本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2020年02月

WHO危険度最高のレベル4に引き上げ

おはようございます

WHO(国際保健機関)はジュネーブの会合で、新型コロナウイルスによる感染の危険度を「高い」から「非常に高い」に引き上げました。感染源の中国はすでに4段階の最高レベルでしたが、このところ世界各国に広がっていることから感染拡大への警鐘を鳴らしたものです。但し、パンデミック(世界的大流行)は今回も否定し、各国に冷静な対応で感染の封じ込めを促すこととなりました。

FRBのパウエル議長は金融市場の混乱に憂慮を示し緊急の声明を発表「我々は政策ツールを用いて、経済を支えるために適切な行動をとるだろう」と声明で述べています。また「米国経済は力強い、但し、新型コロナが経済活動にリスクをもたらせている」と述べ、これまでも「適切に行動する」という文言が次の利下げにつながっていることから、次回3月のFOMCでの利下げを示唆する内容と解釈されます。

さて、6日続落のNYダウはこの日もWTOの危険度引き上げに一時1000ドルを超える大幅下落の反応を示しましたが、午後にFRBからの声明に徐々に落ち着きを取り戻すも2万5409ドル(−357)に7日続落して引けています。前日に下げて高値から1割を超える下げとなり調整局面入りした相場は、来週も尾を引くものと思われ混乱の回避にはまだ時間を要するものと思われます。

市場ではすでに3月利下げは織り込む状況とも考えられ、更に利下げ幅の深堀を期待する段階とも思われます。それにしても、新型肺炎の拡大の静まりや、終息に向けた目に見える展開まで進展が見られなければ、世界的な人や物の移動の制限が世界経済へどれほどのダメージを与えるのか読めない状況が、今後の不安を助長する情勢となっています。

この日の投資家心理を測るVIX(恐怖)指数は一時49ポイントに上昇、終盤に株価が戻したこともあり40ポイントまで下がったものの、不安心理の分岐点となる20を大きく超える水準となっています。ちなみに過去の危機時のVIXの動向はリーマン89、同時多発テロ49、アジア金融危機48、ギリシャ危機46だったようで、リーマン以来の水準となっています。

為替はドル円は一時107円50銭前後まで円安進行して108円超近辺で引けそうです。ユーロは1.102ドルに続伸、ドル指数は98.1ポイントに続落しています。株安から債券相場に資金流入が続き、10年債利回りは1.16%に過去最低水準を更新しています。

株式市場動揺にリスク資産である商品市場では、債券市場とは逆に投機資金が一斉に流出する事態となりました。代表格の原油は44.76ドル(−2.33)に6日大幅続落、金にも換金売り殺到から1566.7ドル(−75.8)に暴落(換算値5500円前後)そています。債券市場と金は安全資産として見られる部分もありますが、株式を含めたリスク資産の減少から投機筋が換金売りに走る傾向が金にはあり、投機筋の売り一巡後に落ち着きを取り戻すパターンとなりそうです。

良い週末をお過ごしください!

パンデミック(世界的大流行)懸念にリスク回避続く

おはようございます

【金融・為替】
米国では先週のアップルに続きマイクロソフトも、今年1〜3月期の売り上げが予想に届かないと発表しました。新型肺炎も加州で渡航歴のない人の市中感染が確認された模様で、感染拡大の不安が高まる状況となっています。連日下落のダウ平均は本日も2万5766ドル(−1192)に大幅下落し、6日間続落となり12日の史上最高値2万9551ドルから下げ幅は1割を超え昨年10月以来の安値を示現し、通常高値からの1割安は調整局面入りを示唆する展開となっています。株価の下落から債券相場を買う動きが強まり、米10年債利回りは一時1.25%と過去最低の水準となっています。

為替はドル円が110円を割り込み109円60銭前後に一段のドル安に(円は上昇)、ユーロも1.099ドルに続伸し、ドル指数は98.4ポイントに続落しています。日本でも小中学校が臨時休校となるようで、感染拡大阻止に政府が対応しています。しかしながら!米国ではペンス副大統領をトップとする対策大勢を立ち上げていますが、インフルエンザで年間1万5000人の死者が出ている状況で、致死率は低く、まだ死者数ゼロの新型肺炎に怯える状況は過剰反応とも映り、世界的に人間心理のパニックを利用してことさらにマスコミが伝える構図は必要悪にも思えるのですが・・・・・?

【石油市況】
原油は47.09ドル(−1.64)に大幅に続落して5日続落、引き続き新型肺炎拡大のなかで先行きの原油需要後退の観測の広がりや、金融市場のリスク回避の動きが嫌気される状況が続いています。

【貴金属市況】
NY金は株安のリスク回避の動きの中で、債券市場と同様に安全資産(質への逃避)への買いと、買い過剰のヘッジファンド(1100t過去最高水準)による益出しの売りがぶつかる展開が続いていますが、安値は前日の1626.6ドルには届かず1642.5ドル(−0.6)に小幅下落して引けています。本日の換算値は円高に押されて5795円前後となりますが、引け後のドル建て価格は戻り歩調となっています。

【穀物市況】
穀物市場は大豆が続伸も、コーンは続落するまちまちな展開となっていますが、他市場同様に新型肺炎拡大が重石となっています。

新型肺炎COVID−19は世界5大陸に広がる

おはようございます

【金融・為替】
過去2日間で1900ドルを超えるダウ平均は流石に戻りを試す展開から始まり、一時461ドル反発するも買いが途絶えると再び失速に転じて2万6957ドル(−123)で引け5日続落しました。新型肺炎の拡大は中国からアジアに広がり、中東や欧州に広がり、米国でも警戒感が強まる中で南米ブラジルでも感染者が確認されて、世界5大陸すべてに感染が広がったことになります。2003年のサーズ感染のころよりも中国企業のサプライチェーンの世界に迫るシェアが拡大していることから、今後の世界経済への影響の程度が不透明感と不安を助長する事態となっています。

為替はドル円が110円45銭前後、ユーロは1.088ドル前後、ドル指数は99.1ポイントに反発し、米10年債利回りも1.346%に小幅に上昇しています。米国では新型肺炎に対する政府への批判が民主党から噴出していて、日本時間今朝8時半からトランプ大統領による新型肺炎に関する演説が予定されているようで、演説内容が注目されます。

【石油市況】
原油は48.73ドル(−1.17)に4日続落して、新型肺炎の感染者の世界各国への広がりに、先行きの需要減退観測が弱気売りを呼び込んでいます。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間は堅調に推移して1660ドルに迫る水準まで戻りましたが、その後はNY株式市場が堅調に推移すると反落に転じ一時1626.6ドルまで下落、更に株価が軟調な値動きに転じると戻る展開となり1643.1ドル(−6.9)と下げ幅を詰めたものの続落して引けています。週明けの高値1691.7ドルからおよそ65ドル前後の調整となっています。円建ても夜間取引で一時5770円台まで調整し、天皇誕生日の振り替え休日24日の仮想価格6040円から250円前後の調整となります。本日の円換算は5820円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は大豆は続伸も、コーンは反落して引けていて、穀物市場にも重石となっています。

米疾病センターが蔓延を警告

おはようございます

【金融・為替】
前日に1000ドルを超える暴落のダウ平均に注目が集まる状況下、朝方は150ドル前後の反発局面が見られたものの、その後はマイナス圏で推移して徐々に下げ幅を加速して前日比−879ドルの2万7081ドルと大幅続落して引けています。株安の受け皿として前日に続き債券市場が大幅に上昇して、米10年債利回りは一時1.31%と過去最低水準まで低下しています。また、投資家の恐怖感を示すと見られるVIX指数は28ポイントと18年12月以来の水準まで上昇しています。この日、米疾病対策センター(CDC)は「米国の蔓延に備える必要がある」と述べ、感染者数の少ない米国でも警戒感が広がっています。また、2月の米消費者信頼感指数が事前予想を下回ったことも、米国経済の牽引役でもある個人消費の先行き不透明感を助長した模様です。為替はドル相場が続落して、対円は110円15銭前後に、対ユーロも1.0884ドルに、ドル指数は98.9ポイントに続落しました。

【石油市況】
原油は49.90ドル(−1.53)に大幅に続落して再び大台割れに、引き続き新型肺炎による世界的な需要減速を悲観する売り物に押される展開となり、OPECの減産の意向も焼け石に水といったところでしょうか。

【貴金属市況】
前日に一時1691.7ドルと1700ドルに接近する場面が見られた金相場ですが、株安のリスク回避の動きやドル安に支えられる局面も見られたものの、益出しの売り物に押されて9日ぶりに反落に転じて1650.0ドル(−26.6)に下落して引けています。目先1700ドル近辺での目標の達成感に加えて、株価下落による益出しを即されたものと思われ、株式と金というリスク商品と安全資産の同時に持つ投資家の手じまいを呼び込んだものと推測され、株安の純粋な受け皿ととして機能している債券市場とはやや異なる反応となっています。思えば、今回は特に株高と金高が同居する異様な上げ粗油場だったとも考えられ、株価の下げ局面での益出しに押される結果となった模様です。NY市場は引け後も続落につき、円換算は5790円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は金融市場のリスク回避の動きが重石となるも、前日までの下げに対するリバウンド的な戻りを入れています。

イタリアにも拡散して世界同時株安に

おはようございます

【金融・為替】
新型肺炎はここにきてアジアでは韓国に次イランで拡大、欧州でもイタリア北部で急拡大してパンデミック(世界的な大流行)が意識される段階に入っています。24日の週明けは東京市場は休場でしたが、アジアや欧州の株価が大幅に下落し、NY市場にも波及してダウ平均は1031ドル安の2万7960ドルに暴落、民主党のネバダ州での予備選でサンダース氏が圧勝して増税を意識させたことも株安要因と見られています。

為替はドル売りの動きとなり、ドル円が110.70銭前後、ユーロドルは1.085ドル前後、ドル指数は99.2ポイントにドル相場は下落しています。株安から債券市場に資金が流入して、米10年債利回りは1.365%に大幅に低下しています。株安を受けて恐怖指数(VIX指数)は25ポイントに急上昇しています。

【石油市況】
原油は51.43ドル(−1.95)に大幅に続落し、新型肺炎が中国以外に核出される状況を嫌気して株価が暴落して、原油市場もリスク回避の動きが広がるものとなりました。

【貴金属市況】
新型肺炎拡大による世界的な株安の中で、投資資金の受け皿として債券市場とともに金にも資金が流入して1676.6ドル(+27.8)に続伸して引けています。欧州の時間帯に一時1691.7ドルまで急上昇して節目の1700ドルに接近する場面もありましたが、NY市場では株安による益出しの動きもあり、欧州時間の高値を上回ることはありませんでした。今月の相場のスタート時点は1550ドルで始まり、僅かに3週間余りで150ドル近い上昇は行き過ぎ、1700ドル接近という目標の達成感もあり、今後はスピード調整の動きも今後意識されそうです。本日の円換算は5900円前後になります。

【穀物市況】
リスク回避の動きは穀物市場にも波及して、大豆・コーンともに下落しています。

株安・債券高に米30年債利回りが過去最低に

おはようございます

新型肺炎が韓国で感染者が急増して日本の感染者数を抜いたことにより、中国以外での感染拡大が意識される状況となっています。米国ではこの日、HISマークイットから2月のPMI(購買担当者景況指数)が発表され、好不調の分岐点となる50を下回り49.6ポイントと発表され、1月の53.3から大きく後退して6年4か月ぶりの低調が確認されました。

株式市場では新型肺炎+PMIの不調を受けて下落し、ダウ平均は続落して2万8992ドル(−227)で引け、ナスダック、S&P500とも続落して引けています。PMIの不調から先行きの米製造業に対する不透明感から投資資金は株式などのリスク商品から債券市場に資金が流入、30年債の利回りは1.89%と過去10年債も1.468%に急低下しました。シカゴの金利先物市場では今年の政策金利を0.5%引き下げを織り込む水準となっています。強気の株式市場では利下げ期待に上昇の反応を示すのですが、現状の高値から更に上値を追う展開には至らず引けています。

為替はドル円が111円60銭とドルは下落し、112円40銭の昨年の円の安値更新はお預け、ユーロは1.084ドルに小反発し、ドル指数は99.3ポイントに反落しています。PMIや新型肺炎嫌気から株安・債券高の反応を示し、連日のドル買いも一服というところでしょうか。

商品市場では原油が53.38ドル(−0.50)に反落し、株安のリスク回避の動きに押されています。但し、ロシア抜きでサウジなどの3か国が日量30万バレルの減産を予定しているとの報に、安値からは反発する展開となっています。金は株安のリスク回避の動き、更に株から債券市場への資金シフトの一部が金にも流入して1648.8ドル(+28.3)に大幅続伸して引けています。(’円換算5890円)債券市場の利回り低下とはいえ1%台の利回りが確保されることから、ゼロ金利の金に対してこのところの資金流入は以外とも考えられますが、日本や欧州のマイナス金利よりも金は優位との判断も働くようです。先物市場やETFには資金流入により活発に売買される一方で、中国やインドの実需筋の買いは高値見送りに閑古鳥とも伝えられ、対照的な反応を示しています。

日本は3連休のため、週明けの米国市場の展開を見ることになります。良い連休をお過ごしください!

キャリートレードの主流が円からユーロにシフト

おはようございます

【金融・為替】
前日に111円台に急落した円相場ですが、本日は一段と下落して112円15銭近辺まで更に円安が進行し、昨年4月以来10か月ぶりの円安水準となっています。これまで超低金利政策により金利の低い円を借りたトレード(投資)に振り向けられる通貨として円が重用されてきましたが、ここにきてマイナス金利の深堀からユーロにシフトする動きが目立ち、キャリートレードの円買いが後退していることも円安要因と見られています。また、週明け発表された日本の昨年第4四半期のGDPが予想を大きく下回り、更にこの四半期には新型肺炎感染による景気小腰折れ観測から、2四半期連続のマイナスとなれば景気後退期入りのリスクを抱える通貨であることから、円売りを助長させている模様です。昨年の円の安値112円40銭が目前に迫り、抜けると目先の抵抗線を抜けて一段の円安進行も視野に入ることになります。

ドルの強い地合いは続き対ユーロでも1.078ドルに反発して、ドル指数は99.8ポイントと大台の100に迫る水準まで続伸しています。ダウ平均は2万9219ドル(−128)に反落し、史上最高値圏での推移も新型肺炎の拡大による世界経済見通しの減速観測に押されえる展開となっています。中国では指標の上海株が3000ポイントの大台に返り咲き春節前よりも値位置を切り上げています。中国政府(人民銀行)による金融緩和や景気刺激期待の反発局面ながら、空売り禁止措置などの当局による官製相場の趣もあり、相場の強さには西側目線で懐疑的なものとなっています。

【石油市況】
原油は53.88ドル(+0.39)に続伸して引け、引き続き新型肺炎への警戒は続くものの、OPEC+ロシアの減産期待による需給環境の改善期待に買い優勢の展開となっています。

【貴金属市況】
ドルの堅調地合いが続く金は逆風下の元、本日も堅調を維持し6日続伸して1620.5ドル(+8.7)で引けて2013年2月以来の高値で取引を終えています。新型肺炎の終息確認には程遠く、世界経済への今後のリスクの広がりに金に資金流入が続いています。我らが円建ては更に円安が追い風となり、本日の円換算は5830円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は大豆・コーンともに下落して、新型肺炎拡大のリスクに押される展開となっています。

ドル3年ぶりの高値示現、円相場は111円台に急落

おはようございます

【金融・為替】
ドル相場の強い地合いが続き、ドルの相対的な力を示すドル指数は99.7ポイントと2017年5月以来3年ぶりの高値を示現し、対するドル買いと相対する通貨は円売りが対象となり111円30銭前後で推移、円相場も昨年5月以来の円安水準に急落しました。昨年の円の安値は112円台中盤の水準で、今後意識される水準となりそうです。ユーロは円とは逆に1.080ドルに小反落しています。米国では景気指標や企業業績の好調が続き、新型肺炎の感染者数も10人程度であること、一方で日本はGDPの予想を下回ったように消費増税が経済成長の足かせとなっていること、新型肺炎の感染者数も急増し、景気の腰折れが懸念される状況が円売りにつながっているものと推測されます。これまでは安全通貨として日本円の立ち位置が下がったものと推測されますが、一方で海外での純資産が世界1である状況に変わりないものの、市場は旬の材料を手掛かりにトレードしていることも現実のようです。

ダウ平均は4日ぶりに反発に転じて2万9348ドル(+115)で引け、ナスダックやS&P500は史上最高値を更新して引けています。新型肺炎の拡大も感染のピークを越えたとの判断や、FRBの金融政策を信任(景気後退では再利下げ期待)されていることが買い安心感に広がっているものです。

【石油市況】
原油は53.49ドル(+1.49)に大幅高で引け、引き続き新型肺炎による先行きの需要減退が弱材料視される環境ながら、前日の米国によるロシア石油大手への制裁により、先行きのベネズエラ産原油の輸出への影響が懸念されています。

【貴金属市況】
金はドル高の動きや株高に押されるも、前日に乗せた大台を維持して5日続伸して1611.8ドル(+8.2)で引け、引け後の時間外では年初の1613ドルを上回る水準で推移しています。本日の円換算は5760円前後に円安への影響もあり大幅高が予想されます。新型肺炎の拡大による世界経済への悪影響に対する逃避先として円より金という反応を示しています。

【穀物市況】
穀物市場は大豆が続伸して、コーンは続落して引けています。

新型肺炎GAFA(ガーファ)の一角にも影響

おはようございます

【金融・為替】
GAFAと呼ばれる巨大IT企業の一角であるアップル・コンピュータが1−3月期の売り上げ予想を達成できないと発表し、流石に米国企業の製造業にとっても新型肺炎を背景にした部品調達先の中国の製造現場での混乱が業績見通しの引き下げにつながったようで、改めて感染の拡大によるサプライチェーンへの懸念が広がっています。

ダウ平均は2万9232ドル(−165)と3日続落しています。為替市場はリスク回避の円買いは限定的でドルの強い地合いが続き、ドル円は109円90銭前後で推移、ユーロも中国依存の高いドイツ経済の失速背景に続落して1.078ドルとほぼ3年ぶりの安値示現し、ドル指数は99.4ポイントに続伸しています。10年債利回りは1.559%に低下し、株安・債券高のなかで利回りの低下はFRBによる追加緩和の催促とも受け止められます。

【石油市況】
原油は52.06ドルと前日比と変わらず、新型肺炎の拡大による先行きの需要減退と、OPECの追加減産に懐疑的な見方が引き続き重しとなっていますが、米国がロシアの石油大手に制裁を科したことが本日の下げ止まり要因とみられています。露石油大手ロスネチフの小会社が、ベネズエラの政権を支援したことが制裁の原因となっています。

【貴金属市況】
新型肺炎の感染拡大が米国の企業業績に影響を及ぼしたことから、株安のリスク回避の動きが金相場を支援して年初以来の1600ドルの大台を回復1603.6ドル(+17.2)と4日続伸して引けています。リスク選好の株高の時期も金は下値堅く推移し、今回の新型肺炎ではリスク回避の出番となり更に上昇しています。株安の為替は円高に振れないために円換算は5650円前後になります。円建て金は税込み6000円台に乗せて1880円以来40年ぶりの高値を示現、因みに最高値は1980年1月20日の先物市場に上場前の6495円という現物価格です。

【穀物市況】
穀物市場は大豆が続落し、コーンは反発しています。

株高と経済の実感に違和感覚える

おはようございます

今朝は米国市場が「大統領の日」の休場で入電はありません。引き続き新型肺炎の感染状況が最大の関心事ですが、中国では上海株価指数で春節前の水準まで戻り、政府や人民銀行による矢継ぎ早の政策を好感する反応を示しています。一方で例年3月5日に始まる「全人代」の開催が先送りされ、一般企業の操業再開も人材面や部品供給の面から部分操業に留まる危機的状況の再開となっています。国民生活や経済面の現状と、株価の反発にはギャップが広がっているようです。

昨日発表された日本の昨年10〜12月期のGDPも前期比−1.6%に落ち込む予想を下回るものとなり、台風の影響があるものの、消費増税の影響からの消費の落ち込みが懸念される状況です。増して今回の新型肺炎の影響が今年の第1四半期のGDPを更に引き下げることは確実視され、比較的底堅い株価の反応は世界的に違和感を覚えさせる状況となっています。

相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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