本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2019年10月

3会合連続の利下げも緩和の休止を示唆

おはようございます

【FOMC&議長会見】
政策金利を0.25%引き下げ年率1.50%〜1.75%として市場の予想通りの結果となりました。声明文では政策運営に関して「成長持続に適切に行動する」との文言が削除され、「不確実性は残り、引き続き経済指標を注視していく」の表現にとどめたことから、予防的利下げは一先ず今回で終了との示唆となりました。パウエル議長は今後入ってくる情報が我々の見通しに沿うなら、現行のスタンスが適切である可能性が高い」と発言し「金融政策は良好な見通しである」としています。但し、今後の利下げに関しては状況に応じて対応し、排除はしないとしています。また、ブレグジットにも言及して不透明性が後退したことや、米中の貿易紛争の下火も一先ずの利下げ打ち止めの判断を左右したものと考えられます。

【金融・為替】
ダウ平均は2万7186ドル(+115)に続伸し、S&P500は史上最高値を更新するリスク選好の動きとなりました。利下げ打ち止めにマイナス圏で推移する場面も見られましたが、パウエル議長の利下げの可能性を排除しないニュアンスの発言が株価上昇を後押しした模様です。為替はFOMC後にドル円は一時109円20銭台にドル高・円安進行後は再び109円を割り込み、現在は108円85銭前後と前日並みの水準で推移しています。ユーロは1.115ドルに上昇して、ドル指数は97.4ポイントに続落しました。10年債利回りは1.772%に低下して、FRBの政策金利FF金利とほぼ同水準となっています。

【石油市況】
原油は55.06ドル(−0.68)に続落して引けていて、EIAの原油在庫の増加が嫌気される展開となり、FOMCでの利下げへの反応は限定的なものとなりました。

【貴金属市況】
FOMC前に引けたNY金は1496.7ドル(+6.0)に反発して引けています。引け後は声明文での利下げ打ち止め示唆を嫌気して一時1490ドルを割り込む急落場面も見られましたが、その後はドル安の動きや、パウエル議長の適切に対応するとの発言から来年以降の利下げの可能性を好感して反発し1500ドルに接近して揉み合う展開となっています。本日の円換算は5215円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場はチリで開かれる予定のAPECが治安悪から中止が決定し、米中首脳会談への行方の不透明感ら大豆が下落し、コーンは続伸しました。

イベント控え全般に様子見

おはようございます

【金融・為替】
FOMC初日が終え明日の政策金利発表待ちとなりますが、本日の金融市場では発表を待つ様子見となり全般に凪ぎ状態となっています。ダウ平均は2万7071ドル(−19)と小幅ながら3日ぶりに反落して引けています。為替はドル円が108円85銭前後、ユーロは1.111ドル、ドル指数は97.6ポイント、米10年債利回りは1.840%とイベント前の小幅な動きにとどまっています。

7月、9月に続き今年3回目の利下げがほぼ確実視される状況となっていますが、議事録やパウエル議長の会見から次回以降の政策金利の先行きを占うことになります。今回で「予防的利下げの打ち止め」となる可能性が高いと市場は読んでいますが、今後の景気指標や米中協議の動向によっては柔軟な政策を示唆するものと考えられます。

混乱が続く英国では12月12日の総選挙が決定しました。ジョンソン首相率いる与党保守党の優勢が伝えられている状況ですが、野党労働党は選挙に後ろ向きな姿勢を世論の非難にさらされる状況がこれ以上続くと、今後の政策運営上も不利と読み今回の選挙に賭ける挙に打って出た模様です。選挙により保守党が過半数を取れば、離脱関連法案の決議を急いで来年1月末を待たずに年内離脱を模索するものと推測されます。

【石油市況】
原油は55.54ドル(−0.27)に続落し、引き続き景気後退による原油需要の減速観測に上値を抑えられる状況ですが、55ドル割れには抵抗示し値ごろ感もぼちぼち出ている模様です。

【貴金属市況】
金は先週から利下げ期待に1500ドル台を回復する場面も見られていましたが、今週に入り米中協議への期待に株価上昇が続いていることや、ドル相場の堅調に抑えられる展開が続き1490.7ドル(5.1)に続落して引けています。FOMCでの利下げはほぼ織り込み、声明文の中身やパウエル発言が注目されることになります。本日の円換算は5195円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は前日とは逆に大豆が小反落し、コーンは小反発して引けています。

中国との部分合意に一段と進展

おはようございます

【金融・為替】
トランプ大統領は米中の貿易協議の部分合意に向けた調印が「計画よりも早く進んでいる」と発言し、来月のAPECでの両首脳の調印の可能性が高まったと見てリスク選好の動きが続き、S&P500が史上最高値を更新し、ダウ平均も2万7090ドル(+132)に続伸して大台を回復して引けています。為替はドル円が一時109円台に乗せ現在は108円95銭前後で推移して一段のドル高・円安となっています。ユーロは1.110ドル前後、ドル指数は97.7ポイント前後で推移しています。米10年債利回りは1.845%と小幅小康状態となっています。

本日より始まるFOMCでは追加の利下げが予想されることや、米中協議の進展期待がリスク選好の動きの背景となっていて、米企業の決算も事前予想を上回るものが多く、それぞれの材料が市場環境の改善期待につながっている模様です。政治的には来年の大統領選に向けてIS幹部の掃討から中東情勢の緊張緩和の手柄、中国の譲歩に向けた貿易協議の手柄を急ぐ、なりふり構わぬトランプ大統領の動きが際立ち、これを金融市場も好感する反応を示しています。

【石油市況】
原油は55.81ドル(−0.85)に続落する展開となっていて、株式市場の上昇に見られるリスク選好の動きは原油市況には見られていません。米中協議の進展情報も、世界経済の減速見通しに変化はなく、先行きの需要見通しに悲観的な反応を示しています。

【貴金属市況】
金は利下げへの見通しの高まりもありアジアから欧州時間は堅調に推移して一時1510ドル台まで上昇も、米国時間にトランプ大統領から中国との交渉が計画よりも早く進んでいるとの発言があり、ドル高や株高が圧迫要因となり下落に転じて1495.8ドル(−9.5に反落して引けています。利下げ期待が追い風、米中協議進展が向かい風の反応を占めています。本日の円換算は5215円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は収穫の進捗率の進行を嫌気してコーンは下落し、対して大豆は米中協議の進展期待から反発に転じるまちまちな展開となっています。

株高・債券高が同居する不思議な構図

おはようございます

株価は日経平均が年初来高値を更新中、米ダウ平均も2万7000ドル前後で推移して史上最高値をいつでも伺う水準で推移しています。一方で金は1500ドル近辺の高値で推移、円建ても5200円台の高値で推移(史上最高値は1980年1月20日の6495円)しています。

リスク選好(株高)とリスク回避(債券・金高)の同居する不思議な投資環境が続いています。もっともリスク回避の最大要因は米中の貿易摩擦に端を発したもので、中国経済の減速から世界経済への停滞観測が予想されるのとどまらず、実際に悪影響を及ぼしていることは疑いの余地のないことです。しかも、米中の問題は経済にとどまらず、両国の覇権争にも波及していることから、今後も長期に渡る両国の争いが考えられることです。

さて、今週のメインイベントは29・30日のFOMCですでに利下げが市場には織り込まれているものとも推測されますが、為替・株価・債券などの反応は実際の発表があってからでないと分からないことが事実、万一利下げ見送りとなればネガティブサプライズとなります。

今週もよろしくお願いします!

米中協議進展から金は高値から離れる

おはようございます

年々豪雨の脅威に晒される日本列島ですが、この秋は強い台風もありその影響はひとしお、被災地の一日も早い復旧を願うばかりです!

さて、米中は25日に電話協議を開き、米国側からライトハイザー&ムニューシン、中国は劉副首相の閣僚の面々が参加し「部分的合意は最終段階に近づいた」と伝えられています。来月のアジア太平洋経済協力会議の場で米中首脳の合意文書への署名が実現に向かっているようです。前日の米ペンス副大統領の香港などを巡る内政干渉発言に対する、中国側の反発も貿易重視の姿勢からトーンは弱いものとなったようです。

米中合意に向けた進展期待からダウ平均は反発し2万6958ドル(+152)と大台に接近して引けています。為替はドル円が108円70銭前後で取引終了、ユーロは1.108ドル、ドル指数は97.8ポイントに続伸して引けています。米10年債利回りも1.800%に上昇しています。

商品市場では原油が56.66ドル(+0.43)に続伸し、米中の合意文書署名の期待が上昇要因となりました。金は来週のFOMCでの利下げ期待に前日から続伸して一時1520ドル前後まで上昇も、その後の米中協議の進展を悲観する売りに押されて1505.6ドル(+0.6)で引け、上昇幅を詰めたものの僅かに続伸して引けています。TOCOM夜間取引でも一時5280円台に続伸も、その後は値を消す展開となり週明けの円換算は5245円前後になります。

企業決算発表のピークも過ぎ、来週も米中協議の成り行きや、FOMCに注目が集まりそうです。良い週末をお過ごしください!

ペンス氏、対中強硬派姿勢を維持

おはようございます

【金融・為替】
ドラギ総裁任期の最後のECB理事会は予想通り政策金利は据え置き、前回の緩和策の成果を見守る姿勢となりました。次期総裁はIMF専務理事のラガルド氏がすでに内定していて、ドラギ総裁のハト派的な金融政策を継承する予想となっています。

英国はEUとの離脱延期がほぼ確実視される状況のなか、ジョンソン首相は総選挙を実施する意向を表明しています。解散には下院の2/3に賛成が必要となり、野党の協力を得られるのか流動的な情勢です。EUと合意した離脱協定案の関連法案の議決が先送りされたことから、ジョンソン首相の巻き返しを図ることになります。

そして、今週注目されていた米副大統領ペンス氏の講演で「私たちは香港の人々とともある」と発言し、香港の民主化運動を支持すると同時に中国政府に人権の尊重を求める内容となりました。1年前の講演で貿易上の不均衡に関して中国政府に是正を求めたことから、米中の貿易戦争を一層緊張させたことから今回も注目を集めていました。香港と同時に台湾の民主政治も評価し、南シナ海に関しても軍事的な挑発を非難して全体的に前年と同様に中国に対する強い姿勢を示す内容となりました。

さて、市況の報ですがダウ平均は2万6805ドル(−28)に小反落して引けています。決算発表がピークを迎える中、全般は好調維持も本日は事務用品のスリーMの下落が重石となっています。為替はドル円が108円60銭前後で推移、ユーロは1.110ドル、ドル指数は97.6ポイントと小幅な動きにとどまり、米10年債利回りも1.769%と小浮動の一日となりました。

【石油市況】
原油は56.23ドル(+0.26)に続伸し前日の原油在庫の減少を引き続き好感する反応を示し、12月のOPEC総会での減産幅の拡大議論にも期待する展開となりました。

【貴金属市況】
金は欧州時間に売り込まれる場面も見られましたが、NY時間に入り耐久財受注が事前予想を下回ったことをきっかけに反発に転じ、大台を回復したことからテクニカルなストップ買いも巻き込み1504.7ドル(+9.0)に続伸してひけ2週間ぶりの大台乗せのまま引けています。本日の円換算は5235円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は大豆・コーンともに小幅に続落しました。

金は5日ぶりに反発もレンジ内保ち合い

おはようございます

【金融・為替】
ダウ平均は+45ドルの2万6833ドルに反発して前日の下げ分を取り返す展開も、前日の引値圏近辺での値動きに終始、企業決算全般は事前予想を上回る概ね好調な業績が株価を支えていますが、米中の貿易協議や、英国のEU離脱問題の新たなニュースが待たれるところです。為替はドル円が108円65銭前後で推移、ユーロは1.113ドル前後、ドル指数は97.4ポイントと小幅な動きに終始、米10年債利回り1.766%とこちらも上下動の少ない動きとなっています。

本日は耐久財受注や新築住宅、明日は消費者信頼感指数などの景気指標発表が控えます。また、トランプ大統領のウクライナ疑惑が深まる証言も出ています。疑惑の渦中の人物でもある民主バイデン氏は来年の大統領候補ですが、保守的なバイデン氏ではトランプとの一騎打ちには役不足を指摘する声もあり、この事件をきっかけに急浮上したウォーレン氏(女性)の富裕層増税にはインパクトが大きいかと思います。

【石油市況】
原油は55.97ドル(+1.49)に大幅に続伸、EIAの原油在庫が予想外に減少に転じたことや、12月のOPEC総会での追加の減産姿勢に反応を示しています。

【貴金属市況】
金は5日ぶりに反発に転じて1495.7ドル(+8.2)で引けています。このところレンジ相場が継続も今回も1480ドル前後から反発となり、引き続き狭い範囲での保ち合いが継続しています。英国のEU離脱の不透明感が下値から反発要因となっています。本日の円換算は5200円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は大豆・コーンともに小反落して引けていて、収穫進展を嫌気する展開となっています。

英・離脱延期の可能性高まる

おはようございます

【英議会】
英議会は22日に離脱関連法案の審議を始まることを可決しましたが、その後、法案を早期に成立させるための動議が否決されました。これによって10月末の離脱承認の可能性が低下し、離脱を取り巻く不透明感が再認識され通貨ポンドが下落しました。

【金融・為替】
ダウ平均は続伸して始まるも2万6789ドル(−39)に反落して引け、英国のEU離脱を巡る不透明感を嫌気する展開となり、決算がらみではマクドナルドが予想利益に届かず下落して引けています。為替はドル円が108円45銭前後で推移、ユーロはポンド安に連れて1.112ドル前後、ドル指数は97.5に反発して引けています。米10年債利回りは1.764%に低下しています。

【石油市況】
原油は54.48ドル(+0.97)に反発して引け、米中協議の進展期待や、OPECの追加減産期待も上昇の背景にあるようです。中国の劉副首相は米国との貿易協議は前進していると発言したと伝えられています。

【貴金属市況】
金は1487.5ドル(−0.6)に小幅に続落して引けています。ドル高の動きに押される展開となっていましたが、英国のEU離脱を巡る不透明な情勢が伝えられると、安値からは戻して引けています。本日の円換算は5175円前後になります。

【穀物市況】
大豆・コーンともに小幅に堅調な値動きとなり、中国の買い付け期待や、コーンの収穫遅れが材料視されています。

国事行為による休日、海外も静か

おはようございます

天皇陛下が即位を内外に宣明する「即位の礼」につき、憲法に基ずく国事好行為となり今年限りの休日となります。

本日はこれといった景気指標はありませんが、ダウ平均はボーイングの新型機を巡る欠陥の隠匿疑惑から大きく続落して株価全般の足を引っ張るものの、米中協議の進展期待や、ブレグジットが難局を乗り切る期待、更に企業業績への期待から反発に転じ50ドル前後堅調に引けようとしています。

為替はドル買いが優勢に推移し、ドル円108円60銭台、ユーロは1.1114ドル台、ドル指数は97.3ポイント前後で推移し、米10年債利回りは1.799%に上昇しています。

商品市場は全般にドル高に押される展開に原油は53ドル割れで20〜30セント、金も1490ドル割れで7ドル前後反落しています。(円換算5165円前後)

台風の影響で雨の状況が気がかり、21号は日本列島を逸れて欲しいものです。良い休日をお過ごしください!

英国の混乱継続も採決は僅差に

おはようございます。にわかラグビーファンの一人としては、昨夜の一戦は残念な敗戦となりました。

さて、英国のEU離脱はまたも袋小路に突入、英議会では19日に離脱合意受け入れ動議の採決が取られ反対が過半数を上回り、今週は関連法案が採決される模様です。大勢の読みは離脱延期のようですが、投票は322対306と予想外に接近し10月離脱の可能性はまだ少し残されています。さて、どうなることやら!

週明けの為替の動きはドル買い優勢の展開となり、当事国のポンド安に加えて、ユーロも軟化、ドル円は108円40銭前後とほぼ横ばい推移となり、ドル指数は97.3ポイントに反発する反応を示しています。

今週は米企業決算の発表がピークを迎え、好業績背景に株式市場を支えると見られています。また、景気の腰折れが懸念さる複数の景気指標も注目されます。24日はECB欧州連銀理事会、米ペンス副大統領の講演が予定されていて、講演内容が対中国政策が主な内容とされていることから注目されています。

引き続き米中の貿易協議の部分合意を巡る動き、そして、シリア情勢なども注目されます。

今週もよろしくお願いします!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
広告規制に関する表示事項
お知らせ
最新記事の下に広告が掲載されてしまいますが、当ブログとは一切関係はありません。ご注意下さい。
Archives
Access counter
QRコード(携帯用)
QRコード
  • ライブドアブログ