本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2016年05月

週末に向けては米雇用統計

おはようございます

米国市場はメモリアルデーでロンドンもバンクホリデーの休場でした。

ドル円は先週末のイエレン議長の発言から数か月以内の利上げを意識して一時111円40銭と1か月ぶりの高値(円は安値)を付けました。日本の消費増税先送りも円安に加担し、円安好感に日経平均も1か月ぶりに1万7000円台に乗せて引けています。政局は首相の意思で衆議院解散は見送られて、7月の参院選に焦点が絞られる状況です。2年前の衆院選では必ず18年4月には増税すると約束した発言を保護にして自民が大勝し、与党は2/3の議席を確保したことから本来なら解散総選挙となりますが、議席を減らす可能性を危惧したのでしょうか。

さて、今週は米住宅指数やISM景況指数等の発表があり、週末の6月3日には雇用等統計の発表があり事前予想の16万人増を上回ると、6月利上げの可能性が高まることになりそうです。。6月2日にはOPEC総会が開かれ、生産凍結の議論がなされるもののサウジとイランが生産枠で合意する可能性は低く期待少なといったところでしょうか。

投機筋は金先物を投げ退き、投資家はETFを引き続き保有

おはようございます

サミットを終えて安倍政権の支持率が56%に上昇し、2014年9月以来の高支持率となりました。安倍さんは各国首脳に「世界経済はリーマン並みの危機」と吹聴し、世界経済の安定性に異論をはさむ発言は個人的にはいただけないものですが、オバマ大統領の広島訪問と消費増税先送りを匂わす発言が加点となった模様です。これで衆参同時選の可能性も高まりましたが、予定通りに2%引き上げて10%に消費増税することに国民の間にそんなに大きな異論があったのでしょうか。将来の社会保障費の安定には必要と考える有権者も多いのではないでしょうか?2019年10月には再び増税議論が高まるものと予想され、その時には安倍さんの政権とは違う政権で三度ごたごたしそうですなー、あーあぁ

さて、本日の米国市場は「メモリアルデー」で休場となります。週末はイエレン議長は対談で「数か月以内の利上げが適切」と発言し、6月もしくは7月利上げの可能性がいよいよ高まりました。年初は新興国経済の不安に端を発した世界同時株安や原油やドルの急落から利上げの今年前半の可能性は大きく後退し、1050ドル前後からスタートした今年の金相場は5月上旬には1300ドルに上昇しました。NY金の人気のバロメーターとされる取組高はボトムの37.3万枚が59.6万枚に急増、その後FOMC声明文で早期利上げの可能性が取りざたされて1210ドルまで下落し取組高も50.7万に急減しています。

ファンドのネット買い越しも史上最大の買い越しの844.9tから今月24日には642.6tに急減し、買い過剰がほぼ解消に向かう流れとなっています。一方で最大金ETFのSPDRは868.66tと相場急落場面にも関わらず、高水準を維持していることはサプライズで、先物投資(短期)と現物投資(中長期)の違いが鮮明となっています。ETFには3年ぶりに金市場に復帰したソロスファンドや、世界最大の投資会社ブラックロックなどのコア投資家の存在が際立っています。おそらく米国の利上げ後の世界経済の不透明感を見込む動きが、名だたる投資家を安全資産としての金保有を後押ししているものと推測されます。

今週もよろしくお願いします

議長の利上げ示唆にドルは硬化

おはようございます

オバマ大統領の織った折り鶴二羽の出来栄えは素晴らしいものでした。

さて、イエレン議長は「経済は改善を続けている、今後数カ月に利上げは可能」と発言し、ドル円は109円台から110円台に反発(円は反落)し110円25銭前後で引けました。ユーロも1.111ドルに軟化し、ドルは議長の発言後に総じて確り推移しました。

ダウは1万7873ドル(+44)と小幅に上昇し、10年債利回りは1.829%に上昇しました。商品はWTI原油が49.33ドル(−0.15)に小幅に続落し、金は8日続落の1213.8ドル(−6.6)に続落し議長発言後は1110ドルを割り込みました。穀物市況は引き続き天候プレミアムを買う動きとなりました。

良い週末をお過ごしください!

消費増税先送りがほぼ確実視

おはようございます

伊勢志摩サミットの初日の討議後にオバマ大統領は「通貨安競争回避で一致した」と発言し、ルー財務相に続き日本の介入姿勢を牽制しました。首脳レベルの発言となると円売り介入の可能性は一層高まったものと推測されます。一方で安倍首相は現在の国際社会はリーマンショック時に似ていると発言し、事実上、来年4月の消費増税見送りを匂わせています。積極的な税制出動と増税先送りの経済を重視する政策ですが、将来的に財政赤字が膨らむことや社会保障費の捻出等に疑問が残ることになります。

【金融・為替】
ドル円は109円75銭前後で小幅保ち合いに推移、ユーロも1.119ドルと横ばい推移、対円も122.8円と全般に小動きに終始しています。ダウは1万7828ドル(−23)に小反落し、10年債利回りは1.829%に低下しています。本日はイエレン議長のハーバード大での講演が注目され、週明け39日は「メモリアルデー」の休日から3連休に入ることになります。

【石油市況】
原油は49.48ドル(−0.08)に反落、一時7か月ぶりに50ドルの大台に乗せましたが、利益確定の売り物に押される展開となり目先の目標達成感も出ている模様です。ブレントも一時50ドル大台に乗せますが、WTI同様に小反落し49.59ドル(−0.08)で引けています。

【貴金属市況】
金は1220.4ドル(−3.4)と7日連続続落し、買い方ファンドの手じまい売りが引き続き市況を重いものにしています。25日も1.7万枚取組高は減少しピークから7万枚近い減少は、買い過剰の投機買いを解消に向かわせています。先物とETF(現物)市場は乖離を見せていて、先物市場は買い方が後退して、現物市場は根強いコアの買い方の存在が際立ち明暗を分けているようです。今週は6月もしくは7月の米利上げの可能性の高まりを織り込み、ギリシャ政府支援がほぼ確実視されることや、6月23日の英国のEU離脱の国民投票も残留派の増加も嫌気されファンドの投げ退きが進展しているようです。本日の円換算は4290円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は大豆が反落も、コーンは小麦相場の急伸につれて4ドル大台を死守しています。

ギリシャと原油上昇にリスクオン

おはようございます

【金融・為替】
ドル円は110円15銭前後で推移、このところは110円を挟む保ち合いが続いています。ユーロは1.115ドルに小幅に上昇し、対円でも122.9円と小幅上昇しています。25日のユーロ財務相会議ではギリシャ支援に103億ユーロ(1兆2600億円)の追加融資を決定し、7月の国債の大量償還を乗り切る目途が立ち金融市場のひとつの不安要因は解消されました。今後はIMFが協調融資に乗り出すのか注目されますが、いずれにしてもギリシャの債務問題は今回も先送りされただけで、時間稼ぎの先にはまた債務問題が浮上するもので抜本的な解決の道は険しい状況が続きそうです。本日はギリシャ問題の解消と原油の急伸を好感するリスクオンの動きから、ダウは1万7851ドル(+145)に続伸し、10年債利回りは1.868%に上昇しています。

【石油市況】
原油相場は続伸し49.56ドル(+0.94)に続伸し、米原油在庫が事前予想通りに減少したことから買いが膨らみ50ドルの大台に接近しています。ブレント相場も49.74ドル(+1.13)に大幅に続伸しています。強弱のファンダメンタルが入り乱れる現在の原油市況ですが、このところ石油の調査機関や投資銀行が強気見通しを発表していることも、投機筋の背中を押して大台を睨む展開となっています。

【貴金属市況】
金は6日続落となり1223.8ドル(−5.4)で取引を終了、直近の5/2の高値1306ドルから80ドル前後の修正安となっています。FOMC声明文内容に端を発し、複数の地区連銀総裁の6月及び7月の利上げ言及から、CMEのFFレート先物は6月利上げの可能性が38%に、7月も60%まで上昇していることが投機筋の買いポジション解消を急がせて下落要因となっています。取組高も今年ピークの69.6万枚から5万枚余り減少し、重量単位で160t強の買いが退いたことを暗示しています。本日の円換算は4320円前後になります。

【穀物市況】
穀物相場は原油価格が50ドルの大台に迫る上昇や、天候プレミアムを買う動きに大きく上昇しています。

金はファンドの投げ売りに大幅続落

おはようございます

【金融・為替】
ドル円は反発(円は反落)して110円を挟むす順で推移、ユーロも1.114ドルに反落してドルは総じて強基調で推移しました。(ユーロ円122.5円)この日発表された新築住宅販売が年率換算で61.9万件と8年ぶりの高水準となったことや、原油価格が反発に転じたことからリスクオンの流れが戻りドル高が進行し、ダウは1万7706ドル(+213)に急反発しました。10年債利回りは1.861%に上昇しています。日本ではサミットのニュースで持ち切りですが、米国では先週から複数の地区連銀総裁が6月利上げに言及しました。仙台でのG7では無言で終わったイエレンFRB議長ですが、今週末27日のハーバード大での講演内容が注目されます。

【石油市況】
原油は43.62ドル(+0.54)に反発し、ブレント相場も48.61ドル(+0.26)に反発しました。ドル高の進行に加えてイラン・イラクの増産体制は引き続き嫌気材料ですが、明日の米原油在庫の減少見通しや住宅販売の好調らが反発要因と見られます。

【貴金属市況】
金は引き続き米利上げ観測の台頭から買い方ファンドの整理売りが継続して大幅続落しました。セッションではドル高と株高の進行も手伝い大商いを伴い、1229.2ドル(−22.3)で取引を終了しています。このところの下落から取組高が55.1万枚とほぼ5万枚減少し、強気ファンドの投げ退きが進んでいます。もとより史上最高水準のファンドロングから、本日も相当数の整理が入ったものと推測されます。一方でETFは下落途上も増加が続き、世界最大の投資会社ブラック・ロックやソロスファンドの3年ぶりの金投資復帰などの有名どころの保有増が続いている模様です。このところの下落にNY金先物のRSIは37ポイントに下げ(東京38)、水準は1200ドルの節目を意識される水運となり、高値見送りのアジアの実需買いの復活水準も近いと思われます。本日の円換算は4320円前後になります。

【穀物市況】
穀物相場は原油や株価の上昇も、コーンが小反落、大豆は続落する冴えない展開となりました。

金は続落もETFへの資金流入止まらず

おはようございます

【金融・為替】
ドル円は110円を割り込み109円20銭前後の円高・ドル安で推移、4月の日本の貿易黒字が6年1か月ぶりの水準となり3か月連続の黒字を計上したことや、輸出企業のドル売り予約もドル相場を軟調なものにしています。ユーロは軟調推移も円に連れるかたちで1.122ドルに反発しましたが、前日比ではほぼ変わらず、対円は122.5円と小動きに終始しました。ダウは8ドル安の1万7492ドルに小幅に続落し、10年債利回りは1.833%に低下しています。

【石油市況】
原油は48.08ドル(−0.33)に続落し、ブレント相場も48.35ドル(−0.37)に続落して引けています。ファンドの買い過剰の益出しや、イラン産原油の輸出拡大を嫌気する値動きとなっています。

【貴金属市況】
金はドル円は円が総じて反発も、ドル指数はやや堅調な推移しとなっていることや、複数の地区連銀総裁がこのところ6月利上げに言及していることが圧迫材料となり冴えない展開に1251.5ドル(−1.4)に小幅に続落しています。投機筋の買い解消の売り物にこの2営業日で取組高は3万枚余り急減し、ある程度買い方が振るいにかけられています。一方でETF残高は下落局面でも増加傾向を示し、金への資金流入が続いています。通常は下げ局面ではETFも減少するものなのですがとどまる気配はなく、年初から増加はSPDRのみで220tを超える大きなものとなっています。世界経済、政治や治安の不透明感が晴れる兆候はなく、各国の政策金利が緩和的なものが資金流入の背景にあるようです。本日の円換算は4365円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況はコーンが続伸も、大豆と小麦は反落に転じています。

27日イエレン議長発言に注目

おはようございます

週末のG7に続き今週は26・27日に伊勢志摩サミットが開かれます。G7では日米の為替相場に対する認識の溝は埋まらず、日本の円売り介入のハードルは高まったままです。財政出動でも唯一の経常黒字国ドイツの消極姿勢が際立ち、会議の成果は不透明なままです。首脳の集うサミットでも世界経済への影響は限定的となものとなる模様です。サミットの花形はオバマ大統領の広島訪問がメインイベントとなりそうです。

さて、NYダウは先週まで4週連続の下落となり、商品市況では原油が50ドルを手前に足踏み、金は今月上旬に節目の1300ドル到達もその後は1250ドル前後まで下落して修正安を余儀なくされています。5月上旬のCME先物市場では米国の6月利上げは10%と低い数字ながら、先週は複数の地区連銀総裁が6月利上げの可能性に言及して、34%に引き上げられたことからドルが上昇に転じ、株価と商品相場を押し下げる要因となっています。

今週は27日(木)にイエレン議長がハーバード大学で講演を予定していて、利上げに関する発言が最も注目され市場への影響も少ないものと思われます。

今週もよろしくお願いします

海外は小康保つ

おはようございます

週末の海外市場は総じて波風の小さい一日となりまた。

ドル円110.15円 ユーロドル1.121ドル ユーロ円123.6円

ダウ1万7500ドル(+65) 10年債利回り1.845%

商品はWTI原油47.75ドル(−0.41)にて6月限納会 ブレント48.72ドル(−0.09)
金1252.9ドル(=1.9)に小幅続落も白金は1023.9ドル(+10.0)に反発
穀物はコーンと大豆が反発し、小麦は続落、非鉄は銅が小幅に続落も他銘柄は高安まちまちでした。

G7初日の討議は米国側が改めて為替市場は秩序だった動きとして日本側を牽制、日米の溝は埋まらない情勢です。欧州はギリシャ支援を急ぐとして、為替問題にも触れて介入は懸命でないとこちらも開催国の日本に沿うものではなく、日本の介入の国際的理解は進まず介入のハードルは一段引き上げられたものとなりました。本日は株高によって110円台をキープしましたが、連休中のように105円台のような一段の円高局面でも動きにくい日銀、となれば更なる追加の緩和策模索となりそうです。

よい週末をお過ごしください!

議事録ショックから株も商品も軟調推移強いられる

おはようございます

【金融・為替】
FOMC議事録をきっかけに110円に乗せたドル円は、本日も110円を挟む展開が続いています。CME先物は6月利上げの可能性を議事録前15%、議事録後に34%に上げていますが、今後の米景気指標の動向や英国の国民投票をどの程度考慮するのかにかかってきます。ユーロは1.120ドルとこちも保ち合い、対円は123.1円とこちらも横ばい推移です。ダウは1万7435ドル(−91)に反落し、10年債利回りは1.848%に低下しています。本日よりG7が仙台で始まりイエレン議長も来日中、米金融政策に言及する可能性は低いもののG7には注目が注がれ、租税回避やパナマ文書、更にはG7の財政協調などの議論は来週のサミットに反映されます。

【石油市況】
原油は48.16ドル(−0.03)に小幅に続落し、ブレント相場も48.81ドル(−0.12)に小反落しています。このところの上昇ピッチは前日の議事録内容によって、上昇阻害に足ふみ状態ととなっています。

【貴金属市況】
金は前日の議事録発表後から6月利上げの可能性が残ることを嫌気した売り物が続き、一時1244.6ドルまで大幅続落してレンジを下限を下回る場面もありました。このところファンドのロングが史上最大の規模に膨らんでいたことは周知の事実で、今回はレンジを下回ったこともあり買い過剰がある程度解消されたとの解釈もできます。引けにかけてはやや持ち直したものの1254.8ドル(−19.6)に大幅続落して引けています。利上げ時期をめぐる思惑で今後も市況は左右されそうですが、世界経済の先行き不透明な見方は強く投機資金の流出は限定的なものとなりそうです。本日の円換算は4410円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況はドル高を受けて原油や貴金属・非鉄相場が軟調な展開となり、連れての軟調推移を強いられています。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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