本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2011年02月

リスク回避ムードがやや後退か

今日も一日お疲れ様でした。

日経平均は1万624円(+97円)と先週末の米株価上昇を好感するとともに、中東情勢もリビアを初め材料的には人通り相場に織り込む展開となっています。民主化運動がサウジあたりに拡大しないと、新味のある材料に乏しいような印象を受けます。

ドル円は81円後半の保ち合いに一日終始、今月中旬からエジプト・リビアの政情不安を受けて安全通貨としての円買いが優勢となり、84円近辺から円高に振れてきましたが81円割れの年初来の高値や、79円95銭の史上最高値も接近しており円買いも必然上値が重くなる可能性も否定できないようです。

貴金属では金が保ち合いに終始し、他の銀や白金・パラジウムが値を持ち直す動きが見られ、エナジー関連も上値が重い事から、安全資産の金や、中東有事の原油買いが徐々に一服するムードも出ているようです。カダフィ政権の崩壊は徐々に織り込み初めているようで、材料的には徐々に飽きがきていると表現できなくもないようです。

金は先週後半はタイの実需筋が相当量の売却をしたようですが、インドは来月から税金の関係で値上がりするようで駆け込み的需要もあったようで好対照の動きをしています。仮に民主化運動がサウジに広がらずに、中東全体に落ち着きを取り戻すようでれば金相場は応分の調整を強いられることになります。

但し、中東情勢の一服から世界的な景気回復ムードが高まると、今度はインフレヘッジの金買いが見られることから、1月下旬に暴落をみせた1,300ドル割れに迫るような暴落もないものと考えられ、金相場は保ち合い気味の推移も予想されます。週末の米雇用統計や、明日のバーナンキ発言なども注目されます。

3月も中東がらみの波乱が予想されます

おはようございます。引越したもののまだ要領をえない状況でドタバタです(笑い)、今朝はまた寒さがぶり返してきたようで、彼岸入りまでまだ3週間残していますから本格的な春はもう少し我慢ですね。

中東ではリビアの首都トリポリも一部反政府勢力が制圧したようで、カダフィ政権の陥落も時間の問題のようです。但し政権崩壊後のチュニジアやエジプトでも前政権以外に有力な候補がなく、無政府状態になることも今後の懸念材料となっています。新たにサウジの南、イエメンのお隣のオマーンでも2,000人規模のデモが発生し死者も2名でており、世界最大の産油国サウジの包囲網が狭まっているようです。

今週末3月4日は第一金曜日で恒例の米雇用統計の発表となります。また、明日はバーナンキの議会証言があり、中東の混乱が米国の金融政策にどのように影響を与えると判断しているのか注目されます。

今週も宜しくお願いします。

引越しで更新が遅くなりました

こんにちは

昨日から僅かに数百メートルとは言え事務所の引越しで、荷造りやPCの移動等に時間を要しようやく一区切りついたところです。フロアはテナントの4階から自社ビルの5階に移り、少しばかり視界が開けた感じです。相場の見通しも開ければ幸いです(笑い)

【金融・為替】
ドル円は一段の円高が進み81円65銭近辺で終了、米第4四半期のGDP改訂値が下方修正(前月比+2.8%)されたことからドル売りの動きとなったようです。ユーロは1.375ドルに反落、ダウは61ドル高の1万2130ドルに続伸、10年債の利回りは3.414%に続落しています。CFTCの円売りポジションは更に膨らんだものの、中東情勢から安全通貨の円が買い戻される展開にファンドのカバーが更に円高をもたらせているようです。

【石油市況】
リビアの混乱から引き続き原油供給が懸念され一時100ドルの大台にせっきんしたものの、サウジがリビアの供給減を補うために増産に踏み切ったことを嫌気する転移に、高値から値を削って引けています。但しリビア産は品質が高く(軽質油)サウジ産に切り換えても、欧州では精製時の問題等が残り単純に代替えともゆかないようです。

【貴金属市況】
金は序盤に1,412ドルまで戻り、その後は原油の反落や株価の上昇を手仕舞い売りに押されて下落、1,409ドル台で前日比6ドル前後下げて引けています。ファンドのロングは22日現在537.6ドル(前週比+23.5t増)となっており、取り組みも51万枚に乗せています。1月末のエジプトの民主化運動から1,300ドルでボトムを形成して、バーレンやリビアといった産油国に飛び火したことが1,400ドル台乗せの背景となりました。仮に調整から1,400ドルを割り込んでも、1,300ドルの後半から徐々に実需の買い支えが下値をサポートさせるものの、1,430ドル台の史上最高値を更新するにも目先は材料不足のようです。

【穀物市況】
穀物市況は急反発しており、原油価格の上昇や株価の上昇にも支援されたようです。リスク回避の傾向はあるものの、金融市場全般に比較的落ち着いていることや、コーンの輸出成約高が好調なことも上昇要因となっている模様です。

朝一番情報

おはようございます。2月も残りわずかになりましたが、チュニジアに始まったジャスミン革命が瞬く間に北アフリカから中東に広がり、東に東にへと歩を進め独裁政権や独裁者・独裁政党を脅かす民主化のうねりが一気に広がり、来月3月もこれらの波乱が引き続き金融市場を巻き込む動きが続きそうです。

【金融・為替】
ドル円は81円90銭と昨日から更に20銭ほど円高が進行しており、ユーロは1.380ドルと続伸しています。有事のドル買いは今回影を潜めており、対スイスフランでは最安値を更新(0.98$)していることに顕著に現れています。原油高が想像以上に米国経済を冷やす可能性が指摘され、原油価格が100ドル以上の価格が続くと貿易赤字全体の半分に達する可能性があり、対中国貿易赤字に相当する可能性もあります。また、このところの株安から安全資産の米国債に資金を移動させる動きも見られ、ドル買い要因であった長期金利が低下しだしたことから、利上げの含みを持たせるユーロにもドル安が顕著に反応をみせているようです。円相場も格付け会社の引き下げ報道にも関わらず、主要通貨に対して買われる動きが続いており、民主化運動の進む中東や北アフリカからの地理的に遠いことや、流動性の確保できる通貨として安全通貨のお墨付きを得る動きとなっています。ダウは37ドル安の1万2068ドルに続落、10年債の利回りは3.447%に低下しています。景気指標では失業保険申請件数が予想件数を下回ったものの、新築住宅販売件数が予想外に低調でしかも住宅価格の低迷が続いています。原油高が米景気回復ペースを鈍らせることになると、QE2を延長させる(QE3)論議も台頭する可能性を秘めることになりそうです。

* 米週間新規失業保険申請件数:39万1000件(事前予想は40万5000件)
* 1月の米新築住宅販売件数:年率28万4000件の前月比−0.3%(同30万5000件)

【石油市況】
原油はリビア情勢を受けて一時103.41ドルに上昇し、そのご遅い時間帯にカダフィが銃弾に倒れたとの報道(噂)に急落して97.28ドル(−0.82)で今日の取引を終えています。カダフィが死亡したところでリビアの混乱が収まるものでなく、投機資金が材料に敏感に反応を見せており、今後も乱高下する場面が継続されることが必定と思われます。EIAが24日発表した2月18日までの週間石油統計は以下の通り。事前予想は、原油在庫が前週比120万バレル増加、留出油が同120万バレル減少、ガソリンが同40万バレル増加でした。       
 
                 前週比
原油      3億4670万バレル      80万バレル増加
ガソリン    2億3830万バレル      280万バレル減少
留出油     1億5990万バレル      130万バレル減少
       
【貴金属市況】
金は中東の緊張から上昇し一時1418ドル台の戻り高値を更新したものの、原油と同様にカダフィ銃殺の報道に一転して利益確定売りに押されて1392ドルに急反落し、現在は1402ドル近辺で落ち着いた動きとなっています。原油同様に上下動のうねりが終盤に控えていたようで、投機筋の動きが主導するものとなっています。現状ではアジアの実需売りが1,410ドル前後では出ている模様で上値を押さえ、ファンドとの綱引き状態が継続されています。このところの上昇による日柄経過で徐々に1,400ドルに目線が慣れたことから、1400ドルを大きく割り込むと実需買い再開も以外に高水準から出る可能性も考えられます。但し当面はブレが大きく、安定感に欠ける展開が予想され、有事相場独特のものとなりそうです。

【穀物市況】
米農務省(USDA)のアウトルックフォーラム見通し
*コーン
作付面積:9200万エーカー
生産高:137億3000万Bu
2011−12年期末在庫:8億6500万Bu
*大豆
作付面積:7800万エーカー
生産高:33億4500万Bu
2011−12年期末在庫:1億6000万Bu

上述したのは米農務省アウトルックフォーラムの内容です。このところの事前予想と大差ないために市況への影響は限定的となっています。市場は中東情勢の不透明から昨日の反発から修正し、やや軟化する展開となっています。原油等の反落も影響を受けているようです。

リスク回避モードの一日

今日も一日お疲れ様でした。

日経平均が100円余り続落していたり、為替が一時的81円台に突入するなど金融市場全般にリスク回避モードとなっています。北アフリカや中東情勢の緊張が続いていることに関して、世界経済への影響は不透明ながらも少なくとも“負の影響”は避けられないことは明白で、金融危機から立ち直りかけている世界経済の腰を折るというネガティブな発想が定着しつつあるように思われます。

韓国紙・朝鮮日報によると、中朝国境近くで北朝鮮の民間人デモ隊を軍が鎮圧して、その際に数名の死者がでたと伝えられています。報道規制が強い中朝国境付近の人々が中東の民主化デモを知ってか知らずか、チュニジアのジャスミン革命は西に広がり地球を2/3周したことになり、一時カダフィが亡命したと噂された南米ベネズエラやコロンビアあたりに広がると地球を一周することになります。

国内商品市場も今朝の入電が全般に確りなことから軒並み高寄りしたものの、その後は時間外取引の軟化と円高に押されて失速、石油関連銘柄以外は前日比マイナスに沈んだ銘柄が続出しています。中東=石油=原油高=景気後退=株安=商品需要減退=というような“負のスパイラル”を彷彿させるものとなっています。第3次オイルショックの趣きもあり、今後も予断を許さない情勢のようです。

ICEブレントやドバイ原油に遅れること出遅れ気味のWTIもようやく100ドルオーバーにこぎ着けていますが、今後は中東舞台の地政学的リスクに翻弄され、一夜に数ドルの上下動も珍しくない状況が続く波乱含みと考えられます。原油と同様に上昇基調にあるのは金であり、安全資産面とインフレヘッジの双方の要因が1,400ドル大台に導いています。

有事の金買いという側面はこれまでの学習効果では“噂で買って事実で売る”というパターンですが、今回は地域・国家が広範囲に渡り、しかも現在進行形なだけに安易に弱気できない状況です。金価格に万一暴落があるとすれば、カダフィの退場や、デモがサウジに及ばないことではなく、リスク回避から利食い売りが殺到するケースのほうが怖いように思います。最もその場合はファンド売りvs実需買いとなり、ひと月前のように格好の買い場提供となるものと思いますが・・・

朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円は82円50銭と昨日から15銭の円高・ドル安で推移、ユーロは1.374ドルに続伸、ダウは107ドル安の1万2105ドルに大幅続落し、10年債の利回りは3.479%にこちらは続落しています。円高要因は安全通貨の円買いと、日米の金利差縮小が主な要因となっていて、ユーロの対ドルの堅調はユーロ圏のインフレに対応の利上げ観測によるものです。株価はリビア等による中東情勢の緊張継続を嫌気する動きが続きから、株式のリスク資産を安全資産の米国債に乗り換える動きが金利低下をもたらせています。もはやカダフィ政権は崩壊状態から内戦の危機に陥っており、今後の注目は世界最大の産油国サウジアラビアに民主化運動が拡大されるかに移りだしているようです。米中古住宅販売は事前予想を大きく上回ったものの、金融市場の注目は国内指標から中東に視線が移されて折り反応は限定的となっています。

* 1月の米中古住宅販売件数:前月比+2.7%の年率換算536万件(事前予想は520万件)
* 米住宅ローン申請件数:前週比+13.2%

【石油市況】
原油価格はリビア情勢の緊張から中東産の石油や天然ガスの供給不安を反映させて続伸、98.10ドル(+2.68)で本日の取引を終了しています。一時は2年4カ月ぶりに100ドルの大台に乗せており、ICEブレントも111.25ドル(+5.47)に飛んでいます。中東情勢により原油市況は投機筋の動きも加わりボラティリティが高まり、今後の乱高下が一層高まる展開が続きそうです。

【貴金属市況】
原油同様に金も続伸しており一時1月上旬以来の1417ドルに続伸し、現在スポット価格は1,410ドル近辺の保ち合いとなっています。中東情勢の緊張と原油価格急騰によるインフレヘッジとしての両面から金価格を押し上げています。また、コメックス金は先月下旬以来取組高が50万枚乗せとなっており、投機的な買い物のボリュームの拡大を裏付けています。中東情勢の緊張拡大によっては史上最高値の14312.5ドルを射程圏に捉えている水準ですが、アジア市場ではスクラップ売りも相当量で出しており、ファンド買いvs実需売りの構図に久しぶりに戻る展開となっています。

【穀物市況】
穀物市況は急反発を見せており、ファンドの売り一巡後は需給逼迫背景の買い戻しに戻りをみせています。前日の急落を受けた序盤はファンドの整理遅れが見られたものの、そのは当業者のヘッジはずしや新規の買いを誘う展開となりました。原油市況や金市況の上昇も支援要因となっていますが、本日は急落に対する自立修正の域を出ないものと思われます。

朝一番情報

おはようございます。ニュージーランドの地震災害は深刻なようですが、本来火山活動の活発な国柄ゆえ建築物の強度化の遅れが被害拡大の要因となっているようです。日本も地震被害は多いけど建築基準法の厳格化が進んでいるから、被害も最小限に抑えられているのでしょうね。

【金融・為替】
為替は82円70銭と昨日から50銭ほどの円高・ドル安で推移、ムーディーズのダブルA安定→ネガティブへの引き下げも安全資産の円買いが優っているようです。ユーロは1.365ドルに反発しており、ECB理事会のメンバ−からインフレを懸念する発言に再び利上げ観測が高まり買い戻される流れとなっています。但しポルトガルの長期債の利回りに見られるユーロは建材で、ユーロの上昇にも自ずと限度があるという状況に変化はないようです。ダウは産油国リビアのカダフィ大佐に辞任の意志がないことが伝わり急落178ドル安の1万2212ドルに、株価急落で国債が急騰し10年債の利回りは3.455%に低下しています。北アフリカ・中東そしてリビアの緊張による原油価格急騰が金融市場の波乱要因となっています。中国でもガソリン等が昨日から4%の値上げを政府が認めており、今月のCPIはいよいよ5%の大台に乗せるものと予想されています。景気指標では住宅価格の低調が続いており、FRBが懸念材料としている雇用・住宅部門の低調さは、追加緩和策を継続させる正当性を維持させるものとなっています。

* S&Pケースシラー住宅価格指数:前年同月比−2.38%(事前予想は−2.40%)
* 2月の米消費者信頼感指数:70.4(同65.0)

【石油市況】
原油は昨日の時間外からの急騰を引き継ぐかたちから93.57ドル(+7.37)で取引を終えており、一時的に94.49ドルの高値をつけています。カダフィ大佐の辞任意思のないことから、世界第8位のリビアからの原油や天然ガスの供給不安が原油価格を押し上げています。天然ガスをリビアに依存するイタリアではいまのところ供給障害はないものの、内戦の危機に事態が深刻化することに備えて備蓄放出も検討されているようです。また、サウジのヌアイミ石油相はOPECの供給体制は十分に機能していて、現状は増産を考えていないことを表明しています。

【貴金属市況】
金は中東情勢の緊張から1400ドル台をNY市場でも回復し一時1411ドルに上昇しています。この時間帯のスポット価格は1398ドル台と大台を割り込んでおり、株価の急落に見舞われた影響から金のロングポジションを一部に手仕舞う動きがあるようです。原油と金は今回の中東有事に買い進められているのですが、金融市場全般の目線から見ると唯一買いポジションの含み益が増した銘柄で、他の損失を穴埋めに動く影響も無視できないようです。但し今回の有事はアフリカ・中東と広範囲に渡る事や、世界の石油生産の8割を占める地域であることや、多くの国々に民主化のデモが拡散する状況から、長期化することが予想され安全資産として金の地位を引き上げることになりそうです。

【穀物市況】
原油や金価格が急騰するなか、銅が代表する非鉄金属や株価が急反落に転じたために、リビアに代表される地域の政情不安やダウ急落による景気の失速懸念が穀物市況にも波及する流れとなり、ファンドによる手仕舞い売りが殺到しコーン、小麦、大豆ともに制限安に張り付いたまま取引を終了しています。リスク回避の動きが鮮明に現れているようです。

有事の買いは長続きしないと言うが・・・

今日も一日お疲れ様でした。

リビア情勢に振り回される一日かと思いきや、S&Pに続きムーディズからも日本国債の引き上げ報道がなされ、安全通貨として買い戻され82円台に上昇した円相場が83円台に再び反落、83円30銭前後でその後は保ち合いとなりました。

円相場に関して言うと興味深い話があります。著名投資家ジム・ロジャースは最近新興国株式から資金を引き上げ、なんと日本株に投資しているとのこと、60才台ながら3度目の結婚で現在は小さな女のお子さんが二人、シンガポールの豪邸には「サンリオ」のキャラクター商品(キティちゃん三昧)で溢れているそうです。そのジム・ロジャースも日本株保有はセべラルイヤー(3〜5年)後には一切合切手放し、日本株は二度と保有することがないだろうと語っているようです。

S&Pにしろムーディーズにしろ格付け会社が過去何度も日本国債の引き下げの判断を下してきましたが、投機筋の日本売りは尽く失敗に終えています。現在の個人金融資産が1400兆円、財政赤字がざっと900兆円とすれば、日本人マネーでの国債消化は今後数年間続く、但しその先はヤバイよ!っとジムロジャースが答えているように、我々日本人も赤字の拡大ペースにはいずれ戦々恐々とする時期が遅からず訪れることを覚悟する必要があるのでしょう。カダフィ・リビアがマスコミを賑わせた一日でも、日本の今年度予算の行方のほうがより重要なニュースのように思います。

さて、そうは言っても今日の市況の主役はやはりカダフィ大佐であって、戦闘機がデモ隊目がけて機銃掃射の雨嵐、ベンアリやムバラクの比ではないようです。しかも世界でも有数の産油国だけに始末が悪い状況です。ドバイや北海ブレントに続き休日明けWTI原油が一時8ドル高に急騰、金も1,410ドル前後に上昇を見せる一日となりました。“有事の買い”が1990年の湾岸戦争勃発時に、急騰後の急落となったことから一過性で終えるケースが増えたものの、今回は地政学の地域がアフリカ・中東に拡散しており、一概に“噂で買って事実で売る”という風にこれまでの学習効果が発揮されるとは限らない難しい状況となっています。

産油国リビアの緊張に株安・原油・金急騰

おはようございます。

米国市場が休場ではありますが、世界第8位の産油国リビアの政情不安からWTI原油が時間外取引で91.4ドルと5.2ドルの急騰を演じています。同じく金価格も1407ドルと一月半ぶりに1,400ドルの大台に返り咲き、安全資産としての金、インフレヘッジとのしての金が復活しています。また、欧州の主要株式市場である英・独・仏の証券市場は、中東情勢の緊張と原油の急騰を嫌気する動きに軒並み1%強の下落となっています。

リビアでは東部の第二の都市ベンガジでは軍が民衆側について政府軍と戦闘との報道もあり、内戦の危機に立たされているようで、欧米系の外資の石油施設では国外退去の動きが既に出ているようで、石油生産の停滞が懸念される状況のようです。リビアの事実上の国家元首であるカダフィ大佐の国外ベネズエラ亡命の噂も広がっており、混乱は深まるばかりのようです。

株価が反落して原油や金が上昇する動きながら為替市場は比較的に冷静で、ドル円は83円15銭、ユーロ・ドルは1.367ドルとこちらも波風の穏やかな動き(波風あっても米国市場休場から身動きが取れない?)となっています。チュニジアやエジプトといった国家元首が既に辞任や亡命した国は非産油国ながら、リビアはアフリカ有数の産油国であり、市況の反応も顕著となっています。リビア同様にサウジアラビアという世界最大の産油国にも民主化運動のうねりは広がっており、有事=原油高=一過性=急落の憂き目 というこれまでの方程式では納まりきれない地域・国家の連鎖の波状攻撃のような印象も受けます。

中東の緊張に商品は概ね堅調に推移

今日も一日お疲れ様でした。

中東の緊張が高まっており、リビアではカダフィ大佐の次男が内戦の危機を示唆する発言をしています。リビア第2の都市ベンガジの軍隊が民衆側に寝返る動きがあるようで、元々民主化を求める動きが複雑な展開に入りつつあるようです。ジャスミン革命と銘打たれたチュニジアに始まりエジプトに広がりを見せた経緯は、昨日のNHK特集でも詳細が伝えられていたのでご覧になった方も多いと思います。

エジプトではムバラク退任のあとも労働者のデモが頻発していて、賃金引き上げをスローガンにして続けられているようで、静観している軍も手を焼いているようです。チュニジアも同様で、独裁者を追い出すことに成功したものの、カリスマ的な強い指導者が存在しないために、今後の国の行方が混沌とした状況が続いているようです。

さて、事は“世界の火薬庫”と呼ばれる中東のことゆえ、時間外の原油価格が1ドル強上昇しています。また、海上運賃の指標となるバルチック海運指数はエジプトに飛び火した時点からじり高に推移しており、日本等の輸入に頼る国の穀物価格も上昇しています。先週末に開かれたG20財務相・中銀総裁会議でも、中東の民主化運動の原因ともなった食料品価格上昇に関して、商品取引所に対する規制も議題となったものの具体策が先送りされたことから、投機筋を勢い付けている側面もあるようです。

先週末に続伸して引けたNYダウですが、週明けのアジア市場は中東情勢の不安定さから神経質な展開を余儀なくされています。一方の商品市場は有事の原油・金買いが進んでおり、前出の原油同様に金価格が1395ドル前後に上昇し1,400ドルの大台に接近しています。金に関して安値で買い付けたアジアの実需筋が先週あたりから売りに回ったものの、中東情勢を見極めようとする状況から今週は売り物がストップ気味のようで、この先の成り行きを見極めているようです。売り圧力の後退ということになり、商品と株式は対照的な反応を見せています。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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