本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2015年10月

金はファンドの投げに続落

おはようございます

【金融・為替】
昨日の日銀金融政策会合は8:1で現状を維持しました。今年度と2016年度の経済見通しが下方修正され、2%のインフレ目標は来年後半に先送りされましたが、関心事項の追加緩和は見送りとなりました。今週はFOMCで年内利上げの可能性の示唆から為替相場が円安方向に触れたことも、追加緩和の見送りの原因のひとつと推測されます。121円台から更に円安・ドル高が進行することは、日米の金融当局ともに望むことではないことと推測されます。それにしても据え置き発表後のドル円は上下に1円強動き、株価も激しく乱高下した様は追加緩和期待と据え置き予測の思惑の衝突でプログラム売買に翻弄される動きとなりました。

ドル円は120円前半から121円後半に上下動する動きも、120円60銭で今週の取引を終了し前日の東京から30銭程度の円高・ドル安でした。米国の複数の景気指標は好悪まちまちなもので、ユーロも変動幅は大きくなり引けは1.100ドルに小幅に続伸、対円132.7円と小幅保ち合いで引けています。ダウは高値警戒に92ドル安の1万7663ドルに続落し、10年債利回りは2.142%に低下しています。

【石油市況】
原由は46.59ドル(+0.53)に続伸し、ブレント相場も49.56ドル(+0.76)に続伸して引けています。10月最終営業日のポジション調整の買い戻しや、米リグ数の減少傾向が続いていることが価格押し上げ要因と見られます。

【貴金属市況】
前日に1150ドルの心理的抵抗線を下に抜けたNY金は、アジアから欧州時間は小幅に戻しましたが、NY時間はドル安にも関わらず1150ドルが逆に上傘となる重い展開が続き一時1138.4ドルまで下げ、小戻しするも1141.4ドル(−5.9)に続落して引けています。10月相場は1103.8ドルの安値から始まり米利上げ時期が来年に昨送りされる見通しに投機買いを呼び込み1191.2ドルまで約90ドル上昇し、FOMCが年内利上げ示唆から今度は買い過剰の投機筋の売り物に急落して1140ドル割れまで半値押す水準に切り下がりました。相場の主導権はいつも現物の荷動きでなく、NY先物市場の投機筋が主役となり買いすぎた相場は修正安を迎え、逆に売りすぎた相場は修正高を演じます。今回の一連の上昇相場は前者のもので、「いつか来た道」を繰り返す相場の常となりました。

一方で派手さはないものの、中国の香港経由の金輸入が9月だけで97tに上り記録的な高水準を記録しました。8月下旬に中国は通貨人民元を切り下げたことから、通貨元建ての金価格上昇観測から個人投資家が金に殺到して上海黄金交易所から金塊が900tも引き出されて市中に出回ることになりました。宝飾店や銀行が預けていた金塊を引き出し、旺盛な需要に応えるもので中国の個人投資家間では元の切り下げを契機に金購入が爆発して弾みが付く「暴買い」現象が起きているものと推測されます。販売好調から在庫の減少を補うために、上海黄金交易所は香港経由での輸入に追われています。

今後の展開としては投機筋が投げ退きポジション調整が進めば、米利上げをある程度織り込み、足元の中国やインドを初めとしたアジアの旺盛な需要の盛り上げを背景に再び下値を切り上げる展開となりそうです。来週末11月6日は米雇用統計で再び利上げ時期を占うこととなりますが、仮に予想以上の好調な雇用増となっても1100ドルの節目を割り込む底抜けの可能性は低いように思います。

【穀物市況】
穀物市況は小麦相場の急伸を受けてコーンも連れて続伸し、大豆も反発に転じています。

年内利上げ意識から金は続落

おはようございます

【金融・為替】
10月も最終営業日を迎えました。金融市場は引き続き米国の金利引き上げ時期や、日銀・ECB・・人民銀行の追加緩和を巡る思惑に揺れ、さらに世界第2位の経済大国である中国経済の失速懸念が市場の不安定さを助長する動きが来月にも尾を引きそうです。

ドル円は121円10銭前後で推移していて、昨日の東京市場から30銭の円安・ドル高水準となっています。米国では7−9月期のGDPが+1.5%と発表されて事前予想を若干下回る数値となりましたが、前日のFOMCで12月利上げの可能性を排除しない当局の姿勢からドルの軟化は限定的なものとなりました。ユーロは1.109ドルに反発していて前日の急落からのカバーに戻す展開となり、対円でも133.0円に反発しています。ダウは23ドル安の1万7755ドルに小幅に反落し前日の急伸から上げ一服し、10年債利回りは2.170%に上昇しています。

本日は日銀金融政策決定会合が開かれる予定で、米金融当局が年内利上げの可能性を担保したことから円相場が弱含みの反応を示していることから、追加緩和の可能性は後退しているものと推測されます。来週末11/6は米雇用統計の発表予定で、12月利上げを占う上で重要な指標となりそうです。明日30日は日本でも近年盛り上がりを見せる「ハロウィン」ですが、翌11月1日から米国は冬時間に入ります。

【石油市況】
原由は46.06ドル(+0.12)に小幅に続伸し期近限月の割安感から戻し、来春以降の眼月は軟化する動きを見せています。5ヶ月ぶりの当先の鞘の拡大を修正する動きとなっています。一方でブレント相場は48.80ドル(−0.25)に反落しています。供給過剰のファンダメンタルに変化はなく出直りに向かう力は弱いとみられ、戻り場面は売られやすい環境が続くものと推測されます。

【貴金属市況】
金は前日のFOMCで年内利上げを排除しない当局の姿勢に軟化しましたが、アジア時間では値頃感も働き1160ドル台に持ち直す動きとなりました。欧州時間から米国時間にかけては再び軟化し、100日移動平均線のある1150ドルを割り込み1147.3ドル(−28.8)に反落して引けています。推定出来高が本日28万枚に迫る大商いで、ファンドのロングポジションのストップ売りを多く巻き込んだものと推測されます。本日の円換算は4440円前後になります。

【穀物市況】
小麦相場の急伸を受けてコーンも連れて反発し、大豆は小幅に続落する」まちまちな展開となっています。

FOMCは12月利上げの可能性を残す

おはようございます

【FOMC】
政策金利は予想通りに据え置きとなり9:1の賛成多数で維持する維持することを決定しました。市場関係者の注目は9年ぶりの利上げをいつ行うのかであって「次回12月の会合で雇用と物価を見極めて、利上げが適切か見極める」として、年内利上げ先送り観測の市場予想を牽制し12月利上げに含みを残すものとなりました。

【金融・為替】
ドル円は120円前半の揉み合いが続きましたが、その後のFOMC声明文の内容が年内利上げに含みを残したことからドルが上昇して一時121円25銭までドル高・円安が進み現在121円10銭前後で推移し、昨日の東京市場から60銭前後の円安・ドル高水準、ユーロも円と同様に下落に転じて1.092ドルに下落し、対円は132.2円にユーロが続落しています。明日は日銀の金融政策会合が開かれますが、筆者の見立てでは今回のFOMCを受け為替相場が円安に触れたことから、更なる円安を引き起こす「追加緩和」は見送られる可能性が高まったものと思います。ダウは序盤に反発して開始後にFOMC発表直後に一時マイナス圏に急落後、今度は急反発に転じて198ドル高の1万7779ドルで引けています。声明文で年内利上げに含みを残したものの、米国経済が穏やかながら成長を維持しているとした見通しや、原油価格の急反発からエネルギーセクターの急騰が全体を引っ張った模様です。株高・債券安から10年債利回りは2.092%に上昇しています。

【石油市況】
原由は45.94ドル(+2.74)に急反発に転じ、ブレント相場も49.05ドル(+2.24)に続伸しています。WTIの受け渡し場所の在庫が1ヶ月ぶりに急減少したことを手がかりに大量をショートカバーを呼び込むテクニカル的な反発と思われます。このところ下落が続き市場が弱気に傾きすぎたことが、本日の主な上昇要因と考えられます。

【貴金属市況】
NY金はFOMCでの利上げ先送り観測からセッションは確りで推移し、一時1183.1ドルと23日以来の高値を示現して引け値も1176.1ドル(+10.3)に反発して引けています。日本時間午前2:30で引けたのちに同午前3:00のFOMCでは予想に反して年内利上げの可能性を残したことから今度は急反落に転じ、1152ドルまで下げる上下に30ドルの大きな振幅幅をみせました。金利を産まない金は金利引き上げを最も嫌気する材料であることが再認識され、ファンドのロングが大きく振るわれていることが推測されます。テクニカルでは1150ドル近辺にある100日移動平均線はサポートされたことから、再度出直りに向かうのか?或いは天井確認から1100ドルの方向に向かうか?の分岐点に差し掛かった模様です。円建て金は夜間取引で一時4559円と23日以来の高値を示現も、その後の急落から円換算は4480円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況はコーン・大豆・小麦ともに下落していて、収穫期のハーベストプレッシャーや輸出の低調、さらに作付時期を迎える南米の天候が順調なことを嫌気した模様です。

FOMC待ちにややネガティブな市況

おはようございます

ソフトバンクに押されっぱなしのヤクルトスワローズは地元神宮に戻り、山田選手が日本シリーズ初の3打席連続本塁打!やってくれました。

米艦船が中国の南沙人工島の12カイリ内の哨戒活動をしました。人権・民主主義・軍事的脅威といった問題よりもお金の力になびく欧州の首脳達とは対照的な今回の米国の行動、オバマ大統領は昨年「米国は世界の警察官ではない」と発言しましたが、まだまだ世界の派遣国家として意地を行動で示したようです。

今朝は昨夜の満月が曇空に見え隠れしてぼんやりと浮かんでいました。欧州は今週から冬時間開始、米国も来週から始まり、市場の開始時間や景気指標の発表なども一時間繰り下げられることになります。従って来週末11/6の米雇用統計は日本時間午後10時半になります。

【金融・為替】
ドル円は120円40銭近辺で推移していて昨日の東京から20銭の円高・ドル安水準に、ユーロは1.104ドルと小幅反落し、対円でも132.9円に続落(円は続伸)しています。ダウは41ドル安の1万7581ドルに続落して、10年債利回りは2.028%に低下しています。耐久財受注や消費者信頼感指数など複数の景気指標が事前予想を下回るなか、明日のFOMCを控えて手探りの金融市場の動きとなっています。

【石油市況】
原由は43.20ドル(−0.78)に続落して、ブレント相場も46.81ドル(−0.73)に続落しています。相場水準がテクニカルで下に放れたことから投機売りが入ったことや、供給過剰の改善傾向が見られないことに反応を示したものと見られます。

【貴金属市況】
金はアジアから欧州時間にかけて1165ドルを挟む小幅保ち合いが続きました。米国時間は景気指標が複数悪化したことから1170ドルに近づく場面も見られましたが、明日のFOMCを見極めたいとの動きもあり小康を保ち1165.8ドル(−0.4)で引けています。利上げ見送りは市場関係者のコンセンサスとなっていますが、声明文の内容(ハト派かタカ派か)が注目されます。本日の円換算は4500円前後になります。

【穀物市況】
小麦相場が堅調を維持した反面、コーンは反落し、大豆は反発に転じるまちまちな展開となっています。コーンは原油の続落からエタノールの先行き需要減退観測が弱気なトレードとなった模様です。

FOMCを控えてリスクオン一服

おはようございます

【金融・為替】
先週末に中国の利下げに沸いた金融市場のリスクオンの動きが一服し、本日より二日間の日程で始まるFOMCを控えて様子見ムードが広がる市場となっています。ドル円は中国の利下げに加えて30日の日銀会合での追加緩和期待から、一時121円50銭に迫る円安場面も見られましたが現在121円05銭前後で推移しています。同様に追加緩和期待の高まるユーロも1.100ドルから1.105ドルに小幅に反発し、対円は133.8円と小動きに終始しています。米国市場では9月の新築住宅販売が予想を大きく下回りリスクオンがやや後退して、ダウは23ドル安の1万7623ドルと小幅に反落してFOMC待ちのムードが広がっています。10年債利回りは2.054%に低下しています。

【石油市況】
原由は43.98ドル(−0.62)に続落し、ブレント相場も47.99ドル(−0.09)に小幅続落しています。目新しい材料には欠けるものの需給ファンダメンタルの弱さや、産油国の生産調整が進む見込みもないことから弱含みの推移が続いています。

【貴金属市況】
NY金はドル高の動きが一服したことや、9月の新築住宅販売が不調であったことから一時1170ドル近くまで戻す場面も見られましたが、FOMCを控えた模様ながめから1160ドル台での揉み合いに終始して1166.2ドル(+3.4)に小反発しています。米利上げの先送り観測や、ECBの追加緩和期待、さらに中国の利下げがこのところの上昇要因となっています。一方でファンドのロングが470tと2月以来の高水準に膨らんでいることが今後の波乱要因と見られます。本日の推定出来高は僅かに8.3万枚と不冴えな市況で、FOMCに向けてポジションを傾け難い市況となっています。本日の円換算は4510円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦の急伸や降雨予報から収穫期のコーンも大幅に続伸する一方で、大豆は収穫の進展を逆に売り物に押されて続落を強いられる相反する値動きとなっています。

今週はFOMCがメインイベント

おはようございます

10月も最終週に入り週末は木枯らし1号が吹き荒れて、今朝は冷え込みがきつく感じられます。軽井沢や日光では氷点下の朝を迎えて、北海道では初雪の便りが届いています。一方で昨日はトルコ大使館前で乱闘が起こり、トルコ人とクルド系トルコ人の衝突がありました。クルド系の人々は国家を持たず、トルコやシリア・アフガニスタンにまたがり住んでいて、ISとも敵対関係にあります。第2次大戦後に線引きされた中東の国境はもともと西側戦勝国が決めたことで、そこには人種や民族とは無関係で分けたことも中東情勢を複雑にさせています。

さて、週末は中国の予想外の金融追加緩和に沸いた金融市場は世界的な株高をもたらせて、にわかに市場関係者を躍らせています。中国では今日から29日まで4日間の予定で5中全会(第18期中央委員会第5回全体会議)が開かれ、今後5年間の経済運営の方針を定めるようですが、具体的な数値の発表は来年3月の全人代の時期になるものと思われます。

先週は中国の追加の緩和策発表まえは、ECBドラギ総裁による年内の追加緩和を強く意識させる発言もリスクオンに火をつけたようです。米国や英国では利上げ時期を模索する動きですが、中国や欧州・そして日本の緩和政策を継続する動きから、世界の金融市場は引き続き低金利の過剰流動性に支えられるいびつな構造が続いています。

米国では27・28日両日にFOMCが開かれ、いまのところ政策金利の据え置き予想が大勢を占めています。日本時間29日午前3時に政策金利と声明文の発表あり、利上げに対する議論の内容が今週の注目材料となります。週末30日には日銀の金融会合があり、その後の黒田総裁の会見にも注目が集まります。

今週もよろしくお願いします

中国追加緩和にリスクオン

おはようございます

【金融・為替】
中国人民銀行は貸出・及び預金基準金利をそれぞれ0.25%に引き下げ、昨年11月から6度目となる追加の緩和策を発表しました。さらに銀行の預金金利の上限を撤廃(政府の基準金利が残るため銀行間の個々の競争は難しい?)したことがサプライズとなりました。来週開かれる5中全会を控えて中銀の緩和策が後押しするものと

ドル円は東京市場での株高のリスクオンから一時121円に接近しましたが、欧州時間では120円20銭台に修正し、その後は中国の追加緩和の報に再び円安方向に振れて121円45銭と二日間連続で大幅な円安・ドル高で今週の取引を終了しました。ユーロも同様に中国報道やECBの追加緩和期待、更には株高のリスクオンの動きにドル高が進み1.105ドルに続落して引け、再びドルとユーロが1対1に向かうパリティを意識される水準となっています。対円も133.8円に続落しています。

ダウは157ドル高の1万7646ドルに続伸(日経先物1万9100円台に続伸)し、10年債利回りは2.084%に小幅に上昇しています。株式市場が世界的に持ち直す動きはFRBの金融政策を進めやすくさせるものの、一方でドル高は輸出産業の障害となりインフレ目標の下ぶれにもつながり、利上げ見送りの可能性の高い来週のFOMCでも議論の対象となりそうです。来週末30日の日銀の金融政策会合も121円に軟化した円相場を更に下落に向かわせることから、今週の円安基調が追加緩和に動きにくくさせるものと考えられます。

【石油市況】
原由は44.60ドル(−0.78)に続落し、ブレント相場も47.99ドル(−0.09)に小幅に続落しています。今週はドル高が進行したことや、払拭されない供給過剰から上値の重い展開を強いられています。

【貴金属市況】
金はアジア時間では1165ドル前後での保ち合いとなりましたが、欧州時間から徐々に上昇に転じ中国の追加緩和が報道されると1180ドル近くまで買い進められ、その後はドル高に押されて徐々に水準を切り下げて1162.8ドル(−3.3)に続落して引けています。中国や欧州・日本といった国々の金融緩和政策の持続は金価格の押し上げ要因となり円建てやユーロ建ての金価格は先週の高値を抜けました。その一方で基軸通貨米ドル建ての金価格には下押し要因となり、NY金は先週の高値1190ドルを抜けずに今週の取引を終了しました。来週は27・28日のFOMCでは利上げを見送ることが既に市場のコンセンサスとなっていますが、声明文のニュアンスがハト派的かタカ派的なものかで金相場は揺れることになりますが、10/15日の1190ドルを抜けなければ修正場面が続くことも考えられます。取組高が今月に入り120t急増し買い人気の高まりを示し、CFTC(米商品先物取引委員会)によると20日現在のファンドのネットロングは470.5tに積み上がり、年初1,300ドルを示現したとき以来の高水準となっています。週明けの円換算は4520円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は反収アップの大豆が小幅に続落し、小麦も続落、コーンは週末要因の小幅に続伸しています。

ドラギマジック健在

おはようございます

【金融・為替】
注目されたECB理事会は予想通り政策金利は据え置くも、その後のドラギ総裁の会見では「経済成長とインフレ見通しに下向きリスクがあり、量的緩和拡大の可能性ある」との発言からユーロは1.133ドルから1.109ドルに急落、対円でも135.8円から113.9円に急落しました。このところユーロが堅調に推移したことから複数のECB幹部よりユーロ高牽制発言を繰り返していましたが、ドラギ総裁がそのトリを取った形で追加緩和を強く印象付けてユーロ軟化に導くことに成功?した模様です。

追加緩和期待に欧州の株価が急上昇に転じたリスクオンの動きからドル円も120円70銭近辺に円が大きく反落に転じました。欧州の株高や米新規失業保険申請が事前予想を大きく下回ったことを好感して株価が急反発して、ダウは320ドル高の1万7489ドルに上昇し、10年債利回りは2.017%に低下しています。中国経済の鈍化観測が台頭していることや、米利上げ時期に振り回される状況が続きましたが、欧州版QE期待が本日のリスクオンの要因です。またしても金融市場はQE依存症という強い中毒性の反応を示していますが、QE出口の後遺症は米国が最初に体験するわけですがQEの魅力が強く、出口に向けた足ふみ状態が続いています。

【石油市況】
原由は45.38ドル(+0.18)に小幅に反発して、ブレント相場も48.08ドル(+0.23)に同様に反発していますが、株価急伸の高材料もドル高進行に押されて前日までの急落に対する小幅修正高にとどまっています。

【貴金属市況】
調整局面が続く金相場は1166.1ドル(−1.0)に小幅に続落して引けています。それにしても株価急伸やドルの堅調といった二重苦のなか、意外にも金相場が下げに対して踏みとどまる強さを感じさせる一日となったようです。今月は序盤の下値から約90ドルの上昇を示し、ドル高に反転する動きから30ドル前後の調整安となっています。ドル相場が対ユーロで1ヶ月ぶりの高値次元も下抜けを踏みとどまり1/3押しの水準となりましたが、米利上げ先送り観測や欧州版QEが金をサポートする図式となっています。今週のECBに続き来週は27・28日にFOMC、中国では金融経済政策を司る五中全会開催、月末は日銀金融政策会合といった当局のイベントが続き金相場にも影響しそうです。本日の円換算は4500円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦相場の急反落や、ドル高の動きに押されて全般に反落模様となりました。

金はインフレヘッジニーズ後退に反落

おはようございます

【金融・為替】
ドル円は119円90銭前後で推移していて昨日の東京市市場とほぼ変わらず、ユーロは1.133ドルと小幅反落し、対円は135.9円とこちらもユーロが小幅に軟化しています。日米の金融会合は来週予定されていますが本日はECB理事会が開かれます。ECBの幹部からは月額600億ユーロの債券購入プログラムを維持する発言や、追加の緩和を匂わせる発言等が見られますが総じて今回は追加緩和見送りが大方の予想となっています。ダウは48ドル安の1万7168ドルに続落して、10年債利回りは2.028%に低下しています。米国市場では重要指標の発表は今週はなく、金融市場は方向感のない中で手探りに推移しているといった感じです。

【石油市況】
原由は45.20ドル(−1.09)に急反落して、ブレント相場も同様に47.85ドル(−0.86)に反落しています。今月に入りOPECと非OPECの強調減産の可能性から一時50ドル台を回復しましたが、足元の供給過剰から再び売り込まれて2日以来の安値に沈んでいます。本日はスイスにあるOPECの本部で双方の会合がもたれますが、減産に向けた話し合いが実を結ぶとの見方はほぼ皆無で、産油国の台所事情はサウジといえでも苦しく他力本願の減産期待は窄む可能性が高いようです。

【貴金属市況】
金は反落に転じて1167.1ドル(−10.4)で引けていて、15日の高値1191.7ドルから一時30ドル近い修正安となりました。今週はユーロの上昇にやや陰りが見られ、ドル指数も下落が一服していることからドル高に押される展開となっています。月初の雇用統計や先週の小売売上高の不調から年内利上げ観測が後退してのドル安基調背景に、2週間で90ドル前後に及び上昇した動きもドル安一服からの調整となっています。ここにきて原油価格が下げどまる気配がなくインフレヘッジニーズが後退したことや、テクニカルでも200日移動平均線(1176$)を下に抜けたことも利益確定売りに押されている模様です。一方で利上げ時期の先送り観測は根強く今後も金価格の下値を支えられるものと推測され、ETFの減少傾向に歯止めが掛かりつつあることや中国・インドの需要拡大観測の見方も根強いようです。本日の円換算は4480円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は総じて続伸していて、コーン・小麦・大豆とも続伸しています。中国の買い付け観測や一部産地で降雨による収穫停滞が好感しての動きのようです。

商品市場は全般にドル安に支えられ小反発

おはようございます

秋が深まる毎日ですが、日の出が5時50分台で日の入り4時50分台とめっきり昼時間が短くなりました。今夜は天気が良ければ夜空の真上にオリオン座流星群がピークとなります。夜遅くから早朝にかけて見頃のようで、星座の季節も秋から冬に衣替えですね。

【金融・為替】
ドル円は119円85銭と昨日の東京市場から更に40銭前後の円安・ドル高で推移、9月住宅着工件数が年率120.6万件と事前予想の114.2万件を大きく上回り、1.138ドルまで上昇していたユーロも上げ幅を縮めて1.134ドルで推移しています。対円は135.8円に続伸しています。ECBの理事会を明日に控えてこのところのユーロ高を牽制する発言が当局から出されていますが、追加の緩和政策に動くには時期尚早と見られてユーロを買い戻す動きが継続しています。イエレン議長は労働省の記念行事で講演しましたが、金融政策の手がかりとなる発言がなかった模様です。ダウは13ドル安の1万7217ドルに小幅に反落して、10年債利回りは2.070%に上昇しています。

【石油市況】
原由は納会を迎える当月は45.55ドル(−0.34)に続落も2番限以降は小幅に反発も、総じて前日までの下落基調を転換させるだけの背景はなく冴えない安値保ち合いが続きました。ブレント相場も48.71ドル(+0.10)に小幅に反発しています。

【貴金属市況】
金は先週の高値からの修正場面が続きアジア時間で一時1170ドルを割り込む場面も見られましたが、夕刻からユーロが上昇に転じてドルが軟化に転じたことから反転上昇に向い1180ドルを超える場面も見られました。引け値ベースでも1177.5ドル(+4.7)と4営業日ぶりの反発となりました。取組高の急増が示すようにやや買い過剰の修正となりましたが、現状は買い方ペースの展開が継続していてドル相場の展開次第では一段上を目指す可能性も考えられます。本日の円換算は4500円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は前日までの軟調推移から反発に転じる動きで、コーン・大豆・小麦ともに反発して引けています。収穫の進展でハーベストプレッシャーが意識されやすい環境ながら、ドルが対ユーロ等で下落に展示たことも反発の背景にあるようです。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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