本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2006年10月

大引け雑感

今日も一日お疲れ様でした。

日経平均は47円高の16,399と3日ぶりに小反発しており、円ドル相場は117円50銭を挟んだ動きとなっており、落ち着いたものとなっています。本日は福井日銀総裁の参議院で会見があり、以下のようになっており、これまでの発言の繰り返しから新味のないものとなっています。

◎ 政策金利水準調整は経済物価情勢に合わせゆっくり行う=福井日銀総裁*福井日銀総裁は31日の参院財政金融委員会で「通貨および金融の調節に関する報告書」の概要説明を行い、今後の金融政策運営について「政策金利水準の調整は経済・物価情勢に合わせ、ゆっくり行うことになる」との方針を改めて説明した。政策変更のタイミングについては「今後の経済・物価情勢次第」と述べるにとどめた。

さて本日は10月の最終営業日であり、午前中は海外市場の動向に追随したものでしたが、後場からは荒れ模様となりました。石油製品が制限安で張り付き、ゴムは大幅続落し、貴金属は白金を中心に後場から大きく崩れ、穀物はコーン・大豆共に制限安となっています。引け際ゴムや貴金属は若干の戻りを見せていますが、大半は安値での引けとなっています。

為替や株式も大きな動きがないし、日銀総裁の発言が影響しているとも考え難く、お客様からのなぜ?の声には答えに窮するわけですが、強いて上げれば月末要因からであり、個々の銘柄のファンダメンタルとは無縁としか、申し上げようがないということになります。もっとも後場から最近の中心銘柄である、コーンの夜間が4〜5セント急落していることが、売りに拍車をかけさせたかも知れませんがね。

さて、明日から11月相場入りとなり、この2ヶ月間が1年の締めくくりとして、重要となってまいります。相場への水先案内人として、当ブログが皆さんのお役立ちになるように、一層努力していきますので宜しくお願いします。個々の銘柄については「最前線レポート」に、今後も力を入れていくように致しますので、ご請求をお待ちしております。

前場雑感

金が前日比高・安まちまちとなっている以外、他の国際商品はほぼ前面安症状となっています。

穀物は昨日の夜間取引から見れば、いくらか弱い入電となっており、東穀の穀物がシカゴの上昇分を、追い越す日が最近目立ち始めたために、内外商社勢がシカゴ買い・東穀売りを進めており、特に大豆にその傾向が顕著に見られます。コーンもフレートが48ドルを現在割り込んでおり、52ドル台の上値から見れば、フレート高に悩まされた商社勢もホッと一息つけるのではないでしょうか。以前のように定期市場がシカゴより、割安とは言い切れない状況となっています。

石油製品はNY原油の暴落から、制限安を含めた急落を強いられています。サウジのテロが不発となったことや、今夜発表される在庫統計が、先週の反動から増加する見通しも嫌気されているようです。しかしながら、今後本格的な冬季需要の季節を迎えることや、50ドル割れで長居すれば、12月のOPEC総会での再度の減産を、市場が肯定することにも繋がり、さらに弱気するには58ドル台では妙味の無いものと思われます。

ゴムは本日の日経紙の「ラオス・ミャンマーなど主産国以外の栽培活発」との記事も利いているのか、220円割れ寸前となっており、新甫発会された4月限は当日の高値から既に20円近い下げに見舞われています。昨日の当ブログでも取り上げた、国際ゴム研究会の予測が今年、更に来年と年を追うごとに、供給量が増える見通しとなっていることも、このあたりが要因となっているものと思われます。

朝一番情報

おはようございます。

円ドル相場は現在117円50銭台で推移しており、前日3時半からは10銭前後の円安・ドルと落ち着いた動きとなっています。米個人消費支出は+0.1%(事前予想+0.2%)となっており、食品・エネルギーを除いたコア指数は+0.2%(事前予想+0.2%)と事前予想の範囲内となっております。本日は日銀展望レポートと日銀福井総裁会見・今夜はバーナンキ議長の講演を控えております。

原油は急落58.36ドル(−2.39)となっており、サウジへのアルカイダによるテロ攻撃がなかったことや、中国の9月の石油需要が今年2月以来の低い伸びとなっており、米中の景気後退観測から需要減少懸念が下押しさせたものと思われます。また、11月からのOPECの減産に懐疑的な見方が改めて浮上し、終日弱い展開となりました。

LMEはアルミ以外反落症状で、中国がアルミの輸出税引き上げ(11月1日から5%から15%に引き上げ)の報という強材料には、原油安から足を引っ張れており、反応が不十分なものとなっています。

貴金属は続伸しており、原油安の影響も最小限のものとなっています。金は52日移動平均線を上回り、ファンドの新規買いも呼び込んだものと思われます。原油価格と貴金属は本日は別な展開を見せており、原油が上昇したならば、一体貴金属はどこまで買われたのかと、ついつい想像させられてしまいます。

穀物はコーン安・大豆高となっておりますが、昨日の夜間取引の範囲内の動きとなっており、換算は動きの乏しいものながら、中心銘柄でもあり本日も飽きさせてくれないものと思います。収穫進捗率はコーンで68%(前年同期は78%)大豆は83%(前年同期91%)となっています。

国際ゴム研究会発表の「天然ゴム需給推定」

国際ゴム研究会が先頃発表した、「天然ゴム需給推定」を下記にご紹介します。

        2005年     2006年      2007年
生産高    862.9トン    894.0トン    974.0トン
消費量    875.6トン    889.6トン    941.8トン
過不足   (−12.7トン)  (+4.4トン)  (+32.2トン)

上記のように、年々生産・消費共に増加傾向であり、天然ゴムの市場が拡大傾向にあることがお分かりいただけると思います。生産においてはタイ・インドネシア・マレーシアの御三家が年々増加させており、世界一の消費国中国の需要をカバーしています。

統計では2005年が12.7トンの供給不足となったものの、今年は4.4トン来年は32.2トンと逆に供給過剰と見込んでいるようです。消費国の需要増加傾向以上に、生産国の生産増を見込んでおり、この見通しが正しいようなら、上記御三家が生産削減により需給調整をする必要に迫られそうです。それが出来なければ、200円割れから180円の方向へと、価格調整が進むことになります。

大引け雑感

今日も一日お疲れ様でした。

日経平均は317円安の16,351円で引けており、朝方から空を空けての陰線引けはあまり頂けない、チャートの悪化を予感させます。週末のNYダウの下げと、本日の円高が重なり調整安を強いられた形となっており、米国のGDPの伸び悩みが日本市場にも波及したものと思われます。

7-9のGDPが前期比1.6%(事前予想が2.2%)の伸びに留まり、景気後退局面が更に悪化するのか、或いは改善に向かうのかは、今後の市況にも大きく影響を及ぼすと見られ、今後の景気指標は特に注目というところです。米政府関係者からは、例えばポールソン財務長官に言わせれば、7-9のGDPは想定の範囲内とし、景気後退局面入りを否定しております。景気のソフトランディングへの、期待が大きいようです。

住宅需要の減少は明らかながら、ガソリン価格に代表されるように、価格下落を消費者が享受し、その分が他の消費に向かうことや、11月中旬からはクリスマス商戦入りとなり、企業の好決算からの需要増加を見込んでおり、楽観的に先行きを見込んでいるようです。

商品の方では穀物人気に未だ陰りは見られませんが、貴金属や原油からシフトした資金も、金600ドル・原油60ドルと安定してくれば、穀物に向かった資金が逆戻りする可能性もあります。CRB指数は300ポイント割れから、逆三尊(3点底入れ)を形成しており、各商品が出遅れをカバーする時期に入ったものと思われます。その意味で商品の取捨選択が重要となってきます。

金は円高の逆風下上昇・二つのリスク出現

円高の逆風の中、金が安寄りの後プラス圏に入り、先限は今月20日以来の2,300円台乗せとなっています。スポット価格も今月2日以来の、600ドル台乗せとなっています。NY市場では52日移動平均線乗せも控えており、ドル安も支援要因となっているようです。先週来からは新たに2つの地政学的リスクが浮上しており、これらも本日のスポット価格押し上げ要因となっていると思われます。

ひとつはサウジのペルシャ湾岸にある、ラスタヌラ製油所に対してテロの危険があること、サウジ政府によると、アルカイダによるテロの動きを入手しており、既に商業用船舶に警告を発しているようであり、現在ペルシャ湾には防衛のために、米国・英国・バーレーン・クウェートの軍隊が集結している模様です。

また、イランでは中部ナタンツ地区では、2基目のウラン濃縮活動が行われたことが伝えられており、イランのラリジャニ事務局長は、「安保理で制裁が発動されれば、IAEAの査察を拒否する」と発言しており、制裁を牽制する発言を行っています。ブッシュ大統領はイランの核兵器保有を受け入れられないとしており、今回の濃縮活動は米国の態度を、一層硬化させるものと思われます。

円ドル相場について

おはようございます。

早いもので、10月も最後の週となりました。米国ではサマータイムも終わりを告げており、朝の入電がその分遅れるようになりました。

さて、週末の米GDP7-9の後退が大きく、ドル安・円高に見舞われており、本日の国内市場は円高に押されて、換算値はほぼマイナス銘柄が大半を占めることになりそうです。

問題は円ドル相場がこの水準で、踏ん張りが利くかどうかであり、52日移動平均線が117円47銭となっており、微妙な水準となっています。基本的に金利差からの展開が続いており、日本円とドル・ユーロでは円高進行は限定的なものとなりそうで、この近辺からは円の上値が重くなるものと考えております。

米国政府関係者からも、今回のGDPに関する発言がいくつか出ており、ポールソン財務長官からは、「第3四半期のGDPとしては、想定の範囲内」との見解を示しており、米経済がソフトランディングすることに対して、自信の表れとも思える発言をしております。

今後の米経済指標を注目することになりますが、117円台からの円高・ドル安は限定的と思われ、米景気指標が落ち着きを取り戻せば、年末に向けて120円台へ向かう円安・ドル高コースを考えております。懸念があるとすれば、投機筋の円の売り込み(13万7,290枚のショート)がありますが、先週末にかけてある程度のショートカバーが入っているものと思われます。

CFTCファンドポジション

CFTCより発表された10月24日現在の、ファンドポジションを下記に紹介します。

原油    5,025枚の売り越し(+1,001枚)
ガソリン  6,058枚の買い越し(−1,130枚)
H・O    8,449枚の売り越し(+4,215枚)
金     5万5,960枚の買い越し(−5,299枚)
銀     2万2,407枚の買い越し(+3,948枚)
コーヒー  701枚の売り越し(−4,440枚)
砂糖    3万2,787枚の買い越し(−4,630枚)
コーン   22万5,573枚の買い越し(+2万3,142枚)

* 大豆・白金・パラジウムは未入電。
* 大豆は27日現在、推定で3万9,900枚の買い越し
* コーヒーの今週の上昇はファンドのショートカバーが要因と見られる。
* 全体では金・原油からコーン・大豆の資金移動が見られる。

朝一番情報

おはようございます。

円ドル相場は現在117円60銭で推移しており、昨日3時半からは80銭前後の大幅な円高・ドル安となっています。7-9のGDPが前期比1.6%(事前予想2.2%)の上昇に留まり、ドル安を加速させています。今年の米GDPは1-3が5.6%、4-6が2.6%となっており、今回は3年半ぶりの低迷となっており、景気減速感が鮮明となっています。

IMM円先物は24日現在13万7,290枚のショートとなっており、前週非2万4,712枚の増加から過去最高水準となっています。52日移動平均線は117円47銭に位置しており、ドルのサポートラインに差し迫りつつあり、円高局面もこの程度と思われますが、ファンドの円ショートの規模も大きく、微妙な局面となっています。

原油は60.75ドル(+0.39)と小確り症状となっています。サウジの石油ターミナルが、海上からのテロ攻撃の予告を受けた報道が伝わり、米景気減速やOPECの減産遵守の不透明さといった、悪材料を吸収しているようです。また、ナイジェリアの供給回復からOPECの10月の生産高が、前月を上回りそうな勢いも嫌気材料となっているようで、米北東部の寒波襲来にも大きな反応は見せていません。

金は601.0ドル(+1.2)と、一週間ぶりに600ドルの大台に乗っています。ドル安の進行度合いからすれば、小幅な上昇に留まっております。銀や白金・パラジウムはむしろ下落しており、銀・白金・パラは米国のGDPの悪化から、将来に対する景気減速からの、需要減少面に一時的に反応したようです。金は逆にドル不安を追い風としたものと受け取ることが出来ます。

穀物は続伸しており、コーンは5.5セント高・大豆は5.75セント高となっています。ファンドの買い意欲が強く、本日もコーンで7,500枚の買い越し、大豆は6,500枚の買い越しとなっています。

米国の商品市場では、金や原油の取組高は減少気味にあり、逆に穀物の取組は増加気味にあります。米景気の先行きに対する楽観論は健在であり、ソフトランディングに対する期待感は小さくないようです。商品から株式・債券市場に資金移動ということが言われておりますが、商品内部では原油や金から穀物に、資金移動が若干進んでいる程度であり、カルパースの資金導入も含めると、今後商品市場からの資金流出は限られたものとなりそうであり、逆に増加する可能性も十分にあると思われます。

大引け雑感

今週も一週間お疲れ様でした。

貴金属は今週保合いに終始し、これと言った材料の出現もない状態でした。来週からの新たな変動要因待ちとなっています。カルパース(カリフォルニア州職員年金基金)の、運用資金委員会の結果は、資金比率こそ未だ判然としませんが、どうやら運用自体は決定的となったようです。今後はETF等で長期運用することが予想され、金相場にはジワジワと利いてくるものと思われます。

穀物はシカゴの引け後に、オーストラリア政府筋から、小麦の生産高が正式に発表されたということから、(推定900万から1,100万トン)小麦の夜間が10セント強買われており、コーンや大豆もそれに追随して後場一段買われました。そのままコーンは先物2本が制限高で引けており、大豆は高値より若干だれております。Non大豆は期近限月のみが、マイナスで引けており、昨日の10月限納会で大手投機筋が現受け敢行したことが、12月限の下げに繋がっているようです。

ゴムは2月限の制限安を含めて、大幅下落となっています。昨日の新甫発会で戻り高値更新(240.5円)を狙った買い玉は、既に10円前後引かれた状態となっており、買い方には負担の重いものとなっています。昨日の大手商社の売り出動も利いており、またファンドも3月限の手仕舞いからの乗り換えが、手仕舞いのみになっており新甫を買わなかったことは意外なものとなりました。

昨日の「最前線レポート」にも書きましたが、期近11・12月限は300円台を経験しており、1月限も280円台の高値があることからすれば、年内の底入れからの浮上は難しいものがあり、産地のタイの天候や増産期入りを考え合わせれば、戻りを売る相場展開が当面続くことを前提にして取り組むべきと考えております。

「最前線レポート」はこちら
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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