本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

2006年07月

ゴムが安値から急反騰

イスラエルが48時間の空爆停止の報の直後、レバノンの国境近くに空爆があったとか、情報が入り乱れておりますが、定かなところは判然とはいたしません。これらの情報を受けて貴金属は気迷い気味となり、前日比若干高での引けとなっております。石油製品は先限中心で制限安で引けており、夜間取引も小幅な動きに終始しております。

穀物はHOT&DRY予報から、夜間が大豆5〜6セント高・コーン2〜3セント高での動きから国内も朝より若干高いものの、今夜のシカゴ市場の引け後に発表される、作柄状況に注目が移りつつあるようです。作柄が先週より悪化していれば、天候相場も再加熱の可能性が残りますが、作柄改善であれば峠を越えたことと受け取り、弱含みは避けられないものと思われます。

本日一人気を吐いたのはゴム相場であり、一時制限高を付ける始末となりました。新たに買われる材料が出たというより、人気が弱くなりすぎた反動がでたと思われます。下げ道中の空埋めならば、282 円どころまでの戻りを考えておくべきでしょう。底入れにつながるような要因は考づらく、戻りを売ることに変化はないものと思われます。

FOMC待ちの状況か

石油製品の制限安をはじめ、貴金属・穀物と上値の重い展開となっております。金は朝方こそレバノン情勢の長期化からの現物高を受けて、高寄りしておりますが間もなく息切れし、ずるずる下げに転じております。白金も右へならえの状況となり、夜間が確り入電の穀物も節ごとにだれる始末となっています。

先週末の6月のGDPが事前予想より悪化しており、利上げのトーンが下がり気味となっておりますが、逆にインフレ懸念も根深く存在し、市場がまたもや利上げに対して疑心暗鬼となっています。イスラエルとレバノンの問題や、イランの核開発問題等中東の火種は拡大気味でありながら、石油製品や貴金属が動意を欠く状態となっています。

米国の利上げ問題が片付くまでの問題なのかどうか、というところでしょうが、その意味で今週末の雇用統計が、最も重要な最後の指標になるものと思われます。

目先は全体的に上値の重い状態が続くものと思われ、さりとて、中東情勢によっては有事の買いがいつ出るかも知れず、ポジション取りのやりにくい状況が続くのでしょうか。人によっては夏枯れ相場に入ったとの、悲観的な見方もありますが、8月相場は意外と動くものです。

朝一番情報

おはようございます。

レバノン情勢が緊迫化しておりますが、金のスポット価格は反応薄のようであり、現在635.9ドル・為替114円70銭前後から換算するとせいぜい10円高程度であり、不感症気味の反応となっております。

民間人が多数犠牲となっても、国際社会の反応が鈍く、イスラエル寄りの米国次第といったところでしょうか。北朝鮮問題やイラン問題、今回のイスラエル・レバノンの問題と、国際社会の有力国のそれぞれの利害が優先されており、国連の安保理も同様に利害優先から、対象国への対応が遅れ気味となっています。

今回のレバノン問題は特に人名が危機に晒されており、一刻を争う問題でありながら遅々として進んでいないのが現実となっています。米国自身9.11事件では国際社会を味方につけて、テロに立ち向かう強いアメリカを極めたわけで、無力なレバノン市民を武力で圧倒するイスラエルに対しては、見てみぬふりでは国際社会が黙っているわけにも、いかないのではないでしょうか。国連の無力さを感じますね。

大国の利害だけで国際社会を動かそうにも限度があり、今の世界の紛争が益々複雑化して、テロや紛争が蔓延る事になります。正義の方向へ国際世論が進み、たとえ大国であってもそれを駆逐できない環境ができあがればいいですね。

FOMCファンドポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)から発表された7月25日現在の、大口投機玉を下記に帰しておきます。

原油   6万285枚買い越し(−3516枚)
ガソリン 2万4148枚買い越し(−2488枚)
H・O   1万121枚買い越し(−9312枚)
白金   3975枚買い越し(−81枚)
パラ   5973枚買い越し(−1枚)
金    10万198枚買い越し(−5,238枚)
銀    2万3822枚買い越し(+3509枚)
コーヒー 7751枚売り越し(+3780枚)
砂糖   7万569枚買い越し(−2487枚)
コーン  19万6273枚買い越し(−687枚)
大豆   1万8009枚売り越し(+1万693枚)

*(売り越しの場合の+は売り越し枚数増加を意味します)

利上げ後退からドル安

おはようございます。

米商務省から発表された第2四半期のGDPが、事前予想を下回る年率+2.5%と発表され、ドルが全面安症状となっています。第1四半期が5.6%でしたから、景気の落ち込みが予想以上だったことが伺えます。事前予想は3.0%であり、落ち込み度合いが想像できると思います。個人消費は2.5%(前期4.8%)に落ち込んでおり、度重なる利上げが景気の停滞が鮮明化してきております。しかし、その一方で物価動向をしますGDPデフレーターは+3.3%となっており、物価上昇圧力がなお強いことを示しております。

円ドルは現在114円60銭台であり、前日の東京3時30分現在と比較し約80銭の円高・ドル安となります。ドル安症状の中でプラス銘柄は限定されており、金の2.3ドル・コーヒーの2.6セント・ロンドンの非鉄関連と少数に限られています。利上げ後退局面とドル安進行は本来商品の強材料であるにも関わらず、商品市場全般に同意に乏しいものとなっています。

原油は73.24ドル(−1.30ドル)で入電しており、中東情勢の進展を嫌気した動きになっております。ワシントンでのブッシュ・ブレア会談に続き、31日に国連本部で中東和平に向けて、外相会談が行われることが決まり、レバノン紛争解決に向けてのムードの高まりと、広がりを見せていることに押されての動きとなっています。しかし、中東情勢の不透明感は根強く、ナイジェリアの減産や、米精油所の供給障害などが下値を支えるものとなっております。

金は4営業日連続続伸ながら、取り組みの減少が気がかりであり、ドル安背景にフォローの材料ながら、上げ幅が限定されており、本来の力強い相場には未だ暫くの時間的な猶予が必要かと思われます。現在は600ドル・2.300円を固めている状況かと思われます。
今週の「最前線レポート」は金相場の見通しに加えて、大豆・アラビカの鞘取りをご紹介しております。「最前線レポート」はこちらから

気迷いにて不揃いな手口

今週も一週間お疲れ様でした。

市場心理が一方通行とならない状況が続いておりますが、本日の金・白金がその代表例でしょうか。NY10ドル高に朝は勢い付いた金は、いきなり20円前後買われて(採算はせいぜい10円高)2,400円台に瞬間乗せたわけですが、まもなく息切れして失速し、そのうちにマイナスサイドに落ち込み、そのままの状態で大引けております。

ここ最近の手口を何度か紹介しておりますが、大衆店の買い気が盛り上りに欠けており、本日も手口が「不揃い」となっています。通常は大相場が終焉を迎えて、下げに転じた場合に、投げ相場となった場合に起こるのですが、現在のような下値を固めて上昇波動に乗るうかという時には、珍しい現象ではないかと思います。

昨年12月の暴落時にはこのような手口となりましたが、現在のような平時にはあまりこのような気迷い現象は起こらないのが常です。大衆が強気になりきれない分、本来売り方である商社勢が買わざるを得ない状況となっています。決して商社が上手で大衆が下手だと主張しているのではなく、健全な上昇相場は商社が作るものでは大衆が主役となるほうがベストなのです。

増してや数十年に一度あるかどうかの、金の大相場であるわけですから(私はそう思っている)大衆心理が一方通行でよいのです。商社は100枚や1,000枚あるいは1万枚の手を振ろうが、利益自体は微々たるものなのです。なぜかと言うと彼らは常にヘッジの場を求めており、金で言うとロコ・LD市場がそれに相当します。

つまり東京市場が買い気の強いときに、割高な東京を売り、割安なロコLDを買いに行くのです。つまりわずかな価格差を狙う裁定取引であり、うまくポジションを整理しても、懐に入る分は高々知れているのです、だから必要以上の売買や大量注文にて稼ぐ必要があるのです。

一般投資家と比較すれば「蚤の心臓」といっても差支えがないのであり、霞を積み上げるような作業を積み重ねることが彼らの仕事なのです。その彼らに仕事を与えているのが一般投資家であり、その誇りを持って臨んでいただきたいのです。

価格のメカニズム=大衆が買う=割高から商社が売る=ロコLDにヘッジ買い=ロコLD上昇=NYタイムに波及=入電高=大衆買い人気=商社売りとなります。このサイクルが上げ相場のサイクルであり、下げ相場はその逆パターンとなります。米国の利上げの最終局面が近づきつつあり、そうなるのも時間の問題ではないでしょうか。

少し偏った話題提供となりましたが、書いてる本人はいたって真面目なのです。1グラムの金の50円や100円逆に行った所で、いずれそれを10倍・20倍にして返せるのが相場の世界です。ちまちま張っていたのではしようがないのです。相場に夢をもって望みたいものです。

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週末の利食い先行

金は換算値が10前後にも関わらず、今朝は20円前後高寄りしており、若干買われ過ぎから利食いで押しております。内外共に今ひとつ盛り上りに欠けており、当ブログでも何度か指摘しているように、東京市場は買い方大衆が先行きに対して疑心暗鬼の状態が続いており、ここ最近は3営業日あっても、大衆買いは1日で残り2日は商社のショートカバーが中心となっています。

大衆の買い人気が相場を作るのであって、逆に言うと商社のショートポジションが相場を作るとも言えます。最も大衆買いとは言っても、昨年の12月のような明らかに異常な買い方は、相場の生命力を短命に終らせるのであって、賛成はできません。あくまでも常識の範囲での買い方が望ましいのです。

海外市場もファンドを含めて、米国の金利政策に対してかなりナーバスとなっており、本格的な人気の回復には、未だ少し時間を要するものと思われます。今は600ドルと2,300円の台固めの段階ではないでしょうか。押しを待って拾う作戦で望みたいものです。

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朝一番情報

おはようございます。

昨日のベージュブックの報告を受けて、米景気の後退懸念が高まり、ドル安円高の流れを引き継いだ状況となっています。円相場は現在115円70銭台となっており、昨日3時30分から約30銭の円高・ドル安となっております。

国際商品はドル安背景に、工業品銘柄中心に概ね確りと推移しており、原油74,54ドル(+0.60)金632.50ドル(+10.60)白金1242ドル(+7.8)と石油関連や貴金属は確りとなっております。LME非鉄も全般に確りとなっております。

一方の農産物はコーンは小確りにも関わらず、大豆は続落しており、中西部の降雨が売り物を誘ったようです。天候相場はコーンの終わりを告げており、大豆は今後開花期から着さや期を迎えて重要な時期となります。在庫率の低水準からコーンは弱気し難いのですが、天候プレミアムが減少方向ではないでしょうか。

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円高のシグナルは?

東京外為市場の引ける間際である、夕方5時前から116円を割り込んでおります。米利上げ観測が後退していることが背景にあるようですが、今夜は経済指標が目白押しとなり、ドル安が止められる可能性もあり、要注意となります。予定されている指標は、6月の耐久財受注(事前予想、前月比2.0%)失業保険申請件数(同31.4万件)6月新築住宅販売件数(同118万件)となっております。サプライズがあるのか注目ですが、最大のイベントは来月4日の雇用統計となります。

金は続伸しており、今週の高値で引けており、600ドルと2,300円が押し目底であることを、暗示しているものと思われます。ドル安傾向からドル建て金価格が上昇し、大衆の買い人気がやや戻りつつあるようです。大衆が買うポジションを増やしていかなければ、上昇パターンに入り難いことがあり、健全な人気復活に期待したいところです。

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前場雑感

貴金属などは下げ止まり感が出つつあるようで、金の600ドル・白金の1,200ドルを今週は固めつつあるようです。今まで動き過ぎた貴金属ですが、動き過ぎたものに身体が慣れてしまい、この程度の動きでは物足りないと思われる方も多いようですが、逆に言うと今までが動き過ぎであり、この程度が普通の状態ともいえるのではないでしょうか。

イスラエルの問題は中東情勢を複雑化し、市場のセンチメントを萎縮させている面もあり、証券を含めた投資資金に気迷い感を与えております。金利の高いドルを買ったり、米国債への資金逃避もあるようです。しかし、通貨や国債というものは米国を信認してのものであり、双子の赤字の問題を含めて、米国の持つ潜在的なものは基本的に変化はなく、その意味で世界的通用する金の価値観は変わらないものと思われるために、見直しの買いブームの再来する時期は必ず訪れるものと考えております。

ゴムはなかなか下げ止まる気配が見られず、新甫1月限へのファンドポジション乗り換えへの、期待感があるものの今のところは動く気配は見られないようです。買いポジションを大量に抱えているのはファンド勢であり、一連の上げ相場で一番おいしい思いをしたのも彼らですが、今後は利膨れした懐を狙われている立場へと、変わったものと思われます。

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相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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