本日のトピック（最前線情報） : 2011年06月

2011年06月

2011年06月21日07:32

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朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円25銭と小動きに終始、ユーロは1.431ドルに反発、ユーロ財務相会議ではギリシャ支援は来月に持ち越しとなったものの、ユーロ議長ユンケル氏のギリシャの公約実行への期待がユーロ相場を支えることとなったようです。とは言えギリシャ再生への道のりは険しいことに変わりなく、財政赤字削減と国有資産売却（民営化）はいばらの道にほかならず国民の痛みも伴うものとなります。スキあらば格付け会社はデフォルト（債務不履行）の烙印をいつ押そうかと手ぐすねを引いている状況です。ダウは76ドル高の１万2080ドルに続伸、10年債の利回りは2.954％にいくぶん上昇しています。本日は米景気指標の発表は特になくFOMC待ちのムードとなっています。

【石油市況】
原油は小反発しており93.26ドル（＋0.25）に、一方のブレント相場は111.69ドル（－1.52）とWTIとの乖離を詰める動きとなっています。ギリシャ危機の再燃と、GSグループが米国の第２四半期の経済成長見通しを下方修正したことが原油価格の上値を重いものにしています。また、OPEC総会での生産枠据え置きのなかでサウジの増産が指摘されていることも、供給過剰の懸念となっているようです。

【貴金属市況】
金は小幅に続伸しており1540ドルを中心として続伸基調を維持、ギリシャ問題の先行き不透明なことや、ドルの対ユーロでの軟化傾向が上昇要因と見られ、原油価格の低調が下押し要因となっています。一時1548ドル台に上昇をみせたものの、保ち合いの上限を抜けずに下押される動きとなっています。ギリシャ支援は格付け会社とユーロ件のせめぎ合いでもあり、今後も支援を巡り紆余曲折が想定されますが、金にとっては代替え通貨として、或いは安全資産として今後もギリシャ問題は金を支援するものと推測されます。白金相場は続落を強いられており、新興国の自動販売の低調や、原油価格の下落、米景気の先行き悲観見通しに反応して1750ドルを割り込む展開を強いられています。鉱山会社コストが1700ドルとの指摘もあり、今後は例年７月の鉱山労使交渉や、エスコムの電力供給の問題も控えており、玉整理一順後に反発に転じることも想定されます。

【穀物市況】
穀物相場は株価・原油や貴金属市況を横睨みに小反発をみせており、コーン期近限月が７ドル台に戻し、大豆も反発を見せています。コーンの作付が終了し、大豆も94％とほぼ終了に近く今後は生育と天候に注目が移ることになります。

2011年06月20日07:41

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FOMC後のバーナンキ発言に注目

おはようございます。民主党政策のひとつであった高速道路どこまで走っても1000円が昨日で終了、筆者も帰省するときには重宝していたので個人的には残念ながら、復興のためには税金の無駄遣いは控えなければと諦めている次第です。但し高速無料化制度ではフェリー業界では倒産が相次ぎ今更遅きに失したとの悲観的声のほうが多いようで、フェリー業界の復活は厳しいようです。

子供手当も縮小が既定路線のようで、規模を拡大させた教育や塾の業者も同様に規模縮小に動かざるを得ない状況、法人税率引き下げも当然見送りとなり企業の海外移転は震災の影響から更に加速することが懸念されます。また、EPA（経済連携協議）の行方も先送り状態となりTPP（環太平洋経済連携協定）も同様に遅滞状況となっています。韓国では既に欧州との経済協定を締結していて、日本企業の貿易面での不利な状況は更なる空洞化の促進の要因となることが考えられる状況となっています。

さて、今週は渦中のギリシャ支援問題を昨日・今日の二日間に渡り欧州財務相会議で議論されていますが、今週末の欧州首脳会議でも持ち越されて７月に決着を見る見通しとなっています。先週のメルケル・サルコジ会談でドイツが方針を転換して支援で合意されたものの、ドイツ議会での承認が必要となるようです。昨年の第１次支援は1100億ユーロ（12兆5,000億円）で今回の２次も同額を予定されているものの、問題は支援を受け入れるギリシャそのものがリスクとなっていて、議会や世論が受け入れる体制が整っていない状況では支援の返済めどが建つどおりも乏しく、デフォルトの道のりをいたずらに長くしているようにも思われます。

今週の最大のイベントは22日のFOMC（連邦準備制度委員会）で、この6月終了のQE2以降の金融政策について委員会終了後のバーナンキ議長の会見が特に注目を集めることになりそうです。株価や為替・商品市場にも影響を及ぼすことは必死と思われます。今朝の日経紙では債務問題の権威であるハーバード大のケネス・ロゴフ教授の意見としてQE2は必要であった、更に必要であればQE3・QE4があっていいが、バーナンキ議長はQE2の説明不足（ドル安政策）によって新興国の反発を招いたことと、株価を支えると公言したことによって投資家に過度の期待をさせてしまった二つの失敗があり、これが手足を縛り動きににくくしてしまった。と述べています。

日本に関しては政府債務の解決には「税制や年金の抜本改革」を急がないと10年持たないと苦言を呈しています。高齢化の進行から貯蓄の取り崩しが始まると国債の買い手を失い、長期金利が上昇し始めると制御不能になると指摘しています。ねじれ国会の状況は米国もギリシャも日本も同じで、ギリシャ・パパンドレイ首相のように財政再建のために首を差し出す勇気は我が日本の宰相にはないようで、辞任発言後も不信任否決となったら政権の長期維持を探る姿はいただけません。

2011年06月18日08:11

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週末の海外市況

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円丁度近辺の円高水準で今週の取引を終了、ユーロは1.430ドルに急反発しており、対円でも113円台から114円の中盤に戻しています。ダウは42ドル高の１万2004ドルと大台に返り咲き、10年債利回りは2.932%に幾分上昇をみせています。昨日のメインイベントは独メルケルと仏サルコジ両大統領のトップ会談で、先頃独財務相ショイブレ氏の民間金融機関にも応分の負担を求める独政府の意向が、ギリシャ支援の混乱をもたらしたとしてトップ会談でメルケルが譲歩して、ECB（欧州中銀）の意向に沿うことでドイツが折れることで合意するとものでした。これを受けて欧米の株式市場は一斉に反発する反応を見せています。但し一旦はドイツ議会での承認されたことで、メルケルが議会との調整役を果たす必要があることや、ギリシャでは公務員中心のデモ行為がエスカレートしており、これをパパンドレイ首相がなだめた上で、本格的な財政再建に向けて与党が不利な状況の中で議会の理解を得ることが追加融資の必須事項となり今後の困難は一筋縄ではいかないようです。目先は急場を凌ぐ程度のもので、ギリシャ支援はギリシャ国民の痛みを伴うことへの国民の同意が不可欠とされ、問題を先送りしたとの市場の冷静な目線に答えることが今後の関心事項となるものと思われます。米景気指標ではミシガン大消費者信頼感指数が予想の74.0から結果71.8と冴えないことが発表され、ギリシャ不安の緩和も嬉しさ半分程度で、来週のFOMCの行方を見守ることになります。

【石油市況】
原油は93.01ドル（－1.94）に急反落していて、ICEブレント113.21ドル（－0.81）と乖離幅が再び20ドルを超える状況となっています。米金融法案の足かせもWTI市場失墜の足かせとなっているのか？ブレントに主導権を完全に握られる状況となっています。

【貴金属市況】
金は久しぶりに1540ドル前後に上昇しており、ギリシャ支援問題が一先ず片付きつつあることや、ドル高に押されつつあったドル建て金が本日のドル安・ユーロ高の動きにリスクテークのファンド買いを呼び込んだものと推測されます。ドル建て金は大保ち合いの上限近辺に接近していますが、1550ドルが次の抵抗線と見られます。但し我らが円建金価格は80円近辺の円高に押される状況から、ドル建て価格の一段の上昇も帳消しされる換算値となり、長い保ち合い離れに別れを告げられるのは未だ先のようです。金・銀の堅調推移から取り残された白金族ですが、白金1700ドル・パラジウム700ドルという鉱山会社のコスト・プライスが接近しており、ここからの弱気は禁物の水準に入ったようです。

【穀物市況】
穀物はコーンはこのところの急落に下げ止まっているものの、小麦や大豆は全般に続落基調が継続する冴えない動きとなっています。先週はコーンが8ドルの大台に接近して、価格上昇から需要がしぼむレ－イショニングを叫ぶ声も聞かれたことや、エタノールの補助金打ち切りのニュース、加えて産地の天候回復に作柄改善の期待の膨らみや、外部環境の悪化からリスク回避の動きに翻弄される状況となっています。目下重要な天候シーズンに入り生育状況が注目されていますが、承知のように在庫率は危機的状況で今年の作柄に作用されることになりますが、危機解消ほどの豊作頼みとはいかないように思えます。

2011年06月17日07:22

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朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円60銭と昨日から20銭程度の円高と小動きに終始、ユーロはギリシャ不安から一時1.407ドルと最近の安値を次元したものの、その後はNY株が反発するに従いリスク回避の動きが後退したことから幾分ドルに対して買い戻されて現在は1.420ドルに小反発しています。ユーロは対円でも一時113円50に下落し、こちらも現在は114円台に反発して推移しています。IMFとECBは来週20日のユーロ財務相会議で追加の融資を行うとしており、直近の危機を乗り越えようと懸命に務めていますがデフォルトと紙一重の綱渡りが続いていることが現状でしょうか。米国では昨日のNY連銀景気指数に続き、本日のフィラデルフィア連銀景気指標も－7.7と予想の＋7.0を大きく下回り、景気回復懸念が引き続き深刻な状況となっています。ダウは64ドル高の１万1961ドルに反発したものの、節目の１万2000ドルが上傘となっており、10年債の利回りは2.923%と一段低下しています。今週はリスク回避時に円相場が上昇する傾向は見られないものの、通貨の不信任投票では先進国通貨の人気は相変わらず弱く、スイス・フランが一際回避通貨とされているようです。金融市場ではリスクを取る動きと回避する動きが交互に訪れているようで、08年の金融危機を民間リスクから公的機関に引継ぎ一時は回復機運が広がったものの、ここにきて先進諸国の公的債務の深刻度合いが増しており、債務危機はより一層深刻さを増しているようです。

【石油市況】
原油は94.95ドル（＋0.14）と小反発しており、ICEブレントも114.02ドル（＋1.01）と反発しています。株価の反発がサポート要因と見られますが、反発力は鈍いものに留まっています。

【貴金属市況】
ギリシャ債務の問題によるユーロ不安や、米国の景気の足ふみ状況に安全資産としての金は1530ドル近辺の高値圏を維持しています。但し現状では1530ドル以上ではアジアの実需買いも影を潜めるようで、最高値更新には米金融政策の新たな緩和策等の材料が必要とも考えられ、その意味でも来週22日のFOMCが注目を集めることになりそうです。それが好感されれば↑悲観されれば↓方向に向いますが、但し上値が重いと同時に下値では実需が口を明けて待っていて、1,500ドルの大台割れも次元する兆候はいまのところなく、1500～1550ドルの大保合いが続いている状況となっています。

【穀物市況】
穀物市況はコーンを中心に続落しており、投機筋のロングのボリュームの大きなコーンが特に下げに見舞われています。8ドル接近で史上最高値を更新したものの、その後はリスク回避に動きに押されてファンドの手仕舞いが殺到していますが、今度は下のトレンドライン７ドル死守出来るかが注目されるところです。エタノール工場では一部にコーンから小麦に切り替えるところもあるようで、レーショニングを指摘する声も上がっていますが、需給逼迫状況に大きな変化はなく、売り物が一巡すれば投機人気は再び盛り上がり上昇に転じるものと考えるのは楽観的すぎるでしょうか。

2011年06月16日07:23

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朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は81円丁度と昨日から50銭余りの円安推移、ユーロは1.416ドルに急落する展開となりギリシャ支援がEU内の意見の不一致となっていることから、デフォルトの危機がユーロ売りにつながっています。ギリシャの10年債利回りは18％とユーロ加盟以来の水準に上昇しており、もはや資本主義の世界では投資家が手を出せない状況となっていて、ユーロ中軸国であるドイツの意見とECB等の意見の違いが混乱を極めてさせているようです。ダウは178ドル安の１万1897ドルと再び大台を割り込み、リスク回避に米国債が上昇し、10年債の利回りは2.969%に低下しています。ギリシャ不安とNY連銀製造業景況指数が事前予想の＋12ポイントから－7.79の結果となったことも、米景気の回復力の弱さをものがっているようです。

【石油市況】
原油はEIAの週間原油在庫が340万バレル減少と予想外に減ったことを好感して、序盤に100ドルの大台に接近したものの、その後はドルの対ユーロでの急上昇や、株価の急落症状を嫌気する動きに急落に転じ、引けは94.81ドル（－4.56）に暴落しての引けとなっています。ICEブレントも117.01と－3.06ドルの急落となっています。株式商品市場共に、ユーロ不安と米景気回復の遅れを嫌気するリスク回避の動きとなっています。

【貴金属市況】
ギリシャ不安が幾度となくぶり返し、株式市場や他の商品市場全般にリスク回避に動き軟調を余儀なくされる状況に、金は続伸しており1530ドルに返り咲いています。安全資産（通貨）としての米ドル・米国債に買いが集まり、金も代替え通貨として買い進められる展開となっています。同じ貴金属でも銀や白金族は工業需要用途の意味あいが強く、他商品同様に軟化する動きとなっています。

【穀物市況】
株価や原油市況の急落を受けたリスク回避の動きにコーンを中心に大幅に続落を強いられています。ファンドのロングの多いコーン・小麦が大きな下げに見舞われ、大豆は連れて下落したものの、コーン買いvs大豆売りの解消買いに戻しています。本日の動きは穀物独自の動きというより、金融市場の動きとドル高を嫌気する地合いとなっています。

2011年06月15日07:23

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朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円45銭と昨日から20銭近い円安・ドル高で推移、ユーロは1.444ドルに幾分上昇、ダウは123ドル高の１万2076ドルに続伸して節目の１万2000ドルをクリアし、10年債の利回りは3.095％とこちらも3％台に再び上昇しています。昨日は日本時半夕方に中国の預金準備率引き上げ（市中銀行から中銀に預ける資金配分）報道がなされ、5月のCPIが5.5%とインフレ問題が以前深刻化していることが表面化したものの、一方では工業生産が前年比＋13.3%と好調を維持したこと、また、米国の5月の小売売上高が一年ぶりに－0.2に落ち込んだことも、東日本大震災のわりには健闘したとの評価が株価を押し上げる原因となった模様です。但し中国のインフレ懸念はより深刻度合いを増しており、利上げ観測というネガティブな見方もあり、同じ新興国の大国であるインドも卸売り物価が９％台に上昇し、年内に数回の利上げ余地があるとされており新興国頼みの米企業業績の好調維持も楽観視できない状況となっています。欧州では財務相会議が本番の20日を前にギリシャ支援の意見調整を行ったものの、意見の集約は見られずECBの主張とドイツの主張の隔たりは埋めることができなかったようです。折しも今週はS&Pがギリシャ債を３段階引き下げ、CCC（トリプルC）とジャンク（くず）扱いとなり、ECBが融資の担保として預かるには公正な理由づけに欠ける状況となりそうです。

【石油市況】
原油は99.37ドル（＋2.07）に急反発しており、WTIより割高に推移するブレント（120.16＋1.06）に幾分か鞘を接近させる動きとなっています。株価の上昇や米景気指標が事前予想ほど悪くないことや、中国の5月の景気指標の好調さを背景にした反発をみせています。

【貴金属市況】
金は反発を見せておりS&Pによるギリシャ債の引き下げによるソブリンスクの台頭や、中国の5月のCPIが5.5％とインフレ警戒にあることから1525ドル近辺に戻しています。NY時間では序盤に1510ドル割れを試す動きが前日に引き続きあったものの、前日の安値がサポートされたことからショートカバーに戻す動きとなっています。アジアでは昨日1510ドル台では活発な実需買いが久しぶりにみられたようで、これらも下値サポート要因となったものと推測されます。

【穀物市況】
このところ株価や原油価格の下落にも関わらずに高値を維持していたコーンは、株や原油が反発に転じた段階で急落に見舞われるという皮肉な展開となっています。前日発表された作付進捗率がほぼ終了したことや、中国の預金準備率引き上げ報道を嫌気するように売り物を浴びて急落、一時は30㌣のストップ安に見舞われるさげとなりました。その後は新穀限月中心に戻す展開となったもの、大豆や小麦もコーンの急落になびくように下落を強いられる展開を余儀なくされたようです。

2011年06月14日07:35

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朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は80円20銭と昨日から20銭程度の円高・ドル安で推移、ユーロは1.441ドルとややユーロが反発する小動き症状、ダウは前日比の保ち合いから1ドル高の１万1952ドルに、ＮＡＳＤＡＱは小幅に続落、10年債の利回りは2.969％に更に低下しています。欧州ではS&Pがギリシャ債を「B」から「CC」に引き下げており、本日の財務相会議での支援問題がより注目されています。また、中国のCPIが日本時間午前11時に発表される予定で、予想の5.5％を超えると追加利上げの可能性が高まることになり、米国では5月の小売売上高が21時30分に発表されこちらも気にかかるところ、明日の早朝にはバーナンキの講演も控えており米国ではQE2以降の金融政策が注目の的となっています。

【石油市況】
原油は97.30ドル（－1.99）に大幅続落を見せており、ICEブレントが119.10ドル（＋0.32）に続伸していることとは一線を画する展開となっています。WTIがテクニカル上悪化したことや、WTO買いvsICO売りのストラドルを手仕舞いする動きが原因と指摘するアナリストもいるようです。ブレント原油にリンクしているナイジェリアやリビア産の供給不安が需給を逼迫させ、一方のWTIは歴史的在庫水順の増加が堅持されており、当面はブレント価格が優位に立つ状況が継続されるものと思われます。

【貴金属市況】
金は続落しており1515ドル（－13）に、他の貴金属もシルバーの大幅続落、白金・パラジウムも金・銀の下落に連れて続落を強いられる展開となっています。金は前日のSPDRが10ｔ余り減少したことや、世界的な景気回復を牽引してきた中国やインドの自動車販売に見られる落ち込みから、景気減速懸念が出ており積み上げられたファンドのロングを手仕舞い動きとなっています。株価や原油価格の下落によってリスク回避の動きが金にも広がっており、1500ドルの大台を巡る攻防戦が再び起きているようで、ファンド勢の売りvs実需の買いの構図に戻りつつあるようです。

【穀物市況】
原油や貴金属の急落の動きに穀物市況も利益確定の手仕舞いが優先する動きに、小幅に下落を強いられる展開となっています。コーンの作付けは遅ればせながら99％に到達、発芽も91％に進んでいるものの、遅れを取り返すには今後余程の好天が必要とされます。供給不安を解消するにはお天道様の成り行き次第というところでしょうか。

2011年06月13日07:15

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深刻な景気回復途上

おはようございます。

震災から３ヶ月が経過しましたが、被災地のがれきの撤去が進んでいません。遅れているのは仮設住宅も同様のようですが、こちらは抽選に当たっても入居がすすんでいないようです。

高台に位置しスーパーには遠く買い物が不便で単身の高齢者には躊躇があるようです。また、避難所にいれば食料は無償で提供されますが、仮説に移ると食費や光熱費といった費用は全て自己負担に切り替わるために、すべての財産が津波に流されては移ろうにもお金がなければ移れないというもの、ここでも被災者支援の遅れが出ているようで政治の体たらくが浮き彫りとなっています。

首相の顔のすげ替えが復旧を早めるとは思えませんが、自ら辞任宣言してのレームダック（政権末期）状況を作り出し、復興の見通しがつくまで頑張るという発言はどう考えても解せない！一刻も早い被災支援が進められるには決断が重要で、遅ければ遅いほどに被災者は救われません。

いきなりの脱線ですが米景気指標の悪化傾向が続き、ダウは６週連続の陰線、月足でも２カ月連続の陰線となり１万2000ドルを割り込んでいます。商品市況も原油相場が100ドルの節目を割り込んで先週の取引を終了しています。リスク回避の動きは株式や商品市場から流出気味で、米国債が買われて長期金利を3％割れに導いています。

今月末で終了するQE2に続くQE3の催促相場という表現もあるようですが、ガソリン価格上昇に見られるように、FRBの頭痛の種はインフレ傾向からの消費不振に配慮する姿勢のようです。さりとて景気後退は避けたいところで、物価上昇と景気回復を天秤にかけるとどちらが重いかというところのようです。

欧州では最大の経済大国ドイツとECBでギリシャ支援の方法で意見の食い違いが見られ、週末はギリシャのみならずポルトガルやスペイン・イタリアの国債利回りが上昇しています。トリシェ総裁は来月の利上げを容認する発言を行い、金利上昇が債務国の負担につながることよりもインフレ抑制に軸足を置いています。更に債務国には緊縮財政を要求し、債務国側では緊縮による税収の不足と金利引き上げによる負担増がじわりと利いてきているようです。

金融危機以降は米国・欧州それぞれに景気回復に向けた対策のスタンスが違いを見せて、どちらが有効な手段となるのか注目されていましたが、米国のドルの垂れ流しは新興国ばかりかインフレが先進国にも忍び寄り、欧州の緊縮財政はデフォルト国家を生み出そうとしていて、軍配はいまのところどちらにも挙げられない状況となっています。日本は米国に習い金融緩和策を選択し新興国需要に支えられ回復の道をたどったものの、震災と原発が深刻な状況となり危機の状況は欧米以上に深刻化しています。

2011年06月11日08:27

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週末の海外市況

おはようございます。梅雨前線が全国的に活発になっていますが、関東は午後には雨が上がるようですね。

【金融・為替】
ドル円は80円30銭近辺で今週の取引を終了しており、今週は80円を挟んだ小動きに終始しました。80円割れを見ても驚かない状況に慣れの怖さを改めて認識させられる次第で、GW明けの79円50銭台を抜けなければ介入回避のムードが醸成されているようです。ユーロは1.434ドルと反落が続いており欧州の株安に続き、NYダウも節目の１万2000ドルを割り込んだためにドルを買い戻すリスク回避の動きとなっています。ダウは172ドル安の１万1951ドルに反落しており３月以来の安値に下落、10年債の利回りは2.969％に低下しています。米景気指標がこのところ悪化傾向にあることや、この日発表された輸入物価指数が予想外に上昇してインフレ傾向が再認識されての嫌気売りとなった模様です。また、新興国でも相次ぐ利上げによる景気停滞懸念が浮上していたり、中国やインドの5月の自動車生産が落ち込んだことも株価のセンチメントを弱いものにしているようです。商品市況も株安やドル高を嫌気する動きに原油市況中心に軟化を余儀なくされている状況で、資源株にも売り物が出て株価下落の一因となっているようです。

【石油市況】
原油は99.29ドル（－2.64）に急反落しており、ICEブレントも118.78ドル（－0.79）に後退しています。OPEC総会で生産枠の据え置きが決定されたものの、増産反対派におされたサウジが単独で日量1000万バレルの増産に動くとの報道を嫌気したことや、株価やドル相場の逆風が反落をもたらせているようです。OPECは盟主サウジの増産の呼びかけに反対派が優る異例の総会となりましたが、決定に異を唱えるサウジのアクションはOPECの組織の揺らぎを象徴するもので、イラン・ベネズエラといった強硬派との遺恨を残すことになったようで、このところのMENA（北アフリカ・中東）情勢も微妙な影響を与えるものとなりました。また、総会ではリビアのカダフィ派は参加しており、欧米の政府が容認している反政府派が招かれなかったために米国の派遣が弱まっていることを象徴しているようです。

【貴金属市況】
サウジの増産報道により原油価格が急反落に見舞われたことや、ドル高・株安といったリスク回避の動きが金市場にも波及し1,529ドル台（－13）でコメックス金は今週の取引を終えています。先週の雇用の悪化を受けて今週はバーナンキ議長の講演に注目が集まったものの、QE2に続く具体的な緩和策に言及することがなかったことも投機筋の売り物につながったようです。また、SPDR（金ETF）が10t余り減少したことも、相場のセンチメントを弱いものにさせたようです。とは言え米金融政策の緩和の長期下継続の可能性が高く一定の流動性が保たれることや、財政事情の悪化傾向が続くドルへの信任の低下、ユーロ圏ではギリシャが既にデフォルト状態に陥り、他のPIIGS諸国への波及も取りざたされており、世界的なインフレ懸念によるヘッジニーズ等が健在であることに変わりはなく、一頃よりも下値では手ぐすね引く買い方の健在が下げを限定的にしているようです。

【穀物市況】
穀物市況も株安や原油・貴金属の下落といった外的要因の悪化から上昇力を削がれる展開に、前日の勢いにも止められる動きとなっています。在庫率が大きく低下しているコーンは期近限月が辛うじてプラス圏を維持したものの、大豆は小幅に続落を余儀なくされる展開となっています。コーンは前日に史上最高値を更新し一時8ドルの大台に迫ったものの、その水準から失速する展開となりました。

2011年06月10日07:28

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朝一番情報

おはようございます。関西電力でも夏場の15%節電を要請する動きが出ています。福島原発事故により中部電力管内の浜岡原発を停止させたことから、停止中の１１ヶ所の原発が稼動できない状況となっています。やはり科学的根拠なきままに停止されると、再稼働の条件等があやふやになり世論も混乱するというもので、政治主導が混乱をもたらせている最たる悪例のようです。

【金融・為替】
ドル円は80円30銭と昨日から20銭程度の円安・ドル高で推移、ユーロはトリシェ総裁の７月利上げ敢行発言から一時ユーロ高に振れたものの、その後はユーロを買う口実の出尽くしに一転して利食い売りに押されて下落、現在は1.451ドルに下落しての保ち合いとなっています。ダウは7日ぶりに反発に転じ75ドル高の１万2124ドルに、10年債の利回りは2.997％となっています。ユーロ圏ではドイツとECBがギリシャ支援を巡り意見の食い違いを見せていて、民間金融にも債務の肩代わりをせまる独と、デフォルトを嫌うECBの意志疎通が見られない状況となっています。

【石油市況】
ユーロ安・ドル高の逆風のもと原油価格は101.93ドル（＋1.19）に続伸しており、ICEブレントも119.57（＋1.72）と120ドルに接近しています。前日のOPEC総会における生産枠の据え置きが響いているようで、強硬派のイランに押された盟主サウジの力なさが原油高に影響を及ぼしているようです。米景気回復の足を引っ張るガソリン高が気に係る状況です。

【貴金属市況】
金は反発しており1544ドル近辺で推移、昨夜のECBトリシェ総裁の利上げを連想させる発言に金利を産まない金が反発、インフレヘッジとしての反応を見せています。また、株式が反発に転じたことや、原油が穀物相場の上昇に連れる上昇を見せており商品としても上昇する展開となっています。とは言えNY金は大保ち合いの範疇であり、トレンド形成がなかなか出来ない状況となっています。

【穀物市況】
コーン・２０１１／１２年度
作付面積　　　　：　　９０７０万エーカー（　　９２２０万エーカー）
単　　収　　　　：　　　１５８．７　Ｂｕ（　　　１５８．７　Ｂｕ）
期初在庫　　　　：　　７億３０００万Ｂｕ（　　７億３０００万Ｂｕ）
生　　産　　　　：１３２億００００万Ｂｕ（１３５億０５００万Ｂｕ）
供給合計　　　　：１３９億５０００万Ｂｕ（１４２億５５００万Ｂｕ）
飼料用　　　　　：　５０億００００万Ｂｕ（　５１億００００万Ｂｕ）
食品・種・工業用：　６４億５５００万Ｂｕ（　６４億５５００万Ｂｕ）
エタノール　　　：　５０億５０００万Ｂｕ（　５０億５０００万Ｂｕ）
輸　　出　　　　：　１８億００００万Ｂｕ（　１８億００００万Ｂｕ）
消費合計　　　　：１３２億５５００万Ｂｕ（１３３億５５００万Ｂｕ）
期末在庫　　　　：　　６億９５００万Ｂｕ（　　９億００００万Ｂｕ）
在庫／消費率　　：　　　　　５．２　％（　　　　　６．７　％）

大豆・２０１１／１２年度
作付面積：　７６６０万エーカー　　（　７６６０万エーカー）
単収　　：　　　４３．４　Ｂｕ　　（　　　４３．４　Ｂｕ）
期初在庫：　１億８０００万Ｂｕ　　（　１億７０００万Ｂｕ）
生産　　：３２億８５００万Ｂｕ　　（３２億８５００万Ｂｕ）
供給合計：３４億８０００万Ｂｕ　　（３４億７０００万Ｂｕ）
圧砕　　：１６億５５００万Ｂｕ　　（１６億５５００万Ｂｕ）
輸出　　：１５億２０００万Ｂｕ　　（１５億４０００万Ｂｕ）
消費合計：３２億９０００万Ｂｕ　　（３３億１０００万Ｂｕ）
期末在庫：　１億９０００万Ｂｕ　　（　１億６０００万Ｂｕ）
在庫率　：　　　　　５．８　％　　（　　　　　４．８　％

シカゴの穀物相場は農務省の需給報告に反応をみせコーンと大豆で明暗を分ける動きとなっています。コーンは作付け遅れから作付面積を大きく減らし、在庫の急減少から史上最高値を更新し、大豆は需要項目のそれぞれに前回見通しから幾分落ちていることを嫌気するものとなり、コーン買いvs大豆売りのスプレットも活発に取引された模様です。

相場に対する考え方

相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。

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