本日のトピック(最前線情報)

岡地(株)東京支店投資相談部の川原忠夫が相場の分析を致します。商品業界に身を置くこと四半世紀、相場界の酸いも甘いも噛み分けた豊富な経験を生かし、ファンダメンタルを重要視しながら、的確且つ最新の情報を発信してまいります。尚、情報に関しては正確を期するように最善を尽くしておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。利用にあたっては自己の責任の下で行うと共に売買の判断はお客様ご自身で行なってください。

全面高も小幅な上昇に留まる

 新聞やテレビは日銀の金融緩和解除で大半が割かれており、内外の反響もつたわり世界中に衆知された訳ですから、「知ったら終い」という状況であろうか。

 材料出尽くし感のショートカバーから、リバウンドの戻りを見せている。その戻りも限定的なものとなり、底入れ完了というわけには行かないようだ。今週最後のイベントである米国の雇用統計発表を控えており、この内容を見極めてみたい。

 日銀の金融緩和解除から、外資のファンド資金の一部が東京市場から流出していることも事実であり、業界関係者からもこれを心配する声も上がっている。相場の状況が落ち着いてくることも考えられ、個々の銘柄のファンダメンタルにおいての動きは逆に歓迎するものであり、全面安・全面高の繰り返しの消耗戦はそろそろ幕を引くのだろうか。

 

金融緩和解除は織り込んでいた?

 前場全面安・後場全面高と大荒れの一日となりました。今朝の急落入電と日銀の緩和解除が立会い中に発表され、円高傾向に拍車をかければという二つの要因は、買い方を狼狽売りに走らせるには十分な条件だったようで、殆どの銘柄が換算値よりも大きく下げる場面が見られました。

 前場の株式市場は見切り発車的な買い物が大型株中心に入り、平均株価は340円高で引けており、株式市場の反応を後場からは商品市場が追いかける展開となり、為替も一時118円台に入ったことが相場を後押しして、前場の下げを取り返し前日比プラスの銘柄も続出しております。

 殆どの銘柄が陽線引けとなっており、チャートもいくつかの銘柄は改善されてきており、出来高から推測すれば前場の安値で、狼狽売りがかなり入ったことが伺える。引け味のいい銘柄も多く、大勢トレンドが上向きと判断している筆者にとっても、ホッと一息入れられそうである。いかしながら、明日の米国の雇用統計も控えており、まだ予断は許されない状況に変化なく、イベントラッシュの今週を終えて、来週あたりから新たなトレンド作りに入るものと判断しております。
 

連日の全面安市況

 本日の入電はマスコミ流の一般受けする論調からすると「インフレ懸念後退から商品市場全面安!」となるのだろうか。インフレ懸念後退というよりは、主要国の利上げムードが一時的に市場に水を差すというのが本当のところではないでしょうか。

 理由はともあれ全面安状況は現実問題である。本日の日銀政策委員会の状況ですが、小泉首相を始め政府サイドの金利解除牽制発言から、日銀の姿勢が弱腰になっているとの指摘もありますが、独立性を公認された中央銀行ですから、金融緩和解除に動けば午後から円高に振れる可能性があるので要注意でしょう。

 目先チャートの悪化した銘柄が続出し、極めて悲観的な一日となるでしょう。目先のブレには対応せざるを得ない動きが想定され、必要以上に下げる場面もあるとは思いますが、ここは採算を重要視して冷静な対応が望まれます。

アラビカ・ゴムはチャートに暗雲

 昨日に引き続きほぼ全面安症状となっている。円相場が落ち着きを取り戻しつつある状況で、潜在的な金利引上げは海外市場に留まらず、国内市場にも影を落とし買い気が削がれる状況となっている。

 どの商品もチャートはあまり健全ではないが、上昇トレンドの中での調整局面と取れえられるものとして、貴金属や石油製品があると思える。反対に悪いものから並べていくと、先ずはアラビカコーヒーで、下値抵抗の21.000円を本日下に抜けており、20.000円割れが視野に入りつつある。主産地ブラジルでは旱魃懸念が、恵みの雨で解消に向かいつつある。ゴムもダブルトップ型の形で239.7円を下抜けると更に悪い、そこで踏みとどまれるのかどうか正念場を迎えている。当先のサヤが10円以内に縮小されないと、本格的な底入れ感が出てこない。コーンも18.510円を抜けると更に1.000円幅の修正に入る可能性を残している。順サヤ幅をみればサヤ修正だけでも、その可能性を否定できない。

 大勢のトレンドは上昇指向に変化はないものの、利上げは株式・商品ともに嫌気要因であり、市場センチメントが弱くなることは否定できないものであり、今週は週末の雇用統計の発表も控えており、今しばらくは買い方にとって憂鬱な日々が続くのだろうか。

本日もドル高での弱含み症状

 ETF(銀投資信託)期待感の銀を除いて本日入電も全般に弱い。最近のドル高でも強い市況は影を潜めて昔取った杵ではないが、本日もドル高を嫌気して全般的に弱含みの入電。今週は昨日記したようにイベントが多く、市場が金利動向(日本・アメリカ)に神経質になっているようです。

 日銀の政策委員会は、大体において市場に織り込んできているものと思われるが、週末発表の米国の雇用統計に注目が移っており、内容によっては28日のFOMCでの再利上げの可能性も含めて、金利格差から一段のドル高を見込むアナリストも増えており、金利高を敬遠する動きが、市場のセンチメントを弱気にさせている。イランを含めた中東情勢も小康状態を保っており、新たな要因の出現待ちという状況であろうか。

 

イベント目白押し

 今週はIAEA定例理事会(イラン問題)・OPEC総会・日銀金融政策委員会・週末は米国雇用統計と、商品市場や株式或いは為替市場にとっても、大変重要な指標が盛り沢山です。

 一見するとそれぞれは直接的には無関係のようですが、金融の世界ではむしろ密接な関係にあるようです。イランの問題は石油価格と密接な関係があり、OPECの意思は先進諸国の金融に大きな影響を及ぼします。

 金融のボーダレス化は我々が考えているよりも、はるかにハイスピードで進化しており、一時日本で言われたように「アメリカがクシャミをすれば日本は風邪を引く」というのは、全世界ベースで拡大ししかも迅速になっているように思われます。

 我々商品の世界で生きるもの(勿論お客様を含めて)にとっても無縁のことではなく、膨大な金融という世界の多数の歯車のそのまた一部品になっているんだなということが実感させられます。その中で波乱要因に闇雲に向かうのではなく、自分なりのポリシーをもって相場界で戦うことに対して意を新たにするものです。

春一番はどこで?

 昨日関東では「春一番」が吹き荒れて、いよいよ冬ともお別れの時期到来です。ただ東京ではそんなに大きな風が吹いている実感がなかったので、テレビのニュースを見て知った次第で、お恥ずかしい限りです。
 
 相場界の「春一番」はどうもNYに吹いたようで、小泉発言から日本の金融緩和が遠のき円が売られて、ドルが買われたためにドル高を嫌気した売りものが、広範囲に広まり全面安の展開です。昨日指摘したシカゴIMMのポジションも、円のショートカバーが一巡していたために、円安ドル高がスムースに進行したものと思われます。

 この現象自体トレンドの転換を意味するものかというと、否、あくまでも調整局面であり突っ込み買いのスタンスを維持と判断しております。

 

本日多忙につき

 夕方の更新を見送らせていただきました。
 
明日のラジオNIKKEIマーケット特報(12時15分から12時30分)の出演準備に追われて、残念ながら時間を避けなくなりました。明日時間のある方はお聞きいただければ、ありがたく思います。悪しからず。

シカゴ(IMM)の円ショートが変化

CFTC発表の週末シカゴのIMM円先物ポジションは、2月28日現在では円ショートは前週末比48.363枚減の、22.821枚となり一気に1/3にまで縮小しております。今回の円ショートポジションピークは2月21日の71.184枚がピークであり、わずか一週間で5万枚に近い大量の買戻しが入ったことを伺い知ることができる。

 勿論その背景は日銀の金融緩和解除観測にあることは言うまでもないことですが、シカゴ金融先物における円のポジションは、過去3年間を通して円ショートが常態化しており、膨らんだ場合5〜7万枚、反対に縮小した場合1〜2.5万枚となっている。現在の2万枚強のショートは下限に近いものと思われ、IMMの取り組みからの判断をすれば、円高のピークが終焉を迎えつつあることを意味しているのではないでしょうか。

海外は堅調に一週間を終える

 貴金属・石油・穀物・ソフト商品と米国商品市場は堅調に引けております。CRB指数も330ポイントを上抜けて引けており、ダブル底形成に成功しております。一部のファンド筋撤退の危惧も消化し、3月に入り新たなアンド資金の流入も見られるようです。今週のECBの利上げによって、ドルが売られたことも貢献してるものと思われます。国内市場は円高傾向から海外より慎重な値運びですが、金緩和解除の材料も徐々に織り込みながら、下値を脱出していく状況も近いのではないでしょうか。

 週末なのでCFTCの2月28日現在の建て玉明細が発表されておりますので、ファンドポジションを紹介しておきます。

 原油         2万5.651枚の売り越し(前週末4.477枚の減)
 ガソリン       1万3720枚の買い越し(7.898枚の減)
 ヒーティングオイル  782枚の売り越し(849枚の買い越しから度転売り)
 プラチナ       3.133枚の買い越し(4枚増)
 パラジウム      6.521枚の買い越し(136枚増)
 金          12万7370枚の買い越し(8.722枚の増)
 銀          4万4.622枚の買い越し(7.225枚の減)
 コーヒー       8.819枚の買い越し(2.294枚の減)
 砂糖         10万1.416枚の買い越し(5.654枚の減)
 コーン        173.029枚の買い越し(1万7.851枚の増)
 大豆         3.816枚の売り越し(1万4.521枚の買い越しから度転)

 
相場に対する考え方
相場の世界は人間社会の縮図であり、より大きな視野に立つことが成功の秘訣です。ファンダメンタルを最も重要視し、商社や地場情報を取り入れながら、既存の見方にとらわれない独自の観点から、相場動向を分かりやすく解説し分析してまいります。
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