本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2015年06月

ギリシャ・ショックが世界に波及

おはようございます

【金融・為替】
先週末にIMF・ECB・EUの支援策を拒否して7/5の国民投票を発表したギリシャに、週明けの世界の金融市場を震撼させることになりました。通貨ではユーロが主要通貨に対して下落し、対ドルで一時1.10ドルを割り込み、対円でも一時134円を割り込む4円幅に及ぶ急落、株式市場は東京が600円近く(2.8%)急落し、日曜日に利下げした中国上海株もギリシャ混乱の余波を受けて3.3%下落、渦中のユーロ圏主要国の株価は3.5%〜5%強の暴落につながり、ダウ平均も350ドル(1.95%)の下落となっています。

格付会社S&Pはギリシャのデフォルトの可能性を50%と見通し、債券市場ではイタリア・スペインの国債が下落して利回りが上昇し、逆にドイツの債券が上昇して利回り下落の反応を示し、ギリシャ=南欧危機=回避の独国債買いのリスクオフの動きとなっています。5日に控えるギリシャの国民投票は緊縮策にイエス&ノーを問うもので、事実上のユーロ残留を国民の問うものとなります。イエスが半数以上を占めればユーロに残留することが決まり、本日のIMF向け15億ユーロの支払いは支援が決定してからになるものと推測されます。ユーロ圏の首脳から週明けもギリシャへのラブコールが聞かれ、ギリシャ国民のユーロ残留への意思を喚起しています。

現在の市況はドル円が122円55銭と昨日の東京とほぼ変わらず、ユーロは買い戻されて1.123ドルに急反発し、対円でも137.7円前後で推移しています。ダウは350ドル安の1万7596ドルに急反落し今年最大の下げ幅となり、10年債利回りは2.320%に低下しています。

【石油市況】
原由は58.33ドル(−1.30)に下落し、ブレントも62.01ドル(−1.25)に急落しています。ギリシャ問題に金融市場が振り回される展開で、原油市況にもネガティブな影響を与えているようです。

【貴金属市況】
金は昨日の朝7時のNY金自海外取引の開始時間に1187ドルに跳ねる場面が高値で、その後は1180ドルを挟む保ち合いが続き、NY金の引けは1179.0ドル(+5.8)の反発にとどまり安全資産としての買いを集めたとは言い難い値動きとなりました。余談ですがギリシャ中銀の保有金は110t強で時価にして6,000億円を超える持ち高ですが、売却して債務の支払いに充てるのか、或いは金融有事だからこそ破綻に備えて保有を継続するのか気に係るところです。本日の円換算は4640円前後になります。

【穀物市況】
小麦相場が大幅に続伸して、大豆も続伸、コーンは小反落しています。降雨による減産観測が続くものの、株安・原油安の影響からコーンは高値修正となっています。

ECBも支援見送り孤立するギリシャ

おはようございます

ギリシャへの支援協議が決裂したことにより、ECBの緊急流動性支援(ELA)の対応が注目されていましたが、900億ユーロの支援上限を維持(追加支援停止)しました。これによってECB→ギリシャ中銀→ギリシャの民間銀行への支援が止まることになり、銀行の営業は29日(月)の休業が決まりました。

ギリシャ政府は5日(日)にユーロ残留を問う国民投票を実施する予定ですが、現状では緊縮受け入れ(ユーロ残留)は世論調査では7割が受け入れ賛成と見られています。30日に迫ったIMF向けの15億ユーロの支払を出来なければドフォルトの認定を受ける瀬戸際となっています。

一方のギリシャを除くユーロ圏18ヶ国はギリシャのデフォルトやユーロ離脱に備えて、金融市場が混乱して南欧債が急落に見舞われた場合には、欧州安定メカニズム(ESM)を通じて金融機関や政府の資金繰りを支援する体制を整えています。

週明けのユーロは1.096ドルに1%強の急落に見舞われていて、対円でも124.5円台で3円強の大幅円高で推移しています。安全通貨として円は対ドルでも上昇して現在122円50銭近辺で推移し、週末から1円20銭前後の円高・ドル安水準となっています。株式市場は急落して始まる可能性が高く、金価格は安全資産として反発して、このところギリシャ支援を期待して戻した白金価格は下落する見通しです。

今週も宜しくお願いします

ギリシャ危機再燃

こんにちは

日曜日の更新は前回いつだったかは思い出せないほどさかのぼります。

ギリシャは債権者側の資金支援を11月まで延長する緊縮要請を拒否し、緊縮策の是非をめぐる「国民投票」の実施を7月5日に決めました。土壇場では双方の歩み寄りから合意されるとみられましたが、ギリシャ政府の強硬な判断で見事に裏切られる状況となりました。対してユーロ圏財務相会議はギリシャ政府の数日間の支援延長を拒否し、ギリシャが30日に迫ったIMFへの15億ユーロの支払いが困難となればデフォルトに陥る可能性が高まってきました。

チプラス政権として先の選挙公約で「反緊縮」を訴えて政権を樹立しました。ユーロ側の緊縮策受け入れは公約違反となり、国民の7割がユーロに残留すると望んでいる世論調査から国民投票で緊縮賛成となれば、政権を維持しながらユーロ残留の読みがあるようです。但し、数日間の支援延長を拒否されたことからデフォルトの可能性が浮上しています。既に他のユーロ加盟国はギリシャのユーロ離脱に備えて対応を講じています。

ギリシャ国民は混乱の中、個人の資産確保に銀行のATMに行列が出来ていますが、明日の月曜に銀行が開くのか、或いは資本規制(預金引き出し停止)が起こるのか、そして資本規制回避にECBのギリシャ民間銀行への緊急支援が増額されるのか注目されます。

このままの状況で金融市場が明日開かれれば、ユーロは急落し、ドルと円が安全通貨として買われる可能性が高く、株価は下落して安全資産として金が反発するものとして推測されますが、果たしてどうなりますか?新たなユーロ側の出方もあり注目されます。

本日最終のギリシャ協議に注目

おはようございます

フランス・チュニジア・クェートでイスラム過激派によるテロが起きています。ISはラマダンのこの時期に異教徒へのテロを呼びかけていました。フランスでのテロや邦人被害のチュニジアの件は記憶に新しいとこで、ISによるテロの根絶に向けた国際社会の対応が今後も問われることになります。

さて、ギリシャ支援は一連の財務相会議、さらに首脳会議で合意に至らない状況のなかで今夜予定されている財務相会議で合意に向けた交渉に期待が集まります。支援の11月末までの5ヶ月間の延長と2兆円を超える救済資金融資が債権団から提案されていますが、ギリシャ側は週明け提案の訂正に応じることが条件で財務相会議で詰めを急ぐことになります。

市況は外為市場はドル円123円80銭・ユーロは1.134ドル・対円139.2円と概ね保合いで今週の取引を終了、ダウは56ドル高の1万7947ドルに反発しています。今週は週前半の住宅指標が好調であxたことや、週間の失業保険申請件数が連続して30万件を下回り、本日の消費者信頼感指数も予想を上回り米国経済は好調を維持しています。来週末7月4日は独立記念日の関係で、恒例の雇用統計は珍しく2日(木)の発表となります。

10年債利回りは2.474%に上昇し、利上げに向けた動きが想定されています。7月の雇用統計は9月の利上げの可能性を占う意味でも重要性がたかいものとなります。商品市況は原油はWTIとブレントともに小幅な保合い推移、金はギリシャ支援延長期待に一時1160ドル台の後半まで下落も、レンジの下限で下げ止まり前日比では小幅に反発(円換算4660円)して引けています。穀物市況は今週の穀倉地帯での豪雨にショートに傾いたポジション調整に続伸しています。

本日のギリシャ協議が週明けの市況に影響をあたえることもあり(日本時間今夜深夜開始)注目しています。よい週末をお過ごしください!

ギリシャ協議不調にネガティブな展開

おはようございます

【金融・為替】
ギリシャ支援をめぐるユーロ財務相会議は合意を持ち越し、このあとの首脳会議を含めてどうやら土日返上の協議となりそうです。IMFへの30日支払いのタイムリミットが瀬戸際から更に尻に火がついた状態まで迫っています。金融市場はギリシャに翻弄されて、身構える状況が続いています。ドル円は123円65銭と保ち合い小動きに終始、ユーロも1.119ドルと同様で、対円138.5円前後で推移しています。ダウは75ドル安の1万7890ドルに続伸して、10年債利回りは2.407%に上昇しています。

【石油市況】
原由は59.70ドル(−0.57)に続落して、ブレント相場も63.20ドル(−0.29)に続落しています。米原油在庫は8週連続の減少ながら、生産量の高水準維持が重石となり引き続きレンジ相場が続いています。

【貴金属市況】
金は4日連続の下落に1171.8ドル(−1.1)に小幅に続落しています。ギリシャ支援の交渉難航は上昇要因ながら下値を切り上げる動きにはつながらず、1170ドル台に下落も中国やインド・タイといったアジアの実需買いが冴えないこともあり、冴えない市況展開となっています。本日の円換算は4650円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は中西部の穀倉地帯への大雨から小麦・コーン・大豆共に急反発しています。

ギリシャ支援協議難航に株安のリスクオフ

おはようございます

米上院でTPP関連法案が可決され、アベノミクスの看板政策のひとつが大きく前進することになります。日本株にもプラス材料となりそうですが、このところ連騰の欧米株式市場の反落はやや向かい風の本日の市況となりそうです。法案はオバマ大統領の署名によって成立します。

【金融・為替】
ドル円は一時124円38銭まで円安進行もその後の株安もあり、小幅に買い戻されて123円90銭前後で推移していて昨日の東京市場とほぼ変わらず、ユーロは1.120ドルに小幅に反発、対円も138.7円と小動きに終始しています。ギリシャ支援を協議は続けられていますがギリシャと債権者側の隔たりはまだ大きいようで、週末にかけての首脳会議での合意は予断を許さない情勢の模様です。ダウは178ドル安の1万7966ドルに急反落して、このところの急伸に対する修正安となっています。10年債利回りは2.374%に低下しています。

【石油市況】
原由は60.27ドル(−0.74)に反落して、ブレント相場も63.49ドル(−0.96)に反落しています。米原油在庫の減少が傾向が続くものの高水準の在庫情勢に変化はなく、レンジの上限で跳ね返される展開となっています。

【貴金属市況】
金は欧州市場で債権団がギリシャの提案を拒否するとの報道に一時1180ドル近辺に戻す場面も見られたようですが、その後のNY市場ではGDPの確報値が上方修正されたことに反落して1172.9ドル(−3.7)と3日続落しています。ギリシャ支援の協議は紆余曲折があるものの最終的には支援延長の可能性が高いとの思惑に押されている模様です。原由とは逆にレンジの下限近辺を推移しています。本日の円換算は4670円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦・コーン・大豆ともに反落に転じています。このとことの豪雨を織り込み、本日は原油や株式市場が軟調に推移したことに押された模様です。

引き続きギリシャ情勢を好感

おはようございます

【金融・為替】
週明けに一気にギリシャ支援が急展開し、週後半のユーロサミットまでには合意に至る状況にようやくこぎつけた模様です。ECBはこの一週間で4度に渡るギリシャ銀行向けへの支援資金を供給して、6月の預金引き出し1兆円超に対する側面支援をして、24日にはギリシャ首相・IMF専務理事・ECB総裁・ユーロ議長の4者会合も予定されています。公約違反のチプラス政権へのギリシャ国内のひと悶着は避けられないものの、粛々と合意に向けたシナリオが順調に進むことが想定されます。

ギリシャ危機の後退は世界的な株高を演出して、アジア・欧州・米国と週明けからの2営業日で大きく買い進められました。ユーロ圏のPMI速報値も4年ぶりの高水準と発表されて、ギリシャ問題が一区切りついて金融市場の視線は再び米国市場にスイッチされるものとなります。FRBのパウエル理事(ハト派)はこの日、今年9月と12月の二度の利上げを予想し、米利上げ時期を巡る思惑が今後も金融市場のメインテーマとなりそうです。

ドル円は123円90銭前後で推移していて小幅な円安水準、ユーロは1.116ドルに下落してギリシャ支援の不透明感の後退に欧米の金利差を意識する動きとなり、対円でも138.3円に軟化しています。ダウは24ドル高の1万8144ドルに小幅に続伸し、前日の中古住宅に続き、この日の新築住宅販売も好調を維持したことを好感しています。10年債利回りは2.410%に上昇しています。

【石油市況】
原由は61.01ドル(+0.63)に続伸し、ブレント相場も64.45ドル(+1.11)に続伸しています。ドルが対ユーロで上昇する逆風のなか、これといった目新し買い材料もない状況で、米国の原油在庫の減少が続くことを手がかりに投機買いに上昇しています。レンジの上限接近にこれまで通りに反落に向かうのか、或いは勢いを借りて上抜けるのか注目されます。

【貴金属市況】
金は週明けからギリシャ支援協議の合意に向けた動きに反落しましたが、本日も逃避買いの解消に向けた手仕舞い売りや、ドルの対ユーロでの上昇を嫌気して続落し1176.6ドル(−7.5)に続落を余儀なくされています。本日の円換算は4680円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は引き続き先導役の小麦相場が大きく続伸し、こーんもこのところの豪雨被害の広がる観測に大幅に続伸し、大豆は小反落しています。

ギリシャ支援協議進展期待にリスクオン

おはようございます

【金融・為替】
ギリシャの改革に向けた新提案に基づき財務相及び首脳会議が開かれましたが、現状はまだ合意に至らない情勢が続いています。但しECBが預金引き出しが深刻なギリシャの銀行への支援をこの一週間で3度にわたり引き上げて、ギリシャの民間銀行への側面支援に力をいれています。新提案の具体化を巡り今後は週後半のサミットに向けて連日のように討議される見通しで、支援に向けた協議は合意に向けて進行していくものと推測されます。

金融市場はギリシャ支援の協議が合意に向けて進行していることを好感して、アジアから欧米市場の株価は大きく上昇して歓迎ムードが広まりを見せています。日経平均は250円高に上昇して、ユーロ圏株価は各国共に3%を超える急伸、NYダウも103ドル高の1万8119ドルに急反発しています。米国では中古住宅販売も予想を上回る好調であったことも株価押上の一因と見られます。シカゴの日経先物も更に100円強続伸して、世界的な株価上昇の一日となりました。

ドル円はリスクオンの動きに123円35円前後に前日から40銭の円安・ドル高で推移、ユーロは一時1.340ドルに上昇して現在1.338ドル前後で推移、対円は139.8円と小幅保ち合いで推移しています。10年債利回りは景気指標の改善もあり2.372%に上昇しています。本日は新築住宅販売と耐久財受注の発表が注目されます。ユーロの盟主ドイツはギリシャの改革案には物足りなさから更なる具体化を求めていますが、EUの東南に位置するバルカン半島の地政学上の位置の重要性もあり、不本意ながらもギリシャを擁護する方向に向かう雲行きです。

【石油市況】
原由はWTIが59.68ドル(+0.07)に、ブレントが63.34ドル(+0.32)にそれぞれに小反発しています。欧米株式市場の堅調推移が好感される状況に加えて、月末に迫るイランの核協議が延長される可能性も反発要因と見られます。

【貴金属市況】
金はユーロサミットでギリシャ支援の合意に向けての進展観測の高まりに続落し、1184.1ドル(−17.8)と先週のハト派的なFOMC好感で買い進められた分を吐き出す展開となりました。本日の円換算は4690円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は株価や原油価格の上昇を好感する買い物や、先週の豪雨被害に対する懸念から小麦・コーン・大豆共に急反発しています。

今週はギリシャが焦点

おはようございます

今日は「夏至」、一年で一番昼時間が長い一日、ですが梅雨空続きで長い日照時間が実感できないことも事実ですね。

さて、時間切れが迫るギリシャ支援協議の行方が今週のメインイベントとなります。チプラス首相は20日に独・仏両首相に新たな改革案を提示したとの報道で、本日のユーロ首脳会議の前の財務相会議で討議される見通しです。債権団からの年金削減と付加価値税の引上げ要請に対して、ギリシャ側が本気で対応できるのかが焦点になりそうです。残留か?離脱か?世界の金融市場に及ぼす影響は少なくない情勢で、気の揉めるところです。

今週も宜しくお願いします

22日のユーロ首脳会議が週明けのイベント

おはようございます

東京は梅雨の晴れ間の一日となりそうです。

海外市場は比較的静かな動きで、ドル円は123円を挟む保合いに122.7円近辺で今週の取引を終了、ユーロは1.134ドルとこちらも保合い、対円は139.2円にユーロが軟化しています。株価は前日の急反発の調整に101ドル安の1万8014ドルに反落して(日経先物40円前後小反落)、原油安からエネルギーセクター中心の調整となっています。商品市場は概ね軟調に推移して原油は60ドルの大台を割り込み、金はギリシャ情勢を横睨みも1200ドル前後で保合いに終始(円換算4730円)しています。

週明けはユーロ緊急首脳会議が開かれ、ギリシャ協議とギリシャのユーロ離脱も議論される見通し、30日IMFへの返済に残された時間は10日間でギリシャの瀬戸際も大詰めを迎えることになります。

良い週末をお過ごしください!
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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