688%に上昇しています。

先週の民主党大会に今週は共和党大会が開かれ、大統領候補がバイデン・トランプにそれぞれ正式に指名されるととなりました。前日に感染から回復した血しょうを投与することや、英製薬のワクチン認証を政府が早めるとの報道があり株高の要因にもなりましたが、ファウチ米国立感染症研究所所長が早期のワクチンの認証の動きに対して、大規模治験により安全性と有効性が証明される以前に配布されるのは間違った考えだと指摘し、ワクチンの政治利用を間接的に批判する発言をしています。支持率回復に躍起となっているトランプ氏の心の内を見透かす発言です。また、中断された米中の貿易協議の履行を巡る交渉も24日は突然開かれ、中国が合意の履行に向けての努力を表明したと伝えられています。

【石油市況】
原油は43.35ドル(+0.73)に続伸して引け、引き続きメキシコ湾に入る可能性の高い熱帯低気圧が注目材料で、2つの内ひとつはハリケーンに発達した模様です。今後の心理やカテゴリーが気がかりになります。

【貴金属市況】
金は引き続き投機筋の益出しの売りものが市況を圧迫する展開となり1923.1ドル(−16.1)に続落して引けています。この日は上値1935.8ドル、下値1912.0と最近にしては値幅が限定的なものとなっています。本日の円換算は6590円前後になります。

脱コロナ期待の株高のリスク選好

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万8308ドル(+378)に大幅に3日続伸して、2月以来半年ぶりの高値で引けています。ナスダック総合指数は1万1379(+67)に続伸して、史上最高値を更新して引けるリスク選好が続きます。為替はドル円が106円超を挟む展開、ユーロは反発後に下落に転じ1.178ドルに続落し、ドル指数は93.3ポイントに続伸して引けています。米10年債利回りは0.657%に上昇しています。

米食品医薬品局(FDA)はコロナから回復した血しょうを投与する治療法を特別に認可(有効性及び安全性の立証はない)したと発表、また、政権は英アストラゼネカの開発するワクチンの緊急使用許可も検討していると伝わり、脱コロナ期待が株価を押し上げています。

【石油市況】
原油は42.62ドル(+0.28)に反発して引け、メキシコ湾に2つの熱帯性低気圧が襲来する可能性に反応を示しています。既に石油生産設備の半分以上が閉鎖され、原油生産量の減少が今後見込まれることになります。

【貴金属市況】
金はアジア時間は1940ドル前後を中心にもち合う展開となりましたが、欧州時間からユーロ高・ドル安が進行して一時1970ドル前後まで上昇、その後は一転してユーロが下落し、ドルが反発する逆回転の動きとなったことから下落に転じ1939.2ドル(−7.8)に反落して引けています。株高の動きやコロナ対策への期待も広がり上値の重い展開となっています。本日の円換算は6570円前後になります。

2今週はジャクソンホールでのパウエル発言注視!

おはようございます

昨日のゲリラ豪雨は凄まじかったですね!今年は例年より梅雨明けが遅く、残暑厳しいながら夏はまだまだ続くと思いきや、夜の葉陰ではコウロギの鳴く声が聞こえ、日の出も5時を過ぎるようになってきました。暑さで感覚がマヒしがちですが、間もなく秋が接近してきています。

さて、追加の景気刺激策は予算の決定権を持つ議会が休会中につき、失業給付金の上乗せなどのないまま8月を終えようとしています。トランプ氏の大統領令が出てはいますが、これまでの上乗せ金額をこれまでの600ドルから400ドルに減らすものの実現できれば、失業者にとってはありがたいことは事実ながら、上乗せ400ドルの内100ドルは州政府の負担になるということで、コロナ対策の多額の支出に州政府は青息吐息の状態で実現は困難とのこと、政府分の300ドルにしても災害救済支援金を充てるとのことですが、米政府予算の最終月が9月に控えていて州政府同様に資金の枯渇が懸念される状況のようです。例年9月には来年度の予算が組まれることになり、9月7日(レーバーデー)明けを待つことになりそうです。

今週も複数の景気指標の発表が予定されていますが、米国でも市場参加者の限られる夏休み故、景気指標次第では薄商いから価格のブレも大きくなりそうです。今週のメインイベントは恒例のカンサス連銀主催のワイオミング州ジャクソンホールでの会合ですが、コロナ禍のなかでのウェブ会議となるようです。なかでも27日午前のパウエル議長の発言に市場は寝耳を立てるものと思われ、9月のFOMCの示唆や、追加緩和策への期待も膨らむ状況となっています。

今週もよろしくお願いします!

政府・FRB頼みの金融環境続く

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万7930ドル(+190)に続伸、ナスダックは1万1311ポイントと史上最高値をまた更新するリスク選考相場が継続、この日発表された7月の中古住宅販売が前月比+24.7%と過去最大の伸びを記録、製造業とサービス業の総合PIM(購買担当者景況指数)1年半ぶりの高い水準となりました。コロナ渦による落ち込みの反動高とも見られますが、引き続き市場は財政や金融支援からの金余りの状況、悪材料軽視、好材料重視となっているようです。

為替はドル円は105円80銭前後と小幅な保合いながら、ユーロは1.179ドルに急反落して、ドル指数は93.2ポイントに反発しています。米10年債利回りは0.636%に低下しています。投機筋のドル売りvsユーロ買いポジションが史上最大規模に膨らみ、このポジションの解消による動きが今週の波乱要因となっています。

【石油市況】
原油は42.34ドル(−0.48)に続落、米PMIが好調を示すのに対して欧州PMIは不調で、コロナ渦の影響が見通しにくい環境が続きます。また、内戦が続く産油国リビアで停戦が成立したとの報道や、シェールの掘削リグ数が増加したことも上値追いを制限させるものとなっています。

【貴金属市況】
金は取引序盤の景気指標の好調を受けて1920ドル近辺で瞬時に下落も、その後は持ち直し引けて見れば1938.3ドル(±0)と前日の引け値近辺で取引を終了しました。今週は投機筋の金買い・ドル売りポジションの解消の動きが相場を圧迫する展開となりました。週前半は2000ドル返り咲くも徐々に上値重く推移し、再度の大台回復には時間を要しそうなムードです。週明けの円換算は6600円前後になります。

良い週末をお過ごしください!

ドル反落も金は投機筋の益出しに押される

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万7739ドル(+46)に4日ぶりに反発し、ナスダック総合指数やS&P500市場も反発しました。この日は新規失業保険申請件数が110.6万件と事前予想の92.3万件を上回り、一時100ドル超の続落を強いられる場面も見られましたがハイテク株中心に買われて戻りました。前日のFOMC議事録ではコロナ禍における経済の先行きに慎重な姿勢を示したことや、9月のFOMCでの緩和策も手詰まり状態との指摘もありFRB頼みの限界も意識させられる情勢です。一方で先週末に流れた米中貿易合意の履行確認のための電話協議が再度調整されるとの見通しも出ていて、米中間の緊張がやや緩和に向かうとの見方も出ています。

為替は前日のドル買いが一服し、ドル円105円80銭前後、ユーロも1.185ドルに小幅に反発し、ドル指数は92.7ポイントに小反落しています。米10年債利回りは0.649%に低下しています。

【石油市況】
原油は42.58ドル(−0.35)に反落して引け、新規失業保険申請件数が事前予想を上回ったことから、先行きの石油需要への悲観見通しにおされたようです。

【貴金属市況】
金は前日の下落を受けてアジア時間早朝は1930ドル台に大幅続落して始まるも、昼過ぎには押し目を買う動きに1960ドル台を回復、その後はドル買い一服から堅調推移を見せますが、引き続きポジション調整の売りに押されて1938.3ドル(−25.2)に続落して引けています。今週は2000ドルの大台を回復する場面も見られましたが、大台回復は時期尚早というところでしょうか。新味のある材料にも欠けることから、投機筋の利食い売りが入りやすい環境かも知れません。本日の円換算は6630円前後になります。

ドル売り・金買いポジションが巻き戻される展開に

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は2万7692ドル(−85)に3日続落し、前日に高値を更新したナスダック総合指数やS&P500も反落する展開となり、このところのリスク選好の動きが一服しています。株価は3市場ともに堅調に推移していましたが、NY時間午後(日本時間午前3時)に発表された先月下旬のFOMC議事録が発表され「コロナ感染による米国経済への影響は経済見通しにとって、かなり深刻なリスクとなる」との見解で一致しており、景気回復の遅れを改めて意識する市場展開となった模様です。一方で次回9月中旬のFOMCや、景気支援策の議会協議に前向きなニュースも流れ、一定の下値警戒もあり支えられている模様です。

為替は前日までのドル売りの流れが逆回転してドル買い優勢の展開となり、対円は昨日は一時105円10銭台まで円高進行も現在は106円10銭前後とほぼ1円の大幅円安・ドル高で推移、ユーロも1.183ドルに急反落し、ドル指数は93.0ポイントに急反発して引けています。米10年債利回りも0.680%に上昇しています。追加の金融緩和プラス追加支援策期待からドル売りは根強いものの、ドル売りvsユーロ買いのポジションが史上最大の規模に膨らんでいることが波乱要因となっているようです。

【石油市況】
原油は43.11ドル(−0.01)と小幅に続落し、限月により高安まちまちな小動きとなりました。米エネルギー情報局(EIA)は原油在庫の取り崩しが続いている数値となったものの、製品在庫が高どまりして足元の需要が足ふみ状態であることが判明し上値重く推移しました。サウジの石油相は石油需要は10〜12月期にパンデミック前に戻ると強気の見方が伝えられるものの、生産国の思惑が強気であることは常態化しているために影響は軽微なものでした。

【貴金属市況】
金は為替市場でドル売りの巻き戻しが進行したことを背景に、金を売る動きが強まり下落に転じ1970.3ドル(−42.8)に3日ぶりに反落して引けています。ヘッジファンドはドル売り・金買いポジションを続けていて、その一部が反対売買の利益確定の動きとなったことから、再び2000ドル大台を割り込む展開となりました。本日の円換算は6590円前後になります。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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