本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2015年11月

重要イベントの一週間

おはようございます

米ドルの利上げの可能性の高まりと同時に進行する対照的なユーロの追加緩和観測がドル指数を100ポイントに押し上げ、それによってもたらされたドル高によってドル建てで取引される資源や商品価格を押し下げています。FRBとECBの動きを傍観して動けない日銀を尻目に、外為市場ではユーロが対円で7週連続下落して130円近辺まで円が上昇し、1999年のユーロ導入以来最長期間でユーロが円に対して下落(円は上昇)していることも、現在の日銀の立ち位置が中途半端なものとさせています。黒田日銀総裁の誕生時には2%のインフレ目標の達成のためにはなりふり構わず政策を実行するとの発言も、円安による悪影響の懸念や、賃金上昇の停滞から黒田総裁の政策実行の障害となっていることが現状です。

米国の利上げと欧州の追加緩和はほぼ織り込みながらも、週末に一段ユーロが下落したことによりドル高が進行し原油や金価格を押し下げています。日銀がECBと同じように緩和策を実行していれば、今ころドル円は125円を超える円安水準から円建て商品価格の下落が限定的ながらも、現状のドル円相場の水準では致し方ないところです。

さて、11月最終営業日となりましたが、米国では感謝祭明けの年末商戦がスタートして小売業界のかきいれ時期が始まりました。今週はイベントが目白押しで、1日にはIMF製造業景況指数の発表、同日には中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)があります。イエレンFRB議長は2日に公演し、3日に議会証言を行い利上げに関する発言が注目されます。同3日にはECB理事会が開かれて追加緩和を議論することになります。4日(金)は米雇用統計が発表され利上げに向けた動きの決定要素となりそうです。

イエレン議長の議会証言で利上げに対して積極的な発言をし、さらに雇用情勢が良ければ今週はドル円も125円方向へ円安が進む可能性が高まり、日経平均は3ヶ月ぶりの2万円の大台乗せも見られそうです。円安方向となれば、円建て商品価格の下げが一服する動きとなりますが、更なるドル高でドル建て価格の動きが気にかかるところです。

今週もよろしくお願いします

ドルが対ユーロで4年ぶりの高値に金は続落

おはようございます

【金融・為替】
米国市場は休日の翌日で金融市場の立会いは午前だけの短縮立会いです。ドル円は122円85銭と昨日の東京から40銭程度の円安・ドル高で推移、ユーロは対ドルで一時1.056ドルと約4年ぶりの安値に並び1.059ドルで取引を終了(対円130.0円)しています。来月3日のECB理事会での追加緩和政策が高まり、一方では来月15・16日のFOMCでの利上げを織り込みながらじわりとドル高・ユーロ安が進行しています。ダウは14ドル安の1万7796ドルに小幅に反落して、10年債利回りは2.220%に低下しています。来週は12/1(火)にISM製造業景況指数、3日はイエレン議長の議会証言とECB理事会、週末4日は米雇用統計とイベントが続きます。


【石油市況】
原油は41.77ドル(−1.33)に急反落して、ブレントも44.86ドル(−0.66)に反落しています。パリのテロやロシア機の空爆といった地政学上のリスクを織り込み足元の需給を見直す展開となり、来週のOPEC総会への減産期待も後退しています。

【貴金属市況】
金はドル指数が100ポイントの乗せたことに見られるように、対ユーロでも4年ぶりの高値を示現したことや、ドル高を受けた原油や非鉄相場の下落を嫌気して続落し、このところの安値1062.4ドルを下回り一時1051.1ドルに下落し引けも1056.2ドルと2010年2月以来5年9ヶ月ぶりの安値で引けています。これでレンジの下限が引き下げられて1050〜1100ドルに一段引き下げられることとなり、12月を利上げをさらに織り込む展開となっています。ETFの減少に歯止めがかからず、弱気ファンドの売り攻勢にさらされる展開で、中銀の保有増やアジアの実需買いが押される状況となっています。週明けの円換算は4250円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況もドル高や原油安から小麦が大幅に続落し、大豆・コーンも連れて反落しています。

「感謝祭」に静かな市場

おはようございます

米国市場は「感謝祭」の休場です。

ドル円は122円60銭前後で推移、ユーロは1.060ドル前後でドル指数は100ポイントをはさむ展開にドル高の優位性が続いています。欧州の株価は軒並み上昇していて、パリの同時テロや、トルコのロシア軍幾の撃墜の後遺症も徐々に材料として消化する方向に動いているようです。

中国では夏場に人民元切り上げショックから株価が急落していましたが、一時3000ポイントを下回った上海総合指数は現在3600ポイント前後と20%強反発して安定した値動きとなっていることから、新規株式公開(IPO)を再開し年内28社を新たに公開する動きとなりチャイナショックも一服となりました。世界の金融市場関係者が当時は日本時間午前10時半開始の上海市場を固唾を呑んで見守っていましたが、このところの安定した動きにリスクは後退して、世界の株式市場も落ち着きを取り戻しています。

世界の金融市場の現在の最重要の注目は欧米金融当局の政策実行で、12月にECBが追加の緩和策に、FRBは利上げ開始をほぼ織り込みながら展開しています。我らがBOJは両金融当局の政策を横にらみに政策を模索、インフレターゲット2%目標を16年後半に先送りも、円安が及ぼす悪影響や、賃金の上昇が鈍い日本経済の停滞に「何でもやる!」黒田総裁の政策実行は現状トーンダウンしています。

今夜の米国市場も午前中だけの短縮立会いとなります。

感謝祭控えて小康

おはようございます

【金融・為替】
26日(木)の「感謝祭」の休日を控えて米国市場は全般にポジション調整に終始、27日(金)も午前だけの短縮立会となります。米景気指標は強弱まちまちなもので、ドル円122円70銭と昨日の東京市場から35銭の円安・ドル高で推移、ユーロは一部メディアが来週3日のECB理事会を前に当局者の話として債券購入額を増やす検討をしているとし、追加緩和を強く滲ませる内容から1.061ドルと直近の安値を更新し、対円でも130.3円に続落しています。欧州の株価は追加緩和観測に急反発し、ダウも休日前なの調整も+1ドルの1万7813ドルと小動きに、10年債利回りは2.232%に低下しています。

【石油市況】
原由は43.04ドル(+0.17)に小幅に続伸し、ブレントも46.17ドル(+0.05)に小幅に上昇しています。中東情勢の緊張の高まりも、原油在庫の増加にみられるように中東産原油の生産に現状では影響はなく、有事を織り込みつつあるようです。

【貴金属市況】
金はアジア市場で1080ドル台に戻すも、NY時間では対ユーロでのドル高や中東有事を織り込み下落して1070.0ドル(−3.8)と反落して引けています。12月利上げが現実化に向かう中ドル指数が一時100ポイントに乗せるドル高から、ファンドの弱気売りに押されやすい環境が続いています。一方で価格下落からアジアの実需買いや世界経済や政治的なリスクの不透明要因が下値を支えています。ファンドのショートが432tと8月上旬以来の水準に高まり、このポジションの行方が注目されます。レンジはこのところ一段引き下げられて1060〜1100ドルに広がり、今月の雇用統計以後はレンジ内で推移しています。本日の円換算は4200円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦相場は続落も、大豆は大口制約に、コーンはエタノール増産に反発しています。

ロシア軍機空爆の報に原油相場が続伸し金反発

おはようございます

【金融・為替】
12月の米利上げを徐々に織り込む金融市場ですが、昨日の第3四半期GDPが発表され速報値の+1.5%や事前予想の+2.0%を上回る+2.1%となったことや、住宅価格指数も予想を上回ったことはFRBの利上げに向けた自信につながるものと予想されます。一方でフランス・パリでの同時多発テロでIS掃討の国際的な協力が進むさなか、今度はトルコ領の領空侵犯にトルコ機がロシア機を空爆して撃墜する事件が起きて国際協力の動きが不透明となっています。親アサド政権(プーチン)VS反アサド(エルドアン)の対立がIS掃討に複雑な影を投げかけるようです。

ドル円は122円55銭前後で推移していて昨日の東京から20銭の円高・ドル安水準、米国の12月利上げを織り込むムードや、ロシア機撃墜報道に欧州株が急落したことにリスクオフの動いも広がった模様です。ユーロは1.639ドルに小幅に反発も、米欧の金融政策の対照的な動きからユーロの先安観測が根強いものとなっている模様で、投機筋のユーロ売りも2兆6,000億円規模に膨らみ5ヶ月ぶりの水準となっています。ユーロ円も130.2円と7ヶ月ぶりの円高・ユーロ安水準となっています。ダウはロシア機空爆の報に100ドル超下げる場面も見られましたが、この事件に反応を示した原油高からエネルギー関連株が急伸して株価が反転し+19ドルの1万7812ドルに反発して引けています。10年債利回りは2.237%と小動きに終始しました。

【石油市況】
原由は42.87ドル(+1.12)に続伸して、ブレント相場も46.12ドル(+1.29)に続伸しています。前日は来月4日のOPEC総会でのサウジの減産を匂わす動きに反応を示し、本日は更にトルク軍によるロシア機撃墜という地政学上のリスクに反応を示しています。

【貴金属市況】
金は前日のNY市場の反落から始まるもアジア時間では徐々に下値を切り上げて1170ドル台前半に持ち直し、その後欧州時間終盤にリシア機空爆の報に1080ドルに乗せた時間帯が本日の高値、その後は上昇幅を削り1073.8ドル(+7.0)で取引を終了しています。再び元のレンジに戻り円換算は4210円前後になります。金の最大ETFのSPDRは今月に入り37t強減少すると同時に、先物市場ではヘッジファンドの売りが200t近く売り込むように金売り人気ですが、欧米とは対極にあるアジアは価格下落による実需買いが活発となっています。また、世界的な経済見通しが不透明なことや、地域紛争などが世界各地に拡散していることから個人による草の根的コイン及び地金購入や、中央銀行の金保有が増加しています。

【穀物市況】
小麦の作柄改善の動きに急反落し、コーンや大豆も連れて小反落しています。

金は対ユーロでのドル上昇に軟調推移

おはようございます

【金融・為替】
3連休も明けて本日の東京市場は20日と23日の海外市場の入電分二日分を織り込むことになります。ドル円は122円85銭と週末の東京から5銭程度の小幅な円安で推移、ユーロは1.063ドルに続落しドルは小幅ながら主要通貨全般に対して総じて堅調に推移しています。対円は130.6円に続落(円は続伸)しています。ダウは31ドル安の1万7792ドルに小幅に反落して、10年債利回りは2.250%に低下しています。12月利上げは徐々に市場のコンセンサスとなりつつあるようで、その後の利上げペースもゆっくりとしたものと見られています。今週の米国市場は26日(木)が感謝祭で休場となり、週末27日も市場参加者は限られるものとなりそうです。

【石油市況】
原由は41.75ドル(−0.15)に小反落し、ブレント相場は44.83ドル(+0.17)に小幅に続伸しています。来月4日にOPEC総会が開かれる予定ですが、総会を前にサウジアラビアが市場安定に協力する用意があると表明したことから、一部に減産に期待する見方があるようです。

【貴金属市況】
金はアジア時間では1170ドル前後で保ち合う動きが続きましたが、NY時間の序盤にこの日の安値1065.0ドルまで売り込まれました。その後中住宅販売が予想を下まったことから1076.5に跳ね上がるも高値を維持できず、売り物にじりじりと水準を引き下げて1066.8ドル(9.5)に続落して引けています。12月利上げの可能性に弱気ファンドの売り物から下げる動きから再び1070ドルを割り込む展開となっています。ドルの対ユーロでの上昇が最近のドル高値近辺となったことも嫌気要因と見られます。現在の時間外では1089ドル近辺に戻すも、本日の円換算は4200円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦相場の急反発に連れて大豆とコーンも確りとなっています。

金はファンド売りが一気に急増

おはようございます

【金融・為替】
週末のNY市場は主要な景気指標の発表もなく、来週26日に感謝祭の休日も控えていることから市況は積極的な売買を手控えるものとなりました。ドル円は122円90銭前後で今週の取引を終了して、昨日の東京市場から10銭程度の小幅な円安・ドル安水準となっています。一方でユーロはドラギECB総裁が講演で「インフレを迅速に押し上げるために必要な措置をとる」との発言から、12月追加緩和の可能性の高まりに反落して1.064ドルとこのところの反発分を消して下落、対円ではさらに130.7円と安値を更新(円は上昇)しています。ダウは91ドル高の1万7823ドルに反発して、10年債利回りは2.260%に上昇しています。CFTCによると投機筋の円売りポジションは9800億円強に膨らみ、前週比1500億円近く膨らんでいます。米利上げ観測の高まり投機筋はドルを買って他の主要通貨を買うポジションを積み上げています。

【石油市況】
WTI原由は納会を迎えた12月限は40.39ドル(−0.15)で取引終了も2番限以降は総じて小幅反発しています。ブレント相場も44.61ドル(+0.48)に反発して引けています。供給過剰のファンダメンタルに変わりないものの、週末を控えたポジション調整による戻りとみられます。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間に反発して一時1087.2ドルまで上昇する場面が見られましたが、米国時間では徐々に上値を削り1076.3ドル(−1.6)に小幅安で取引を終了しています。米国時間ではドルが対ユーロで直近の高値に上昇したことから、ドル高に押される展開となった模様です。引き続きアジアの実需買いに支えられていますが、NYの先物市場では投機売りで上値を支えられる図式となり、さらに売り方ファンドが大量の金地金を担保にショートしていることから金のリースレートが上昇しています。現物市場では一部品薄の情勢となっている模様です。今週は一時1070ドルのレンジを割りましたが、それでも週末はそれ以前のレンジ1070〜1100ドルに戻ってきています。CFTCによるとファンドのネットロングは17日現在106.9tに減少し、しかもファンドショートは前週比で102t急増していて、1ヶ月まえの1200ドル接近の買い過剰の状態から、僅かにひと月で今度は売り過剰の領域に入る目まぐるしい動きとなっています。週明けの円換算は4235円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦の急反落に連れて、大豆・コーン共に小反落する値動きとなっています。

米利上げペース緩慢見通しにドル安・金高に

おはようございます

【金融・為替】
前日のFOMC議事録では「12月利上げは適切なものの、来年の利上げペースは穏やかなものになる」とし、利上げへの過度な悲観見通しが後退しています。さらに日銀は追加緩和を見送ったこともあり、ドルが主要通貨に対して下落しドル指数は1ヶ月ぶりの安値となりました。市場では米国の12月利上げを織り込みながら、既にその先の2回目の利上げ時期に移っているようです。議事録の来年の利上げペースは穏やかなものとなる、との受け止め方は3月から6月に見送られるとの反応を示しているように見受けられます。

外為市場は一先ずドル買いの利食い売りに押される展開で、ドル円は122円85銭と昨日の東京市場から40銭程度の円高・ドル安で推移、ユーロはも1.073ドルに続伸し、対円は131.8円と小動きに終始しています。ダウは4ドル安の1万7732ドルに小幅反落(日経先物1万9840円に小幅安)し、10年債利回りは2.241%に低下しています。

【石油市況】
原由は40.54ドル(−0.21に小幅に反落して、ブレント相場は44.18ドル(+0.04)に小幅に続伸するまちまちな展開となっています。ドル高の流れが一服するものの、この日ゴールドマン・サックスは暖冬の可能性から暖房向けの消費が落ち込み、原油価格が30ドルを割り込むとの見通しを出したことも供給過剰とともに嫌気される要因となっています。

【貴金属市況】
金は米国の利上げ観測12月説が高まるものの、来年の利上げペースがゆっくりとしたペースとなる見通しや、ドル高が一服してドルが主要通貨に対して軟化したことを背景にじりわと戻し、NY市場では一時1086.6ドルに戻し引けも1077.9ドル(+9.2)に続伸して以前のレンジに逆戻りしています。今週はドル高が重石となり昨年7/24の安値1072.3ドルを下に抜けて一時1062.0ドルまで売り込まれましたが、ドルが売り戻される動きから逆相関性から金は買い戻される流れとなり元のレンジ内に復帰しています。本日の円換算は4240円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦相場の急反発を受けて、大豆とコーンも概ね堅調に推移しています。

FOMC議事録は市場に配慮の内容

おはようございます

「中国発・素材デフレ加速」 銅6年半ぶり安、CRB商品指数13年ぶり低水準、今朝の日経新聞朝刊一面トップ記事です。中国経済の失速から国内の余条な素材在庫を逆輸出してアジアに出回り、商品市況の下押し圧力となっているとしています。紙面にはありませんが、もうひとつの下げ要因は世界の商品価格はドル建て価格が指標となり、利上げを控えた米金融政策がドル高をもたらしドル建て商品価格の下押し要因となっています。現在の商品価格下落の原因は中国経済の失速と、米国の金融政策に負うところが大きくなっています。但し、日経一面トップ記事に高らかに書かれると、筆者のようなひねくれ者はぼちぼち市況の転換が備えるべき!?と読むのですが・・・・。

【金融・為替】
日本時間の今朝4時に発表されたFOMC議事録(10月開催のFOMC議事内容)では「12月の利上げがおそらく適切」という利上げへの強い意思が目新しく、一方で「利上げのペースは漸進的となる」という徐々に、ゆるやかに、少しずつというというハト派的な声明を入れることも忘れず市場への配慮が滲むものとなりました。FRBが徐々に市場に利上げ観測を浸透させる意図も見られ、利上げのショックを最小限にするソフトランディング狙いとみられます。

ドル円は123円60銭近辺で推移し、議事録内容の発表からじわりとドル高・円安が進み昨日の東京からさらに30銭前後の円安・ドル安水準に、ユーロは1.065ドルと小動きに推移、対円は131.7円と小幅にユーロが反発しています。ダウは続伸して取引が始まり議事録発表後は一段と上昇ピッチに弾みが付き、引けには+247ドルの1万7737ドルで取引を終えています。10年債利回りは2.227%に上昇しています。

【石油市況】
WTI原由はEIA発表の在庫増から一時節目の40ドルを割り込む場面が見られましたが、その後は安値警戒から小戻して40.75ドル(+0.08)に小反発して引けています。ブレント相場も44.14ドル(+0.07)と同様に反発しています。供給過剰のファンダメンタルに変化は見られず、上値の重い展開が継続されそうです。

【貴金属市況】
前日に内外共に今年の安値を更新した金はアジア時間に1062ドルまで安値を更新する場面も見られましたが、その後はじりじと反発に転じNY時間は1070ドルを挟む小幅な保合いに終始して1068.7ドル(+0.1)で引けました。引け後の議事録の発表では上下にブレル動きとなり、上値1175ドル、下値1066ドルと10ドル近くブレルも現在は1070ドル前後で推移し、議事録の漸進的利上げの内容が下値を支える効果が見られたようです。12月利上げを織り込みながら二回目の利上げ時期が3月か6月では金市場には大きく影響するものと考えられ、3月タカ派、6月ハト派では続落と反発の違いがあるようです。本日の円換算は4220円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況はコーンが小幅まちまちも大豆と小麦は反落し、取れ秋のハーベストプレッシャーが上値を重いものとしています。

商品市況続落に金も下値抵抗を抜ける

おはようございます

【金融・為替】
外為市場では引き続き12月利上げの可能せうが高まる米ドルが最も強く、逆に12月追加緩和の可能性が高まるユーロが一番弱く、あいだに挟まれた日本円が中間的な位置に立っています。今週18・19日は日銀金融政策決定会合が開かれますが、インフレターゲットを来年後半に先送りするとして追加緩和への期待は大きく後退しました。もっとも現在の123円台の為替水準で緩和すれば、日米の金融当局が望まない1ドル・125円の水準を大きく超える可能性があり、日銀は欧米金融政策を睨みながらも受身の政策を取らざるを得ない状況となっています。

ドル円は123円40銭前後で推移して昨日の東京市場とほぼ変わらず、ユーロは1.064ドルに小幅に続落して、対円でも131.3円とこちらも小幅に続伸しています。パリのテロにも関わらずアジアから欧州にかけて株価が大きく上昇し、ダウも一時150ドルを超える続伸場面が見られましたが引けにかけて失速、+6ドル高の1万7489ドルに小幅に続伸して引けています。米国の12月利上げを織り込みながらもその後の利上げが緩慢となる期待や、日欧の金融政策が今後も緩和的なものとなることが株価を下支えしているのか、テロに見られる地政学上のリスクの嫌気も短期間で織り込み反転する勢いとなっています。10年債利回りは2.265%に小幅に低下しています。

【石油市況】
原由は40.67ドル(−1.07)に急反落し、8月下旬以来の40ドル割れが意識される水準となっています。ブレント相場も43.57ドル(−0.99)に反落しています。フランス・パリのテロも中東の産油生産への影響はなく、再び足元の供給過剰に視線が戻る展開となっています。

【貴金属市況】
金は前日にテロによる地政学上のリスクに1100ドルに接近する場面も見られましたが、大台回復にならずショートカバー一巡後反落に転じ昨日のアジアでも1180ドルを割り込む軟調な展開を強いられました。NY市場でも午前の取引では1180ドルを挟む保ち合いも、午後の取引では一段売り込まれて下値抵抗と見られた7/24の1072.3ドルをあっさりと割り込み一時1064.4ドルと5年9ヶ月ぶりの安値に沈み、引け値でも1068.6ドル(−15.0)に急反落して引けています。テロで買われた部分の修正安もありますが、米金融当局により利上げ観測からドル相場がほぼ全面高となっていることや、原油を初めとする商品市況軟調推移もインフレへのリスクヘッジの後退も意識される下げとなっています。下落基調の継続もここにきて取組高が増加していることから、買い方ファンドのポジション調整が進むさなかに、弱気ファンドの新規売り攻勢も見られます。テクニカルでは下値抵抗を下に抜けたことから1050ドルを意識される展開となります。夜間取引の円建て相場も4207円まで一時売り込まれ安値を更新、本日の円換算は4220円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦が続落するも、ブラジルの大豆作付けの遅れ懸念から大豆が反発したことから、コーンも連れて反発しています。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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