本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2009年08月

動意薄の金について

上海株は年初から7月にかけて前年比90%高に急騰、現在は20%前後の調整中というところです。金融危機時に他国に先駆けて流動性を市場に大量供給したことが、現在の株と不動産のバブル状態を招き、ここにきて金融機関から市場への資金供給を絞る政策を人民銀行が示唆したことが、現在の調整懸念へと結びつく動きとなったようです。国策で資金供給し、同じく国策で資金を引き上げるという典型的な官製相場となっているようです。

日本の株価も中国株の動きに敏感に反応しており、今朝の政権交代のご祝儀ムードも興醒めさせられる展開となっています。早ければ今年度にも日本をGDPを追い抜き、実質上米国に続く経済大国に躍進すると思われる中国経済、無視は出来ないものの日本独自の材料、例えば先週末の失業率や昨日の衆院選といった日本のビックイベントも、世界では取るに足りないものか?売買の内容も外資ファンドの動き中心で、本邦初の主体性のない場面が多いようです。

最も主体性のないのは現在の商品市場も同様で、景気指標や株価の上下動に翻弄されやすい状況に陥っているようです。金は930〜960ドルのボックス相場を長期間続けています。土曜の日経朝刊に見られるように、株高から安全資産の金から資金が後退、ETFの減少傾向がその裏づけとなっているようです。また、宝飾需要も最大の消費国であるインドでは価格高騰が続き輸入が急速に落ち込む状態で、実需不振の典型となっています。

では下げるのか?と言えば、中国政府の保有がこの3年間で400t強増加しており、ロシアも今年に入り100t近く増加しており、新興国のドル離れの一旦が表れており、外貨保有の分散化に金が大きく貢献していることが分かります。IMFの保有金403トンの売却は、9月下旬の欧州中銀の金売却協定(第3次ワシントン協定)にてまとまるようですが、一方では中国あたりが一括購入の噂話も絶えません。金融不安の再燃懸念が静かに深く潜行しているとも考えられ、ETFの減少とてこの水準から大きくは減らないと思われ、ヘッジニーズが極端に落ち込むことは考え難い環境のようです。

しかし、1,000ドルの大台回帰はまだ少し先の話となりそうで、市場人気も離散気味というところが現状の金市況です。相場は“根競べ”の領域、一時的に900ドル大台割れに接近する可能性も考えると、人気の盛り上がりには当面欠ける展開が続きそうです。

ご祝儀相場のあや

民主党の圧勝に市況は反応し、日経平均は寄り直後の9時17分に1万767円と250円強の急騰、円相場もじりじりと円高が進み92円55銭に上昇、株価はその後円高を嫌気したのか、買われすぎの反動かマイナス推移しています。ご祝儀相場も一巡したところに上海株が急落現在4%強の急落となっています。

ユーロ・ドルは1.43ドル近辺を小動きに終始、アジア株はほぼ軒並み軟調推移のところを見ると日本の「政権交代」がもたらせた動きと思われます。商品はものによっては高く寄りついたものの、その後は円高と株安を嫌気する動きに軟調推移を強いられています。

民主大勝に沸く!

おはようございます。

選挙結果を見ていたらいつもより更新が遅くなりました。予想されたとは言え民主党の圧勝、過半数の240議席どころか、安定過半数に迫る勢い、自民党の時代が一先ず終焉、民主党のお手並み拝見が実際に訪れたわけです。野党からいよいよ政権政党としての真価が問われることになります。

民主党の勝利によって早朝6時には為替が93円20銭に上昇しましたが、その後は落ち着いているようです。海外の反応や、アナリストの見方も一様でなく、政権交代による影響はまだよく分からない状況です。但し日本でも雇用不安が台頭しており、消費者物価指数も下落、世界的に“雇用と消費不振”が秋以降のテーマとなりそうです。

投票開始

おはようございます。

政権交代か?政権維持か?いよいよ衆議院選投票日ですね。期日前投票も1,000万人を超えて、これまでにない投票率となりそうで注目度は前回の郵政選挙以上のようです。金融危機による不況下の選挙とうこともあり、景気浮揚対策による各党ともにばら撒きの様相ですが、問題は政権獲得後の政策の具体化に注目したいと思います。ところで台風11号が接近していて午後から雨模様とのことです。早めに済ませましょうか!

さて、来週の注目は4日の米雇用統計です。現在のところ22万人の雇用者減が見込まれていますが、結構強気の見方もあるようです。今月に入りに日経平均が上海株に左右される日が13/20あるとのこと、リアルチャートを見ていると上海スタートの10時半頃にはその典型が見られます。成熟している先進国市場より、発展途上のBRICs等の動きが注目されるのは頷けないものでないものの、少し寂しい印象をうけるのですがどうでしょうか。

CFTCファンドポジション

こんばんは、残暑厳しい一日でしたが、明日からは下り坂で気温もずいぶん下がるようです。体調管理が難しいですね、インフルエンザが広がっているようですから十分に注意!さて、CFTCより発表された8月25日現在のファンドポジションを紹介します。

円(YEN) 1万1,647枚の買い越し(+9,294枚)
原油    3万9,577枚の買い越し(+1万6,879枚)
留出油   3万4,535枚の買い越し(−1,201枚)
ガソリン  4万7,131枚の買い越し(−4,224枚)
金     18万2,982枚の買い越し(+5,452枚)
銀     2万9,130枚の買い越し(+1,279枚)
白金    1万4,732枚の買い越し(+449枚)
パラジウム 1万2,188枚の買い越し(+958枚)
コーン   3万1,188枚の買い越し(−2万2,242枚)
INDEX  33万832枚の買い越し(+5,689枚)
大豆    6万7,491枚の買い越し(−5,969枚)
INDEX  14万7,099枚の買い越し(+1,154枚)
コーヒー  1万5,797枚の買い越し(−7,139枚)
砂糖    21万5,674枚の買い越し(−8,311枚)

週末の海外市場

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円相場は93円58銭と昨日3時半からは15銭程度の円高・ドル安で引けています。ユーロは1.430ドルと若干のユーロ高、ダウは小反落36ドル安の9.544ドル、10年物国債の利回りは−0.011%の3.451%となっています。欧州では8月のユーロ圏景況感指数速報値が80.6と、市場予想の78を上回り昨年10月以来の高水準となっています。米国では消費者信頼感指数が65.7と予想の64を上回ったものの、過去4ヶ月では最低の水準となり一部に悲観的見方が台頭、株価の下押し要因となった模様です。

* 8月のミシガン大消費者信頼感指数速報値:65.7(予想は64.0)

【石油市況】
原油は72.74ドル(+0.25)と小確りで引けています。株価やドル相場に大きな動意がなく、決定力に欠けることから前日の引け値圏での往来となった模様です。石油コンサルタント会社によるとOPECの7月の原油生産高は2,600万バレルと、減産合意の2,484万5,000バレルを100万バレル強上回る水準で、9月9日のOPEC定例総会では据え置きが濃厚と見られているようです。

【貴金属市況】
金は一時960ドル台に乗せる水準に上昇し、今月上旬の高値に迫るもち合いの上限に接近しています。高値を買わず、安値を売らずの逆張り展開がもうしばらく続きそうです。白金族も金に連れる展開、南ア・インパラ社ルステンバーグ鉱山のストライキは4日目に突入しており、10%の賃上げ提示に対して組合は住宅補助や交通費の引き上げを追加要求しているようで、現状では折り合いの目処が立たないようです。

【穀物市況】
コーンは小動きに終始、大豆に関しては中国向けの大口成約と、気温の低下による早霜懸念が買い材料視され、特に期近の旧穀の需給逼迫から旧穀限月中心に買われる展開となっています。

日本の雇用は不安拡大

日本の7月の消費者物価指数が前年比−2.2%と、明らかなデフレ現象が起きています。失業率は5.7%(予想は5.5%)と過去最悪の結果、雇用不安が消費者心理をネガティブにさせていることは世界的なことで、なにも日本に限ったことではないでしょう。実生活の視点から見ると、景気回復期待の高まりや、株高、商品高はまるで違う世界の話のようで、金融の世界に身を置く者のみの世界なのかもしれません。

さて、NYダウは8営業日連続高の記録更新の最中ですが、チャートの穂先は徐々に丸みを帯びつつあるようにも思われます。昨年9月15日の“リーマン・ショック”からもうすぐ1年が経過しようとしています。金融工学と呼ばれたバブルが破裂して、庶民生活の足はすくわれたままの状況ながら、投機資金は量的緩和の金融政策によって市場に戻っているようです。

持ち高制限等の規制をかけられても、生きる世界は金融界であって、公的支援によって立ち直りつつあるようです。そして成功したものには当時問題となった高額報酬を再び手に入れるまでに再生、とばっちりを受けた庶民が立ち直れない状況のなかで、再び甦ろうとしているのです。公的支援でもって立ち直り、再び市場を席巻しようとする様!

但し、少しヒートアップが過ぎるようにも思われます。

朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円相場は93円45銭と昨日から30銭程度の円高・ドル安で推移、ユーロは1.343ドルと対ドルでは確り、午前3時過ぎには一時今月7日以来の1.4ドルにタッチしています。ダウは37ドル高の9,580ドルと8営業日連続のプラスを記録、10年債の利回りは+0・024%の3.462%となっています。米GDP改定値は事前予想の−1.5%を上回り−1.0%と速報値を据え置き、むしろ失業保険申請件数が事前予想件数を上回り、来月4日の雇用統計への注目度が高まりそうです。今週の米国債入札は5年債に引き続き7年債も順調、金融機関の借り出しが不調から資金を国債にスライドさせているようで、日本でも米国でも問わない共通の動きのようです。

* 4−6月期米GDP改定値:前期比−1.0%
* 米週間新規失業保険申請件数:57万件(予想は56万5千件)

【石油市況】
原油は72.49ドル(+1.06)とここ数日間の急落に対するリバウンドの戻りを入れており、ドル安や株価の持ち直しが支援要因、また、中国の設備過剰抑制計画・雇用問題はマイナス要因となっているようです。

【貴金属市況】
貴金属は決め手を欠くことから前日比では小動きに止まっています。金は950ドル台が徐々に上値を抑えるように思われますが、930ドル台には実需の買いが控えており膠着状態です。白金は一部鉱山のストライキが継続されており波乱要因となっています。一律10%の賃上げを組合は蹴っており、例年1割ずつの賃金アップは日本では考えられないこと、南ア経済がインフレに悩んでいるのか、余程最低賃金が低く抑えられているのか双方ともに深刻な問題に発展しているのか、昨夜も南ア公務員のデモ風景が伝えられていて、来年のサッカー・ワールドカップの開催大丈夫かいな?の疑問が広がります。

【穀物市況】
コーンは小確りで入電、大豆当月の急騰以外は高安まちまちの動きとなっています。中西部の気温低下観測と、輸出検証高の好調が下値を支える要因となっています。農務省によると今年の農家の収入減少は前年比38%となり、08年の農産物バブルが弾けた影響が大きいとのことです。

場中より

ニューヨーク・ダウは7営業日連続高ながら、徐々に上のほうの放物線が丸ぁ―るく見えてくるように思います。今日の上海市場株価が日本を含めてアジア株をも翻弄しているようです。当然株価と円相場の相関も見られます。ぼちぼち“景気回復期待の夢”から覚めてもおかしくはありませんね!

今週前半の16年ぶりにドルと円の金利差逆転報道ですが、FXの世界ではドル買い・円売りには金利負担が発生するにも関わらず、日本の個人のドル買いが月初の2倍に膨らんでいるようです。今日あたりの動きを見ると相当の守勢に回っていると思われ、玉処理が進んでいるものと考えられます。最もユーロとていくらも金利が付かないご時勢、思い切って過剰評価される円を売ることに理解は出来ます。但し相場の世界は“みんなで渡るとしっぺ返し”の世界、難しいですね。

日経紙にもあるように最近の金は安全資産としての見方が後退、金ETFも4月以降は減少傾向、安全資産価値の意味合いが問われる株高の背景に押される状況となっています。しかし、900ドルの大台を維持していることは、誰もが本気で景気回復すると考えてはいない心理の裏返し、ニーズには根強いものがあるようです。以前にも紹介したようにドイツの金の自販機登場のニュース、簡単にブームが去るようでは先見性がないというもの、今後数年間は金ブームの継続性を見越さなければとても製品化して、ペイできるものではありません。

ところで、今日は予定通り夕方にはレポート送信できると思います。

朝一番情報

おはようございます。

【金融・為替】
ドル円相場は94円20銭と小動き、ユーロは1.424ドルとこちらも若干のドル高傾向に、ダウはしぶとく4ドル高の9,543ドルと7営業日連続高、10年債の利回りは+0.01%の3.44%となっています。本日の景気指標もこのところの改善傾向を受けて、事前予想を上回るものとなっています。前月比でのプラスと受け止めるのか、前年比でのマイナス(危機以前)と受け止めるのかによって解釈の分かれるところとなります。

* 7月の米耐久財受注:前月比+4.9%(事前予想は(+3.0%)
* 7月の米新築住宅反米件数:前月比+9.6%の43万3,千件(同39万件)

【石油市況】
原油は71.43ドル(−0.62)で引けており、一時は70ドル割れに接近したものの、在庫統計が原油の微増傾向とガソリンの急減に支えられて反発しての引けとなった模様です。EIAから発表された8月21日までの週間在庫統計は以下の通り。事前予想は、原油在庫が前週比110万バレル減少、留出油が30万バレル増加、ガソリンが100万バレルの減少でした。
 
          前週比
原油    3億4380万バレル    20万バレル増加
ガソリン  2億0810万バレル    170万バレル減少
留出油   1億6240万バレル    80万バレル増加

【貴金属市況】
景気指標の発表がプラスに作用する時間帯もありましたが、株価・ドル相場は小不動に終始、原油の続落もあり活気に欠ける取引となったようです。白金は南アで2社の鉱山労働者のストライキが続いているようですが、規模的には供給に悪影響を及ぼすものでなく市況への影響は現在のところ軽微に済んでいるようです。

【穀物市況】
穀物市況は豊作観測と早霜懸念の強弱材料がぶつかり合う構図、本日は外的要因が原油の続落基調を初めネガティブサイドに反応しているようです。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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