本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2012年02月

今夜は二大イベント待ち

今日の注目はECB(欧州中銀)による資金供給と、バーナンキFRB議長による半期に一度の議会証言です。

ECBによる資金供給の締切は日本時間の夕方5時半に、入札額の結果公表は同7時15分に発表される予定となっています。今回の事前予想はほぼ前回並の4,000〜5,000億ユーロですがこの範囲であれば、リスク・オンの相場展開が続くものと予想されています。反対に予想より少ないと中銀の資金供給による危機回避の限界が見えることや、予想より多く1億ユーロに近い金額となると民間金融機関の健全性とともに、担保を問わずに貸し出すECBの資産の拡大を嫌気するリスク・オフの動きが予想されることになります。

次いで日本時間24時にはバーナンキの議会証言があり、1月のFOMCでの金融緩和策2014年終盤までといった緩和策のニュアンスに変更があるのか注目されます。また、QE2で決められたツイスト・オペレーション(短期債から長期債への乗り換え)が今年6月で終了することから、その打ち止めや延長に関する発言があるのかも注目されます。要は緩和策の継続姿勢に変化のあるなしでリスク・オンにもオフにも受け取られるので、ECB同様にFRBという二つの中銀の動きが気にかかる一日となりそうです。

ところで先ほど午後2時に金のスポット価格は1790ドルと今年の高値を示現、その後はジリジリと1786ドルに後退してはいるものの高値圏での推移を維持しています。上記のふたつの中銀に加えて、英国や日本の中銀も金融緩和を継続する「過剰流動性の産物」が現在の金相場を支えていることに異論がないところで、今後も数年間の緩和策が担保されれば目先は別にしても長期の上昇トレンドも約束されることになります。

朝一番情報

おはようございます。2月も最終営業日となりましたが☃模様です。明日から3月入り「なごり雪」というところでしょうか。さくら3月、春が待ち遠しいですね。

【金融・為替】
ドル円は80円45銭と20銭程度の円安で推移、ユーロは1.346ドルとしぶとく反発基調を継続しています。ダウは23ドル高の1万3005ドルとついに終値ベースでの大台乗せに成功、10年債の利回りは1.934%に小幅に上昇しています。昨夜はケースシラー住宅価格指数が昨日の中古住宅販売と同様に事前予想をやや下回ったものの、消費者信頼感指数は63.0の予想が70.8となった好感する動きとなっています。また、本日の欧州中銀(ECB)に資金供給にも期待が集まっていて、前回の50兆円規模の応募により民間金融機関の資金繰り改善への期待も広がったようです。但し、期待されるほどの応募に満たない場合、例えば20〜30兆円規模にとどまるとECBマジックの限界を表わにする可能性もあり、一転してリスク回避の動きとなることも視野に入れておきたいところです。米議会ではバーナンキFRB議長の金融政策に関する議会証言もあり、QE3ネタが含まれているのかも注目されます。それにしてもユーロの強さはどこからくるのか、ユーロキャリー取引(ユーロを売って高金利通貨を買う)の巻き戻しがまだ途上なのだろうか?

【石油市況】
原由は106.55ドル(−2.01)に大幅に続落、ブレント相場も121.55ドル(−2.62)とこちらも続落しています。米消費者信頼感指数が予想以上に改善を見せたことにも反応薄の様相で、バレル当り4ドルに接近するガソリン価格の上昇で米国の消費者の買い控え懸念もあるようです。イスラエルのペレス首相は対イランでは「全ての選択肢がテーブルに乗っている」と発言し、取りもなおさず軍事行動もそのひとつと見られ、ペルシャ湾の緊張は継続されています。

【貴金属市況】
金は急反発に転じており1788.4ドル(+13.5)と、終値ベースで今年の高値を更新しています。原油安の逆風のなかでの反発、特段の目新しい材料はないものの、取組高は再び47万枚に乗せていて投機筋の買い意欲の旺盛さを物語っています。目先のターゲットは昨年11月の1800ドルとなっていますが、実需売りを消化しながらの大台乗せは大きなハードルとなっているようで、このまましばらくは1760〜1790ドルのボックスに止まる可能性も考えられます。

【穀物市況】
穀物市況は南米産大豆の生産高の下方修正を受けて大豆が13ドルに乗せ、コーンも連れて6.5ドルに乗せています。他の商品同様に投機筋の資金流入が上昇要因となっていますが、その南米も出回り時期も接近してきています。

朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円55銭と昨日3時半からは50銭余りのドル安・円高方向に久しぶりに振れ、昨日の東京時間朝8時からはほぼ1円の円高となっています。ユーロは1.338ドルに反落して、ドルは対ユーロで硬化、対円では軟化する動きとなっています。IMF会議では欧州の自助努力次第でIMFの資金強化を測ると欧州サイドに要求を突きつけた状況ですが、欧州側はEFSFを現状から5,000億ユーロ拡大する決定は、今回の3/1のユーロサミットではしないと発表しています。昨夜ドイツの連邦議会でギリシャ支援がようやく決まりましたが、EFSFの拡充も負担はドイツが一番大きく、議会や国民世論の説得にそれ相応の時間を要するとことのようです。日銀・白川総裁の最近の口癖となっている「時間を買う効果には限りがある」との発言、欧州の債務対応には時間的な制限があることを忘れつつある余裕ぶりは気に係るところです。ダウは序盤に1万3,000ドル乗せに成功したものの、引けにかけては上昇幅を徐々に切り下げて1ドル安の1万2981ドル、10年債の利回りは1.927%に更に低下していて、日本との長期金利の縮小傾向が続いています。

【石油市況】
WTIは108.56ドル(−1.21)に反落、ブレントも124.17ドル(−1.30)とこちらも同様に反落、2月に入り一本調子での上昇が続いていたので、IMFでの原油高牽制、株価の上昇一服、ドルの対ユーロでの下落一服から液出しの動きに押されたものと推測されます。イラン問題は依然として原油価格の下支え要因として働きますが、小康状態が継続しているために新味に欠ける材料となりつつあるようです。最も危惧される軍事的な衝突に発展すれば別物で、投機筋にとっては強気相場を優位に進めたいところでしょう。

【貴金属市況】
金も1800ドルの大台手前で足ふみが続いており、セッション引けは1774.9ドル(−1.5)と小幅に続落する場面となっています。投機筋の買い越しは先週42tほど増加していて、買い過剰にはまだとど遠いものの節目の1800ドルを上抜くには若干の材料不足というところでしょうか。アジアでは日本を含めた実需売りが先週から断続的に出されていることも、先物の上昇力を削ぐ要因となっている模様です。一方でIMFによると1月にカザフスタン・ベラルーシ・トルコとそれぞれ7t・5t・4tと保有金を増加させていて、昨年に続き新興国の中銀の金保有は増加を続ける流れで、中長期では金価格押し上げ要因となるものと推測されます。

【穀物市況】
穀物市況は大豆が大幅に続伸していて、南米産の生産高下方修正の予測や、中国背景の輸出期待の広がりに年初来の高値を示現しています。コーンも大豆に連れる動きから続伸しています。

ギリシャ債務危機が再来する可能性

ドル円は日本時間の午前8時頃に81円65銭にドル高・円安が進行、当方には思わね円安水準で81円はないものと推測していたので正直「まがり屋」の範疇に入っています。抵抗と見られた200日移動平均線のある80円05銭近辺を抜くとするすると、あれよあれよと円安が進行してこの水準、アナリストによっては昨年3月の震災による「強調介入」で付けた85円に向かうという指摘も、面と向かって反対できないのが今の「円高論者」です。当たっている時にここぞとばかり全面的に表に出て、曲がっている時に成りを潜めるのが相場世界の常道というところでしょうか。

ところで内部要因の参考となるのはシカゴの金融先物市場のドル:円のポジションで、時系列で追ってみると2/7に7,000億円の円ロング、それが一週間後の2/14(日銀の追加緩和発表時)には3700億円にほぼ半減、更に一週間後の21日には2100億円規模に縮小して現在に至っています。全てとは言いませんが円ロングの投機筋の思惑ハズレから、ポジションは次々に巻き戻しを強いられる展開に拍車がかけられ、やむ無く円を売り戻す動きの影響が大きかったのではないかと推測されます。

ユーロ・ドルも1.26〜1.34ドルにユーロが急反発した原動力は、同様にユーロ売りに傾いたポジションの調整が主な要因と見られます。まぁ、つまり行き過ぎた弱気や強気のポジションが反対売買により解消されれば、一応はその流れが止まり、状況によってはその逆回転も再び起こることに注意したものです。

「状況によっては」と書きましたが、勿論ユーロ圏の債務問題が次回クローズアップされるときで、やはりこれには毎度お馴染みのギリシャ問題となる可能性があります。最も注目されるのは3月9日期限の民間金融機関の債務カットに応じるものが大勢を占めるのか、或いは少数派にとどまるのかが重要で、これによってギリシャの再建策に影響を及ぼし、その再建シナリオを左右するからです。

ギリシャ政府は民間が債務カットに否定的であれば、あーそうですか!とは返答できない状況で、場合によっては債務カットを強制的に行う「集団行動条項」が発動される可能性があり、その場合にはデフォルトに備えたCDSが機能することになります。つまりCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を金融機関に販売した別の金融機関に危機が広がる可能性が出てくるのです。一般的には米国の投資銀行が主と言われていますが、日本の大手証券も相当額を販売したとも言われています。

ギリシャ支援合意で一応は落ち着きを取り戻している市場ですが、民間金融機関の動向によっては危機がまた増幅されることも考えられるので、投資家が安心してリスク・オンを続ける状況はなにも約束されていないことが現状です。反落に転じた円相場もそのときはリスク回避の「円買いムード」に戻ることが考えられます。

G20財務相・中銀総裁会議閉幕

おはようございます。今朝は風が冷たい、まだ2月ですからね!一旦春はお預けのようです。

さて、G20財務相・中銀総裁会議はやっぱり欧州の自助努力を見極めてから、IMFの資金規模を拡大検討という程度で共同声明が出されるようです。今週3月1日・2日のEUサミットでEFSFやEMSといった欧州独自の安定基金の拡充の合意があって初めてIMFの基金拡充が検討されるというもので、当然と言えば当然の結果となったようです。

EUサミットでは最大の経済大国ドイツが欧州安定化基金の拡充に動くのか注目、ギリシャ支援が決まった時点でドイツは既に安定基金の増額の必要なし、といった意見が噴出していたようで、ギリシャ以外への危機拡大を楽観視するコメントが目立ちました。今回のギリシャ支援ではドイツの受け持つ比率は3割と最大で、国民世論から更なる血税の投入はためらわれるムードが強く、これから世論の説得工作が重要な問題となっています。

また、IMF増資を巡っても中国始め新興国が多額の資金拠出によって、その発言力の強化を狙っていることに最大株主の米国が猛反対している状況で、欧州サミットで欧州側が自助努力の結果を出しても、米国の姿勢によっては4月のG20首脳会議で増資を巡る騒動は続くものと思われます。

資金増額と同時に問題視されているのは「原油高」で、世界経済の立ち直りに悪影響を及ぼすことに各国が憂慮を抱いていることです。これはイランの核開発問題に対して米国が強行姿勢を崩していないことから、欧州がこれに加わったことがペルシャ湾の緊張をもたらし、原油高の背景となっていることが現状です。万一軍事衝突に発展すれば一段の上昇は必至で、今後の成り行きが注目される状況です。

今週も宜しくお願いします。

G20会議からEUサミットが今週の注目材料

おはようございます。

AIJ問題困ったものです。中小企業主体の虎の子の年金資金の2000億円のほぼ9割以上の消失、溶かしてしまったのですね。毎年配当を出して信用を持たせたのでしょうが、なんだかどこぞの「ねずみ講」のようなもの、タックス・フリーのケイマン諸島を使っての運用は一体どのようなものだったのでしょうか?資産運用の聖域である年金運用がこの体たらくでは、信託や年金運用にもメスが入り運用側の自主性が損なわれることも考えられ、運用の足かせが増えて返って消極運用になりリターンが減少すれば出資する側にも深刻な状況と言えるでしょうか。

さて、昨日・今日はメキシコでG20財務相・中銀総裁会議が開かれていて、欧州からの提案でもあるIMF(国際通貨基金)の資金拡充についての協議が続いています。日本や中国やロシアは融資枠の拡大に積極的ですが、IMF最大の株主である米国は国内情勢から増額が困難な情勢であることや、新興国の資金面のシェア拡大から自国の影響力低下懸念から消極的な動きとなっているようです。

もっとも新興国や日本にとっても先ずは欧州の自助努力の様子を見る動きのようで、3月1日。2日のEU首脳会議でのEFSFやESMの拡大協議の行方を見守る情勢のようです。ユーロ最大の経済大国であるドイツにはギリシャ支援の合意で新たな資金拡充に慎重との見方も浮上しており、欧州自らの資金拡充が決定されないと自ずとIMFも消極的になるリスクが考えられ、今後ギリシャから他国に広がった場合には危機が急拡大する懸念が残ることになります。

当のギリシャでは3月9日に民間金融機関のギリシャ国債の借り換えへの要請期限としていて、事務的な作業を同12日まで終了したいというスケジュールになっています。実質7割の債務カットと見られていますが、応じる金融機関が少ない状況となれば「集団行動条項」が発動される可能性もあり、その場合CDS市場が発動されることが考えられ混乱拡大の火種が残ることになります。

商品市況では原油の高騰が続き、WTIが110ドルに接近、ブレントは120ドル台での推移となっています。世界的な流動性の拡大傾向や、欧州の債務危機が一服していることに加えてイランの核開発問題の西側との摩擦が投機筋の格好のターゲットになっているようで、原油価格高=ガソリン上昇につながりNY市場ではダウが一万3000ドルの大台を手前に足踏み状態となっています。投機資金は貴金属にも波及しており、南ア鉱山ストライキから白金価格が金に急接近していて、金価格にも買いが波及しています。

世界的な金融緩和と流動性の供給により資金が商品市場や株式価格を押し上げると要因となっています市場はリスク・オン状態ですが、それにに水を指すつもりはありませんが、オンのスイッチがオフに変わる可能性があるとすれば、やはり欧州の債務危機再燃がその原因となるものと考えられます。その場合はこのところの円安基調の調整をも意味することと推測され、リスクオンの継続性には油断できない状況が今後も続くことを意識すべきと思います。

週末の海外市場

おはようございます。あいにくの ☂ ですが後 ☁ 後 ☼ です。お天気はこれから回復傾向のようです。

【金融・為替】
ドル円はじりじりと円安基調が進み終盤には81円02銭に円安が進行、ユーロは続落1.346ドルに続伸しており、円・ユーロ・ドルの順序で弱いもの比べが継続中のようです。ダウは1ドル安の1万2982ドルと小動き、10年債の利回りは1.9791に低下しています。
CFTCによると円ロングは2100億円で前週比では更に1500億億円減少していて、現状の開示はまだながら場合によっては度転売り越しの可能性も考えられる状況です。
【石油市況】
原由は109.77ドル(+1.94)に続伸、ブレントも125.47ドル(+1.85)に続伸しています。イラン情勢の緊張継続に加えてドルの対ユーロでの下落基調の継続が原油価格の上昇の要因となっています。

【貴金属市況】
金は久しぶりに反落して1776.4ドル(−9.9)に、このところの急上昇に対する調整から週末特有の利食い売りに押されるものとなっています。

【穀物市況】
穀物市況はドル安背景に小幅に続伸しています。

本日は時間に追われていますので、改めて更新します。

通貨安競走の現状と行方

“通貨安競走”は年初からの動きを見る限り米ドルでもユーロでもなく、ここまではダークホース(穴馬的存在)の「円」が有利にことを進めています。76〜77円台の保ち合いから離れるきっかけは貿易赤字でも、経常収支の黒字縮小でもなく「日銀の追加緩和&1%のインフレターゲット」の設定が利いたようで、14日の発表のサプライズから投機筋が7,000億円分の円買いポジションを連日せっせと解消に動き出したことが最大要因、明日発表される21日現在のCFTCによるポジションがいつになく注目される状況となっています。

円のロングを数倍上回るのはユーロのショートで、こちらはギリシャに代表される債務危機の拡大が懸念要因となったことで、数兆円規模のユーロ売りポジションがずっと滞留していましたが、先週のギリシャ支援の合意報道から徐々にポジションを縮小する動きがジワジワとユーロの水準を切り上げ、対ドルで1.262ドルから今日現在1.336ドルと5.8%の上昇となっています。

円ドルは下落率が5.7%に、対ユーロでは高値から10.3%もの下落率となっていて、ユーロ・ドル同様に短期間でのユーロの上昇や、円の下落は通貨先物市場という証拠金制度ではレバレッジが利くぶん返って損失も膨らむ状況となっています。つまりこれまでのユーロ高や円安の流れは投機筋の損失覚悟の反対売買が主要因と見られ、今後は少しずつ落ち着きを取り戻しファンダメンタルに基づく値動きに戻る可能性が高まるものと推測されます。

米国ではこのところの景気指標の改善を受けて“QE3が封印される”との見方、或いは2014年終盤までの金融緩和策が景気の改善傾向や、原油価格上昇に見られるようにインフレ懸念の高まりに後退するという論調も目立っています。ですが、雇用に関してはリーマン以前から500万人の雇用が失われた状況に変わりなく、住宅価格は下落した状況が続き、サブプライム・ローンによる住宅を手放す動きからの過剰在庫の改善は依然として進んでいないことが現状です。緩和策の延長や、QE3といった追加緩和の手段は今後も十分に使われる背景は継続していて、加えて欧州債務危機の問題も依然として米国経済の不安要因として残されている状況です。

欧州ではギリシャ支援合意という目先のハードルを乗り越えたものの、来週末のEUサミットでEFSFやESMといった欧州金融安定化基金の拡充にいまだドイツは反対しているようで、南欧と北欧との政策協議では一段と不協和音の溝が広がる状況で、基金拡充が先送りされたりするとポルトガルやスペインといった南欧諸国の財政不安が資金難の面から再び蒸し返される可能性を秘めています。4月に行われるギリシャの総選挙で現在の連立与党が惨敗した場合に、今回合意の緊縮策が保護にされるとこれは混乱が大きくなり、秩序なきデフォルトの道を進むことになり欧州債務危機が一段と世界経済の混乱要因となることが考えられます。

さて、我らが日本ですが、円高や震災の影響もあり「貿易赤字」や「経常黒字の縮小」となりましたが、震災からの立ち直り期待からの今年の成長率に期待が高まることや、成長著しいアジア市場を近隣に抱えることから欧米よりも有利な面もあります。ユーロは債務危機が依然として残る状況であることや、利下げ余地(現在の政策金利1.0%)もあり、米ドルにはQE3といった最後のカードは温存されている状況です。日本経済にとって円安基調が続くことは歓迎すべきことですが、市場という相手が判断していくことです。

朝一番情報

おはようございます

【金融・為替】
ドル円は朝方79円85銭と80円を割り込み現在は80円に再び接近しています。7,000億円もの円ロングの投機筋のカバー(損切り)が一巡というところでしょうか。日本の経常収支の黒字幅が減少気味なことは否定できないものの、依然として世界最大の債権国家であることに変わりないようです。ユーロは1.337ドルにこちらは大幅に続伸、円のロングを大きく上回るユーロ・ショート踏みあげ(損切り)が現在進行形といったところでしょうか。ダウは46ドル高の1万2984ドルに反発して再び1万3,000ドルに接近しています。米経済はゴールディ・ロックス(ぬるま湯)状況と再び指摘する楽観論が台頭気味ですが、昨日も失業保険申請件数は事前予想を下回るものです。ですがリーマンで失った雇用は800万人、職場復帰はそのうち300万人、ゴールディ・ロックスという丁度いいというふうに満足気に語るのはほんの一部であって、欧州でも来週29日のECBによる民間資金供給から金融機関はひと息入れても、ギリシャの再建はいばらの道が続きそうで、その先がポルトガルにつながる警戒を解くことは出来ないようです。

【石油市況】
原由は107.83ドル(+1.55)に続伸、ブレント相場も123.62ドル(+0.72)に上昇しており、日本向けのドバイ産原油もついに120ドル大台乗せとなっています。ユーロの上昇(ドル安)傾向とイランと西側の緊張が原油価格押し上げ要因となっていて、このまま上昇が続くと世界経済の成長率の鈍化傾向となる悪循環も考えられます。

【貴金属市況】
金は続伸基調を継続しており一時1789.5ドルに上昇し、現在は1780ドル近辺で推移しています。今週は今年の高値1765ドルを抜いたことからコメックスではストップロス(売り手の買い戻し)+新規買いを誘発し、取組高も今月中旬からは増加に転じ4万枚ほど増えています。一方で中国・タイ・インドネシア等の実需筋は今週は売りに転じる動きで、日本も4500円乗せから一昨日あたりからかなりまとまった売りものが出だしたようです。ファンド買いvs実需売りの構図で、年末・年初とは売り方、買い方の逆転減少となっています。テクニカルでは昨年11月8日の1804.4ドルが目先のターゲットゾーンのようです。

【穀物市況】
穀物市況は小幅に続伸していて、ドル安の流れや株価・原油価格の上昇から高値を維持しています。今年の作付面積の増加観測や、世界の穀物生産の増加といったネガティブな要因も背景にあり、市場がひとたびリスク回避の動きとなれば脆さを表わにすることが推測されます。

朝一番情報

おはようございます。あいにくの雨ですが、☂ 後 ☼ となるようです。

【金融・為替】
ドル円は80円25銭近辺で推移、一時は80円40銭まで円安が進みこれで15営業日連続の円安となっています。投機筋の円ロングは7,000億円がこの14日に3,500億円に半減し、その後も円安基調を継続していることから度転ショートの可能性も浮上しています。週末発表のCFTCは21日現在のポジションですが、注目度は通常よりも高まることになります。ユーロは1.324ドルと小康を保っています。日本でもサムライ債としてギリシャ国債1500億円相当が保有されていますが、これも民間保有には違いないので実質7割カットとなる可能性が指摘されていて、海外のヘッジファンドや機関投資家が保有ギリシャ債に対してどの程度応じるのか目下の注目とされています。ダウは27ドル安の1万2938ドルに小反落しており、10年債利回りは2.001%に低下しています。

【石油市況】
原由は106.28ドル(+0.03)に、ブレントは122.90ドル(+1.24)にこちらも続伸しています。IAEA(国際原子力機関)はイランの各関連施設への立ち入りを拒否された模様で、査察受け入れ容認には至っていないようでイランと西側の緊張は継続される状況となっています。一方で中国の製造業購買部担当者指数が2月も好悪の節目にあたる50ポイントを割り込んだことからいくぶんネガティブな影響を受けたようです。

【貴金属市況】
金はこれまでのボックスの上限であった1765ドルを上抜き、1771.3ドル(+12.8)に跳ね上がっています。抵抗を抜けたことにより前日に急増したファンドのロングが更に買い増しに動きたものと推測されます。南アの大手鉱山会社のストライキが1ヶ月あまりに及び、白金相場が節目の1700ドルを抜けたことも金の投機筋を勢いつけているようです。NY金は前日に取組高が1万6,000枚急増していることから、ギリシャ支援合意からファンドのリスク・オンが再開された模様ですが、反対にアジアの実需は中国初め利食い開始となっていて、いつものファンドvs実需の闘いが再開されています。白金に関しては鉱山ストライキ以外の強材料は特筆すべきものはなく、ストライキ解消となれば脆弱な市況が待ち構えることから特に注意喚起!といったところでしょう。

【穀物市況】
コーンは前日の急反落に対する大幅な反発、大豆は続伸基調ながら小幅な上昇にとどまっています。コーン・大豆の裁定取引が値動きをいびつなものとしています。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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