本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2011年03月

復活税創設に疑問

今日も一日お疲れ様でした。

注目の為替は朝8時台後半に83円20銭に軟化後、年度末の円買い需要等から82円台後半に入り保ち合いとなっています。83円20銭台は11日の地震当日の円の安値であって、ひとまずは円安の流れが跳ね返される展開となっています。日経平均は円安の動きを好感して9700円台の中間地点まで戻しています。震災後に一時8,000円割れに崩れた動きも、協調介入による日本への支援策をきっかけに反発に転じて大台に接近する水準となっています。

但し、IAEA(国際原子力委員会)の調査では福島原発から40キロ離れた地点で、放射能数値が国際基準の倍に到達するという発表もあり、現在の避難距離を大きく超える距離にまで放射能が一部広がりをみせたことで、政府を初め緊張体制の解けない重要事態となっています。為替や株価は一先ず原発事故を織り込み、協調介入の円売りや、日本株買い推奨という国際協力から立ち直りつつあるようですが、原発事故の拡散不安はむしろ拡大傾向に向かう部分も観測されており予断を許さない状況となっています。

石原知事の自粛指導もあり上野公園等の東京の桜の見どころは「宴会禁止」の立て札が出されているようで、震災地の人々の苦労や苦悩を共有しようとする動きが全国に拡大しています。一方で米ニューヨーク・タイムス紙では「自粛という行為の行き過ぎは、日本経済の立ち直りにはマイナスに作用する」との辛口のコメントも出ています。どちらも見方によっては正論であると思いますが、首都圏でも計画停電の影響で業務縮小の動きが見られることや、自粛により飲食店に閑古鳥が泣いていることも耳にします。震災地だけでなく首都圏の消費活動が停滞することは、日本経済の立ち直りの足を引っ張ることは間違いないようです。

政府は震災からの復旧・復活に向けた素案を明らかにしたようで、10兆円規模の補正予算を組むようです。財源としては「復活税創設」を盛り込み、所得税・消費税に加えて、減税を見送った法人税の引き上げの検討も含まれているようです。震災の被害額は原発を除いても25兆円規模という資産もあるようですが、財政事情の厳しいことは国民も十分に承知していることから、思い切って「赤字国債」を発行されることは国民の理解を得られるものと思います。100年に一度という災難を国民全員で乗り切るには、個人的には増税という選択肢は極力避けて、消費・購買行動が萎縮しない手段を講じるべきと思います。

朝一番情報

おはようございます。3月も早いもので今日は最終営業日、年度末最終日とも重なります。

【金融・為替】
ドル円は昨日の東京市場で83円台に乗せその後欧州時間で83円19銭まで下落、米国時間ではやや買い戻されて現在は82円90銭の水準で推移しています。ユーロは1.417ドルと反発しています。円の対ユーロ相場は117円前後で推移しています。ダウは71ドル高の1万2350ドルに続伸、10年債の利回りは3.444%にいくぶん軟化しています。円相場は欧州での利上げ観測や米国の出口戦略の報道に反応を示し、震災による長期低金利政策をとらざるを得ない日本との金利差拡大傾向に反応を示していて、「円キャリートレード再び」の声も聞かれるようです。明日の雇用統計を前に民間雇用統計は20万1,000人増と発表され、事前予想をやや下回ったものの、明日の労働省発表に期待がひろまっています。予想は非農業部門雇用者数が19万人増(前月19.2万人増)失業率8.9%(前月と同様)となっていて、予想通り好調と判断されればドル買い要因となりそうです。予想外の低調となれば量的緩和策の継続からドルの軟調推移というところでしょうか。いづれにしても4月27日のFOMCでの大きな判断材料とされるものと思われます。

【石油市況】
原油は104.27ドル(−0.52)に続落しており、リビアでの政権軍の反撃(カダフィの出身地シルト奪還)にも反応は限定的となっています。一方で原油在庫が290万バレル増と事前予想の180万バレル増を上回ったことに反応を示しています。ICEブレントは115.13ドル(−0.03)と小動きです。

【貴金属市況】
金は前日までの調整から1,410ドル前後を底値とみた投機筋の買い物が入り、一時1,430ドルまで上昇したところで息切れ、その後は軟化にてんじたものの保ち合い圏である1,420ドル台前半で落ち着いています。ここ数日間は1,410〜1,430ドルの保ち合いに終始しており、ETFも上旬に増加した部分を後半の解約に減らし、実需筋も様子見状態が続いており現物の荷動きも乏しいようです。ETFでは金を解約して銀に乗り換える動きが目立ち、銀ETFは過去最高の水準に膨らんでいます。米国人投資家の嗜好性が銀相場を盛り上げていることは確かで、金は明日の雇用統計の状況によって上下動のきっかけ待ちというところでしょうか。

【穀物市況】
31日の米農務省報告の事前予想は以下の通り(DJ調べ:再掲)。
コーン
・四半期在庫(3月) 67.01億Bu(レンジ65.52億〜68.00億Bu)
・ 作付意向面積 9166.2万エーカー(レンジ9040万〜9260万エーカー)

大豆
・四半期在庫(3月) 12.95億Bu(レンジ12.66億〜13.66億Bu)
・作付意向面積 7696.9万エーカー(レンジ7500万〜7850万エーカー)

市況は今夜発表される農務省作付面積と期末在庫の予想に反応をみせているようで、コーンの増反、大豆の減反に反応を示しています。

朝一番情報

おはようございます。法人税引き下げや子供手当・高速道路無料化・農家への個別保証といった民主党の公約が震災への振り分けから見直す見通しが広がっています。また、税・社会保障改革やTPP(環太平洋経済連携協議)の先送り、加えて時限的所得税の増税議論も始まり、震災から復旧が最優先されることとなる雲行きのようです。

【金融・為替】
ドル円は82円45銭に円が大幅に軟化しており、協調介入後の円の安値となっています。欧州では利上げ観測が広がりを見せ、米国でもQE2以降の出口戦略を巡る思惑が台頭するなか、日本は今回の大地震から超低金利政策の継続と、復興のための財政赤字拡大が確実視される状況に円安方向に流れています。ユーロは1.410ドルと昨日の東京時間とほぼ変わらず、ダウは81ドル高の1万2279ドルに続伸、10年債の利回りは3.485%に続伸しています。景気指標ではケースシラー住宅価格指数が予想通りに下落しており、統計上の全米20都市の約半分が06〜07年の最高値後の最安値をつける状況となっています。FRB内部でもタカ派(利上げ)とハト派(緩和)の双方の意見が出ており、4月27日の次回FOMCではこれまでにない出口戦略に向けての意見が活発化される流れとなっています。

【石油市況】
原油は104.79ドル(+0.81)に反発しており、リビア情勢が多国籍軍の優勢のうちに進められるなかで、情勢が落ち着きを取り戻しリビア産原油の供給再開が早まる可能性に軟化する場面も見られましたが、他の中東諸国の緊張や、株価の上昇を捉えて反発に転じる動きとなっています。

【貴金属市況】
金は保ち合いに終始する展開で1,410〜1,420ドルのボックス圏での小幅な推移となっています。先週の史上最高値更新以降はファンドの利食い先行となっていて、取組高も50万枚を割り込んで来ています。円建て金価格は昨夜の夜間取引で3775円の戻り高値を示現していますが、このところの円安に負う部分が強いものとなっています。ドル建て価格はこのところ軟調に推移していますが、1,410ドル台では実需買いも誘っており価格水準が一層上方修正されているようです。

【穀物市況】
穀物市況は下げ止まりをみせており、このところの投機筋の連日の玉整理も一巡気味なことから落ち着きを取り戻しています。31日のUSDAの作付発表以前に投機筋のポジション調整が進んだものと見られ、在庫率に見られるように基本的に需給逼迫の状況が続くことから、今後はよりファンダメンタルに忠実に推移していくように思われます。

混沌とした状況

今日も一日お疲れ様でした。原発事故の解決に向けた対応が進まず、むしろ放射能漏れが進み作業が遅々として進展しない“一進ニ耐“(こんな表現はない)が続いています。昨日靖国の桜の開花のことに触れましたが、公式ページではやはり“桜まつり”は中止となっていました。上野も墨田川もおそらく自粛となるのでしょうね。プロ野球でも開幕戦の開催日で揉めたように、事態はそれだけに深刻だということです。

株価は前場に東電売気配一色に叩かれ日経平均は一時150円前後下げたものの、午後からはアジア・オセアニア株の上昇から前日比で遜色のない水準に戻して引けています。但し福島原発一号機の放射性物質の拡散は深刻な事態であることになんら変わりないようです。ドル円はユーロの反発に連れる場面もあったものの、概ね81円台後半で推移していて介入警戒感がドルの下値を支える展開となっています。

欧州では南欧のデフォルトリスクが高まる中で、中央銀行であるECBの利上げ観測が根強く南欧⇔利上げの綱引き状態が続いています。米国では本日のケースシラ−住宅指数や、明日も民間ADP雇用統計、そして週末の労働省発表の雇用統計発表と重要指標が目白押しで、6月に期限を迎えるQE2以降の量的緩和策にも影響を及ぼすことから目が離せない状況が続きます。MENA情勢もリビアのカダフィ率いる政府軍と非政府軍&他国籍軍の戦況や、シリアやイエメンの民主化運動も注目されます。

朝一番情報

おはようございます。お天気と気温上昇から今日は一日を通して計画停電が中止のようです。やっと春らしい穏やかなお天気となるようですが、やっぱり夏場の電力消費ピークに停電地域が広がり時間も長くなることを想定すると憂鬱ですね。

【金融・為替】
ドル円は81円70銭と昨日とほぼ変わらず、FRB理事のプロッサー氏の出口戦略に向けて発言からドルは対ユーロでも上昇しており、ユーロは1.408ドルに続落しています。一方でECBもトリシェ総裁の利上げに積極的な発言をしており、来月7日のECB理事会での利上げ観測が高まっており、ユーロの下落を支える構図となっています。但し南欧ポルトガルの国債利回りの上昇や格付けの引下げに見られるソブリンリスクはユーロ下落の懸念要因となっていることに変化は見られないようです。ダウは22ドル安の1万2197ドルに小反落しており、10年債の利回りは3.440%に上昇しています。プロッサー氏はタカ派(利上げ積極派)ゆえに出口戦略に積極的ですが、住宅事情や週末の雇用統計を見てバーナンキ議長の判断が最優先されるもと考えられ、やはり4月下旬のFOMCまでは具体的な政策は見えてこないようです。今夜のケースシラー住宅価格指数も注目されます。

【石油市況】
原油は103.98ドル(−1.42)に続落しており、福島原発問題が小康状態となっていることや、リビアで反政府軍と多国籍軍が有利に戦闘を運んでいることに反応をみせています。

【貴金属市況】
金も反落しており先週の史上最高値1448ドルから昨日は一時1,410ドルにまで下落、その後現在は1422ドル台に戻しています。1450ドルの節目を抜けなかったことからファンドの手仕舞い売りを即し、取組高も再び50万枚を割り込むネガティブな展開となっています。また、このところ金ETFが減少に転じていることも投機筋の買い意欲を低下させる要因となっているようです。FRB理事による利上げへの言及も金利を産まない金には弱材料と見なされているようです。但し昨日も1,420ドル割れでは実需が買いに入る動きも見られ、彼らの買い初めの水準が徐々に切り上がってきていることも事実のようで、金を取り巻く環境に大きな変化がないことから、下値を追いかける相場つきではないように思われます。

【穀物市況】
穀物市況は全般に軟調推移となっており、ドル高の動きや原油価格の下落から投機筋にリスク回避の動きが目立ち下落歩調となっています。中国の買付規模が期待はずれであったことも影響しているようで、31日の農務省予測に向けた玉整理となっています。

円安が全般にフォロー

今日も一日お疲れ様でした。

米国市場に続き今日からロンドンもサマータイム入りとなり、一時間繰り上がり日本時間午後4時から市場は始まっています。日本も震災の影響もありサマータイムやフレックス制の導入の検討もされているようですが、計画停電が少しでも減らせるならば検討ではなく、日本経済のために実行に移すことに異を唱える意見は少数派ではなかと思います。

さて、商品市況派動意に乏しい一日でしたが、じわりと円安方向に向い81円80銭近辺に軟化したことを追い風に下値を支えられる銘柄が多かったようです。MENA・ジャパン・南欧という三つのリスクは先週に引き続き健在ですが、それでも根強い景気回復期待が株価や商品価格を下支えしているようです。

金は前述したように三つのリスクが健在なことから、先週の史上最高値更新後(1448$)に目標達成から1,420ドル前後に押す場面も見られますが、更に売り込むには材料不足であって、取組内部要因も1月頃の暴落をもたらせたころとは違い買い付き型の取組とは様子が違うようです。つまり玉整理から手仕舞い売りに出されるポジションは限定的で、むしろ押したら買いたい向きが下値で待ち構える構図のように思われます。

ところで、震災・原発事故の深刻な状況の中でも、気象庁は東京の“桜の開花宣言”をしました。ご存知調査ポイントとなる靖国神社のさくらが咲き始めたようです。靖国のとなりにある千鳥が淵は桜の名所として全国的にも有名で、当方と仲間たちは例年こぞって出かけて行き、まだ寒い時期の靖国境内の屋台で熱燗を飲むのが慣例です。それでも今年は震災の影響でおそらく屋台も自粛ムードなのでしょうね。“熱燗お代わり”なんて言ってると不謹慎!てことになるのかなー・・・・・。


三月最終週&年度末

おはようございます。

原発事故の解決は一層の困難に直面しているようで、これまでよりも深刻度合いを増していることが心配されます。被爆の可能性のあるなかでの作業は慎重を極めるようで、避難者の一時帰宅の要望とは裏腹な事態の方向に向かっているようです。

日本国内は大地震・津波被害・原発事故という未曾有の災難に見舞われた3月ですが、3週目に当たる今週あたりは過去の震災では再建に向けた動きが活発化するようですが、行方不明者の数も膨大なうえに原発事故も重なり遅々として進んでいないことが現状です。被害の余波は首都圏の計画停電の出口も見えない状況から、改めて規格外の大震災であることを実感させられます。

さて、今週で3月も終わり週末には4月へとスイッチされます。日本の震災同様に市場の不透明感はMENA(ミーナ)情勢にも広がっており、チュニジア→エンジト→リビア→バーレーン→イエメン→シリアと広がり、中東の盟主国であるサウジアラビアとて民主化運動とは無縁ではありません。原油価格が今後もMENA情勢に下支えられる可能性は高く、インフレ圧力を原油価格が支える構図が鮮明となりつつあるようです。

欧州ではポルトガルやスペインのソブリンリスクが高まる最中にも関わらず、欧州中銀(ECB)は来週の理事会で「利上げ」の可能性を高める発言を繰り返しています。もとより利上げは債務国の返済にダメージを与えることは必至で、ECBがインフレファイターとなりきるのかデフォルトリスクに配慮した金融政策をとるのか注目されます。

米国では週末の4/1には恒例の「雇用統計」が発表となり、このところ不調の住宅指標と並んで注目度はこれまで以上に高まっています。QE2が終了する6月末を控えた4月27日は最後のFOMCとなります。「住宅&雇用」という出口戦略に最も重要な影響を与える両者と量的緩和政策の終了との兼ね合いをどのように判断していくのか注目されます。

週末の海外市場

おはようございます。大地震から2週間が経過しましたが、震災の大きさ、津波の怖さ、そして原発事故という具合に波状的被害の拡大につながっています。23区内(足立の一部)は停電のない快適な暮らし、震災地の離島ではまだ何の支援も届けられていない場所もあり、なんとかならないかなーと考えるのはみんな同じでしょうね。

【金融・為替】
ドル円は81円30銭で今週の取引を終了、17日(木)の早朝に76円25銭という急激な円買いから一転して翌日には協調介入があり、G7による円高阻止の合意という伝家の宝刀の威力が継続していますが、それを知っても22日現在のファンドの円ロングは4,315億円の買い越し増となっていて、リパトリ(本国送金)や債権国日本への買いかぶりぶりは健全?なようです。震災により当面は輸出が減少して、震災需要から輸入超過となることを考えても投機筋の思考回路にクエスチョンマーク???米国市場では朝方にS&Pが日本の保険会社9社の格付けをネガティブに引き下げ、一時的に円高方向に反応を見せましたが介入警戒もあり81円台前半にドルが戻しています。ユーロは1.408ドルに軟化しており、EU首脳会議はユーロ救済の枠組み決定を先送りさせたことがユーロ売りにつながったようです。ポルトガル国債の利回りが過去最高の8%に上昇してもEUの支援を拒絶する状況ながら、4・6月の国債償還が1兆円を大きく超える現実は厳しく、EU支援であれば5%台前半の金利で済むことから早晩支援を受け入れるものとなりそうです。ダウは50ドル高の1万2220ドルに続伸、10年債の利回りは3.443%に上昇しています。

【石油市況】
原油は105.40ドル(−0.20)と小幅続落しており、ICEブレントも115.59ドル(−0.13)と同様の動きとなっています。リビアの供給停止は深刻に受け止められていて、高値調整の幅は深くないとの見方が大勢を占めているようです。北アフリカに端を発した民主化運動は中東へと広がり、バーレーン・イエメン・シリアに広がり、サウジへの拡大懸念は依然として石油市況を脅かすものとなっています。

【貴金属市況】
金は前日の史上最高値更新(1448ドル)からは利食いにおされる展開が続いていて、本日のコメックスの引けは1426ドルに軟化して引けています。但しMENAリスク・ジャパンリスク・南欧リスク・インフレリスクは健在であり、利食いにおされても1,420ドル前後をボトムに反発力を見せています。手仕舞い売りにあっても新規売りを呼び込むだけの環境にないことも言えるでしょうか。市場は1,400ドル前半台を固めて次なる目標に向かうように見えるのですが果たして・・・・・。

【穀物市況】
農務省から仕向け地不明の125万トンのコーン輸出の報道に続伸基調を強めたものの、そのごのコーンは反落して7ドルを割り込む状況となっています。中国の大口買い付けが証明されたものの、期待で買ったものが報道に売られる流れとなっています。コーンベルトでは相変わらず水分過剰の状況が続いており、作付のスタート遅れが危惧される状況に大きな変化は見られないようです。

朝一番情報

おはようございます。今日で地震から2週間が経過しましたが、当日は帰宅難民を避けるために会社に泊まったのはずいぶん以前のことのような錯覚を覚えます。その間に米国ではサマータイム入りとなり、欧州も来週からスタート、どうりで夜明けが早いわけだ!日本もサマータイムを導入すれば電力消費を落とせるという意見もあり、朝型人間を自称する当方は勿論大賛成です!

【金融・為替】
ドル円は81円丁度の水準で推移、ユーロ圏の金融首脳からの円高阻止協力発言も効いています。ユーロは1.417ドルに反発しており、ポルトガル首相の辞任からユーロの支援が必然的となった状況よりも、利上げ報道に強含んでいるようです。ダウは84ドル高の1万2,170ドルに続伸していて、10年債の利回りは3.407%に上昇しています。景気指標では2月の耐久財受注が前月比プラス予想からマイナスに後退しているものの、市場の反応は限定的となっています。住宅指標の落ち込みや雇用の問題も深刻ながら、インフレ抑制を重要視する欧州より、景気対策重視の米国型はより楽観的見通しを伴っているようです。

【石油市況】
原油は105.60ドル(−0.15)と小幅に反落、ICEブレントも115.72(+0.17)とこちらも小動きの状態です。リビアの多国籍軍の攻撃は米国の戦闘一歩後退、NATO軍中心となりますが、国連決議はあくまでもリビア国民の生命維持がうたい文句であって、地上戦突入の可能性がないことから戦闘が長期化する可能性があり、終わりなき戦争とならなければいいと思わせる状況、泥沼化が続きシリアやイエメンにも民主化運動が広がり、今日は“怒りの金曜日”各地のデモが予定されています。原油価格急落のシナリオはなかなか描けないことが現状です。

【貴金属市況】
金はポルトガルの財政案否決、首相の辞任とEU支援が濃厚となるソブリンリスクの高まりに一時1448ドルと史上最高値を更新、その後は上昇から下落に転じた原油価格をみて金にも利益確定の売り物が入り1,434ドル近辺でニューヨークの取引は終了しています。史上最高値更新に敬意を払い利食いにおされる動きとなりましたが、MENA情勢・福島原発・南欧リスク・インフレ傾向といった金市場を取り巻く環境は上に向かう方面には追い風が続いています。リスク回避に向かう出来事があれば、そこはまた買い場を提供するという状況が続き上昇トレンドの継続に大きな死角は現在のところないようです。

【穀物市況】
穀物市況はコーンを中心に反発をみせており、作付時期の接近に伴い土壌水準過剰が材料視されています。また、中国が米国産とうもろこしを大量購入する噂が再びマーケットを駆け回り、人気の背景となっている模様です。

比較的に平穏な一日

今日も一日お疲れ様でした。

このところ徐々に通勤の足は安定に向かっていますが、余震はなかなか治まらず会社のなかでもお客さんとの共通の話題は地震関連となります。地震→原発事故→停電→牛乳や野菜からの放射能検出に続き、水道水にも波及という事態ですが、東京は基準以下となったら今度は千葉でも発生しています。ペットボトルの水は売り切れ続出が続くようです。

ところで野菜の販売自粛は周知の通りですが、これからの季節は田植えの時期を迎えるのですが、日本人の主食であるお米は一体どうなるのだろうか?平成23年度産の福島産こしひかりの運命は!?野菜と違いお米は農家が半年近い時間をかけて生産するものです。政府は農家にどのように指示を出すのか、苗の業者や農家にどのように対応するだろうか?何れにしても東北や北関東も含めて農家の受難が続きそうです。以前あったように外国産のお米を買わされるのは、いち消費者としても避けたいものです。

さて、市場のほうは原発危機がいくぶん緩和されたことから落ち着きを取り戻しています。ドル円は81円を挟んで小動きに終始していて、原発の鎮静化もひとやく買っているようです。株価も9435円(−14円)と小動き、海外株式市場が全般に堅調に推移ながらも、国内大手製造業の生産開始の遅れは深刻な問題となっています。先週は一時的に日経平均の8,000円割れがありましたが、9500円前後にまで水準を引き上げたこともあり上昇一服というところです。

商品市場のほうは北アフリカ・中東(MENA)情勢が引き続き原油価格を支えており、インフレリスクが健在なことから貴金属や非鉄相場も牽引しています。金は原油同様にミーナ情勢の緊張継続や南欧デフォルトリスク、インフレリスク、ジャパンリスク、ドル安基調(対ユーロ)、米低金利政策の継続の可能性と強い材料が目白押し状態、逆にこの強材料の目白押しという状況が“万人が強気”であることから、唯一の懸念(調整の)材料というところでしょうか。穀物は月末の農務省の「作付面積の発表」から今年の天候相場がいよいよスタートなりますが、需給がタイトな年の天候相場は強い材料に敏感となることが予想されます。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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