本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

予想外のドル高が下げ要因

おはようございます。

昨日は午後体調不良から、トイレで一時間ほど座り込んでしまい、戻ったら相場も切り返しており、安心と疲労感から夕方のアップもせずに、そそくさと家路につかせていただきました。体調不良には早寝が一番と、家人と言葉も交わすこと少なく寝床につきました。

私どものオフィスは情報端末が多く、機械の熱で暑いところは熱帯雨林気候となり、情報端末の少ないところは、ツンドラ気候と変化に富んでおり、熱帯雨林の部署の人間が冷房のスイッチを入れると、すかさずツンドラ気候の人間がオフして、オンとオフの戦争となり、時には口論にまで発展することもあるのです。まったく困ったものです。

今朝は五時起床で体調も復調し、その上久しぶりに天気は上々で、気分良くPCの前に向かい海外市場を覗くと、またまた一瞬具合が悪くなるところを、なんとかこらえて会社にたどり着いた次第です。

前置き、嫌、能書きが多くなりましたが、金はひと言でいえば、ドル高を嫌気した手仕舞い売りが殺到したの一語に尽きるのでは、このところ私自身もドル安と声高に言っておりましたし、今後も事実その流れに変化はないのでしょうが、一時的にコレクションが入ったのでしょね。

昨日の福井日銀総裁の定例の記者会見で、ゼロ金利解除時期の明言を避けたために、日米の金利差縮小が遠のいたことから、ドルが買い戻されたものと思えます。日米の金融首脳の悩めるところであり、状況が許せば本来は金利引上げの具体的時期が明示されたたものと考えれます。景気や政治的配慮が必要とはいえども、期を逃さないように願いたいものですね。

週明けの東京金は90円前後の急落換算ですが、制限幅は60円ですから一日張り付きが予想されます。NY金はCFTC発表の5月16日現在のファンドポジションは、11万9222枚(前週比1万0115枚の減少)となっています。NY金の取り組みも今月上旬の36万枚余りから、33万枚余りまで約10%の取り組みが減少しており、ファンドポジションも更に減少しているものと思われます。

ファンド玉縮小の正体はヘッジファンド主体と思われ、年金や指数系のファンドはあまり降りていないものと推測されます。昨年夏以降は10万枚の買い越しを下限としており、今後減少しても1万枚前後と推測されます。目先筋が降りてくれて、価格が修正にむかっていりわけですが、買い遅れた筋や、鉱山会社の買い、或いはETFと650ドル前後価格帯が、魅力的に映れば参入してくるものと思われます。

基本的なファンダメンタルには、なんら変化はありませんし、見直しの買いが入るにも多くの時間を要するとは思えません。今回のドル高は一時的現象であり、ドルが更に上昇する余地は乏しいものと思われます。資金配分に気を配りながら、大勢の流れを見誤らないで頂きたいものです。円建ては2400割れが下値の目処として、考えてはいかがでしょうか。

週末の整理商い中心で静か

全体に今日入電の換算値の範囲での動きであり、朝方は貴金属中心に投げ物が入り、少し突っ込む場面も見受けられましたが、その後は落ち着きを取り戻しており、昨日の波乱がうそのような静かな前場の状況となっております。石油製品も採算どおり寄り付き、波乱もなく小浮動している程度の動きです。

農産物は上値の重い動きとなっておりますが、特に粗糖の下げが大きなものになっております。昨日の1000円幅の制限安から、今日は1500円幅の制限安となっており、最大手の買い方がまとまった売りを出し、換算値よりも大幅に売られております。2000枚の投げのうち約半分が消化されたものと思われ、今日後場から吸収できれば、投げ一巡から底入れの可能性が出てきます。

気になるのは粗糖の大手買い方が、コーンが中心銘柄であり7000枚に及ぶ買い玉の行方が注目されるところです。粗糖は見切りを付けたとしても、単なる相場感からによるものであれば、コーンに手仕舞いは出ないのですが、万一資金ショートからであればコーンも要注意となります。

インフレ抑制か景気配慮か

おはようございます。

海外相場は本日も為替に翻弄された、一日となり取引を終えています。バーナンキ議長は18日、シカゴで公演した後の質疑応答で、住宅市場の減速に配慮した発言をしています。これは景気に配慮した発言となっておりますが、消費者物価指数の上昇から、連銀の他の理事からは、再利上げを匂わせる発言をしており、これはインフレ抑制ともとれます。

6月末の次回FOMCでの利上げか打ち止めかを巡り、今後も景気指標の良し悪しで一喜一憂の金利動向ですが、プラス政治的配慮を考えれば、秋の中間選挙を睨みブッシュ政権の後押しも必要であり、議長の本音は打ち止めしたいと言うところではないでしょうか。

スノー財務長官は昨日中国の為替政策を、改めて非難しており、米財界の強硬論(中国製品に関税20%超)にたいして答えております。金利動向を二の次としても、いずれにしても米政府サイドはドル安容認姿勢に変化ないものと思われますから、ドル安は商品にとってプラス要因ですから、来週にかけてはドル安の再来ありと考えております。

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ゴム・白金は青天井

工業品銘柄が後場より売り物殺到する中、さすがに白金やゴムも下に大きく振るわれましたが、引けて見れば下髭陽線となり、前日比でも大幅高で一日の取引を終えています。金はストップ安は外れても、小戻しを入れた程度であり、今日の時点では底入れ確認とはいかないようです。

しかしながら制限安が外れた1時半過ぎのスポット、678ドルでは東京の制限安は10前後の下げすぎであり、すかさず大手町の商社から成り行き2500枚の買い注文が入り、一気に制限安が解除されました。一昨日のハナ枚数と比較すれば、本日の売り残は僅かに3000枚弱であり、ものの見事に売り物をさらわれた感じでした。ただし、新規の買いではなくショートカバーであったようです。

私が常日ごろ情報交換をしている方の意見は、白金7000円と豪語しております。最も白金がそうであれば、当然金に見直し買いが入ることも真理ではないでしょうか。なぜならば白金あっての金ではなく、金あっての白金なのですから。ゴムにしても他銘柄につられて一時的に、大幅に下げましたが引けてみれば、これこのとおりの状況です。たかがコレクションに惑わされずに、大勢を見つめていきたいものです。

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円安を材料に売り物先行

ドル安を背景に弱含んででいる、海外市場を嫌気して、国内は金・銀・アルミ・石油と農産物もズルズル下落しております。東京時間に入り円が持ち直しているにも関わらず、夜間が続落気味を嫌気して、目先筋の売り物が入っている感じの相場となっています。

大勢の流れに変化はないと思われるものの、今日の円安は買い方を嫌気させるには、充分の材料といえるかも知れません。欧州の金融首脳のユーロ高懸念発言に続き、米消費者物価指数の上昇を受けて、ポジション調整が入ったものと思われます。海外では109円も一時的に割れたわけですから、ドルの買戻しの入るタイミングと重なったものと思われます。

後場は金が続落すれば、全体に足を引っ張られそうですが、ムードでの安値売り込みは控えたほうがよいのではと考えます。それにしても白金・ゴムの強さは想像以上のもので、後場も堅調を維持できれば、他銘柄にも影響を及ぼすものと思えます。

消費者物価指数上昇から利上げ継続観測

おはようございます。

米消費者物価指数は前月比で0.6%上昇し前年同月比では3.5%の上昇となっております。エネルギー・食品を除くコア指数も0.3%上昇し、前年同月比で2.3%の上昇です。コア指数でFRBが安定圏とみている、1〜2%の上限を超えており、利上げが蒸し返されてのドル高となっております。

昨夜のロンドン・ニューヨークで一時108円台のドル安の流れを、消費者物価指数の上昇で止められて、原油や貴金属・非鉄は高値から大きく下に離れて引けております。採算面では円安やサポートしており、さほどの下げにはなり難いものの、上値の重い一日となる可能性が大きいのでしょうね。

対して為替に大きく影響されない穀物関連(海外市場)は、今日は円安を受けて大きく浮上するものと思われます。目先為替の影響が大きく、日中の海外夜間及びスポットも注目となります。

日銀総裁の憂鬱

日銀はゼロ金利を解除して久しく、金利引上げ準備完了状態ではありますが、福井日銀総裁の悩みは深まるばかりです。その最大の悩みは、米国の利上げが終局に向かう状況の中で、日本の金利が上昇に向かえば、当然円が買われることにあります。

現在の為替を取り巻く環境は、ご承知のとおりドル安基調であり、むしろ米国はそれを望み、更に容認している状況とも言われております。最近の円高基調は相当に早いペースであり、政府も円高を懸念する状況にさしかかろうとしております。そのような状況下で尚、米国よりドル売り介入の見送り要求ともとれる、プレッシャーを政府が受けており、日銀が利上げをするには、米国のみならず日本政府をも敵に回すことになります。

準備は整いながら、利上げに踏み蹴れないもどかしさに、総裁は苦悩の日々を送っているものと思われ、こぶしの降ろし所に苦慮しているところでしょう。そんな日銀にとって逆風の中を、あざ笑うかのように円高が連日徐々に進み、現在109円10銭台となっています。

メタルのスポット価格は金712ドル・銀13.98ドル・白金1330ドルと大幅に上昇しており、原油も51セント高となっております。109円割れの予感ですが、そうなればドル建て相場の一段高は、避けては通れない状況となっております。

日経平均反発は住友鉱山が牽引

株式は7営業日ぶりに反発しており、16000円どころを死守して引けております。後場から住友鉱山が買われれて、1602円(前日比72円高)で引けており、出来高も大商いとなっております。株の下げ基調に歯止めをかけるような、牽引役となっております。

金スポットも後場からは700ドル大台に返り咲き、大台維持しての引けとなっております。それにしても今日の金は大荒れで、寄り付きと引け値では殆んど変わらないのですが、道中上下に約30円幅動き、久しぶりにディーラー連中の大活躍と場となっておりました。出来高も今年2番目の大商いで、20万枚に迫るものでした。

本日の日経朝刊にも、田中貴金属では安値での現物買いが、相当量入った模様との記事がありました。但し昨日先物は60円の制限安に対して、田中の店頭では前日比118円安と状況は相当に違っております。いずれにしても、金の注目度・関心度は相場同様に右肩上がりのようですね。

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アラビカ納会事情

本日はアラビカコーヒー5月限納会であり、16480円(前日比910円安)で一代の取引を終えております。最近になり地場大手が現受けの可能性が取りざたされ、一時は売り端を予想する声も上がりましたが、買い方は寄り付きに売り抜けており、最終的には商社勢の親引けとなり、平穏な納会となりました。

今後7月限・9月限に残された買い方の玉に対して、商社勢は荷物を準備したことになり、買い方が撤退するならば、期近限月の鞘滑りは決定的となり、上値の重い展開が当分の間続くことが予想されます。

工業品銘柄中心に底入れして売り難い水準であれば、工業品のヘッジ対象となりますし、単独での売りは期近・期中限月が狙いとなります。またアラビカでの鞘取りは期近・期中売り期先限月の買い狙いでしょう。

ドル安進行から底入れか

円相場は現在109円40銭台となり、ドル安円高が進んでおります。原油や貴金属の夜間取引は、ドル安背景に大幅なプラス状況となっております。目先は為替を照準にしてに、上下動となっております。

最近の傾向は通常の相場であれば、一度押しを入れれば調整には、それなりの日柄が必要となるのですが、日柄調整を時間調整を置き換えても良いくらいの、スピードですかさず切り返しをやるのは、正直驚くべきことであり、やはり、ジム・ロジャースの言葉「商品の時代」が頭をよぎってきます。

アラビカコーヒーは若干の買い端納会となり、予定通りの安納会となりました。思惑筋の受けは回避された模様で、商社勢が親引けし2番限につなぎ直した模様です。海外コーヒーは別にしても、東京アラビカの期近限月は今後、荷物の圧迫を受けることになり、極めて悪いとしか言いようがありません。
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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