おはようございます
週末・月末・四半期末の最終営業日は、もともと期待の持てないユーロサミットが結果的に目先はポジティブサプライズとなりました。サミットも決定は既に発表されていた12兆円規模の景気浮揚策のみと見られていましたが、欧州金融安全網(EFSFやESM)を活用して経営不振の銀行を救済することで合意しました。しかも金融安全網の優先権を放棄し、銀行監視システム完成後は支援が該当する政府を経ずにダイレクトに金融機関に融資するものとなりました。
先ず、優先権の放棄は既存の国債保有者(例えばスペイン債)や今後新たに国債を保有する投資家にも有利となり、国債投資に消極的となっている投資家の背中を押してあげることになります。(スペイン政府に万一のことが発生すると、優先権を持つ機関が優先的に債権回収に動くことを阻止できることによって市場に安心感を与える)更に銀行監視システム構築後にはなりますが、融資が該当する政府を経由しないで直接金融機関に融資されれば、直接政府の財政悪化を避けることが可能となります。(政府経由となれば政府保証を付けたり、政府の財務内容が悪化することが考えられます)
この発表を受けて各国の10年債利回りはスペインが7%台→6.3%に低下、イタリアも6%台→5.8%にそれぞれ急低下しています。両国の資金調達金利の低下によって、市場にはリスクオフの緊張感が緩和に向かう動きとなりました。伊モンティとスペイン・ラホイ両首相の主張を、サルコジに変わった仏オランド大統領が独メルケルとの橋渡しを果たした結実といってもいいのではないでしょうか。メルコジと呼ばれた独・仏の蜜月関係では果たせなかった成果と思われます。
但し詳細の詰めの部分がまだ公表されてはいませんし、なにしろ欧州の債務危機の根っこの部分が解消されたわけではありませんから、諸手を挙げてリスクテークの判断は下せないものと筆者は考えています。ユーロ首脳の努力の成果に対して、今度は来週7月5日開催のECB理事会へのプレッシャーをかけるもので、現在1.0%と日米のゼロ金利からみれば下げ余地の残る政策金利の引下げにつながるものか、注目度はこれまで以上となりそうです。
【金融・為替】
ドル円は79円80銭近辺で終了しておりややドル高・円安方向ですが、80円近辺が上値の上限となっている展開です。ユーロはアジア時間の1.244ドルから1.266ドルに急反発(対円では98円50銭〜101円台に)しています。ダウは277ドル高に急反発し1万2880ドルと5月中旬以来の高値に上昇、10年債の利回りは1.650%に上昇しています。全ては欧州の債務危機の後退を好感した反応を示していて、首脳間協議に対する一定の市場の評価となっています。
【石油市況】
原油市況も欧州の債務危機に対する動きを評価するもので、WTIは84.96ドル(+7.27)と上昇幅は1年4ヶ月ぶりのもので、ブレントも97.80ドル(+6.44)の反応となっています。
【貴金属市況】
貴金属市況も軒並み急反発に転じており、金は1604.2ドル(+53.8)と2週間ぶりに1600ドルの大台に復帰していましゅ。但しその後の時間外はややだれて、スポット価格は1597ドル近辺で今週の取引を終了しています。しかし、これだけの値幅にも関わらず推定出来高は20万枚を僅かに超える程度で、人気の回復には程遠い状況と言わざるを得ない状況です。CFTCにもそのあたりが表れていて、投機筋の買い越しは前週比−21tの403tに減少しています。もっともポジティブに考えれば買い余地の増加の可能性が高まると、考えられなくもないというところでしょうか。最大の金ETF・SPDRは前月比+9.25tの1279.51tと、こちらはリスクオフ・モードの悲観にも関わらず安全資産としての保有高増加をキープしています。新興国中銀の保有も今月さらに増加しているものと推測されます。
【穀物市況】
穀物市況は農務省報告によると大豆もコーンも作付面積は事前予想をやや上回り、四半期在庫はコーンが予想をやや下回り、大豆は逆にやや上回るものとなっています。依然として米穀倉地帯の高温・乾燥を囃す動きから、大豆相場中心に堅調地合いを維持しています。
週末・月末・四半期末の最終営業日は、もともと期待の持てないユーロサミットが結果的に目先はポジティブサプライズとなりました。サミットも決定は既に発表されていた12兆円規模の景気浮揚策のみと見られていましたが、欧州金融安全網(EFSFやESM)を活用して経営不振の銀行を救済することで合意しました。しかも金融安全網の優先権を放棄し、銀行監視システム完成後は支援が該当する政府を経ずにダイレクトに金融機関に融資するものとなりました。
先ず、優先権の放棄は既存の国債保有者(例えばスペイン債)や今後新たに国債を保有する投資家にも有利となり、国債投資に消極的となっている投資家の背中を押してあげることになります。(スペイン政府に万一のことが発生すると、優先権を持つ機関が優先的に債権回収に動くことを阻止できることによって市場に安心感を与える)更に銀行監視システム構築後にはなりますが、融資が該当する政府を経由しないで直接金融機関に融資されれば、直接政府の財政悪化を避けることが可能となります。(政府経由となれば政府保証を付けたり、政府の財務内容が悪化することが考えられます)
この発表を受けて各国の10年債利回りはスペインが7%台→6.3%に低下、イタリアも6%台→5.8%にそれぞれ急低下しています。両国の資金調達金利の低下によって、市場にはリスクオフの緊張感が緩和に向かう動きとなりました。伊モンティとスペイン・ラホイ両首相の主張を、サルコジに変わった仏オランド大統領が独メルケルとの橋渡しを果たした結実といってもいいのではないでしょうか。メルコジと呼ばれた独・仏の蜜月関係では果たせなかった成果と思われます。
但し詳細の詰めの部分がまだ公表されてはいませんし、なにしろ欧州の債務危機の根っこの部分が解消されたわけではありませんから、諸手を挙げてリスクテークの判断は下せないものと筆者は考えています。ユーロ首脳の努力の成果に対して、今度は来週7月5日開催のECB理事会へのプレッシャーをかけるもので、現在1.0%と日米のゼロ金利からみれば下げ余地の残る政策金利の引下げにつながるものか、注目度はこれまで以上となりそうです。
【金融・為替】
ドル円は79円80銭近辺で終了しておりややドル高・円安方向ですが、80円近辺が上値の上限となっている展開です。ユーロはアジア時間の1.244ドルから1.266ドルに急反発(対円では98円50銭〜101円台に)しています。ダウは277ドル高に急反発し1万2880ドルと5月中旬以来の高値に上昇、10年債の利回りは1.650%に上昇しています。全ては欧州の債務危機の後退を好感した反応を示していて、首脳間協議に対する一定の市場の評価となっています。
【石油市況】
原油市況も欧州の債務危機に対する動きを評価するもので、WTIは84.96ドル(+7.27)と上昇幅は1年4ヶ月ぶりのもので、ブレントも97.80ドル(+6.44)の反応となっています。
【貴金属市況】
貴金属市況も軒並み急反発に転じており、金は1604.2ドル(+53.8)と2週間ぶりに1600ドルの大台に復帰していましゅ。但しその後の時間外はややだれて、スポット価格は1597ドル近辺で今週の取引を終了しています。しかし、これだけの値幅にも関わらず推定出来高は20万枚を僅かに超える程度で、人気の回復には程遠い状況と言わざるを得ない状況です。CFTCにもそのあたりが表れていて、投機筋の買い越しは前週比−21tの403tに減少しています。もっともポジティブに考えれば買い余地の増加の可能性が高まると、考えられなくもないというところでしょうか。最大の金ETF・SPDRは前月比+9.25tの1279.51tと、こちらはリスクオフ・モードの悲観にも関わらず安全資産としての保有高増加をキープしています。新興国中銀の保有も今月さらに増加しているものと推測されます。
【穀物市況】
穀物市況は農務省報告によると大豆もコーンも作付面積は事前予想をやや上回り、四半期在庫はコーンが予想をやや下回り、大豆は逆にやや上回るものとなっています。依然として米穀倉地帯の高温・乾燥を囃す動きから、大豆相場中心に堅調地合いを維持しています。